企業ホームページ運営の心得

フレームワークを磨くSSI。商売用だから求められる自己責任

フレームワークは商売用ホームページにも通じます。コンテンツの枠組みがそうです
Web 2.0時代のド素人Web担当者におくる 企業ホームページ運営の心得

コンテンツは現場にあふれている。会議室で話し合うより職人を呼べ。営業マンと話をさせろ。Web 2.0だ、CGMだ、Ajaxだと騒いでいるのは「インターネット業界」だけ。中小企業の「商売用」ホームページにはそれ以前にもっともっと大切なものがある。企業ホームページの最初の一歩がわからずにボタンを掛け違えているWeb担当者に心得を授ける実践現場主義コラム。

宮脇 睦(有限会社アズモード)

心得其の百弐十伍

マッキンゼーのフレームワーク

カリスマコンサルタントの勝間和代さんは著書『効率が10倍アップする新・知的生産術』で「フレームワーク(思考の枠組み)」の大切さを述べ、マッキンゼー時代に耳にしたベテランコンサルタントの話を紹介しています。

「マッキンゼーで、フレームワークのない会話なんて、主婦やサラリーマンのおしゃべりと同じよね」

これは商売用ホームページにも通じます。「会社概要」「営業案内」「商品」「お客様の声」といったコンテンツの「枠組み」がそれです。ところがこのフレームワークが曲者です。それは主婦やサラリーマンの他愛のない会話のように刻一刻と変化していくからです。

そこで「SSI」(詳しくは後述)を使うことをオススメしています。否が応でも変化に向き合うために。

スタンプカードと名刺

「社歴」や店舗紹介など経年変化によって、事業内容が当初の「設定」と異なってくれば柔軟にフレームワークの再設定が必要となります。取り扱う品目やサービスの変化により企業のコンセプトが変わることも珍しくないのです。

先日「スタンプカードを作りたい」と相談がありました。リアル店舗用にとのことで予算をこう答えます。

名刺ぐらい

部数、色数、紙質、片面か両面、2つ折りや塩ビ加工などの仕上げで異なるのですが、とりあえずならば裏面にスタンプを押す枠線を用意した名刺で十分です。用途で区分すれば両者は異なりますが、制作方法で比較すれば大差はありません。実は以前はまったく違う基準で見積もりしていたのですが、弊社の収益構造の変化から「印刷物」とひとくくりに、つまりマッキンゼー流に述べるなら「フレームワーク」を再設定しました。

カテゴリとメニューの違い

ブログの「カテゴリ」で「フレームワーク」と同等の機能が期待できると考えるかも知れません。フレームワークとは的確に情報を伝えるための情報整理で、これを意識してカテゴリを登録できていればその通りですが、エントリー(ブログの1ページ)に対して後付けするカテゴリでは自分のなかでの分類に過ぎずフレームワークと似て非なるものです。フレームワークとは「相手」に届けるもので、備忘録に付けられたポストイットではありません。

(ブログやCMSでない)HTMLでのコンテンツは作るたびにどこのメニューに属するのか、どのコンテンツと関連するのかと、自分で1から考えなければなりません。これが「フレームワーク」を鍛える練習になります。ちょっと不便なSSIをすすめる理由の1つです。ブログやCMSでは、あらかじめテンプレートで設定されていることもありますから。

フレーム構造がもてはやされた理由

HTML(XHTML)のホームページでフレームワークを再設定するとコンテンツの整理、統合、新設が必要で、すると「メニュー」の変更が発生し、コンテンツを追加するごとに全ページのリンクを修正しなければなりません。これが手間。柔軟なフレームワークの実現に立ちはだかる壁です。

「今どき……」と呟くなかれ。つい最近、受けた相談が執筆理由で、本コラムの表題にある通り「ド素人向け」に書き下ろしています。

メニューはメニュー、コンテンツはコンテンツと切り分けることでメンテナンスを容易にしたのが「フレーム構造(flameタグ)」です。「フレーム構造」なら柔軟なフレームワークにも対応できますがSEOに不向きとされています。その不利なくフレーム構造のような手軽さを利用できるのが「SSI」です。

SSIの利点と課題

技術解説は割愛しますがSSI(Server Side Include)を超訳すれば「サーバーでホームページを完成させる」といったところでしょうか。訪問者の要求に応えフレーム構造のようにメニューとコンテンツを「合体」させて表示させます(※筆者注:SSIには他の利用法もあります)。たとえば、指定したファイルの内容を読み込ませて、共通メニュー、ヘッダーやフッターに表示させるといったことができます。

SSIは古くからある方法で今でもよく使われていますが「ド素人」が手を出すことはまれです。その昔、SSIを許可しているサーバーが少なかったことが素人を遠ざけました。一般的なホームページを、すでに完成しているコンビニ弁当とすれば、SSIは注文に合わせて詰め合わせる弁当屋です。この詰め合わせの手間がサーバーの負担となります。さらにセキュリティ=弁当屋で例えれば、衛生面からもSSIは運営リスクが高くなり、敬遠するサーバー屋さんは多かったのです。さらに対応しているサーバー屋は「FAQ」などで当然ですが「自己責任」としており、加えて解説の少なさもSSIのハードルをあげました。

SSIは自己責任です。しかし、商売用に携わるWeb担当者なら「SSIぐらい」は理解しておくべきでしょう。

無知の罪。ホームページ編

ブログやCMSはHTMLなどの知識が不用、またはわずかで管理できるとされています。これは「テンプレート」に情報を流し込むだけでいわゆる「ホームページ」が公開できるからです。テンプレートを弁当箱、コンテンツが中身で、箱から作らなければならなかったHTMLに対して中身だけでよい手軽さが強調されてのことです。

ここでムーバブルタイプなどを自分で設置した「ブログ」と、ブログ設置代行業的な業者との契約を区別します。前者はともかく問題は後者です。代行業者が提供したテンプレートは契約終了後、業者への返還が義務づけられていることがあります。すると「今のホームページ」を希望する限り、業者を変えることはできません。さらに「ブログの中身」を移転させる「引っ越し」に非協力的な業者もあり、すると何年も書きためたブログが契約終了後消えてなくなる事もあります。これも最近受けた相談、つまりは実話です。

私がSSIを勧めるのはコンテンツと向き合うことでフレームワークを意識するようになること、そして基礎知識のレベルアップが期待できることです。さらに知識のないことを放置した「商売用Web担」の先に待っている落とし穴への警句でもあります。「フレームワーク」については来週さらに掘り下げます。

♪今回のポイント

フレームワークと向き合うならSSI。

Web担当者なら一度はHTMLで組んで(作って)みる。

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