ドメインの有効期限はいつ? 確認方法は? 更新しないで放置するとどうなるか
ドメイン名は一度登録したらずっと使えるというわけではありません。登録したドメイン名には有効期限が設定されていることが多く、この登録更新の手続きをうっかり忘れてしまったりすると、取り返しがつかなくなることがあります。
ドメイン名の登録有効期限
自分のドメイン名を新たに登録するとき、一番気になるのは欲しい文字列のドメイン名が登録できるかどうかということでしょう。
念願のドメイン名を登録できたらひと安心。あとは、ウェブやメールの設定を行って自分のサイトを作り上げていくわけですが、ドメイン名は一度登録したらずっと使えるというわけではないということを知っていますか?
ドメイン名には、「登録有効期限」というものが設定されています。「有効期限」という言葉が示すとおり、登録したドメイン名がこの日まで使えることを意味しており、Whoisで確認できます。たとえば、JPドメイン名なら「登録した日から1年後の月末まで」が登録有効期限となります。
この登録有効期限を更新する手続きが「登録更新」で、これにより登録有効期限が延長され、JPドメイン名ならさらに1年先に設定されます。この手続きを繰り返すことにより、自分のドメイン名を長期間にわたって使い続けられるのです。
よくあるトラブル例
通常は、この登録有効期限の前にドメイン名を登録したサービス事業者からドメイン名の登録更新を行うかどうかを確認する連絡が届きます。これにしたがって、料金を支払い、登録更新を行うわけですが、この登録更新手続きは意外とトラブルが多いのです。
次に、よく起こりがちがなトラブルの事例を3つ紹介します。
事例1
ドメイン名の登録は、多くの事業者がさまざまなサービスを提供しているため、ユーザーとしては自分の要望に合うところを探して登録することになります。最近では、特にJPドメイン名以外のドメイン名を海外の事業者で安く登録するということも多いようです。
ただ、この際に気を付けなければいけないのは、海外のサービスを利用すると、登録更新の案内などの連絡が英文メールで行われる可能性が高いということです。
皆さん、英語で書かれたメールが届くと、迷惑メールと思って中身を確認せずにゴミ箱行きにしていたりしませんか? また、迷惑メールフィルターが自動的にゴミ箱に入れてしまう可能性もあります。
そうなってしまうと、登録更新手続きを行わずに放置してしまうことになり、やがて有効期限が切れ、ドメイン名が使えなくなったときに初めて気付くというトラブルが見られます。
事例2
自分のドメイン名の有効期限を正確に把握していることはとても大切なことです。しかし、事業者から登録更新の案内が届いたときに「有効期限はまだちょっと先だから、もう少しあとで手続きをしよう」と放っておいたら、登録更新手続きができなくなっていたというトラブルもあります。
Whoisで確認できる登録有効期限日よりも前に、ユーザー向けの更新手続き期限日を設定しているサービス事業者は少なくありません。これは、ユーザーからの登録更新手続きに伴う料金支払いなどを確認するために、サービス事業者にある程度の時間的な余裕が必要なためです。
したがって、「そろそろ有効期限日だから更新手続きをしよう」と思ったら、「もう手続きは締め切りました」となっていることもあります。サービス事業者からの案内は、受け取ったときに内容を確認し、いつまでに手続きを行わなければならないかという点に特に注意しましょう。
事例3
JPドメイン名では、登録有効期限は1年ごとの延長なので毎年手続きを行うことになりますが、他のドメイン名では複数年まとめて更新するという手続きを用意しているところもあります。
この場合、いったん手続きをすると、そのあとは何年も登録更新を行う必要がなくなります。便利なようですが、逆に次にいつ登録更新手続きをしなければならないのかということを忘れがちです。登録更新という手続きの存在すら忘れてしまうかもしれません。
もちろん、サービス事業者からの更新案内は行われるはずですが、想定していないものにはきちんと対応できない可能性も高くなります。ときどきは、ドメイン名の登録有効期限がいつだったかということを思い出すようにしましょう。
手放したドメイン名は返ってこない
ところで、登録更新手続きを忘れてしまったり、失敗してしまったりするとどうなるのでしょうか?
ドメイン名は登録更新がされないと、一定期間後に開放(廃止)され、再度新規登録を受け付ける状態になります。したがって、登録更新できなかった場合には、しばらく使えない期間があるにしても、また新規登録すればいいと思うかもしれません。しかし、実際にはそれは非常に難しいのです。
一度登録されたドメイン名が廃止されると、多くの場合は登録可能になった瞬間に誰かが登録します。新規登録は早い者勝ちなので、元の登録者が登録できるとは限りません。それどころか、この開放される瞬間を狙っている、専門の事業者もいるほどです。このような廃止ドメイン名の再登録を「ドロップキャッチ」といいます。
なぜ、多くの人がドロップキャッチを狙うのでしょうか? それは、一度登録され利用されていたドメイン名は「価値がある」と見なされているからです。誰かが必要としていた名前ですし、ウェブサイトを立てればアクセスが来ることが期待できます。バナー広告などで収入を得られる可能性もあります。
ドメイン名に対するビジネス的価値が高まっている昨今では、いったん開放されたドメイン名の再登録は非常に難しいのです。
失ったドメイン名の回復
では、登録更新できなかったドメイン名はもうあきらめるしかないのでしょうか? そんなことはありません。手続きの行き違いやミスなどを救済する目的で、有効期限後に廃止されたドメイン名を登録状態に回復する手続きが用意されているドメイン名があります。JPドメイン名もその1つで、この手続きを「登録回復手続き」と呼んでいます。
ドメイン名の種類やサービス事業者によって、手続きの方法や料金、受け付けている期間などはさまざまですが、登録更新を行わなかったためにドメイン名が廃止されてしまったあとの数日から数週間、登録回復手続きを受け付けていることがあります。
もし、「ドメイン名が急に使えなくなった!」や「登録更新を忘れていた!」という状況になってしまったら、まずは速やかにドメイン名のサービスを受けている事業者に相談しましょう。
追加料金が発生するかもしれませんが、利用していたドメイン名が使えなくなるということによる影響のほうが甚大でしょう。元のドメイン名の再登録ができずに他のドメイン名を使わなければならなくなると、それをサイト利用者などに周知しなければなりませんし、元のドメイン名が第三者に登録/利用されることで、さまざまなトラブルに巻き込まれる可能性もあります。
ドメイン名は長く利用すればするほどその価値は大きくなります。大切なドメイン名、登録管理は、ユーザーの皆さん自身が意識するようにしてください。
※この記事は、レンタルサーバー完全ガイドの発行する雑誌『レンタルサーバー完全ガイドVol.9』(2007年5月31日発売)に掲載されたものを再編集して掲載しているものです。
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