有名サイト、かってに解析!

前回+今回のまとめ&アクセス解析の視点からどこに着目するか?

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前回+今回のまとめ&アクセス解析の視点からどこに着目するか?

それでは最後に、データ解析的にはどういうところに着目して数字を見たらよいかについて述べる。前回のシャープの住宅用太陽光発電システムのサイトと共に考えていきたい。

  1. トップページの見られ方

    特に京セラのサイトは縦長だったわけだが、どのくらい下までスクロールされているのかというユーザー行動を見ておきたい。そして配置関係が適切かどうかを見るためには、どの場所のリンクがどれだけクリックされているのかというデータを見ておきたい

  2. 人気ページ

    人によって見る順番はさまざまだと思うので、全体でどのページが閲覧されているのかをやはり見ておきたい。おそらくそのデータから、トップページに表示するコンテンツのリンク配置などの参考にしたい。

  3. 見積もり、相談申し込み

    サイト運営側の一番の目的は、関心のある方に行動を起こしてもらうことだ。シャープのサイトであれば、フリーダイヤルによる電話予約や「対面ご相談窓口」の予約申込み完了などが一番顧客になりそうな層である。カタログダウンロードや資料請求をしたユーザーも関心の高い層であると想像できる。また具体的な行動を起こさなくても販売窓口のページを見る人も潜在顧客と考えてよいだろう。

    京セラのサイトであれば、「お問合せ」「簡単お見積り」「展示場で実物を見る」という3つのボタンからの行動が該当するだろう。京セラのサイトでは、まずは「実物を見てもらう」→「資料請求・お問合わせ」→「簡単お見積り」という誘導を意識的にしているように感じる。トップページではメインビジュアルにある唯一の行動を促すボタンが「実物を見たい」であるし、さらに「全国の販売窓口」のページの一番下を見ても、まずは実物を見てもらい、資料請求してもらい、最終的には見積もりしてもらうという流れを提示しているからだ(図9)。そこで、本当にその通りの流れになっているのかといったところも注目してみたい。おそらくここは、展示場に来てくれた人の購入率が高いというデータが出ているため、意識的に誘導しているのではないかと推察している。

    図9:「全国の販売窓口」のページの下方にあるボタン群
    図9:「全国の販売窓口」のページの下方にあるボタン群

    これらの行動を起こしたりページを閲覧したりした人の絶対数と、全体訪問回数に対する割合(いわゆるコンバージョン率)を把握しておきたい。さらにコンバージョンした人が見たコンテンツを把握しておきたい。

  4. 集客別の分析

    検索連動型広告を行っているのか、キャンペーンを行っているのかはわからないが、積極的な集客施策をやっているのであれば、当然ながら集客別のコンバージョン率などの分析をして、集客効率のよいキーワードやキャンペーンの掲載媒体や内容を明らかにするといったことも大事な分析軸となる。

◇◇◇

今回の家庭用太陽光発電サイトの比較はいかがだっただろうか? 競合する商品を扱うサイト同士というのは、お互い相手のサイトはこまめにチェックしているためか、サイトの構成や訴求ポイントも自然と似てくることが多い。その結果、実際のユーザーの視点がすっぽり抜け落ちている場合も少なくない。競合サイトを漫然と比較するだけでは、そうした箇所に気づけないこともある。そうした事態を避けるためには、単一のサイトを見る場合でも、競合サイトを比較する場合でも、まずはあらかじめ、想定ユーザーの閲覧目的を考えておく、というのが、かってに解析で成果を得るためには重要ではないかと思っている。

さてこの連載では、

  • Webサイトのオーナーか管理者の方からの「かってに解析」してほしいリクエスト
  • 「かってに解析」されたサイト運営者・管理者の方からの異論や反論

などを随時募集している。希望者は、(web-tan@impressrd.jp)までお寄せいただきたい。

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