Aggregator
青森県から沖縄県で翌日配送の提供体制を構築、アマゾンが全国18か所にデリバリーステーションを新設

アマゾンジャパン7月27日、配送拠点のデリバリーステーションを全国18か所に開設すると発表した。青森県、岩手県、秋田県、埼玉県、東京都、神奈川県、長野県、愛知県、香川県、愛媛県、高知県、徳島県、熊本県、沖縄県にデリバリーステーションを2022年内に設置。当日配送、翌日配送、「置き配指定サービス」を拡充する。

「北は青森、南は沖縄まで、700万点以上の商品を翌日にお届けすることが可能になった」(アマゾンロジスティクス ディレクターのアヴァニシュ ナライン シング氏)。また、青森県、岩手県、秋田県、長野県、徳島県、香川県、愛媛県、高知県、熊本県、沖縄県でも「置き配指定サービス」を提供する。
デリバリーステーションは、注文を受けた商品を全国のフルフィルメントセンターなどから集約し、周辺地域の消費者の玄関先まで届けするラスト・マイル・デリバリーの起点となる場所。18拠点の新設で、日本国内は45拠点以上のデリバリーステーションを展開することになる。

また、一部地域では正午12時までの注文商品を、同日午後10時までに届けることが可能になった。東京都のプライム会員は、当日中の受取時間を2つの時間帯(16~20時または18~22時)で選択できる。東京、神奈川、大阪、京都、福岡、宮城、福島、埼玉、千葉、神奈川、愛知などの地域では、「お急ぎ便」「お届け日時指定便」の利用も可能。
デリバリーステーションの新設で、「5000人以上に多様な働く機会を創出し、『Amazon Flex』(個人と直接契約する配送委託制度)の配送ドライバーとして数千人へ柔軟に働く機会を創出する予定」(アマゾンジャパン)としている。
※このコンテンツはWebサイト「ネットショップ担当者フォーラム - 通販・ECの業界最新ニュースと実務に役立つ実践的な解説」で公開されている記事のフィードに含まれているものです。
オリジナル記事:青森県から沖縄県で翌日配送の提供体制を構築、アマゾンが全国18か所にデリバリーステーションを新設
Copyright (C) IMPRESS CORPORATION, an Impress Group company. All rights reserved.
ECサイトの決済与信落ち客に「自動再オーソリ」提供で売上機会損失50%改善

D2C支援事業やEC基幹システム「ecforce(イーシー・フォース)」を提供するSUPER STUDIOは、ECサイト上の購入におけるクレジットカード決済や後払い決済の仮与信作業を一定期間自動で行う「自動再オーソリバッチ機能」を開発した。売上機会損失の最小化、業務効率の向上などに寄与する機能という。

「再オーソリ」とは「再オーソリゼーション」の略で、オーソリゼーション(仮与信)をシステム上で再度試みることを指す。
ECサイトで消費者がクレジットカードで商品を購入する際、購入手続き段階で仮与信が行われるのだが、仮与信が通らず消費者からの変更対応が得られなかった場合、購入失敗の状態となってしまうため機会損失が発生することになる。
仮与信の一般的な流れ
- 消費者が購入手続き画面にクレジットカード情報を入力
- カードの有効期限や利用可能残高などをクレジットカード会社の情報から参照
- 仮与信に問題がなければ購入が確定
- 仮与信に不備があった場合、再度別の支払い方法へと設定変更依頼をメールなどで依頼➝決済情報の変更と再度仮与信に成功すれば、購入が確定
- 商品発送確定のタイミングで本与信を実施、支払いを確定
「自動再オーソリバッチ機能」はこの機会損失の抑制を目的に開発した機能。商品購入から30日間、一定間隔で仮与信の通信を行い、登録されたクレジットカードまたは後払い決済が利用できる状態になると、その場で購入を確定できる。
従来、「再オーソリ」は機会損失を防ぐ有効な手法と理解されていたが手動で行う必要があった。手間がかかるため、事業者での活用があまり進んでいなかったという。
この機能を先行導入したメーカーでは「再オーソリ」の成功率は52.4%に達し、100万円〜1000万円もの売上向上に成功している。


「自動再オーソリバッチ機能」は、追加開発なしで利用できるオプション機能として7月26日から提供を開始した。利用料は月額3万円(税別)。
※このコンテンツはWebサイト「ネットショップ担当者フォーラム - 通販・ECの業界最新ニュースと実務に役立つ実践的な解説」で公開されている記事のフィードに含まれているものです。
オリジナル記事:ECサイトの決済与信落ち客に「自動再オーソリ」提供で売上機会損失50%改善
Copyright (C) IMPRESS CORPORATION, an Impress Group company. All rights reserved.
創業大正2年の老舗木材企業がBtoC-ECを始めた理由&BtoBビジネスにもシナジーを生み出したネット通販の効果

北海道苫小牧市に本社を置くイワクラは、木材の生産・加工・販売、建設資材製造、緑化造園、環境事業などを行っている大正2年(1913)創業の老舗企業。なかでも森林の育成過程で生じる間伐材や林地残材、製材工場などから発生する樹皮、のこ屑、端材などを生かす木材リサイクルのパイオニア企業としても有名だ。メイン事業はBtoBビジネスだが、「震災」をきっかけにBtoC商品「スモークチップ 燻助(くんすけ)」、猫用トイレの木質ペレット「ネコペレ」を開発した。
BtoB企業がなぜBtoCビジネスへ? BtoC向け商品の開発からECサイトを立ち上げた経緯、取り組み、成功事例、今後の展望などを倉知英治氏に取材した。
ECサイト開設、きっかけは「震災で出た倒木をBtoC向け商品に活用」
イワクラの木材関連の事業部は4つ。バイオマスエネルギーの原料調達・生産・販売を行う環境事業部、伐採や森林管理を行う林材事業部、パーティクルボードを製造する建材事業部、建築資材を提供する住宅事業部だ。いずれも取引先は国や企業のBtoBビジネスである。
イワクラは5~6年前から新規事業としてBtoCビジネスを視野に入れていたが、本格的にBtoC向け商品を開発したきっかけは、2018年に起きた北海道胆振東部地震だった。
「震災で出た倒木を燃やすだけでなく、きちんと商品価値のある物作りができないか。」
こう考えたイワクラは、BtoB向けの木材として引き合いもあった倒木をBtoC向け商品の材料にすることにこだわった。木材を細かく粉砕しバイオマスエネルギーの原料とし電気にしたり、木質ボイラーの燃料として木質ペレットとして活用したりしていたが、スモークチップやスモークウッドといった燻煙材を生み出していった。
これらの商品は、2020年春に開設したイワクラ初のBtoC向けECサイト「IWAKURA ONLINE SHOP」で販売している。「IWAKURA ONLINE SHOP」は新規事業として立ち上げたものだが、社内ではBtoCビジネスとECサイトに対する理解が不足しており、開設までの道のりは平坦ではなかったという。
現在ECサイトの責任者である倉知氏も、オンラインショップの種類といった基礎から勉強。その上で、倉知氏は社内の理解を得るための説明に時間と労力を費やしたという。
社内では「BtoCビジネスはわからないこと」なので、興味を持たない、触れない空気もありました。BtoBビジネスと比較すれば、BtoC向けの売り上げ見込みは小さい。その将来性を疑われることもあったかもしれません。
そこで、ECサイトを開設することで、地元の企業や今まで取引がなかった企業にアピールできること、「イワクラがどんな会社で、こういう事業も始めている」ということを知ってもらえるのだと、具体的な可能性や未来を社内に積極的に伝えていきました。(倉知氏)
イワクラ EC担当 倉知英治氏
「イワクラらしさ」を表現できることから自社ECサイトをスタート
ECサイトの構築・運用のノウハウはなかったが、イワクラはモール型のECサイトへ出店するのではなく、自社ECサイトの開設を決断した。
ポイントになったのは初期投資の費用。売り上げから算出される手数料をトータルで見た結果、自社ECサイトを開設するメリットが大きかったのだ。また、自社ECサイトならイワクラらしさを表現できることも魅力だったという。
繰り返しになるがイワクラ内にはノウハウがなかった。そこで倉知氏は「受注から顧客への発送までを管理できるように」、そして「1人でマニュアルを作れるところまですべてを理解する」と決意し、じっくりと経験を積むことにした。

「商品の良さをしっかり体感すること」でユーザーにきちんと魅力を伝える
BtoC向けECサイトを運営するなかで課題となった点を、倉知氏は「販売ページ用の写真撮影やテキストを書く業務は初めてだったので、時間をかなり費やしました」と話す。しかし、倉知氏の過去の職業で得た実績が、ECサイト立ち上げ時に役立ったという。
以前、飲食店を経営していたことがあるんです。何かを作ることに対する原価管理といった数字も扱ってきたので、経験ゼロというわけではなかった。
商品の製造に関しては一部パートさんにお願いしていますが、それ以外はすべて私が携わっています。商品の取り扱い、販売ページの制作、仕入れ、販売まで責任を持って見ています。(倉知氏)
また、「商品の良さは自分で体感しないといけない」と倉知氏は考えている。
たとえば飲食店ならその店の料理を理解し、言葉でお客さまに伝えられるようにしなければなりません。商品について、使い方を含めて自分がはっきり理解していないとお客さまに魅力を伝えられない。
特にBtoCは顔が見えず、お客さまがどんな人かわからないため、商品の良さを伝えることが難しい。商品理解を深めることに時間をかけているため、商品選定から販売までには時間がかかります。取り扱う商品は増えていきますので、ここは課題ですね。(倉知氏)
商品やECサイトの告知のためにInstagramを運営。運営や商品の撮影はすべて倉知氏1人で行っているが、フォロワーの協力を得てコンテンツの充実化を図っている。
Instagramのフォロワーの方に商品サンプルを渡し、使用している写真を提供していただき、商品ページに掲載しています。私が撮影した写真だけでは同じような構図になりがちなので、非常に助かっています。フォロワーの方の写真は、商品の特徴がわかりやすく、とっつきやすさがありますね。(倉知氏)

(画像は「IWAKURA ONLINE SHOP」のInstagramよりキャプチャ)
倉知氏が注力した点は、ECサイトやInstagramの運用だけではない。「BtoC向けのECサイトを始めれば、『イワクラはどういう企業なのか』とWebサイトを見る人もいるはず」と考え、イワクラのWebサイトリニューアルも行った。
当時のWebサイトは少し古さを感じるデザインでした。ECサイトから興味を持ってイワクラのWebサイトを訪れた際、信用を得るため、またイメージアップにつながるようにサイトリニューアルを行いました。簡単ではなかったですが、非常に重要だったと思います。(倉知氏)

会長の夢がこもった燻製チップと夏の売り上げを支える猫用トイレペレットが主力商品
BtoC向け商品を開発するにあたりイワクラがこだわったのは「木材に関連したものづくり」「商品の原料は北海道産」の2点。イワクラは創業から100年以上の長い歴史のなかで、変わらず木材を扱ってきており、「木材のプロである自分たちは木材のビジネスで勝負する」という確固たる意志があるのだ。
「IWAKURA ONLINE SHOP」の主力商品の1つが「スモークチップ 燻助(くんすけ)」。この商品を開発した理由は原料である「蝦夷山桜」。

(画像は「IWAKURA ONLINE SHOP」からキャプチャ)
イワクラの取締役会長 後藤英夫氏には「燻製用の原木として『蝦夷山桜』を取り扱って販売したい」という夢があった。倉知氏は会長から直々に手紙を受け取り、商品開発に着手。「スモークチップ 燻助」は会長の思いや、地震による倒木で「蝦夷山桜」が手に入るという機会が合致して生まれた商品なのだ。
蝦夷山桜はタール分が少なく、燻した時のえぐみが少ないという特徴がある。さらに「スモークチップ 燻助」は香りが高く、クセの強い肉にも負けない香りが付けられる。購入者からは好評で「燻製初心者でも失敗しにくい」という声があがっている。
北海道産のマツを原料にした木質ペレット「ネコペレ」もこだわりのアイデア商品。こちらはストーブの燃料になる木質ペレットがベースになっている。
ペレットは冬の時期はよく売れるものの、気温が上がると消費が減る。自社のペレット工場で夏場の仕事を安定させること、夏の売り上げ減少にどう対応するかは以前からの課題だった。そこで倉知氏が気付いたのが“馬の敷きわら”である。

(画像は「IWAKURA ONLINE SHOP」からキャプチャ)
苫小牧には競走馬の育成牧場がある。そこでは馬の“敷きわら”の代わりにペレットを使うことがあるという。そこから着想を得て「猫砂がBtoC商品になるのでは?」という発想につながった。
濡れたペレットは「おが粉」という粉状になる。粉になる仕様は、細かい穴の開いたトイレ用のスコップや猫のシステムトイレと相性がいい。さらに「ネコペレ」は化学物質不使用で安全性が高く、フィトンチッド(植物が自身を守るために出す物質、虫よけなどにも使われている)の効果による消臭・抗菌作用もあり、香りもきつくなく飼い主にも猫にも優しい。
「スモークチップ 燻助」も「ネコペレ」も、木材のプロが木材の長所を生かした商品といえる。
BtoC商品をきっかけに大口取引が成立、顧客とのつながりが生まれる
社内で不安視されていたBtoC向け商品だが、大きな商談につながった事例がある。
木質ペレットを使うストーブのメーカーに、イワクラが燻製用チップの製造・販売の話をしたところ、実はそのメーカーが全国展開しているアウトドアショップを運営しており、商品を取り扱ってもらえることになった。倉知氏が「年間の販売計画の約半分という金額になりました」と話すほど、大口の取引につながった。
さらに「IWAKURA ONLINE SHOP」のユーザーには、長年燻製を行っている人が多く、燻製チップを口コミでアウトドア仲間に紹介する動きもあるという。購入者は商品への満足度が高ければ自慢したくなり、他の人にオススメするというサイクルが生まれるのだ。
さらに、購入者同士のつながりから燻製作りをしている企業、水産加工会社などに燻製チップを紹介したこともあったという。また、紹介経由で「燻製メニューを出したい」というホテルとの契約にもつながった。
大口の契約はやはりBtoBではあるものの、BtoCらしい購入者同士のつながりから販路拡大に成功し、新しい販売ルートが構築できた。「BtoBからBtoCという新しいつながりを生み出すことも、イワクラがECサイトを開設する上で戦略の1つだった」と倉知氏は話す。
BtoC商品とECサイトを通じて地域復興へ貢献
イワクラはBtoC商品を扱うECサイトを運用するなかで、地方復興を意識している。前述した地元北海道産の木材にこだわっているのもその1つだ。
新たな商品を生産することになれば、工場周辺で新たな雇用を生み出せる。現役の働き手が地方に増えると、周辺の街や村が活気づく。さらにECサイトを通じて商品と地元を全国にPRもできる。「物を通じて全国に魅力を発信することは、その地域の認知を高めることにつながり、『北海道に行ってみたい』という方が増えていくかもしれない」(倉知氏)。
また北海道胆振東部地震で出た倒木を利用した「スモークウッド 燻助」という商品がある。イワクラはこの商品の売り上げが寄付金になる計画を進めている。苫小牧を中心とした地域の森林関連企業の組合を通して、森作りに役立てる寄付を行う予定だ。
木は木材にできるまで育つのに40年~50年はかかる。だから森林をきちんと作っていく必要があります。私たちはBtoC商品とECサイトを通じて、未来にお金をかけられる体制作りを考えています。(倉知氏)
BtoCからBtoBにつながるECサイト運営&商品開発をめざす
イワクラが今後注力したい商品として、前述の「スモークウッド 燻助」をあげた。この商品は2021年9月に完成し、一般販売前に「Makuake(マクアケ)」を利用して先行販売を行った。その売り上げの使い道は「北海道胆振東部地震で被災した森に役立てる費用」だと明記していた。

商品のキャッチコピーは“100年以上山と向き合ってきた木材のプロが研究した、誰も失敗しない《燻製スモークウッド》”。燻製による調理のうち、練り物、チーズのような加工済みの食材、サーモンのようにあまり火を通したくない食材を燻すのに適している燻煙材がこのスモークウッドだ。

(画像は「IWAKURA ONLINE SHOP」からキャプチャ)
専用の燻製器がなくてもダンボールを使うことで燻製が楽しめるのが特徴で、気軽に燻製にチャレンジしてもらい、燻製ファンのすそ野を広げていきたいと考えている。
また、伐採した木を山から下ろす際、「運搬コストがかかる」という理由で丸太以外の枝や葉は山に置いてきてしまう。こういったものにも価値をもたせて商品化するというアイデアもある。林業従事者の女性向けに、マツの精油を抽出した化粧品や木の香る虫よけスプレーも取り扱っており、将来的には商品がいつでも買える実店舗を持ちたいという。
最後に倉知氏は次のように語った。
BtoCのCは単なる個人ではなく、いずれかの企業の一員だと思っています。つまりtoCからtoBにつながることもあるはずで、その可能性を考えて商品開発とECサイト運営を行っていきます。これからも、まずは自分が良いと思える北海道産の商品を発見していきたい。(倉知氏)
※このコンテンツはWebサイト「ネットショップ担当者フォーラム - 通販・ECの業界最新ニュースと実務に役立つ実践的な解説」で公開されている記事のフィードに含まれているものです。
オリジナル記事:創業大正2年の老舗木材企業がBtoC-ECを始めた理由&BtoBビジネスにもシナジーを生み出したネット通販の効果
Copyright (C) IMPRESS CORPORATION, an Impress Group company. All rights reserved.
JR東日本と千趣会、資本提携の背景とは? それぞれの課題と将来に向けた変革

東日本旅客鉄道(JR東日本)は、グループ経営ビジョン「変革2027」で、データベースを起点とした脱「鉄道」ビジネスの構築をめざしている。その一環として2020年9月に千趣会と資本業務提携した。JR東日本が千趣会に出資した背景やねらい、そして千趣会が手がけていく事業・サービスとは何なのか。JR東日本の事業創造本部で千趣会への出資を主導し、現在は千趣会の取締役の佐野太氏が解説する。

取締役 ベルメゾン事業本部副本部長 OMO推進担当
佐野 太氏
2020年9月、JR東日本と千趣会が資本業務提携
千趣会は2020年9月に東日本旅客鉄道(JR東日本)と資本業務提携を実施。顧客との多様なリアルの接点を持つJR東日本と、顧客に寄り添った商品開発力を持つ千趣会が双方の強みを融合し、相乗効果を高める施策を次々と展開している。
資本業務提携の際、両社が取り組む大きなテーマには以下の4つを掲げた。
- 駅ビル・エキナカへのベルメゾン出店
- JR東日本のECモール「JRE MALL」へのベルメゾンの出店
- ポイントプログラムの連携
- ベルメゾンの公式サイトにおけるJRE CARD(ビューカード)決済特典

提携の背景にあるのは「駅利用者層の女性化」
JR東日本を取り巻く環境を見る上で、「就業者数の推移」が1つのカギとなる。近年は女性や65歳以上の就業者が増加したため、就業者数自体は増加傾向にあるが、特筆すべきはその内訳だ。
2001年以降、男性の就業者数が約74万人減少する一方で、女性は約339万人増加している。この推移を考慮すると、駅を利用して通勤する層が女性化していると考えられる。
2000年までは男性客が新聞、タバコを補給する場
2000年頃までは会社で働く人の多くは男性で、駅はいわゆる「男性サラリーマンの補給場」だった。このため、駅では新聞・雑誌、タバコ、酒類、アメ・ガムなど、瞬間的に消費ができる、比較的男性が好みやすい商品が販売されていた。

2000年〜2010年、仕事帰りに立ち寄る「ハレ消費」の場
2000年〜2010年にかけては女性の社会進出が本格化し、駅を利用する女性の数が増加。当時はまだ働き方改革という言葉自体がなく、女性も「バリバリ働く」という時代だったため、駅は疲れた自分に対する癒しや発散できる商品など、“ハレ消費”をする場へと変わっていった。
その象徴が、エキナカ商業空間の「エキュート」だという。有名洋菓子店のスイーツや、総菜、ワイン、花、女性向け雑貨などを取り扱い、会社の帰りに気分転換ができるような消費の場として、現在でも多くの人に利用されている。
生活を効率化させる場へ(2010年〜2020年)
さらにその後、2020年にかけても駅というマーケットは変化した。そのキーワードの1つが「共働き化」だと分析する。子どもが小さいうちから女性が働きに出たり、早期に復職したりする傾向が昔に比べて大幅に高まり、仕事も生活も効率化してくれる役割が駅に求められるようになったという。
この頃からJR東日本は新規事業として宅配物が受け取れるロッカーや、ボックス型のシェアオフィス「STATION WORK」などを設置するなど「効率化サービス」に力を入れるようになった。また、セルフレジや無人決済店舗の設置も進めているほか、地方で獲れた海産物が新鮮なうちに駅で受け取れるような新幹線輸送も始めている。
これからは「いろいろな情報を得られる場」へ
2020年以降はさらに「働く」ということが変化する時代に突入した。コロナ禍の影響を大きく受けたことで仕事の在宅化が定着し、今後は仕事の多拠点化が進むと想定。さらに、ネット通販が一般化したことにより、これからますます情報を得る場所と購入する場所が分離していくと予測している。
ネットで何でも買えてすぐに届く時代でも、やはりリアルにも強い面はあるので、すべてがネットに流れることはないと思っている。ただ、これはあくまで個人的な見立てだが、その場で見てその場で購入するというスタイルから変わらない消費者が多いとしても、「駅で情報を得たけど、購入はネットでする」という傾向は強まっていくと考えられる。
そうなると、駅は「モノを売って、そこから賃料をいただく」だけではなく、「いろいろな情報が得られる場」となっていくだろう。時代そのものがモノからサービスに移行しているので、「モノを買う」というよりは「気持ちが充足される」、そんな場として駅が認識されていくのではないだろうか。(佐野氏)
駅利用者のライフイベントと駅との関係
JR東日本を利用する顧客のライフイベントを見ると、駅を多く利用するのは「通学」〜「就職・通勤」の層と、「成熟」〜「引退・老後」の層だ。通学や通勤で駅を利用するようになり、Suicaや定期券を持ち始め、それらをお得に購入するためにビューカードを入手する人も多い。さらに、通学・通勤中にエキナカ、駅ビル、自販機などで消費もするようになる。
また、子育てが一段落した世代や仕事を引退した世代になると、スポーツクラブや旅行を楽しむようになり、駅の利用が増える傾向にある。その象徴として、中高年向けの会員特典「大人の休日俱楽部」は、強い顧客接点になっているという。
しかし、「出産・育児」の段階では、特に女性は自宅中心の生活にならざるを得ず、あまり駅を利用できなくなってしまう。復職しても育児で忙しい間は通販や郊外の商業施設で買い物をすることが多くなるため、「出産・育児」の段階はJR東日本にとって顧客離れを起こしやすいポイントになっているという課題認識があった。千趣会がこの「出産・育児」の層との接点を補完すると期待した。

「ベルメゾン」は、マタニティーウエアの購入を機に入会する顧客が多く、ベビー用品やキッズ・ジュニア向けの商品まで、子育て世帯を中心に長年にわたって利用されている。JR東日本が持つサービスと、「ベルメゾン」が持つサービスを組み合わせると、お客さまがあらゆるライフイベントを経るなかでも生涯を通してつながりが持てると仮説を立てたという。
「ベルメゾン」の通販でも「JRE POINT」が貯まったり使えたりできれば、「出産・育児」の層が駅に来られなくても接点が維持できる。それだけでなく、千趣会との協業によって駅ビル・エキナカで共働き世帯を応援する商品・サービスの充実化が図れれば、復職などで再び駅を利用し始めた「出産・育児」の層が、より便利に駅を利用できると考えた。

協業の一例として、2021年の春、品川駅で20日間にかけて「Disney Fantasy Shop by BELLE MAISON」というポップアップイベントを開催した。若年層やベビーカーを押す女性など、子育て世帯を中心に約4000人の顧客が利用し「駅のなかで開催したポップアップとして、記録的な実績となった」(佐野氏)と話す。

“これまで”と“これから”のJR東日本グループの事業構造
JR東日本の1日あたりの輸送人員は約1780万人(2020年3月末時点)にのぼる。多くの利用者が駅に集まるため、駅自体が媒体価値を持って広告ビジネスが展開できるほか、駅ビルやコンビニ、ホテルを備えるなど、これまでのJR東日本はリアル・プラットフォームベースの事業群で、不特定多数の利用者との接点を直接収益化するビジネスを展開してきた。

しかし、今後を見通すと駅を取り巻く環境は大きく変化すると考えられる。そのなかで、特に以下の5点が鉄道事業者の課題としてあがるという。
- 駅の顧客の変化
- 人口減少(鉄道の集客力の減衰)
- 人口減少(慢性的人手不足。販売員の減少)
- デジタル化・スマホ化
- 新型コロナ禍で上記の状況が悪化、変化、不透明化
1の「駅の顧客の変化」は、前述の通り、共働き世帯の増加と駅の利用者層の多様化に通じる。
2、3に2つの意味の「人口減少」をあげている。1つは、人口減少による集客力の減衰だ。鉄道の利用者が減れば、駅ビルや駅構内のコンビニなどのポテンシャルが下がると考えられるため、客数に依存した事業で業績を伸ばしていくことは難しくなる。このため、今後は客単価やLTVを伸ばす施策に変化していかなければならないという。
もう1つの「人口減少」は、人手不足を意味する。駅は多くの販売員によって成り立っているが、今後ますます販売員の数が減少すると懸念されるため、急務の課題だ。店舗のセルフ化、無人化、自動化、ロボット化を進めるほか、ネット通販を活用した無店舗化にビジネスを移行せざるを得ないと考えている。
④の「デジタル化・スマホ化」は、駅や電車内の広告ビジネスの在り方に大きく影響する。電車の待ち時間や乗車中にスマホを見る乗客が多く、中吊り広告や駅のポスターを見る機会が減少するなかでは、広告や販促手法をDX化し、マス広告からOne to Oneの訴求に切り替える必要があると捉えている。
⑤にコロナ禍で上記の状況が悪化、変化、不透明化したことをあげている。こればかりは誰にも先が見通せないが、「1つ言えることは、ビジネスモデル転換をスピードアップすることが鉄道グループには必要」(佐野氏)と断言する。
ステップ① JRE POINT、JRE CARD、Suicaの顧客を共通IDで会員化
大きく5つあげた課題に対し、まずは①駅ビル・エキナカで使える「JRE POINT」 ②クレジット決済「JRE CARD」 ③鉄道やコンビニで使える「Suica」――という各事業の顧客を共通IDで会員化することから始めるという。

「JRE POINT」とは
JR東日本の駅ビルやエキナカで使えるポイントシステム。店舗でカードかアプリバーコードを提示する仕組み。現在、ECモール「JRE MALL」を含め、142館で利用できる。クレジットカードの「JRE CARD」を特定の優待店で利用すると、ポイントが3倍貯まる。
またWebから登録しておけば、Suica決済でもJRE POINTを貯めることができる。Suica決済は店舗や自販機、ホテル、レンタカー、スポーツクラブなど、利用できる場所が多岐にわたるため利便性が高く、エキュートなど特定の場所ではSuica決済でポイントカードも提示すれば、ダブルでポイントが貯められる。
JR東日本は、JRE POINTをチケットレス化やカードレス化、セルフ購入の促進にも役立てている。鉄道乗車時のSuica利用でポイントを付与することでチケットレス化を進め、さらにカードタイプよりモバイルSuicaの方がよりポイントが貯まりやすくすることでカードレス化も進めている。Suicaを用いたセルフ購入も、ポイントで誘導している形だ。

ステップ② 顧客を共通化したJRE POINT・IDを活用し、ネット上でも事業を拡大
各事業の顧客を共通化した「JRE POINT・ID」が進めば、デジタル上のプラットフォームも構築でき、今までのようにリアルだけに頼った事業のみならず、ネット上でも事業が拡大していけるようになる。
「JRE MALL」をはじめチケット予約の「えきねっと」やロッカー予約の「To Locca(トロッカ)」など、ネットやスマホで予約する各種サービスの利用にもポイントで誘導しやすい仕組みが実現できると構想する。

「JRE MALL」とは
「JRE MALL」は、ポイントが貯まって使えるECモールとして2018年3月にサービスを開始。JRE POINTの会員が貯まったポイントを消費する場として利用する傾向にあるという。サービス開始時は鉄道グッズを中心に取り扱っていたが、2021年3月に「ベルメゾン」が出店してから女性向けの商材が一気に増加し、現在は女性購入者の比率が拡大している。
2021年9月(単月)の実績では、売り上げが前年同月比250%、新規会員登録数は同176.9%に伸長。ベルメゾン店の売り上げシェアは10.54%を占めている。

千趣会との協業メリットは“リアルの場”と“JRE POINT会員の融合”
一方、千趣会にとってのJR東日本との協業の意義は何か。まず、協業の背景となる通販・EC事業者が抱える課題として、以下の5点をあげている。
- 通販・EC市場の競争激化
- 購入前に手に取って確認できない
- 購入した商品をなかなか受け取れない
- 働きの増加(カタログやPCを見る時間の減少)
- 客の価値観の多様化(大量生産大量消費、大量破棄への罪悪感)
1点目の課題に「通販・EC市場の競争激化」をあげた通り、通販・EC市場は成長を続けている反面、多くの事業者が参入している状況だ。そのなかで消費者に想起されて選ばれるためには、これまで以上にブランディングが重要となる。しかし、ネット広告だけではブランディングがしづらく、新規顧客を獲得する手段をより多角化していく必要があると実感しているという。
2、3点目の「購入前に手に取って確認できない」「購入した商品をなかなか受け取れない」はまさに通販特有の課題と言える。体験を提供するためのリアルの場や、強いPR要素を持つポップアップを展開して、事前に商品を確認したい消費者の悩みを解決したい考えだ。
さらに、働き方の多様化やコロナ禍による生活様式の変化、SDGsへの意識の高まりなどを背景に、4、5点目の課題が浮上。コロナ禍を経て、通勤と在宅ワークのバランスがどうなっていくかは今後も注視が必要としながらも、「カタログ通販事業者の立場で考えると、消費者のカタログを見る時間が減った場合に備えておく必要がある」(佐野氏)としている。
エキナカ・駅ビルを活用し、ベルメゾンのブランディングとサービスを強化
先ほどの課題の1点目にあげた通り、通販・EC事業者にとってブランディングの重要性は増している。千趣会は前述した「Disney Fantasy Shop by BELLE MAISON」のポップアップのほかにも、エキナカ・駅ビルを活用した新規顧客獲得のタッチポイントを強化する施策を次々と展開している。
2021年5月に品川駅で開催した、汗取りインナー「サラリスト」のポップアップショップでは男性向け商品が人気を集めた。「ベルメゾン」で購入する顧客の98%を女性が占めるなか、新しい層の顧客にアプローチできたと実感している。
八王子駅や大宮駅などの郊外でもポップアップを開催し、地域性や曜日による購買層、売れ筋の違いなどを分析。このほか、テーブルやベッドなど、その場で持ち帰れない大型商品を展示し、「JRE MALL」への誘導も図っている。

東京駅構内の「グランスタ東京」には、「ベルメゾン」の常設店を出店し、千趣会のシューズブランド「BENEBIS(ベネビス)」などを販売している。「BENEBIS」はカスタムオーダーに力を入れているが、リアル店舗で顧客とコミュニケーションをとるなかで、カスタムオーダーは「小さいサイズ」「幅の狭いサイズ」への期待が高いと判明した。
一般的なリアル店舗では在庫を置くスペースに限りがあるため、売れ筋のサイズを大量に販売する傾向にあるが、通販にはサイズ展開の豊富さが期待されていると実感したという。ニッチな顧客ニーズにも対応することで、その顧客のリピート購入が見込まれると捉えている。
また、東京駅では改札内にも「Disney Fantasy Shop by BELLE MAISON」の常設店を開業。アプリの「JRE MALL MY LIST SHOPPING」と連動し、気になった商品をアプリにストックして後で購入できる仕組みも始めた。この店舗の開業により若年層にもアプローチできたほか、「ベルメゾン」のディズニーカタログの表紙をモチーフにした商品が人気を集め、大きなPR効果が発揮できたという。
エキナカ・駅ビルでのポップアップや常設店は、「JRE POINT」が貯まって使えることをベースに展開している。従来のエキナカ・駅ビルは「集まってくる人に販売する」スタイルだったが、ポイント会員にはメルマガも配信できるので、こちらから集客を図ることも可能になる。
人口減少に伴いお客さまの数も減ることを見越すと、駅であっても自ら集客をしなければならないと考えている。ポップアップや常設店で施策の検証を続けている。(佐野氏)
特典やJRE POINT交換用の買い物券で、JRE POINT会員をベルメゾンに誘導
両社は協業の当初から、JRE POINT会員をベルメゾンのECサイトに誘導するため、「ベルメゾン」での買い物でJRE CARD(ビューカード)決済を使うとベルメゾンとJRE双方のポイントがアップする特典を実施。また、たとえばJRE POINTを8400ポイント貯めると1万円分のベルメゾンの商品券と交換できるといった、JRE POINT交換用の「割増お買物券」も設定している。

こうした取り組みの結果、資本業務提携から1年後の2021年9月時点で、JRE POINT会員のベルメゾンにおける購入金額(月額)は前年同月比の179.4%に増加。JRE POINT会員がベルメゾンを新規で利用した人数の割合も15.8%(単月)に達し、新規購入者の獲得にもつながっている。

これまで実施してきた施策の結果を踏まえ、JR東日本と千趣会は今後、以下の取り組みに力を入れていくという。
- JR東日本チャネル向けのオリジナル商品の開発
- カタログ+ネット+エキナカを想定した販売戦略・施策の実施
- リアルで体験し、ネットで販売するショールーミング業態の開発
- 人材交流の強化によるノウハウの融合
両社は文化的にもまだまだ融合していけると思っている。人材の交流を強化して、ノウハウを融合しながら新しいものを作り出していきたい。(佐野氏)
この記事は2021年11月17日に「ネットショップ担当者フォーラム2021秋」で行われた講演をまとめたものです。
※このコンテンツはWebサイト「ネットショップ担当者フォーラム - 通販・ECの業界最新ニュースと実務に役立つ実践的な解説」で公開されている記事のフィードに含まれているものです。
オリジナル記事:JR東日本と千趣会、資本提携の背景とは? それぞれの課題と将来に向けた変革
Copyright (C) IMPRESS CORPORATION, an Impress Group company. All rights reserved.
年齢確認が必要なコンテンツはDiscoverに掲載されないかも
テモナ、2022年9月期業績予想を赤字予想に下方修正
アイケイ、2022年5月期決算は減収減益 純利益は約9億円の赤字
EC検索エンジンと連携できる検索連動型広告ソリューション「デクワス.LISTING」

サイジニアのグループ会社でデジタルマーケティングを手がけるデクワスは、検索連動型広告ソリューション「デクワス.LISTING」の提供を始めた。
ECの商品検索エンジンと連携できる検索連動型広告ソリューションで、ECサイトやリテールメディアなどのサイト内検索を通じた収益拡大を支援する。
サイジニアグループでEC商品検索・サイト内検索エンジン「ZETA SEARCH」を提供するZETAと連携する。
処理するECサイトの検索クエリ数が年間1000億クエリを超える「ZETA SEARCH」には、潜在的にリテールメディアのリスティング広告在庫と紐づくキーワードがあるという。「ZETA SEARCH」との連動で、デクワスが配信する広告のコンバージョン効果は通常のリターゲティング広告に比べて高くなることが期待できるとしている。
「デクワス.LISTING」は「ZETA SEARCH」以外の検索エンジンとの連携も可能。サイトへのスムーズな導入・工数削減を実現するという。なお、販売代理店向けのOEM提供なども行う予定。
※このコンテンツはWebサイト「ネットショップ担当者フォーラム - 通販・ECの業界最新ニュースと実務に役立つ実践的な解説」で公開されている記事のフィードに含まれているものです。
オリジナル記事:EC検索エンジンと連携できる検索連動型広告ソリューション「デクワス.LISTING」
Copyright (C) IMPRESS CORPORATION, an Impress Group company. All rights reserved.
EC支援のEストアーがアパレル事業の志風音を買収、EC事業会社のM&Aを続ける理由

EC支援のEストアーは、アパレル事業を手がける志風音(SHIFFON)を買収すると発表した。志風音の普通株式50.2%を16億7000万円で取得、連結子会社化する。7月25日に基本合意契約を締結。株式譲渡日は8月31日を予定している。
志風音はリテール事業、スポーツライフスタイル事業OEM、海外事業、スクールサプライ事業、ホールセール事業を展開。アパレル、ランドセル、スキー、スノーボードウェア、スポーツウェアといったカテゴリーを販売している。

2022年3月期の売上高は47億100万円(前期比34.6%増)、経常利益は5億2200万円(同30.5%増)、当期純利益は3憶4800万円(同94.4%増)。

Eストアーは、データ分析の技術とマーケティングノウハウ、志風音のサプライチェーンを融合。海外EC向けの新たなプラットフォームの新設など、志風音をDX(デジタルトランスフォーメーション)化が徹底された新しいジャンルの企業に進化させるとしている。
志風音の西村健太代表取締役CEOは引き続き代表を務め、Eストアーの経営にも積極的に関与していく予定という。
Eストアーは中期経営計画で、自社EC支援を20年以上にわたって展開しているノウハウや人的リソース、資金を投下してEC関連ビジネスの成長を促しリターンをめざす事業「ハンズオンDX事業」の成長を掲げている。
その一環がEC事業会社のM&Aで、第1弾は卓球情報ポータル「ミングルス」の運営やEC物販を行うFPCと資本業務提携を締結。EストアーはFPCにECノウハウ、ECソリューション、人的リソース、資金投入などを「ハンズオンDX」として提供し、FPCと共にプラットフォーム型EC事業に取り組んでいる。
現在、「ハンズオンDX事業」では7案件が進行中。今後もEC企業のグループ化を検討していく。

※このコンテンツはWebサイト「ネットショップ担当者フォーラム - 通販・ECの業界最新ニュースと実務に役立つ実践的な解説」で公開されている記事のフィードに含まれているものです。
オリジナル記事:EC支援のEストアーがアパレル事業の志風音を買収、EC事業会社のM&Aを続ける理由
Copyright (C) IMPRESS CORPORATION, an Impress Group company. All rights reserved.
EC商品検索・サイト内検索エンジン「ZETA SEARCH」、1年間に処理するクエリ数が約1200億クエリを達成

ZETAは、EC商品検索・サイト内検索エンジン「ZETA SEARCH」が2021年6月~2022年5月の1年間に処理した総クエリ数が約1200億クエリになったと発表した。
ZETAが提供するマーケティングソリューション「ZETA CXシリーズ」の主力製品である、EC商品検索・サイト内検索エンジン「ZETA SEARCH」は、ニトリ、資生堂ジャパン、東日本旅客鉄道、ビームス、ミドリ安全などさまざまな企業が導入しており、継続率95%の実績を誇る。
導入企業の増加に伴い、商品検索時に入力されるデータである検索クエリも大幅に増加。ZETAが年間で処理する年間総クエリ数は、前回集計した2019年6月~2020年5月の900億クエリから、約2年で133%となった。
「ZETA SEARCH」とは
ECサイト内の検索における「絞り込み」「並び替え」の設定の自由度・柔軟性を追求したEC商品検索・サイト内検索エンジン。
キーワード入力時のサジェスト機能や、もしかして検索、ドリルダウン式の絞り込み、事前に検索結果の該当数を表示するファセットカウントなど、多数の検索機能を有している。

※このコンテンツはWebサイト「ネットショップ担当者フォーラム - 通販・ECの業界最新ニュースと実務に役立つ実践的な解説」で公開されている記事のフィードに含まれているものです。
オリジナル記事:EC商品検索・サイト内検索エンジン「ZETA SEARCH」、1年間に処理するクエリ数が約1200億クエリを達成
Copyright (C) IMPRESS CORPORATION, an Impress Group company. All rights reserved.
「25年間一貫して変わらないことは、われわれにとっては店舗さんが大切だということ」。楽天EXPO2022 【ネッ担まとめ】 | ネットショップ担当者が 知っておくべきニュースのまとめ

楽天経済圏がますます強化されていることが発表された「楽天EXPO2022」。中心には楽天市場があってさらにその中心には店舗があるということなんですね。
楽天経済圏と店舗の売りやすさを強化
【「楽天EXPO2022」三木谷社長講演】当日配送「きょう楽」実現へ 新たな商品管理、環境配慮にポイント付与など発表 | TECH+
https://news.mynavi.jp/techplus/article/20220722-2405395/
楽天経済圏はネットだけではなくてモバイルもありますよね。なんと楽天モバイルユーザーの約80%が楽天市場を利用しているそうです。モバイルを使ってもらえれば市場を使ってもらえて、市場を使ってもらえれば……という流れ。もちろん逆の流れもあります。どこから入ってもいいのでとにかく経済圏へ、という動きです。
「SKU対応により、同じ商品でも、サイズ別に料金を設定できるようにしたり、訳アリを少し安くしたり、定期購入をできるようなシステムを強化したり、お届け日をエリアで分けたり、ボリュームディスカウントできるようにしたりすることを可能にする」と話す。
もちろん経済圏には店舗も入っています。店舗が元気になれば市場も元気になるということですね。その施策の1つにSKU対応があります。細かい設定ができるようになるので売る方法が増えますし、買う側も自分の好みによりあったものが買えるようになるので活性化します。
これ以外にも物流の強化や環境配慮行動に対して楽天ポイントを付与する「グリーンライフ・ポイント事業」も始まるとのこと。
楽天経済圏ユーザーのための施策がどんどん増えてくるでしょうから、今まででは気づかなかったところにチャンスが出てくる可能性があります。楽天で売ろうと思ったら経済圏にどっぷりつかってみるのもいいかもしれませんね。
関連リンク
- 楽天・三木谷社長が語った「モバイルと市場のシナジー」「きょう楽」の可能性など【「楽天EXPO 2022」講演要旨】| ネットショップ担当者フォーラム
https://netshop.impress.co.jp/node/10007
今週の要チェック記事
住民の不用品、メルカリで再利用 「加茂市モデル」で推進へ | 朝日新聞デジタル
https://www.asahi.com/articles/ASQ7M77M4Q71UOHB001.html
徳島市×メルカリ、人材育成と市民サービス向上で連携 | TECH+
https://news.mynavi.jp/techplus/article/20220715-2400082/
メルカリと行政の連携が進んでいます。蒲郡市がマンホールのふたを売り始めたというニュースもありましたよね。
日本のお菓子の海外向けサブスク「ICHIGO」 ストーリー伝える冊子で日本を旅する気分も提供 | ECzine
https://eczine.jp/article/detail/11521
「自社でできることは自社でやる」。この発想できめ細かなサービスになっているのが成功の秘訣のようです。
“おじさん上層部”の反対を押し切って発売 約2年で44万個売れた「プリントグラス」のヒットの理由とは?:7カ月連続で最高販売数を更新 | ITmedia ビジネスオンライン
https://www.itmedia.co.jp/business/articles/2108/13/news063.html
おじさんは反対するもの。ここまでセットで考えておかないといけないという事例。おじさんって……。
2022年上半期季節催事の流通額・利用者数が過去最高に 父の日流通額は2.7倍に/LINEギフト調査 | ECzine
https://eczine.jp/news/detail/11603
ギフトって仰々しいイメージがありますが、もっと気軽にプレゼント感覚で使っているユーザーが多いです。
「Shopify」と「YouTube」が連携、「YouTube ショッピング」で動画コマースを簡単に実現 | ネットショップ担当者フォーラム
https://netshop.impress.co.jp/node/9993
「チャンネル登録者1000人以上など、Googleが定めた資格要件を満たす必要がある」。とのことです。ねらえるならねらいたい強力な連携です。
一覧ページの商品写真のための6つのヒント | U-Site
https://u-site.jp/alertbox/product-photos-listing-pages
ここまで写真こだわってもよい商品なら時間をかけてもいいですね。お店のイメージを考えながら。
SEOに取り組むなら活用必至のツール13選【現役コンサルタントに聞いてみた】 | webma
https://webma.xscore.co.jp/columns/seo-tools/
超定番のツール。自社ECでSEOを考えるのなら知っておきたい。
商品画像・商品詳細画像は利用できません。追加画像をご利用ください。エラーへの対処法 | アルド
https://www.aldo-system.jp/blog/yahoo-shop-kaizen/img-error-202207/
こうしたちょっとしたトラブルで時間が無くなることって多いですよね。困っていた人は参考に。
今週の名言
【「楽天EXPO2022」三木谷社長講演】当日配送「きょう楽」実現へ 新たな商品管理、環境配慮にポイント付与など発表 | TECH+
https://news.mynavi.jp/techplus/article/20220722-2405395/
環境が変わっても、この25年間一貫して変わらないことは、われわれにとっては店舗さんが大切だということ。
冒頭で紹介した記事からの名言です。どのモールで頑張ろうかと思ったときに、こう言われてしまうと頑張っちゃいますよね。仕組みやサービスも重要ですがそれよりも重要なのが気持ち。
※このコンテンツはWebサイト「ネットショップ担当者フォーラム - 通販・ECの業界最新ニュースと実務に役立つ実践的な解説」で公開されている記事のフィードに含まれているものです。
オリジナル記事:「25年間一貫して変わらないことは、われわれにとっては店舗さんが大切だということ」。楽天EXPO2022 【ネッ担まとめ】 | ネットショップ担当者が 知っておくべきニュースのまとめ
Copyright (C) IMPRESS CORPORATION, an Impress Group company. All rights reserved.
筆者出版情報
「未経験・低予算・独学」でホームページリニューアルから始める
小さい会社のウェブマーケティング必勝法
森野誠之 著
翔泳社 刊
発売日 2021年10月15日
価格 2,200円+税
この連載の筆者 森野誠之氏の著書が翔泳社から発売されました。小さな会社の“ひとり担当者”が、未経験、低予算、独学でホームページのリニューアルからウェブマーケティングまでを成功させるための指南書です。電子版、オンデマンド印刷版ともにAmazonで発売中です!
これからBtoB-ECに取り組む人のための、カート・受発注システム事業者情報 ②ebisumart(インターファクトリー)

これからBtoB-ECに取り組む事業者のために、主要なカート・受発注システム事業者について、7回に渡って各社の概要や特徴をまとめるシリーズ。第2回はインターファクトリーが運営する「ebisumart」について解説。
第1回 Bカート
第2回 ebisumart(今回)
第3回 EC-CUBE
第4回 アラジンEC
第5回 ecbeing BtoB / ecWorks
第6回 SI Web Shopping
第7回 まとめ
「ebisumart」の概要

URL:https://www.interfactory.co.jp/
所在地:東京都千代田区富士見二丁目10番2号 飯田橋グラン・ブルーム 4階
設立:2003年6月
資本金:3億9,358万円
代表者:代表取締役社長 兼 CEO 蕪木 登
事業内容:クラウドソリューション事業
社員数:148名(2022年5月現在)
カスタマイズ可能なクラウドコマースプラットフォーム「ebisumart」を提供。以前からBtoC、BtoB向けの両方を提供してきたが、マーケットニーズの高まりを受け、2019年にBtoB専門部署を設置。ユーザーの開拓と機能開発を強化している。
クラウドならではの継続的なアップデートによりすべてのユーザーが常に最新機能を利用できるメリットに加え、企業ごとのカスタマイズに対応できることが強み。2020年8月の東証マザーズ上場以降、特に大手企業からの引き合いが拡大している。
「ebisumart」のサービス・ソリューション
クラウドコマースプラットフォーム「ebisumart」は、BtoC、BtoBを合わせて累計700サイト以上の導入実績を持つ。中でもBtoB事業者の増加率は年々勢いを増しており、現在は新規導入社のうち約30%を占めるまでに達しているという。
「ebisumart」は要望の多い機能を順次標準化しており、直近1年間で行われた無料アップデートの回数は250回以上にのぼる。2019年にはBtoB事業者向けの専門部署が設置され、BtoB特有の機能強化・標準装備にも力を入れている。システムが陳腐化せず、中長期的な改修コストも抑えられるクラウド型でありながら、個社ごとの独自のカスタマイズや外部システムとの連携にも柔軟に対応できる強みを持ち合わせていることも特徴だ。
同社はシステム面の機能強化に加えて、取引先利用率向上や業務効率化、事業成長を後押しする支援サービスも拡充している。BtoB専門部署が常時サポートや各種セミナーを実施しているほか、2021年にはカスタマーサクセスの一環として、「ビジネスグローアップサポート」が本格始動した。20年近くEC事業を支援してきたノウハウを生かし、各社に合ったコンサルティングを提供している。

料金体系や大まかな費用感
従量課金プラン、固定料金プラン、レベニューシェアプランの3つのプランを用意。従量課金プランの利用が多い傾向となっている。従量課金プランの料金は下記のとおり。
- 初期開発費用 :300万円〜(カスタマイズ内容により変動)
- 月額費用 :基本保守料金+カスタマイズ機能保守費用+オプション利用料金+アクセス費用(変動)

外部サービス・事業者の提携
導入事業社とエンドユーザーの利便性を高めるために数多くのERPや支援ツールとの連携実績のほか、「ebisumart」が公開しているAPIを利用した連携も可能となっている。
導入・開発期間
開発期間は6か月~1年程度が多い。
(1)主な顧客層
●業種・業態
様々な業種・業態の企業で実績がある。製造業での導入が比較的多くなっている。
●年商規模、商品特性
- 企業規模 :中堅〜大手企業
- 商品特性 :特に制限はない
●顧客事例① 株式会社ヤマハミュージックジャパン
ヤマハ株式会社が100%出資する国内の販売会社。楽器や音響機器の卸販売から「ヤマハ英語教室」などで知られる教室事業まで、幅広く事業を展開する。
同社は以前から、エンドユーザーが所有する電子楽器や電気音響製品のアフターサービスに使用するサービスパーツのBtoB-ECサイトをインハウスで運営してきたが、「すでに他のECサイトに慣れ親しんだ技術者が、同様の感覚でサービスパーツを購入できる仕組みにしたい」と「ebisumart」を導入しリニューアル。
インハウスで運営していた頃は、BtoB-ECサイト経由での受注率は50%程度だったが、販売店の商品種別契約をチェックし、制御する機能をカスタマイズで組み込んだこともあり、運用開始後、半年で受注率は70%に上がった。
今まで契約の制限でFAXでしか注文できなかった製品群のサービスパーツも、ECサイトを通して注文できるようになり、ユーザーの利便性が向上したことが要因と考えられる。

出典:株式会社インターファクトリー
●顧客事例② 株式会社カワダ
カワダは創業60年を誇る玩具総合問屋であり、自社商品である「nanoblock®」「パーラービーズ」をはじめ、数多くの玩具を卸売りしている。同社では、コンシューマー向けのECの浸透に合わせ、卸売りでも同様な仕組みで受発注できないかと考え、ASPサービスを利用してECを展開してきた。
しかし、より本格的にEC事業を展開していくためにはシステムの再検討が必要と考える中、同社が実現したいことに対応できる柔軟性が決め手となり「ebisumart」を採用した。
従来システムから、在庫データ管理システムや受注管理システムの改善を行い、業務効率化を実現。また、季節的な変動があるが一定の季節で変わらずに売り上げが上がり、会員数も毎年増加している。

(2)売上傾向
導入件数は年々右肩上がりで増加しており、特にBtoB事業者の増加率がめざましい。また、大規模な案件が多くなっている。

出典:株式会社インターファクトリー 2021年5月期 通期決算説明会 資料
「ebisumart」の強みや他社との差別化ポイント
「ebisumart」を導入するBtoB事業者は、他のシステムからのリプレイスが約7割を占めている。EDIやパッケージ、スクラッチ開発など、何らかのシステムを用いてBtoB取引をしていたものの、「以前のシステムでは取引先の利用が浸透しなかった」「改修の手間とコストがかかる」といった理由から「ebisumart」が選ばれているという。
カスタマイズ可能なクラウド型ECプラットフォームであることが最大の特長である。様々な機能をインターファクトリーが継続的に開発することにより、古くから継続利用しているユーザーも、明日から利用するユーザーと同じ機能を利用できるため、バージョンが古いことで使いたい機能が使えないなどの制約から開放される。
また、このようなクラウドのメリットに加えて、導入事業者ごとにカスタマイズできることも最大の強みであり、バージョンの概念がないため個別カスタマイズをしていたとしても最新の機能を利用することができる。
顧客は中堅から大手企業が中心であることから、すでに販売管理・在庫管理など基幹システムが稼働しているケースが多い。そのため「ebisumart」導入においても、既存のネットワークとつながってBtoB-ECを構築したいという要望が多いことから、企業ごとのリクエストに応じたカスタマイズ体制をとっている。また見積フローや、取引先の与信枠に応じて発注プロセスを変更したいなどの細かな要望にも応じている。
そのほか、顧客の中には「中間サーバーを持っているため、インターファクトリー側にAPIがあれば自社で連携開発できる」というケースもあることから、ebisumart標準APIを用意。APIを利用することでコストを抑えて開発できるため、企業の状況に合わせ、①個別カスタマイズするケース、②APIを利用するケースに分けて提案できることも強みにしている。
市場の現状と展望
BtoB取引のEC化率は大々的に拡大すると予測される一方、BtoB-ECを構築する上で「売る」ことだけに意識を集中してはならないと示唆する。
例えば、あるロットに問題が発生して返品・回収が必要になった際には、一括返品できる仕組みが重要となるだろう。安全管理の観点からも、原材料や部品の調達から商品がエンドユーザーにわたるまでの生産・流通プロセス(SCM:サプライチェーンマネジメント)上に不備をきたさない仕組みを構築することが、企業の責任として求められるからだ。
実際に、グローバルな事例を見ると、BtoC-ECでは返品できないサイトが欧米などであまり受け入れられていないように、こうした流れはBtoB-ECにおいても重視されてくると見ている。BtoB-ECでも「売る」仕組みだけではなく、取引先やその先にいるエンドユーザーからの信頼を十分に考慮した仕組みづくりに取り組まなければならない。
このほか、取引先からのBtoB-EC利用の普及がよく課題に挙がっているが、利用普及の障壁になるものは必ずしも取引先側のネットリテラシーだけではないと指摘する。高温多湿の工場やWi-Fiがつながない現場など、様々な理由でWebからの注文ができない環境が存在しており、そういった場所から「今すぐ注文したい」という場合には、今後も電話などのアナログな手段が使われるだろう。
この時に、営業担当者に電話で伝えてECから代理注文できる機能があれば、従来のように電話・FAX受注だけに対応するオペレーターを何人も抱える必要はなくなる上、そういった現場を持つ企業に新規営業する際にも有効に働くと考えられる。「ebisumart」には、こうした営業支援につながる機能を搭載。業務効率化やコスト削減の効果にとどまらず、販路拡大に向けてもBtoB-ECの活用が広がっていくと見ている。
今後の戦略と課題
「ebisumart」は柔軟なカスタマイズが可能でありながら、中長期的なコストが抑えられる強みを持つため、中小規模から大規模なECサイトまで幅広い事業者に導入されている。今後はこの実績とノウハウを生かし、サービスプランを拡張して中小規模向けとエンタープライズ向けにそれぞれのソリューションを展開したい考えだ。
規模によってニーズや重視するポイントは異なってくる。それぞれのニーズに寄り添った支援を強化するため、スピードが求められるスモールビジネスの事業者にはより導入・運用しやすい仕組みを提供し、エンタープライズにはより高いパフォーマンスが実現できる仕組みを提供していく。
BtoB-ECサイトとは、「既存の実務をWebという仮想空間に反映するもの」であるが、インターファクトリーは、「多くの企業が日頃行っている取引先ごとの運用を言語化できていない」と指摘する。例えば、得意先への商品の案内方法から、取引先ごとに異なる売価設定、注文時に必要な付帯情報、受注後の業務の流れといったものだ。これらの業務内容を言語化できなければ、システム化は難しい。
そのため、まずは取引先ごとに日々どんな運用を行っているかを洗い出すことが必要になる。同社では、細かなヒアリングシートを作成。導入企業と何度も商談を重ね、「業務の見える化」からスタートする。
またBtoB-EC導入時には、「自社業務負荷の軽減」以上に、得意先がそのサイトを利用することで得られるメリットに目を向ける必要がある。得意先が利用しなければ、意味がないシステムになってしまうからだ。しかし企業の多くは、導入時に自社のメリットばかりに意識を向けている。
同社では、そうした企業の意識改革を行うため、まずはBtoB-ECを利用する取引先の立場に立ち、日頃どのように商品を探しているのか(指名買い中心なのか、ニーズでの検索が必要なのかなど)や、得意先からどのような問い合わせが多く来ているかなどを細かくヒアリングする。その上で得意先が利用しやすい工夫を実装した事例を提案し、すべての取引先が使いやすいサイト構築を目指していくという。
また、一言にBtoB-ECといっても、クローズド、スモールB、業務効率化など、様々なニーズが企業には存在するという。同社はカスタマイズ可能なクラウド型のECプラットフォームであるため、もちろん個別にカスタマイズを行えば企業の様々なニーズに応えることはできる。
ただ、それではコストも時間もかかってしまう。そのため、導入事業者の負担を軽減し、スピーディーにサービスを立ち上げるために、様々な業種業界に対応したテンプレートを準備しておくことが必要であると考えている。BtoBに特化した製品開発を行うことで、競争力を高めていきたいという。
『BtoB-EC市場の現状と将来展望2022』
- 監修:鵜飼 智史
- 著者:鵜飼 智史/森田 秀一/朝比 美帆/インプレス総合研究所
- 発行所:株式会社インプレス
- 発売日 :2022年1月25日(火)
- 価格 :CD(PDF)+冊子版 110,000円(本体100,000円+税10%)
CD(PDF)版・電子版 99,000円(本体 90,000円+税10%) - 判型 :A4判 カラー
- ページ数 :250ページ
※このコンテンツはWebサイト「ネットショップ担当者フォーラム - 通販・ECの業界最新ニュースと実務に役立つ実践的な解説」で公開されている記事のフィードに含まれているものです。
オリジナル記事:これからBtoB-ECに取り組む人のための、カート・受発注システム事業者情報 ②ebisumart(インターファクトリー)
Copyright (C) IMPRESS CORPORATION, an Impress Group company. All rights reserved.
503が404としてGoogle検索で扱われるのはどんなとき?
楽天・三木谷社長が語った「モバイルと市場のシナジー」「きょう楽」の可能性など【「楽天EXPO 2022」講演要旨】 | 大手ECモールの業績&取り組み&戦略まとめ

楽天グループが7月21日に行った「楽天EXPO 2022」。楽天モバイルとのシナジーによる流通総額増加、日本郵便との連携強化によって注文当日に商品を届ける「きょう楽」の実現などに言及した三木谷浩史会長兼社長の講演内容をまとめた。

楽天グループのサービス利用状況
楽天グループのサービスを利用する国内の月間アクティブユーザーは2022年3月までに3600万人を突破。2サービス以上を利用するユーザー比率は74.8%に達している。

提供するポイントプログラム「楽天ポイント」の累計発行ポイント数は7月に3兆ポイントを突破。2021年8月に2.5兆ポイントに達し、その後約11か月で5000億ポイント発行した。

ECや旅行、金融、通信、スポーツなどをはじめ70以上のサービスと独自の「楽天エコシステム(経済圏)」を形成。2022年4-6月期における「楽天市場」と他のECサービスのクロスユースユーザー数も堅調に伸びている。

「楽天西友ネットスーパー」の2022年5月度における月間流通総額は、2018年8月度比で4.7倍に拡大。「楽天学割」「楽天ママ割」など各種サービスの会員数も増加しており、2022年4-6月期における会員数は前年同期比で2ケタ以上の伸び率を記録している。

楽天モバイルが流通総額拡大などに寄与
モバイル事業に注力している楽天グループ。楽天モバイルの端末を使うユーザーが増えれば、「楽天市場」などのEC流通総額にも大きな相乗効果が生まれると三木谷社長は強調する。
4G回線エリアの人口カバー率が97%に到達したという楽天モバイルは、「楽天市場」にどのような効果をもたらしているのか。
楽天モバイル契約者における新規楽天ユーザー比率(2020年3月以降の累計楽天モバイル契約者のうち、これまで楽天サービスの利用のないユーザーの割合)は、2022年6月度で21.5%。

楽天グループのサービスを使うユーザーに占めるモバイル契約者の割合は、2022年3月度で11.3%。楽天モバイルユーザーの楽天市場利用率は2022年6月時点で約8割に達しているという。

楽天モバイルユーザーは、リテンション率が高いという数値も出ている。2022年5月の購入ユーザーが2022年6月に購入した割合を、MNO契約有無で比較したところリテンション率はMNO契約有は7.8ポイント高かった。
楽天モバイルを1年以上利用しているユーザーは、契約前比で年間流通総額は54%増加。「楽天モバイル」を契約することでポイント付与率が高まるため、利用促進につながっている。楽天モバイルユーザーが「楽天市場」で買い物するとポイント最大16倍を付与する取り組みを行うなど、「楽天市場」と楽天モバイルは連携を強化しているという。

楽天モバイルのユーザー数が2000万人に達すれば「楽天市場」の流通総額は3~40%伸びる。楽天モバイルは「楽天市場」の成長に密接につながっている。
Amazonのプライムサービスに該当するのが楽天モバイルだと思ってほしい。楽天グループサービスを使うほどポイント倍率がアップする「SPU(スーパーポイントアッププログラム)」を使う、使わないで大きな差が出る。(三木谷社長)
「楽天市場」が取り組むこと
2023年4月に、商品の管理単位をSKU単位に刷新する。SKU対応による新たな商品管理で、ユーザーの購買体験を大きく向上するとしており、「同じ商品でのサイズ別料金設定、訳あり商品のディスカウント販売、定期購入のシステム強化などができるようになる」(三木谷社長)

楽天グループは日本郵便と物流拠点や配送システム、受取サービスの構築、楽天フルフィルメントセンター(RFC)、ゆうパックなどの利用拡大に向けた取り組みを共同で進めている。
楽天フルフィルメントセンターから直接、配達を担う郵便局に荷物を輸送する取り組みを楽天フルフィルメントセンター流山でスタート。「安く早く荷物を届けることができる。間もなく『きょう楽』もできるようになるかもしれない」(三木谷社長)

楽天フルフィルメントセンターの利用店舗数は5000店舗を突破。「楽天市場」の注文の2割をカバーしているという。
なお、物流施設の拡充は継続的に進めており、2023年までに福岡、多摩、八尾に自動化・省人化された物流施設を開設する予定。
購入者の送料負担を0円とするラインを3980円以上に設定した「送料無料ライン」について、93.3%の店舗が2022年7月までに導入。「送料込みライン」導入店舗と未導入店舗の成長率を比較すると、導入店舗は未導入店舗と比べて成長率は約17.3ポイント高くなっているという(2020年12月における流通総額成長率を前年同期と比較した場合)。

楽天グループは環境省が2021年度補正予算で実施する「グリーンライフ・ポイント」事業に採択され、2022年10月頃にスタートする予定。配送施策の省資源化商品の購入、ラベルレス商品の購入、省エネ家電の購入、サステナブルファッション・リユース衣類の購入、再生可能エネルギー電力導入施設への宿泊などにポイントを付与する。

※このコンテンツはWebサイト「ネットショップ担当者フォーラム - 通販・ECの業界最新ニュースと実務に役立つ実践的な解説」で公開されている記事のフィードに含まれているものです。
オリジナル記事:楽天・三木谷社長が語った「モバイルと市場のシナジー」「きょう楽」の可能性など【「楽天EXPO 2022」講演要旨】 | 大手ECモールの業績&取り組み&戦略まとめ
Copyright (C) IMPRESS CORPORATION, an Impress Group company. All rights reserved.
グーグル、Ads Creative Studioを提供
グーグルが、クリエイティブ管理プラットフォーム「Ads Creative Studio」の提供を開始。広告の制作、クリエイティブアセットの管理、メディアチームとの共有に使用できる。「Director Mix」機能が搭載されており、オーディエンスごとにカスタマイズするビデオのバリエーションを用意できる。
Creativity meets scale in Ads Creative Studio
https://blog.google/products/ads-commerce/ads-creative-studio-global-launch/
Ads Creative Studio
https://adscreativestudio.google.com/
「Director Mix」の使用例は、次の通り過去にこのブログでも紹介している。
ナレーション違いで70種類以上の動画広告
https://blog.netadreport.com/2021/03/70.html
アダストリアがメタバース空間でのビジネスに参入

アダストリアは7月23日、メタバースファッション領域に参入すると発表した。
参入第1弾のパートナーはエイベックス・グループのバーチャル・エイベックス。Z世代を中心に支持されているアダストリアブランドのアイテムを共同でアバター化した。

アバター化したのはアダストリアのブランド「RAGEBLUE(レイジブルー)」と「HARE(ハレ)」のアイテム。大阪市北区梅田の街をメタバース空間で再現したイベント「JM梅田ミュージックフェス2022 SUMMER」(主催は阪神阪急ホールディングス、7月23日から8月21日まで開催)に、来場者が無料で着せ替えできるアバター用の洋服(スキン)として提供する。
今回、JM梅田のメタバース空間で着用できる「レイジブルー」「ハレ」のアバターアイテムは、実際に各ブランドが販売しているリアルのアパレルアイテムをメンズ5体、ウィメンズ5体の計10体を展開している。来場者はその10体のアバタースキンを無料で着用し、JM梅田のメタバース世界を楽しむことができるという。

アダストリアは2025年に向けた成長戦略の1つに「デジタルの顧客接点・サービスを広げる」ことを掲げている。ミッション「Play fashion!」をメタバースの世界でも伝え、モノ・コト・ヒト・トキの体験によってファッションを楽しむきっかけを提供する。
アダストリアはメタバース領域参入の初期は、メタバースファッションの商品提供、販売からスタート。6つの資産「ブランド」「商品」「店舗」「スタッフ」「デザイナー、パタンナー」「自社ECプラットフォーム(.st)」を生かし、ファッションを通じたメタバースの世界での楽しみ方を提案していく。
将来的には、さまざまなメタバースプラットフォームへの展開、メタバース内でのコンテンツ提供、イベント開催、IP(intellectual property)などの展開を予定している。
※このコンテンツはWebサイト「ネットショップ担当者フォーラム - 通販・ECの業界最新ニュースと実務に役立つ実践的な解説」で公開されている記事のフィードに含まれているものです。
オリジナル記事:アダストリアがメタバース空間でのビジネスに参入
Copyright (C) IMPRESS CORPORATION, an Impress Group company. All rights reserved.
世界中で利用が伸びるBNPL(後払い決済)サービスの日本のパイオニア、ネットプロテクションズがShopifyと連携した狙いとは?

世界中で注目を集めるECプラットフォーム「Shopify(ショッピファイ)」と、国内BNPL(後払い決済)のパイオニアで「NP後払い」「atone(アトネ)」を手がけるネットプロテクションズはこのほど、サービス連携を開始した。
「ネットショップ担当者フォーラム 2022 春」のセッションでは互いのサービスの特徴や連携によるメリットなどについて、ネットプロテクションズの秋山瞬氏とShopify Japanの伊田聡輔氏が解説。さらに事業者と消費者の双方にとって最適なEコマースの購買体験を実現するために今後求められることは何なのか、両氏が展望する。本セッションはネットショップ担当者フォーラム瀧川正実編集長の司会で進行した。

(中)Shopify Japan株式会社 シニア セールスリード 伊田 聡輔 氏
(右)ネットショップ担当者フォーラム編集部 編集長 瀧川 正実 氏
「Shopify」が「NP後払い」「atone」と連携する狙い
2022年4月にネットプロテクションズが提供する「NP後払い」「atone(アトネ)」の2つのサービスが「Shopify(ショッピファイ)」と連携した。

Shopify Japanの伊田氏は「世界中の人にShopifyを使ってもらうことを考えたときに、グローバルであることが大切になる部分と、ローカルで使えるものでなければいけない部分がある」と述べる。
グローバル展開のメリットは、プラットフォームがデータセンターを持つことでWebサイトがダウンしにくいこと、キャパシティが大きいことなどがあげられる。一方、物流や決済など、日本のEC事業者がShopifyで物を売る際には、国内サービスを導入する必要があるという。
Shopify Japanとしては、BNPLにおける日本のパイオニアであるネットプロテクションズと組むことで、EC事業者とユーザー双方にとってより高い利便性を提供していきたいとの思惑がある。
コロナ禍とリソースの最適化を狙い増加するShopify導入企業
コロナ禍においてECビジネスに参入する企業や、そこで買い物をするユーザーが増加している。その理由について、伊田氏は「コロナ禍によって実体経済がEコマースの世界に移っているという流れがある」としつつ、それ以外にも日本ならではの要因があるとして次のように指摘する。
日本では、かなりの数のEコマースサイトが5年前、10年前に作られたまま老朽化していると考えられる。当然、事業者側は改修しなければいけないという使命感を持っているが、既存のサイトのマネージメント、たとえばキャンペーンを回したり、季節商品の入れ替えをしたり、維持管理したりする仕事にリソースの多くが割かれてしまい、サイトの改修にまで手が回らない。(伊田氏)
Shopify Japanシニアセールスリードの伊田聡輔氏
こうした環境のなかで、短い期間で簡単に導入ができ、少ないリソースで運営ができるShopifyに注目が集まっているのではないかと見ている。見方を変えると、ビジネスの「成長」と「メンテナンス」の2つの軸のうち、より多くのリソースを「成長」に使いたいと考える企業がShopifyを選んでいると伊田氏は分析する。
実際、Shopifyを導入する企業からは、「オペレーション面でより効率化していきたい」や「負荷なく運営していきたい」といったニーズが寄せられているようだ。
導入企業増加の要因として、伊田氏がもう1つあげるのが、ノーコード・ローコードでやりたいことができるという点だ。つまりコーディングをせずにフレキシブルにWebサイトを改修できる利便性の高さが評価されているようだ。
「売ることに全勢力をつぎ込みたいという事業者をサポートするのがプラットフォームの役目であり、そこが支持されている」と伊田氏。
こうしたShopifyの拡大について、後払い決済サービスを提供するネットプロテクションズの秋山氏も評価している。
事業者にとっては、手軽に使えるという点が非常に大事で、それが事業規模を問わずに提供できているShopifyの強みであり素晴らしいところ。最近は導入企業が一層増えている印象で、機能も拡充し使い勝手もよくなっている。(秋山氏)
ネットプロテクションズ執行役員の秋山瞬氏
Shopifyがサービス運用で大事にしていること
ここでShopifyの運営方針/コンセプトを整理しておこう。Shopifyが重視していることとして、大きく4点をあげることができる。
①成長
サイトのメンテナンスではなくて、ビジネスの成長に事業者のリソースを割けるようにする。
② シンプルな操作性
コーディングの知識がない人でもやりたいことがすべて実現できるように、高い操作性を実現する。
③ オートメーション
在庫がなくなったら自動的にそのEコマースサイトから商品を消すなど、ルーティーンの業務を自動化する。
④イノベーション
最新の機能を素早く搭載できるプラットフォームである。
上記の4点を踏まえた下記2点がShopifyのコンセプトとなる。
- 事業者が今、やらなければいけないことが簡単にできるようにする。
- 今後、やらないといけないことはできるようにする。

後払い決済サービスに関するトレンド――国内と海外の違い
コロナ禍以降、決済手段の拡充についても注目度が高まっている。買い物体験の向上を目指す企業が増えていることが背景にあるが、この流れは世界的にも進んでおり、2021年はAmazonがBNPLの導入を開始。アメリカだけではなく、ヨーロッパ、オーストラリアでもBNPLはトレンドになっている。
日本では、BNPLの分野はネットプロテクションズがパイオニアとなり、後払い決済の文化を創出してきた。もっとも、海外と日本では、BNPLに対するニーズなどにおいて異なる点もあるようだ。
海外の場合、クレジットカードで支払う際に手数料を払って分割払いをしていたユーザーの間で、購買後に手数料無料で分割払いができるという点が評価されている。つまりクレジットカードの代わりに手数料無料で分割払いができるサービスというのがBNPLの位置づけだ。
これに対して、日本では事情が異なる。日本では元々、カタログ通販で後払いという決済手段に馴染みがあった。カタログ通販からEコマースに移行しても、物が届いてから安心して払いたいというニーズは依然としてある。つまり分割ではなく一括で、物を見てから安心して払いたいというニーズに対応しているのが日本のBNPLのあり方だと言える。

クレジットカードの保有率と分割・リボ払いの日米比較
日本のクレジットカードの保有率は微減傾向にある。ただ、分割やリボ払いをアメリカと比べると、日本は明らかにニーズが少ない。日本の商習慣ではそもそも分割払いに対してあまり馴染みがないことが影響しているようだ。

ネットプロテクションズ会員の内訳
ネットプロテクションズの会員500万人のうち、性別では女性が76%と多く、年齢層では20代から60代まで幅広い年代が利用している。また、クレジットカードの保有率は70%程度で、カードを持っていながら後払い決済を利用しているユーザーが多い傾向にある。
対面での購入時にはクレジットカードを使うが、Eコマースで物を買うときはネット上にクレジットカード情報を残したくなかったり、新しいEコマースサイトでは後払いで買いたかったりというニーズが背景にある。昨今、不正アクセスが増加するなか、ユーザーはクレジットカードと後払いを使いわけているようだ。
また、コロナ禍によって、代引きのように配送スタッフと対面で支払いをするのを避ける傾向にある。加えて、宅配ボックスや置き配など配達手段の進化もあり、後払い決済サービスの利用拡大を後押ししている。

日本におけるBNPLの市場動向
日本のEC市場は拡大傾向にあるが、その伸び以上にBNPLの市場規模は伸長している。ネットプロテクションズによると、これまで全く後払い決済を導入していなかった事業者が新たに始めるケースが増加しており、それと同時に、ユーザーが後払い決済を利用する金額も増えてきているという。

ネットプロテクションズが掲げるミッション「つぎのアタリマエをつくる」
ネットプロテクションズでは「つぎのアタリマエをつくる」というミッションを掲げている。
Eコマースをするなかで、決済は切っても切り離せない。その部分を決済専業会社に任せることで、EC事業者は空いた時間で本業に集中する。このように次の当たり前を作ることを実現していくのが目指すビジョンだ。
ネットプロテクションズが決済で最も大事にしているのが与信の仕組み。後払い決済という特性上、購入後に支払わないという事態を避けるため、20年間で3億件のデータを蓄積し、そのデータを用いて独自の与信システムを構築している。また、与信では取引を止めずユーザーにストレスを与えないことも大事になる。そこで与信の通過率の高さも同時に実現するような仕組みを20年間磨き続けているという。

ネットプロテクションズでは、EC事業者の売り上げ拡大への貢献にとどまらず、利用者側に対してもAIを活用しながら取引の透明性を担保し、購買のサポートも行っている。

新規顧客獲得に有利な「NP後払い」と優良顧客の定着化に強い「atone」
ネットプロテクションズの「NP後払い」は、Eコマースにおける物販の決済として利用される。ユーザーは会員登録が必要なく、名前・住所・電話番号・メールアドレスを登録すると、請求書が届き、コンビニや郵便局で支払う。日本の7人に1人がこのサービスを使っているという。
このNP後払いを進化させた決済サービスが「atone」で、携帯電話番号とパスワード入力によるログインで利用する。NP後払いが購入のたびに請求書が届いて支払うのに対して、atoneは月でまとめて支払う。請求書はハガキだけでなく、メールやアプリにも対応。買い物時に使えるポイントも付与する。
NP後払いは会員登録が不要なため、新規の顧客獲得において有利となる。一方、リテンションにつなげてLTVを高めていきたい場面では、atoneの方が親和性は高い。

メンズスキンケアのD2Cを手がけるECサイトでは、NP後払いとatoneを併用したことで、初回購入の翌月以降にリピートする割合が14%アップした事例もあるという。「新規顧客の獲得」と「既存顧客の継続化」という2つの軸において確実に成果を出している。
NP後払いとatoneの今後について、ネットプロテクションズの秋山氏は「事業者と消費者の双方がストレスなく購買体験できる決済サービスとして、さらに付加価値を提供していきたい」とする。
その一環で、NP後払いとatoneの両サービスを使う際にそれぞれ開発が必要だったところを、共通のインターフェースを作ることで両サービスの導入やアップデートを同時にできるようにしていく計画だ。

Shopifyとネットプロテクションズの協業で目指す世界とは?
ShopifyがEコマースで物を売るための敷居を下げるプラットフォームだとすると、ネットプロテクションズのNP後払いはEコマースで物を買うための敷居を下げるサービスと言える。その意味では、Shopifyとネットプロテクションズの協業は「売る側の敷居を下げ、買う側の敷居も下げることに大きく貢献する」(伊田氏)ことになりそうだ。
さらに、atoneに関しては、Eコマースだけではなく実店舗でも使えるサービス設計になっており、物販に限らずデジタルコンテンツでも使えることから、対象となる領域も広くなる。ネットプロテクションズとしても「誰でもどこでも使えるような世界観を作っていきたい」(秋山氏)と意気込む。
また、atoneのアカウントを持っていれば初めて利用するEコマースでatoneのアカウント情報を使って簡単に会員登録をすることができる機能を提供する予定だ。

Shopify Japanの伊田氏はECモールか自社ECサイトの2択ではなく、「どこでも売れるし、どこでも買えることが大事」と話す。
ECモール、自社サイト、SNS、実店舗などすべてのチャネルで同じ顧客経験を提供するというのが、これからのコマースのあり方だろう。(伊田氏)
今回の両社の協業によって、こうした新しいコマースの実現に向けた動きがより加速していきそうだ。

※このコンテンツはWebサイト「ネットショップ担当者フォーラム - 通販・ECの業界最新ニュースと実務に役立つ実践的な解説」で公開されている記事のフィードに含まれているものです。
オリジナル記事:世界中で利用が伸びるBNPL(後払い決済)サービスの日本のパイオニア、ネットプロテクションズがShopifyと連携した狙いとは?
Copyright (C) IMPRESS CORPORATION, an Impress Group company. All rights reserved.
noindexタグをbody要素内に記述したらそのページインデックスから消えた!?
コムニコ、コラボ先仲介サービスを開始
コムニコは、ソーシャルメディア上でコラボレーションしたいアカウントを仲介する「コラボ先仲介サービス」を開始。要件を登録すると匿名で公開され、コラボレーションの依頼が届く。






![BtoB-EC市場の現状と販売チャネルEC化の手引き2020[今後デジタル化が進むBtoBとECがもたらす変革]](https://netshop.impress.co.jp/sites/default/files/images/article/2022/report/9428-8.jpg)


今回はいきなり画像からです。楽天市場を利用するユーザーの56.4%がトラベルを利用していて、SEIYUネットスーパーは30.9%が利用しています。いわゆるECというイメージなので抵抗は少ないですし、ポイントもたまるので使うのはわかりやすいですよね。楽天経済圏ユーザーを増やしていくために、これ以外のサービスとの連携がどれだけ強まっていくのかが今後のポイントでしょうか。