成功するCMS導入の必須ノウハウ

Part 2 失敗しないCMS導入ワークフロー:ヒアリング、プランニング

[Sponsored]

失敗しないCMS導入ワークフロー
多数の導入経験で磨かれた手順と設計書
ページではなく“コンテンツ”を管理

前置きはこのくらいにして、CMS導入に関する流れを説明しよう。スリーイントでは、CMS導入において以下のようなワークフローを使用している。これはCMS導入が“システム構築”という面を持つ一方で、システム系とはまったく関係ない“コンテンツ管理という”面を持っている非常に厄介な仕事だからだ。順序だててきちんと進めなければ、成功し得ないプロジェクトだといえるだろう。

CMS導入の手順

Phase 1 ヒアリング
Phase 2 プランニング
Phase 3 基本設計
Phase 4 詳細設計
Phase 5 プロトタイプ構築
Phase 6 開発
Phase 7 テスト
Phase 8 効果測定

CMSが単にウェブサイトを管理するものだと考えているならば、このプロセスは必要ないのかもしれない。なぜならば、現状のウェブサイトを管理しているのはウェブマスターであり、ウェブサイトについてはほぼすべてを熟知しているからだ。システムを構築するベンダーとウェブマスターとの間で設計をして構築すればいいだろう。しかし、これによって何が構築されるのだろうか? サイトツリーで見やすくなる管理画面やリンク構造だろうか? 確かにうまく構築すればそこまでは管理できるだろう。しかしながら、本当の意味でコンテンツが管理できるシステムは構築できず、管理運用もうまくいかないはずだ。なぜならば、ウェブサイト上のコンテンツはウェブマスターが管理しているものではないからだ。

ウェブサイト上のコンテンツを管理しているのはそれぞれのパートを担当している人である。たとえば、プレスリリースであれば広報で、製品情報であれば製品開発部などだろう。ウェブマスターがメインで管理しているのは、“ウェブサイト上のページ”であり“コンテンツ”ではないのだ。本当の意味でコンテンツを管理するのであれば、コンテンツ管理そのものの検討が必要になるのだ。

では、ワークフローを順を追って説明していこう。

Phase 1 ヒアリング

CMS導入の手順

Phase 1 ヒアリング
Phase 2 プランニング
Phase 3 基本設計
Phase 4 詳細設計
Phase 5 プロトタイプ構築
Phase 6 開発
Phase 7 テスト
Phase 8 効果測定

ヒアリングを行う目的は、各担当者がどのようにコンテンツを管理していてコンテンツがどういった流れでウェブサイトにアップされているのかを明確にすることだ。

前述のように、ウェブマスターが管理しているのはウェブサイト上のページに過ぎない。そのため、“コンテンツ”を管理しているそれぞれの部門がどのようにコンテンツを管理しているのかを明確にすることがまず必要になるのだ。

具体的には、現状どのようにコンテンツが作られていて、だれがウェブページを作り、だれの承認を得てだれが公開しているのか、承認者が不在の場合はだれが代わりに承認するのか、などの点を明確にする。たとえばプレスリリースを出す場合ならば、原稿を作成するのはプレスリリースの担当者だろう。その後に、上長の承認を経て、ウェブサイト担当者がそのページを作っていることだろう。作成が完了したら、プレスリリース担当者が確認をしてウェブサイトにアップする。

もちろん、それぞれの部門によって管理の仕方というのは異なるはずだ。当然、構築されるCMSについてもそれぞれの部門に対応したものでなくてはならない。このために、ヒアリングが必要不可欠なものとなる。

このヒアリングは非常に重要だ。なぜならば、この内容をもとにこのあとのプランニングや設計に入っていくからだ。このため、そのベースとなるヒアリングの内容がぶれないことが重要なのだ。

Phase 2 プランニング

CMS導入の手順

Phase 1 ヒアリング
Phase 2 プランニング
Phase 3 基本設計
Phase 4 詳細設計
Phase 5 プロトタイプ構築
Phase 6 開発
Phase 7 テスト
Phase 8 効果測定

ヒアリングが終了したら、その内容をもとにプランニングを行う。プランニングでは、ヒアリングを受けて、現状のサイトの問題点を洗い出したり、どのようにCMSを構築することが業務をより効率化することにつながるのかという点をまとめたりする。

このまとめは、方向性を確定するうえで非常に重要だ。方向性が明確になっていないと、構築後にCMSが機能しているのかどうか、作ったシステムが正しいものかどうかという部分があいまいになってしまうからだ。特に多くの部門が関係しているプロジェクトでは、方向性が一致していないと、有効に機能するものが構築されない。方向性をあいまいにしてしまうと、今後の改変しようとしてもうまくいかない場合が出てくる。何よりシステムの効果測定を行うという部分が成し得られない。これが、企業にとって一番のデメリットとなる。

では、プランニングで必ず決めておかなくてはいけないことはどういったことになるか? 決めるべきことは以下の点だ。

プランニングで決定が必要な項目

  • 最終的な目標(コンテンツ管理の基本的な考え方)
  • 改善したいコンテンツ管理のポイント(具体的な修正すべきポイント)
  • 得られる効果(CMS導入による定量化された効果)
  • スケジュール(CMS導入の手順)

“最終的な目標”に全社的な視点と各部門的な視点が含まれていると、だれにでも理解しやすくて望ましいものとなる。経営層としては、細かい部分ではなく大きな部分で目標を達成できているのかということが指標となるし、各担当者やプロジェクト内では、細かい部分が意図したとおりに構築されているかということが指標となる。よって、双方を作成することが望ましいのだ。

“改善したいコンテンツ管理”のポイントは、かなり明確になるはずだ。何かシステムを入れたいということは、現状の管理に何らかの問題や改善したい箇所が存在しているはずだ。その部分をヒアリングで明確にして、漏れなく記載していれば、改善ポイントは明確に見えてくるはずだ。このためにも、ヒアリング時にはこういったことを前提に話をしてもらうように前もって説明を行い、最終的な目標を理解してもらったうえでヒアリングを行うことが重要だ。また、設計に入る前のプランニング段階において、検討した結果についてヒアリングしたすべての部門のコンセンサスを取る必要がある。

“得られる効果”については、改善したい点に対応したものになるはずである。改善したいという以上は、それをすることで何らかのメリットを得られるメリットがあるはずだからだ。たとえば、より多くのコンテンツを管理できるようになるため、今まで提供できなかったコンテンツをユーザーに提供できるようになるとか、承認までの時間を短縮させることで、ウェブサイトへのデータアップデートの時間を短縮できるなどだ。このような効果をまとめる、また、それらがどの程度の経費削減やプラスのコスト効果になるかなどの定量化・定数化はプランニング時の最も重要なポイントだ。

“スケジュール”については、いつまでに何を行わなくてはいけないかという部分だけでなく、導入スケジュールが最も重要なポイントとなる。これは、ウェブサイトだけでなく業務全体に影響を与えるスケジュールになるからだ。また、求めることをすべて行うには時間がかかりすぎる場合もある、そういった場合は、最終目標に向けて段階的にシステムを構築していく必要がある。企業全体を横断するプロジェクトであるからこそ、スケジュールも明確にしておかないと業務全体に影響が出る可能性がある。

※この記事は、『Web Master 完全ガイド Vol.2』掲載の記事を元に、未公開の原稿を加えて再構成したものですです。

[Sponsored]
この記事が役に立ったらシェア!
メルマガの登録はこちら Web担当者に役立つ情報をサクッとゲット!

人気記事トップ10(過去7日間)

今日の用語

ユーザビリティテスト
ユーザビリティテストとは、Webサイトやアプリなどのユーザビリティ上の問題点を見 ...→用語集へ

インフォメーション

RSSフィード


Web担を応援して支えてくださっている企業さま [各サービス/製品の紹介はこちらから]