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SEO施策は検索エンジンごとに実施するべき?

Search Engine Landに目を通していて、「SEOに関する10の無用な心配」という記事に、次のような記述を見つけた。

いくつかの検索エンジンそれぞれに合わせてページを最適化しなければならないなんてことはない。

検索エンジンの挙動とは、そんなものではない。優れた最適化さえしておけば、どのエンジンも相応に評価してくれるものだ。気にしなければならないのは、いかにして各検索エンジンに自分のウェブサイトを確実に見つけてもらい、そして自分の狙う検索語句に対して関連があると判断してもらうかだ。

Googleでは1ページ目の上位に入っているのに、AskやMicrosoftでは2ページ目にしか出てこないからといって、ページを大幅に変更してはいけない。変更する場合は、Googleで順位が下がらないと確実にわかっている範囲にとどめておくべきだ。もし、確実かどうかわからないとか、変更後Askでは順位が上がったけれども、Googleでは下がったというような場合には、必ず元に戻すこと。つまりその変更の価値はないということだ。

これを読んだあと、「検索ユーザビリティについて理解する」を読んだの。少し抜き出してみるわね。

「検索フレンドリー」なデザインとは、ユーザー中心のデザイン、あるいは利用方法中心のデザインである。つまり、エンドユーザーに焦点を合わせているということだ。

一方、「検索エンジンにフレンドリー」なデザインとは、情報検索システムのみを念頭に置いたデザインだといえる。Googleで上位10位以内のランクを獲得したい? それなら、Googleのことだけを考えてウェブサイトをデザインすればいい。Yahoo!でトップ10に入りたい? それなら、Yahoo!だけを視野に入れてウェブサイトを設計するべきだ。

その上で、MicrosoftのLive Search用と、Ask.com用のサイトをそれぞれデザインする。そして、これらのサイトをすべて隠しておいて、実際の人間だと考えるに足るアクセスがあったら、これらのサイトから「本当の」サイトへ、確実にリダイレクトする。こうした作業を繰り返すのだ。

この記事では基本的に、各検索エンジンに合わせてSEOを行うべきだとは言っていない。そうではなく、GoogleとYahoo!とMSNのユーザーはそれぞれ違うということ。

けれども、この2つの記事を続けて読むと、どこか奇妙な感じがするわ。両者は根本的に正反対の戦略を推奨しているから。

私は、敬愛する謹厳なSEOプロのトッド・フリーゼン氏にどう思うか尋ねてみたの。すると彼の答えは次のようなものだった。

君と同じで、MSNユーザーとGoogleユーザー用に、それぞれ異なるサイトが必要だとは思わない。

僕はすべてのSEOに当てはまる設計を行う。概してそれでうまくいくからね

立派な答えだわトッド。でもこの問いは、私たちのQ&Aセクションに限らず、さまざまなところで出てくるのよ。Googleでは高い順位を獲得できているのに、Yahoo!やMSNではそれほどでもなくて、ランクを上げるために「Yahoo!」用のサイトを設けるべきか頭を悩ませている人が、いったいどれほどいるのかという話は、本当に興味深いわ。

私はこの話をリンドン・アントクリフ氏にも持ちかけてみたの。彼の答えは完璧だった。

努力する価値があるほどの見返りは、なかなかないんだよ。もちろん、これは変わるかもしれないけどね……そうなったら、それこそSEOのすばらしさじゃないか(笑)

ちょっと考えてみて。主要な検索エンジンごとにサイトを最適化するだけの価値はあるかしら? 何かと別の何かの差異をもたらすものって何だろう? そして、そうした要素をすべて考慮に入れ、自分のページについて複数のバージョンを作り、それぞれ思いどおりの検索エンジンとユーザーに見せるにはどうすればいい?

それって、「えっと、Googleはリンクを重視するけど、Yahoo!はキーワード密度がお好みのご様子。MSNは貢ぎ物が好きで、Askにはゼリービーンが必要。それから、それから…あぁっ!もうっ!」って具合かしら。その上、ある1つの検索エンジンにすり寄りすぎると、バランスが大きく崩れて、別の検索エンジンでランクが下がりかねない。

私としては、一般的な観点から最善の最適化を心がけていれば(その方法は、私たちの「検索エンジンが順位を決める53の要因」や、SEO Bookの「How Search Engines Work」の記述を参考にしてね)、さまざまな検索エンジンに対して十二分に適切な最適化ができると思う。それは、3つの検索エンジンすべてに焦点を合わせようとして、力を分散してしまうと、結果的に全体的な問題になりかねないからよ。

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