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Google社が示した6つの教訓

Google社が示した6つの教訓

さて、こうした成功した会社に、過去を振り返って語ってもらい、アドバイスをもらうことは簡単だが、過去はいくらでも取り繕えるし、成功した後の意見では、どうしても説得力に欠けてしまう。

まだ成功へのはしごを上り始めていた頃、彼等は世界にどんな風に接していたのだろう。

2001年2月、Googleの共同創業者の1人であるラリー・ペイジ氏が「DEMO Japan 2001/Spring」というイベントに参加するために初来日している。

イベント翌日、8人ほどのプレスを集めた小さな説明会が催されたが、筆者は幸運にもその会に出席し、ビデオカメラを回していた。

この5年前のビデオ映像を改めて見直していたところ、ペイジ氏が説明会の最後に、同社が創業から3年間で学んだ教訓を、日本の企業やマスコミとも共有したいとしてまとめてくれていた。

せっかくの機会なので、ここに再びそれをまとめてみようと思う。

教訓1:何よりも製品が大事

1つ目の教訓は「何よりも製品が大事だ」ということだ。いい製品をつくらなければ何も始まらない。逆にいい製品は、それだけで宣伝になる。

mixiも、アップルのiPodも、この教訓通りいい製品で成功した。機能などが充実していることはもちろんだが、Googleやmixi、iPodに共通しているのは、やたらめったらと機能を追加するのではなく、不要な要素は削って、仕上がりのよさにまで気を配っていることだろう。

教訓2:まずはポテンシャルを試せ

2つ目の教訓は、「まず製品のポテンシャルを試してみて、商用化のことは後から考えろ」というものだ。

ITバブルの時代、多くのIT系企業は、とりあえず製品のコンセプトだけを売り込んで、出資を集め、その後、大勢のエンジニアを投じるものの、結局、製品をつくれないまま泡と消えていってしまった。

これはまったく逆のやり方で、まずは製品をつくって試すべきだというのがペイジ氏の主張だ。

「IT系のサービスなんて、つくるのはそんなに大変ではないし、コストもかからない。とりあえず1~2人でサービスの原形をつくってみて、ポテンシャルを調べてみるのが重要だ。」

実際、mixiのサービスもバタラというエンジニアが1人でその原形をつくったというのは有名な話だ。

説明会で、ペイジ氏は「Googleは特にラッキーだった」と振り返っている。スタンフォード大学時代は、2~3人でチームをつくっては10~20個くらい、いろいろなサービスをつくって試す余裕があったからだという。

そうやって試したサービスの中で、一番、人気が高く、利用率が高かったのが検索サービスのGoogleだったということだ。

ちなみにペイジ氏の兄弟も、同様にいくつかのプロジェクトを試していた。彼が試したプロジェクトの中では電子メールを使ってコミュニティーがつくれるeGroupsというサービスが一番人気が高かった。後に彼はこれを事業化。2000年、eGroupsはYahoo!によって4億ドルで買収されている。

教訓3:マーケティングは不要!?

3つ目の教訓は「ウイルスのように広げろ、マーケティングは不要だ」というものだ。

今の時代、本当に優れた製品をつくれば、後は口コミで勝手に評判が広まってくれる。それによってマーケティング費用も大きく節約できる、というものだ。

それに、「こうやって口コミで製品が広がるか否かは、製品の作り方が間違っていないかを試す指標にもなる」という。

mixiも、Google同様にほとんど広告を打たずに口コミ(と招待状)だけで、ここまで広まった。

では、iPodはどうかと言えば、確かに派手な広告も打っている。だが、口コミの効果も決して無視できないはずだ。

この3つ目の教訓を果たすためにも、1つ目の教訓は重要になる。

教訓4:明快な目標と焦点の絞り込み

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