企業ホームページ運営の心得

サイト引越の現場ノウハウ。サボって残して実利を得る

現場で使う邪道流のWebサイトの引越術を紹介
Web 2.0時代のド素人Web担当者におくる 企業ホームページ運営の心得

コンテンツは現場にあふれている。会議室で話し合うより職人を呼べ。営業マンと話をさせろ。Web 2.0だ、CGMだ、Ajaxだと騒いでいるのは「インターネット業界」だけ。中小企業の「商売用」ホームページにはそれ以前にもっともっと大切なものがある。企業ホームページの最初の一歩がわからずにボタンを掛け違えているWeb担当者に心得を授ける実践現場主義コラム。

宮脇 睦(有限会社アズモード)

心得其の百弐十八

事務所移転しました

6月末に事務所を移転しました。引越は業者=プロにお任せです。社内スタッフはみな非力で、友人や知人を頼ればお礼という名前の「日当」を支払わなければなりません。10代、20代前半ならば友情はプライスレスでしょうが、「アラフォー」ともなれば見栄や体裁を金額で表さなければなりません。また引越は搬出、搬入だけではなく、荷物の「積み込み」「積み卸し」が肝心で、大人数がいてもこれが下手だと作業は遅々として進みません。たとえば、積荷は形の揃った段ボールから積み込むべきか、大きな家具からなのかは、搬入時の下ろしやすさも考慮しなければならず「経験」がものをいうのです。そしてこれはサイトの引越にも通じます。

中小企業がサイトを引越するのは「社名変更」か「独自ドメイン取得」ぐらいでしょうか。どちらにせよ年中行事ではなく非効率な引越を見かけます。そこで今回は「本社移転記念 邪道流サイト引越術」を紹介します。

旧サイトをどうするか

基本的に引越は「リニューアル」と同じですが、大きく異なるのが旧サーバーの存在とドメインが変わることです。まず旧サーバー(引越元)のコンテンツは全部残しておきます。リアルの引越では荷物をすべて運び出さなければなりませんが、仮想空間の「家賃」はレンタルサーバーやドメイン管理料とわずかですから、片付けることなく「放置」して結構です。それは2つの理由によります。

多くの場合、引越に合わせて「リニューアル」をします。引越の天敵は「アルバム」などの想い出グッズで、ついページをめくりタイムトラベルにでかけてしまい、旅から帰ると何ひとつ片付いていないという惨事を招きます。コンテンツは「アルバム」と同じ作用があります。制作した時の環境や状況を懐かしみ、反省し、野望が再燃し決意を新たにします。そして物理的時間を喪失します。これが1つ目の理由です

「全部」の意味

タイムトラベルを避ける簡単な方法がこれです。

「コンテンツを精査しない」

しかし、全部持っていってはリニューアルになりません。そこで引越先のサイトへは、絶対に必要だと「思いつく」コンテンツだけを移転します。機械的にアクセス数上位のページだけ選別して移転させるのもありです。1つひとつ精査していくと時間がいくらあっても足りません。そしてこれは「リニューアル慣れ」しているプロの立場からの呟きです。

「忘れているコンテンツはこれからも使わない」

確率の問題ですが無視してOKです。そして無視はしますが全部残します。矛盾しているようですが、旧サイトを「コンテンツ備忘録」とすることで削除した途端に必要になる「リスク」をヘッジします。これが2つ目の理由です。マーフィーの法則対策といってもいいでしょう。

邪道のリダイレクト入門

移転先が決まった時点で、移転の案内とともに新しいドメインへのリンクを用意します。

「○月□日から×××に移転します。ブックマークの変更をお願いします」

という告知です。しかしこれで変更する人はまれです。そこでメタタグの「http-equiv(="refresh")」で強制的にリダイレクト(ジャンプ)させます。ただしこれには問題が3点あります。

1つ目の問題は、アクセシビリティで訪問者の意思を無視してジャンプさせることが望まれないという考えです。しかしこんな場面を想像してください。旧店舗に来客があると「どうぞどうぞ」と手を引き新店舗まで連れて行く店と「移転のお知らせ」という貼り紙があるだけの店。どちらを客は喜ぶでしょうか。もちろん「好み」という個人差はありますが、多くの客は手を引き、案内されることを望むのは「面倒」を嫌うからです。

グーグル様に嫌われないために

客は面倒を嫌います。新店舗の地図を見て探すことはもちろん、クリック1つでも嫌がります。また

「どんな馬鹿でもわかる」

と、目立つように配置したリンクを見逃す人がいるのは珍しいことではありません。そこで強制的に誘導します。

リダイレクトの設定によって検索エンジンがインデックスするページは異なる。参考「Yahoo!ガイドライン」「Googleガイドライン」「移転時にチェックしておきたいSEO要件とは

XHTML1.1ではhttp-equivの指定は非推奨となっています。これが2つ目の問題です。非推奨を超訳するなら「邪道」。故に「邪道流」。そして邪道らしく「スパム扱い」される可能性が3つ目の問題です。しかし、私の経験上スパム認定は一度もなく、検索エンジンに睨まれるのもイヤなので例示しませんが、この方法で旧アドレスのまま移転先がインデックスされているコンテンツもあります。無関係のサイトへ誘導することを「スパム」と認定するのであれば、その反対が摘発されないのは当然といえば当然です。

客の気持ちを考えれば

メンテナンスの容易さと「正しさ」からすれば「.htaccess(またはhttpd.conf)」というサーバーの設定ファイルで指定するほうがいいでしょう。しかし「.htaccess」が使えないサーバーや、理解する時間がなく、さし迫った「引越」の急場しのぎの方法として覚えておいて損はないでしょう。とかく「技術書(サイトも同じ)」は理解している人が書いているのでド素人にはハードルが高く、それより邪道の方がフレンドリーだったりするものです。リアル引越でも「本当はダメなんだけど」とお客さんの理解を得た上で行う「邪道流」は多くあります。私の経験上。

「プロ」という選択肢もリアルの引越に通じます。素人は数年に一回、または数十年に一回しか直面しない「タンスを廻す」場面は引越屋では日常です。これはギリギリ一杯の狭い通路や階段を通過させる技術で、その技を目の当たりにすると餅は餅屋の例えを実感します。「ホームページ屋」も同じです。毎日、コンテンツに触れサイトと戯れています。サイトの引越を「プロ」に依頼するのも一手です。自分たちでは想像もつかなかった「プロの技」に出会えることも。業者の腕次第という注釈つきで。これも引越屋と同じく。最後になりましたが、アリさんマークの皆さんありがとうございました。

♪今回のポイント

仮想空間の性質を考えれば「全部残し」はアリ。

邪道でも必要なら使う。

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