「日本相撲協会」をエキスパートチェック
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まず五月技量審査場所に9連勝で有名になった力士について詳しく知りたいと思うので、グローバルナビの「大相撲名鑑」をクリックしてみた。それが下の図2だ。
「大相撲名鑑」では、調べるための方法は複数提供されているが、ドメインがいつの間にか変わっており、「goo」のコンテンツになっている。新しいウィンドウが立ち上がるわけでもないので、あまり気がつくことはなさそうだ。
さて、9連勝したのは確かブラジル出身の力士だったと思うが、名前がすぐ出てこなかったので、上から3つ目の「出身地別紹介」のリンク(上の図2の赤枠で囲んだ部分)をクリックしてみる。下の図3が表示されたページだ。
都道府県と国別になっているので、「ブラジル」をクリックして、図4に飛ぶ。
番付(西前頭十六枚目)からリンクが張られているのだが(上の図4の赤枠で囲んだ部分)、このリンク先にどういうコンテンツがあるのか、直感的に想像できない。試しにクリックして進んでみると、前頭十枚目以下の全力士の先場所の星取表が掲載されていた。大相撲のファンにとっては意味があるのかもしれないが、「最近相撲のファンになった人」という想定ユーザーにとっては、よく意味がわからないコンテンツである。また、星取表のページでは、幕下力士の場合は四股名にリンクがなく、どういう力士なのかをここから見ることができないのは非常に残念だ。
個々の力士のコンテンツはどれぐらい充実しているか?
さて、テキストリンクが張ってあるお目当ての「魁聖」(かいせい)をクリックしてみる。下の図5がそのリンク先のページだ。
「過去6場所の決まり手ランキング」や「過去6場所の番付推移」など、興味深いデータが掲載されているが、スポーツファン向けのサイトなので、できれば自己紹介ビデオや、過去の対戦動画などがあるともっと良いのではないだろうか。ここはgooのコンテンツという位置付けなので、「ニュース記事を検索する」「画像を検索する」「動画を検索する」などの検索があり、例えば動画は検索結果のリンクが「YouTube」に張られていたりするのだが、コンテンツ管理という視点から考えれば、日本相撲協会自身がきちんとデータベース化して提供するのが望ましいのではないだろうか。
今回のシナリオからは外れるが、例えばすでに引退した昔の力士を調べる場合は、グローバルナビの「記録台帳」から探すことになる。この「記録台帳」のページには優勝力士、三賞力士、名横綱など記録を持った力士しか掲載されていないので、それ以外の力士のことを知りたいと思って、昔のファンが調べようとしても困難なようだ。せめて十両以上の力士の情報は全員掲載するのがよいのではないだろうか。相撲関連のデータが充実しているサイトの1つに、「相撲レファレンス」というサイトがある。個人ファンの運営しているサイトのようだが、公式サイトである「日本相撲協会」に掲載されているデータが、それら非公式サイトよりも少ないというのは、なんだか寂しい気がする。
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この記事の筆者
衣袋 宏美(いぶくろ ひろみ)
1960年東京都生まれ。東京大学教養学部教養学科卒業。大手電気メーカー勤務後、日経BP社へ。調査部、インターネット視聴率センター長などを経て、2000年ネットレイティングスへ。視聴率サービスやアクセス解析サービスの立ち上げに尽力。2006年株式会社クロス・フュージョンを設立し代表取締役に。2023年活動停止。
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