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「Yahoo!ショッピング」で始まる日曜日の新たなポイント施策「LYPプレミアム会員なら日曜さらに+4%」とは(2024/1スタート)

2 years ago

LINEヤフーは2024年1月から、有料会員が「Yahoo!ショッピング」で日曜日に買い物する際の「PayPayポイント」付与を強化する。

新たに始めるのは「LYPプレミアム会員なら日曜さらに+4%」。有料会員サービス「LYPプレミアム」ユーザーであれば、5000円以上の買い物で「PayPayポイント」4%を上乗せして付与する。付与上限は5000円相当。「Yahoo! JAPAN ID」とLINEアカウントの連携が完了していない「LYPプレミアム」会員も特典の対象とする。

スタートは1月14日で、21日、28日も実施する予定。2~3月については、出店者に向けて「決まり次第お知らせする」とアナウンスしている。

「LYPプレミアム会員なら日曜さらに+4%」。有料会員サービス「LYPプレミアム」ユーザーであれば、5000円以上の買い物で「PayPayポイント」4%を上乗せして付与する

「Yahoo!ショッピング」は2022年10月まで、「ソフトバンクスマホユーザーなら毎週日曜日は+10%」を毎週日曜日に実施。他の施策も合わせると消費者は20%以上の高額ポイント還元が見込めることから、出店者は日曜日に合わせた販促を展開していた。

その後スタートしたのが、誰でも日曜日の買い物で「PayPayポイント」4%を上乗せして付与する「買う!買う!サンデー +4%」。これまで原則毎月1回以上の不定期で実施している。

LINEヤフーが「LYPプレミアム会員なら日曜さらに+4%」を出店者へアナウンスしたことについて、ある出店者は「毎週日曜日は+10%キャンペーンの時のように、毎週日曜日の売り上げが期待できるようになる。毎週日曜日はこのキャンペーンが実施されていくのではないか」と予測している。

瀧川 正実

ヤマト運輸、東京23区と千葉県の一部地域宛てで大幅な遅延が発生/年末年始、国際宅急便などの荷受けをヤマト運輸が停止【ネッ担アクセスランキング】 | 週間人気記事ランキング

2 years ago
2023年12月8日~2023年12月14日にアクセス数の多かった記事のランキングを発表! 見逃している人気記事はありませんか?
  1. ヤマト運輸、東京23区と千葉県の一部地域宛て宅急便などで大幅な遅延が発生。全国から目黒区・渋谷区など宛て荷物は荷受けを停止

    羽田クロノゲートの機器故障により、東京都23区の一部、千葉県へ送る荷物の配送に遅れが生じている

    2023/12/12
  2. ヤマト運輸の年末年始、国際宅急便など海外向け配送の荷受けを停止

    国際宅急便とUPSワールドワイド・エクスプレス・セイバーの荷受けを年末年始の期間、停止する。ヤマト運輸は、「荷物を送る際は、日数に余裕を持って利用するようお願いします」とアナウンスしている

    2023/12/11
  3. ヤマト運輸、東京23区と千葉県の一部地域宛て宅急便などの大幅遅延+全国からの目黒区や渋谷区など宛ての荷受け停止は13日も続く

    全国から東京都4区、千葉県の館山市や木更津市などに送る荷物の配送に大幅な遅延が発生する事象が13日も続いている。ECサイトなどで該当地域への配送についてアナウンスすることが求められそうだ

    2023/12/13
  4. 「ナイジェリアで野球を普及し雇用創出を」。兄は元プロ野球選手、“元楽”“楽天マフィア”のマージェリック嶋社長の挑戦

    多くのEC事業者を支援してきたマージェリックが、ナイジェリアの「野球普及」、それを通じた「産業創出」「雇用創出」をめざすプロジェクト「MERGERICK NIGERIA」を立ち上げた

    2023/12/13
     
  5. 大網、新拠点での物流業務を本格稼働。ロボットや自動化機械で「省力化」「効率化」を推進

    ホビーECの大網は新たな物流拠点の本格稼働をスタートした。国内需要のほか、越境ECの拡大も踏まえ、物流のさらなる効率化を図る

    2023/12/8
     
  6. アプリ制作は「売上向上」「ファン化」が目的。9割超がフルスクラッチで、課題は「人的リソース不足」が6割

    アプリ運営の課題や予算に関する実態をグライダーアソシエイツが調査。B2Cアプリの運営予算、開発体制、継続利用してもらうための施策などを聞いている

    2023/12/12
     
  7. 決済手段を増やす? レビューを増やす? CVRが上がらない時に読んでみるといい記事がありました【ネッ担まとめ】

    ネットショップ担当者が読んでおくべき2023年12月4日~12月10日のニュース

    2023/12/12
     
  8. 資生堂子会社のイプサ、メタバース空間に初店舗。化粧品やデジタルアイテムの販売、体験など提供

    メタバース空間に店舗を出店したイプサ。実店舗では接点を持てないユーザーとの接点創出につなげたい考えだ。メタバースならではの演出や商品展開にも注力する

    2023/12/13
     
  9. EC支援実績1.2万件の実績に学ぶ、「自社EC」「楽天市場」「Amazon」で勝つための戦略作り

    「Amazon」や「楽天市場」の現状は? 自社ECの事情はどうなっている? EC事業者がとるべき戦略や運営のポイントを、EC支援数12000件超のいつもが解説

    2023/12/13
     
  10. ユナイテッドアローズがミレニアル世代向けコスメを投入、非アパレル事業を拡大

    ユナイテッドアローズは中期経営計画で「業容拡大に向けた事業開発」を掲げ、若年層を視野に入れた新規ブランド開発、アパレル以外の領域の検討・実施などを進めると発表している

    2023/12/12
     

※期間内のPV数によるランキングです。一部のまとめ記事や殿堂入り記事はランキング集計から除外されています。

藤田遥

eBayが都内に真贋保証サービス+配送の拠点を開設。高額商品を安心して購入できる環境を整備

2 years ago

マーケットプレイス「eBay」を通じた越境EC支援を手がけるイーベイ・ジャパンは、アジア地域で初めてとなる真贋保証・配送の拠点「eBay Authentication Japan Center/eBay真贋鑑定・配送サービス 日本センター」(真贋センター)を東京都内に開設した。

米イーベイ本社は日本を重点な地域の1つと位置付けており、真贋センターの開設で人気が高いカテゴリーの保証を手厚くする。

eBay イーベイ・ジャパン 真贋保証 配送 越境EC

日本のセラーの安心感アップに貢献

「eBay」では、ハンドバッグや時計など高額商品の鑑定プロセスを無料で提供する「真贋保証サービス(Authenticity Guarantee)」を2020年11月から提供している。この鑑定サービスと配送機能を有した拠点を日本に構える。eBayの真贋鑑定・配送サービスの拠点はグローバルで8番目。アジアでは初の拠点。

真贋センターで取り扱う商品は、認証済みであることを示すカードを専用の箱と袋に入れて買い手に発送。カードには販売時の商品情報データを記入しており、買い手はアプリを通して内容を確認できる。安心して商品を購入できる仕組みを構築した。

真贋を認証済みであることを示すカード
真贋を認証済みであることを示すカード
真贋センターで取り扱われる商品専用の箱
真贋センターで取り扱われる商品専用の箱

まずは、米国の購入者に向けて500ドル以上のハンドバッグを扱うセラー数社を対象に展開する。鑑定士は数名。今後、対象セラーと取り扱い商品カテゴリーを順次拡大する。

イーベイ・ジャパンによると日本のセラーが出品する商品は品質が高く、世界中から人気が高いという。海外需要の高まりと、継続している円安の影響もあり、日本からの商品出品数は増加している。今回、鑑定と配送機能の拠点を日本に構えることで、日本のセラーによる安心安全な取引環境を消費者に提供する。

日本の真贋センター設立を主導したeBayのTirath Kamdar氏(グローバル ラグジュアリー ジェネラル・マネージャー)は次のようにコメントしている。

日本は高級品の取引において極めて重要な市場です。真贋鑑定・配送サービスの拠点が東京に開設することで、日本の高級品をリユース販売するセラーにとって、海外への露出機会がさらに強化できる。(eBay ティラス・カムダール氏)

「真贋保証サービス」とは

「eBay」で無料(一部バイヤー負担で有料)提供する、プロの鑑定士が商品を鑑定し状態をチェックするサービス。買い手となるバイヤーの安心感につながるほか、セラー側にとっても、返品が発生した際に商品が発送時の状態と一致しているかどうかの鑑定を受けられるため、問題のある商品が返品されるリスクを防ぐことができる。

「真贋保証サービス」のサービス拠点となる真贋センターは現在、グローバルでハンドバッグ対象が5拠点、ジュエリー対象が2拠点、スニーカー対象が7拠点、時計対象が3拠点、トレーディングカード対象が3拠点で稼働している。ハンドバッグ対象の拠点としては、東京は世界で6番目。

真贋センターの詳細

  • 対象商品:500ドル以上の女性用ハンドバッグ・財布、男性用バッグ・財布(2023年12月14日現在、2500ドル以上の対象商品は米国の真贋センターへ発送)
  • 配送オプション:Free Shippingを設定
  • 配送コスト:バイヤー負担。サイズにかかわらず、1つのトラッキングナンバーにつき一律35ドルで日本の真贋センターからバイヤーまで配送
  • 対象ブランド:「Balenciaga」「Bottega Veneta」「Burberry」「Celine」「Chanel」「Chloé」「Dior」「Fendi」「Givenchy」「Goyard」「Gucci」「Hermès」「Louis Vuitton」「Prada」「Saint Laurent」「Valentino」(順次追加予定)
高野 真維

「ChatGPT」デモンストレーションで学ぶ! EC事業者のAI(人工知能)活用術とは?【ネッ担秋イベントオンデマンド配信中】

2 years ago
11月21+22日に開催した「ネットショップ担当者フォーラム 2023 秋」の講演(一部を除く)と、9月のネッ担セミナーの一部講演をアーカイブ配信中! 講演の注目ポイントをご紹介します

ビームス、パル、銀座伊東屋、ヤッホーブルーイング、三越伊勢丹などが登壇した「ネットショップ担当者フォーラム 2023 秋」(11月21日+22日に開催)。「仕事で会場に行けなかった」「もう一度見たい」「オンラインで見たい」といった要望を受け、一部講演を除いてのオンデマンド配信を実施しています!

オンデマンド配信するのは、「一部講演を除いたネッ担秋イベントの講演」「ネッ担9月イベントの一部公演」。期間は2024年1月12日(金)18時まで、Vimeo(アプリなしで視聴可能)で配信しています。

ネットショップ担当者フォーラム 2023 秋 オンデマンド配信

見どころ① 話題の「AI」でEC運営を効率化!今日から試せるChatgpt実践方法と活用事例

ネットショップ担当者フォーラム 2023 秋 オンデマンド配信 GMOペパボ AI活用 ChatGPT
講師:花田 靖治氏(GMOペパボ株式会社 EC事業部 カラーミーショップ プリンシパルディレクター)

昨今注目を集めているAI(人工知能)技術の進歩は驚くべきものであり、EC業界でも大きな進展が見られます。セミナーではEC運営におけるAIのトレンドや、AIを使ったEC運営の効率化について、具体的な事例を交えて解説。

特に焦点を当てるのは「ChatGPT」の実践的な活用方法。簡単に導入できるテクニックから、実際の活用事例や留意点まで幅広く紹介しています。

ネッタヌネッタヌ

EC業界におけるAI活用法や、注意すべき点なども事例を交えて具体的に解説しています。

注目ポイントは、「ChatGPT」を用いたデモンストレーション! “アパレルECを運営する事業者”という前提で、どういった場面で使えるのか、どういうプロンプトを入力すれば良いのか、実際にどんな回答が出力されるのかを学ぶことができます。

「AIが注目されているけれど、どういう使い方をしたら良いかわからない」「『ChatGPT』がどんなものか知りたい」という方、必見です!

ネットショップ担当者フォーラム編集部

ヤマト運輸、目黒区・世田谷区・渋谷区・大田区へ配送する荷物の預かりを再開。「羽田クロノゲート」の機器故障が解消

2 years ago

ヤマト運輸は12月14日、仕分けターミナル「羽田クロノゲート」で故障していた一部機器が復旧し、全国から東京都の目黒区・世田谷区・渋谷区・大田区へ送る荷物の預かりを再開すると発表した。

荷受けは12月14日の12時から再開する。ヤマト運輸は「お客さまにはご迷惑をおかけしましたことを、深くお詫び申し上げます」とプレスリリースでコメントしている。

ヤマト運輸のお知らせ(画像はWebサイトからキャプチャ)

なお、東京都23区と千葉県の一部地域に送る宅急便、クール宅急便、宅急便タイムサービスなど(クロネコゆうパケットを除く)は、引き続き配送の遅延が生じているという。

対象地域は、全国から東京都の目黒区・世田谷区・渋谷区・大田区、千葉県の館山市・木更津市・鴨川市・君津市・富津市・袖ヶ浦市・南房総市・安房郡鋸南町。

瀧川 正実

米国TikTok広告費、2024年にYouTubeを超える見通し

2 years ago

インサイダーインテリジェンスの予測によると、ティックトックのアメリカにおける広告売上は2024年に86.6億ドルとなり、ユーチューブのそれの81.7億ドルを超える。アメリカにおいてティックトックは、利用者数はユーチューブの半分以下だが、一人当たりの平均利用時間はユーチューブを上回っている。

People are watching longer TikToks. What does that mean for competition with YouTube?
https://www.insiderintelligence.com/content/people-watching-longer-tiktoks-what-that-mean-competition-with-youtube

noreply@blogger.com (Kenji)

ブラックフライデーセールで買い物したECモールは「Amazon」が43.5%、「楽天市場」が29.7%

2 years ago

ナイルが実施したブラックフライデーに関する調査によると、製品を購入したECモールは「Amazon」が43.5%、「楽天市場」が29.7%だった。調査は20~69歳の男女1880人を対象に、12月5~11日に実施した。

「Amazon」で「知っていて買い物をした」が43.5%、「知っていたが買い物をしなかった」が43.4%。「楽天市場」では、「知っていて買い物をした」が29.7%、「知っていたが買い物をしなかった」が46.8%だった。

ナイルが実施したブラックフライデーに関する調査
ブラックフライデーの認知と購入について

ブラックフライデー期間中に買い物をしたユーザー(「Amazon」は783人、「楽天市場」は521人)に購入した商品ジャンルを聞いたところ、「日用品」「食料品」「パソコン・周辺機器」「家電」が上位に入った。

「Amazon」では「日用品」「パソコン・周辺機器」「家電」が、「楽天市場」よりも高い。「楽天市場」では「食料品」「衣類」「家具・インテリア」が、「Amazon」よりも売れている傾向だったという。

ナイルが実施したブラックフライデーに関する調査
購入した商品ジャンルについて

購入金額では「Amazon」「楽天市場」ともに、「5000円~9999円」「1万円~1万9999円」がボリュームゾーン。3000円未満では「Amazon」が「楽天市場」を、4万円以上では「楽天市場」が「Amazon」を上回っている。

ナイルが実施したブラックフライデーに関する調査
購入した金額について

 

瀧川 正実

日本和装グループがECビジネスに本格参入、若年層の潜在顧客を開拓

2 years ago

和服や和装品の仲介販売を中心とした着物関連事業の日本和装ホールディングスは、新規事業としてECビジネスに本格参入する。

100%子会社の日本和装ダイレクトが2024年1月9日、ECサイト「KAERUWA(カエルワ)」を開設。日本和装がこれまで扱ってこなかった商品カテゴリーを扱い、20~30歳代の若年層といった潜在顧客層にアプローチする。

和服や和装品の仲介販売を中心とした着物関連事業の日本和装ホールディングスは、新規事業としてECビジネスに本格参入
新ECサイトのロゴ

「KAERUWA」では、着物初心者や若年層を対象にリーズナブルでボーダレスな着物、帯、和装小物を扱い、若年層の「着物デビュー」を支援。着物に興味のないユーザーもターゲット層に取り込み、未開拓だった市場でのシェア拡大をめざす。

その後、着物愛好家向け商品を展開、将来的には生産者同士がコラボレーションしたオリジナル商品の開発などを予定している。最終的には物だけではなく、情報も集まる和の総合サイトをめざしていく。

和服や和装品の仲介販売を中心とした着物関連事業の日本和装ホールディングスは、新規事業としてECビジネスに本格参入
今後の計画

日本和装のビジネスモデルは、生産者などの加盟店から仕立て・加工を請け負い、無料開催する着付け教室を通じて、受講者などに製品を納品代行するという仲介販売がメイン。加盟店からの仲介手数料が収益源となっており、この事業をメインブランドとして位置付けている。

日本和装のビジネスモデル
ビジネスモデルについて(画像はIR資料から編集部がキャプチャ)

日本和装は顧客層の拡大をめざす事業戦略としてサブブランド事業を推進。若年層をターゲットとしたオリジナル商品の開発などに取り組んできた。ECサイトの開設はサブブランド事業における新規事業。ネットを通じて若年層の着物需要を掘り起こす。

松原 沙甫

Amazon販売事業者が押さえておきたい「リピート率」「マーケットシェア」「業績」関連の指標まとめ | 海外のEC事情・戦略・マーケティング情報ウォッチ

2 years ago
前回・前々回に続き、Amazon販売事業者が押さえておきたい指標を米投資銀国のレポートから全3回にわたって解説。最終回の今回はリピート率、マーケットシェアなどの指標をまとめて紹介します【第3回】

Amzonマーケットプレイスに出店している事業者が押さえておきたい評価基準を解説します。EC向け投資会社Fortunet Partnersが公表したレポートから、リピート率、マーケットシェア、季節性、コンバージョン率などの指標について掘り下げていきます。

「マーケットシェア」「業績」におけるAmazon販売事業者の指標

Amazonの販売事業者は、広告費などの指標について、どのような評価基準を持てば良いのでしょうか。これについて、Fortunet Partnersが主要な18指標を詳しく調べたレポートを発表。今回はAmazonにおけるマーケットシェアと業績の指標に焦点を当てて解説していきます。

広告運用に関する指標まとめはこちら

海外のEC事情・戦略・マーケティング情報ウォッチ

Amazon販売事業者は知っておきたい「広告費」「クリック率」「クリック単価」など広告関連の指標まとめ

前回に続き、Amazon販売事業者が意識するべき指標を米投資銀国のレポートから全3回にわたって解説。今回は広告関連の指標をまとめて紹介します【第2回】
Digital Commerce 360[転載元]12/7 8:00 1 3 0

売り上げと財務指標、市場と業績に関する指標のまとめはこちら

海外のEC事情・戦略・マーケティング情報ウォッチ

Amazon販売事業者が押さえておきたい「原価率」「返金率」「CVR」「フルフィルメント手数料」「利益の伸長率」など指標まとめ

Amazon販売事業者が意識するべき指標を米投資銀国のレポートから全3回にわたって解説します【第1回】
Digital Commerce 360[転載元]11/30 8:00 3 1 0

リピート率

利用顧客に占めるリピーターの割合。通常は12か月間で測定されますが、商品によって測定期間は異なります。リピート率が高いほど、その企業が堅実な顧客基盤を構築していることを意味し、安定的かつ継続的な収益を得られる可能性が高いことを示唆します。

リピート率の指標(12か月間の非消耗商品の場合):15%よりも大きければ「高い」、5~10%なら「適正」、2%よりも小さければ「低い」
指標改善に向けたアドバイス:商品の高い品質と顧客に対するアフターサービスを重視しましょう。定期的な需要がある商品は、Amazonの定期購入プログラム「Subscribe and Save」の利用による定期購入促進を検討してみましょう。

商品の星評価

星の数で示される平均評価は、商品の品質と顧客満足度の総合的な指標となります。

星の数が多いと平均評価が高いことを示す
星の数が多いと平均評価が高いことを示す
星評価の指標:4.6よりも大きければ「高い」、4.1~4.3なら「適正」、3.8よりも小さければ「低い」
指標改善に向けたアドバイス顧客からのフィードバックを継続的にチェックし、顧客からの不満に対応しましょう。商品説明は正確かつわかりやすい表記を。Amazonの利用規約を守りながら、商品への満足度が高かった購入者からレビューを募りましょう。

マーケットシェア

ある市場において、類似商品の売り上げに占める自社商品の売り上げの割合。マーケットシェアが高いことは、ブランド力の強さ、顧客ロイヤルティー、競争優位性を示唆します。

マーケットシェアの指標:15%よりも大きければ「高い」、4~8%なら「適正」、2%よりも小さければ「低い」
指標改善に向けたアドバイス:商品を差別化するために自社商品独自の価値を押し出しましょう。さらに、継続的に新商品を投入し、市場での存在感を高めましょう

季節性

季節や、特定の期間における販売パターンや変動。季節性の高いビジネスは一般的にリスクが高いと見なされ、より多くの運用資金が必要になる可能性があります。投資家は、年間を通じて安定した収益を確保できており、祝日などの特定の時期には売り上げがさらに増加するビジネスを好む傾向があります。

季節性の指標(1か月の売上比率):45%よりも大きければ「高い」、20~33%なら「適正」、15%よりも小さければ「低い」
指標改善に向けたアドバイス:季節性を減らすため、商品の多様化を進めましょう。収益性を最大化するために、ピークシーズン中の価格設定とプロモーションを調整しましょう。

コンバージョン率

セッション数に占める注文数の割合。投資家は一般的に、高いコンバージョン率を「重要な利点」と見なし、訪問者一人当たりから得られる収益の高さを想像します。しかし、投資家のなかには、コンバージョン率の低い販売事業者を、成長の伸びしろがあると考える人もいます

コンバージョン率の指標:25%よりも大きければ「高い」、10~15%なら「適正」、5%よりも小さければ「低い」
指標改善に向けたアドバイス:自社商品独自のセールスポイントを強調しましょう。通常よりもより魅力的な商品ページを作成できるAmazonの商品紹介コンテンツ「プレミアムA+」の導入も検討を。消費者のペインポイント(お金を払ってでも解決したい悩みや課題)に焦点を当てていきましょう。

また、リスティングで表示される上位のレビューを監視し、ネガティブなレビューが上位3位に表示された場合は、よりポジティブなレビューが表示されるように努めましょう

ポジティブフィードバック

顧客からの全フィードバックに占めるポジティブなフィードバックの割合。このパーセンテージが高い場合は、商品の品質の高さとカスタマーサービスの良さを示唆します。

ポジティブフィードバックの指標:98%よりも大きければ「高い」、91~95%なら「適正」、85%よりも小さければ「低い」
指標改善に向けたアドバイス:優れたカスタマーサービスをめざし、顧客からの問い合わせには迅速に対応しましょう。注文の確認や出荷の最新情報の配信など、顧客とのコミュニケーションを積極的に行いましょう。

在庫パフォーマンス指数(IPI)

これは、Amazonが1:1000の尺度で算出したもので、4つの要素(販売率、在庫率、過剰在庫、滞留在庫)に基づいています。IPIが高いほど在庫管理が効率的であることを示し、在庫切れや過剰在庫に伴い発生するコストが少なく、魅力的なビジネスであることを示します。

在庫パフォーマンス指数の指標:750よりも大きければ「高い」、500~600なら「適正」、400よりも小さければ「低い」
指標を改善に向けたアドバイス:過去の販売データを分析して需要パターンを特定し、予測を立て、それに応じて在庫を調整しましょう。過剰在庫費用を最小限に抑えつつ、十分な在庫量を維持するために補充計画を最適化してください。在庫を正しく管理し、商品の受注量を確認することで、滞留在庫を最小限に抑えましょう。

この記事は今西由加さんが翻訳。世界最大級のEC専門メディア『Digital Commerce 360』(旧『Internet RETAILER』)の記事をネットショップ担当者フォーラムが、天井秀和さん白川久美さん中島郁さんの協力を得て、日本向けに編集したものです。

Digital Commerce 360

【民放キー局の2023年度上期のTV通販まとめ】日本テレビ、ロッピングライフ、TBS、テレビ東京、ディノスの最新動向+業績 | 通販新聞ダイジェスト

2 years ago
在京テレビキー局のTV通販は、おおむね好調に推移している。各社の取り組みと上期の実績を解説する業績が出そろった。

在京テレビキー局5社が手がけるテレビ通販事業の今年度上期(2023年4~9月)の業績が出そろった。前年上期はコロナ禍に伴う巣ごもり消費増の反動減などで各社とも前年実績を下回るなど苦戦を強いられたが、今上期はコロナ特需の呪縛から脱してリッピングライフやTBSグロウディアは増収を果たした。また、売れ行き自体は順調ながら一時的な要因で減収となったところもあり、一部を除き、今上期はおおむね堅調な推移をみせた。

在京キー局5社の2023年上期テレビ通販売上高
在京キー局5社の2023年上期テレビ通販売上高

ロッピングライフ:運動補助ボールなど売れ筋がけん引 

ロッピングライフの上期の総売上高は前年同期比6.8%増の82億7500万円。このうち、番組グッズなどのネット販売を含めた通販売上高は同5.5%増の80億6500万円だった。

「新型コロナウィルス感染症の5類移行による行動制限の緩和等で経済活動の正常化が進み、消費者の購買意欲が戻りつつある」(同社)とし、上期累計で2億9000万円を売り上げた運動補助ボール「東急スポーツオアシス フィットネスクラブがつくった スタイリーボール」や安眠枕「西川 睡眠Labo ピローマット」(上期累計売上高2億3000万円)、口腔洗浄器「トゥースジェット」(同2億2000万円)、紫外線などから目を守る眼鏡「アイブレラ」(同2億円)、「マイヤーサーキュロンフライパンSP3点セット」(同1億8000万円)といった商品を中心に売れ行きを伸ばしたことに加え、通販カタログなど売り上げも伸び、前年上期の減収から一転、増収を果した。

「西川 睡眠Labo ピローマット」などの売れ筋商品がけん引した(画像はECサイト「ロッピングライフ」から編集部がキャプチャ)
「西川 睡眠Labo ピローマット」などの売れ筋商品がけん引した(画像はECサイト「ロッピングライフ」から編集部がキャプチャ)

通販枠別売上高は主力の午前枠が前年同期比0.9%増の40億3000万円、深夜枠は同54.7%増の3億2300万円、BS枠が同3.5%減の5200万円、特番枠が同6.2%減の18億5200万円だった。

テレビ通販以外のチャネルの売上高はカタログ通販が同9.7%増の6億1300万円ネット販売は前年上期に売れ行きを伸ばした番組関連グッズの反動減で同42.7%減の1億3600万円、東京駅など都内で展開する実店舗はコロナ禍収束で客足が戻ったことで同116・2%増の1億9700万円と伸びた。

テレビ朝日のテレビ朝日系列局の通販事業のフルフィルメント業務を請け負う、系列局向け通販支援事業は同5.2%減の4300万円だった。

上期の営業利益は原価率や販管費の増加が響き、同25.3%減の3億6000万円だった。

なお、下期の出足は「前年並み」(同社)としており、通期の業績見通しについては「コロナ禍収束の兆しもあるが、戦争の長期化や物価高騰が家計に影響をおよぼし依然先行き不透明な状況が続くと思われる」(同)として前年並み程度を予想している。

ディノス:2桁減収、美容健康商材不振

DINOSCORPORATION(ディノス)の上期の総売上高は前年同期比14.6%減の249億900万円。このうち、通販売上高は同15.1%減の230億1600万円でうち、テレビ通販売上高は同14.7%減の78億2300万円だった。

テレビ通販の2桁減収の要因については「外出機会増加による消費需要の分散の影響」(同社)としており、これまで売り上げをけん引してきた美容健康カテゴリーの商品の売れ行きが伸び悩んだようだ。

上期の売れ筋は調理用品「レンジメートPROグランデ」や収納圧縮袋「スピードキューブDX」、シャワーヘッド「リファ ファインバブルピュア」などだった。

下期の出足については「足もとの状況は非回答」(同社)としている。親会社のフジ・メディア・ホールディングスによればテレビ通販では下期に向けて番組別に組織を再編し、内容を強化していくほか、早朝深夜帯に放送する通販番組「ディノスTHEストア」の展開強化を図っていくとしている。

TBSグロウディア:平日午前3分枠が好調

TBSグロウディアの上期の総売上高は前年同期比20.7%増の150億3200万円で、通販関連事業を展開するショッピング事業本部の売上高は同18.3%増の78億9000万円

このうち、テレビ通販売上高(地上波とBS・CS局でのテレビ通販および系列局とのテレビ・ラジオの共同通販事業、番組およびアニメ関連のグッズのネット販売、卸事業などを含めた合計売上高)は同18.5%増の76億2300万円だった。

4月から放送を開始した月~金放送の情報番組「ひるおび」内の3分の通販枠「ひるおびキニナルチョイス」が好調な売れ行きとなったほか、他のレギュラー枠も復調したという。

また、親会社のTBSホールディングスによると「DVD収入の増加に加えて、展覧会事業とTVショッピングなどの一部がTBSテレビから移管された」という要因もあったようで、前年上期の2桁減収から今上期は増収に転じた。

上期の売れ筋は目元専用美容器具など。また、上期中にTBS系で放送したドラマ「VIVANT」の関連商品の「VIVANT饅頭」がヒットしたとしている。

上期は人気ドラマの関連商品もヒットした(画像はTBSグロウディアの公式オンラインショップ「TBSショッピング」から編集部がキャプチャ)
上期は人気ドラマの関連商品もヒットした(画像はTBSグロウディアの公式オンラインショップ「TBSショッピング」から編集部がキャプチャ)

上期の営業利益は5億5000万円(前年同期は2億6500万円の損失)だった。

今期の業績予想については明らかにしていないが「若干の苦戦が予想されている」(同社)としている。

テレビ東京:TV通販好調も頒布会は不振

テレビ東京ダイレクトの今上期の総売上高は前年同期比1.1%減の55億7900万円

このうち、通販枠の販売や管理などを行う通販提携事業売上高(同5.3%減の1億7900万円)を除く主力の生活雑貨通販事業のカタログ通販を含むテレビ通販(同3.3%増の28億6300万円)とネット販売(同1.3%増の9億8400万円)の合計売上高(同2.8%増の38億4700万円)と食品通販事業(同3.0%減の10億4800万円)、宿泊予約事業(同15.5%減の1億9800万円)、テレビ東京の番組関連グッズのネット販売および店舗販売事業(同7.0%増の2億9100万円)、その他売上高(1億1200万円)などをあわせた通販関連売上高は同0.1%減の54億円だった。

第1四半期は伸び悩んだものの夏場から雑貨や寝具、運動用品など定番の売れ筋を軸に売れ行きを堅調に伸ばし、主力の生活雑貨の通販事業は前年実績を上回って推移したものの、コロナ禍での売れ行き増の反動減や期初の番組改編でBSテレ東で週2回放送していた30分枠のゴルフ用品の通販番組「ゴルフ天下!たい平」が週1回となってしまったことなどの影響で近年、売れ行きをけん引してきたゴルフ関連用品が伸び悩んだこと。

また、食品通販「虎ノ門市場」で一定の売上シェアを占める頒布会で顧客の利便性向上のために一昨年からキャンセルをしやすくした施策の展開によって期間途中でのキャンセルが増えたことに加えて展開商品のマンネリ化によって売り上げが落ち込んだことが影響した。

頒布会では期間中のキャンセルが増えてしまった(画像は「虎ノ門市場」から編集部がキャプチャ)
頒布会では期間中のキャンセルが増えてしまった(画像は「虎ノ門市場」から編集部がキャプチャ)

上期の売れ行き上位商品は窓に張り付け日差しを防ぐ「遮熱クールアップ」(上期累計売上高3億円)、「軽量コードレス洗浄機」(前期累計売上高2億5000万円)、除湿剤「調湿木炭出雲屋炭八」(同1億9300円)、マットレス「エアウィーヴ」(同1億7800万円)、運動補助ボール「東急スポーツオアシス スタイリーボール」(同1億6600万円)、「ファイテン 磁気治療足裏サポーター」(同1億5700万円)などだった。

このほか、9月に発売した首掛け式のワイヤレススピーカー「快テレ君」などの新商品の売れ行きも伸びた

なお、上期の営業利益は原材料高騰や食品通販におけるネット販売への先行投資などによって同32.8%減の2億7000万円となった。

下期の出足となる10月度の売上高は雑貨、食品とも計画値は未達だったものの前年実績を上回ったという。10月から新たにテレビ東京で毎週金曜日の午前10時台に生活雑貨を販売する枠、BSテレ東で毎週土曜日の午前7時半からゴルフ用品を販売する番組「ゴルフ天下!たい平」をそれぞれ増やしたほか、すでに上期から展開しているテレビ東京と連携した情報番組型の通販番組や通販特番を下期も放送していくことなどで売れ行きを伸ばし、通期業績は売上高、営業利益とも前年実績を上回りたい考えだ。

日本テレビ:仮想モールの出店休止が影響、減収に

日本テレビ放送網の上期の通販売上高は前年同期比9.0%減の36億5000万円だった。4月から主力枠が紐づく情報番組が刷新した影響などで出足は苦戦したものの夏以降は持ち直して上期の同枠の売り上げは前年実績を上回ったが、基幹システムの入れ替えの影響で仮想モールの出店を5月上旬まで一時休止したことなどが影響し、上期トータルの売上高は前年同期を下回って推移した。

期初の番組改編で月~木午前帯の主力の通販枠が紐づく午前帯の情報番組がリニューアルしたことで通販枠が情報番組内のコーナーとしての展開ではなく、当該番組後の10分尺の独立番組「日テレポシュレ 三ツ星モール」となったことで出足は視聴習慣などの影響から売り上げは伸び悩んだものの、前番組の視聴者をつかむために番組冒頭に出演者同士の掛け合いで紹介商品の訴求力を高めるなどの演出面の工夫が奏功

また、調理器具「レンジメートプロ」や掃除用具「ecomo回転モップクリーナーDUO」、脱毛器「シャインエステボーテ3」、補正下着「骨盤ショーツ」といった売れ筋商品や寝具などが軸となって売り上げをけん引したほか、6月から日テレグループの限定品としてグループの日テレ7やBS日テレ、また、系列局の読売テレビの通販子会社のセンテンスとともに発売したコードレス掃除機「ダイソン マイクロ モーターバー」がヒットしたことなどによって、主力午前枠の上期の売上高は前年同期の実績を上回って推移した。

ヒット商品の一つとなったコードレス掃除機(画像は日本テレビの通販ショッピングサイト「日テレポシュレ」から編集部がキャプチャ)
ヒット商品の一つとなったコードレス掃除機(画像は日本テレビの通販ショッピングサイト「日テレポシュレ」から編集部がキャプチャ)

一方、日本テレビで9月にスポーツの国際大会を放送したことで同月の通販枠分数が前年同月比3割減となった影響などで早朝・深夜枠の売上高は前年同期比では下回った。7月に放送した通販特番も振るわず売上高は同4割減と苦戦。BS日テレで放送するインフォマーシャルも計画的に放送枠を減らしているため売上高は前年実績を下回った。

また、ネット販売売上高は日本テレビの通販サイト「日テレ屋web」は人気番組のイベントと連動した関連グッズなどの売れ行きが好調で売上高は前年比で3割増となったものの、「楽天市場」や「ヤフーショッピング」など各仮想モール経由の売上高は前期末に実施した基幹システムの入れ替えのために3月から5月上旬にかけて各出店店舗を休止、同期間中の売り上げがなくなったことで仮想モール経由の上期売上高は前年同期比で3割強の減収となったことなどで、主力通販枠は堅調だったもののトータルでは減収となった。

利益を表す「収支」は基幹システムの入れ替えや4月から受注業務の委託先変更などで一定の期間、重複業務が発生したことによるコスト増や同じく4月から配送委託先を変更して配送委託費が増えた影響で同33.6%減の1億5200万円となった。

なお、下期の出足は順調で10月度の主力の午前枠の売上高は前年同月比を上回って推移。仮想モール経由のネット販売売上高も堅調という。

引き続き、売れ筋商品を軸に売り上げを伸ばしていくほか、深夜帯で今夏から開始した動画配信やSNSと連動した新コンセプトの通販番組でネット販売売上高の拡大などを推進したり、日テレ7やBS日テレなどグループ会社の通販部門と連携した商品開発や通販番組の展開、札幌テレビ放送の通販子会社であるエス・テー・ビー開発センターやセンテンスなどの系列局との通販事業での連携の強化・推進も図っていく考えで売上高は85億円程度、収支は5億円台をめざす

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通販新聞

ヤマト運輸、東京23区と千葉県の一部地域宛て宅急便などの大幅遅延+全国からの目黒区や渋谷区などで宛ての荷受け停止は13日も続く

2 years ago

ヤマト運輸の仕分けターミナル「羽田クロノゲート」で機器の一部故障が発生し、東京都23区の一部などへの配送に遅延が生じている事象が、12月13日12時現在になっても解消していない。

ヤマト運輸は12月12日午前11時30分、「羽田クロノゲート」において機器の一部故障が発生したと発表。全国から東京都の目黒区・世田谷区・渋谷区・大田区、千葉県の館山市・木更津市・鴨川市・君津市・富津市・袖ヶ浦市・南房総市・安房郡鋸南町に送る荷物の配送に大幅な遅延が起きている。

また、全国から東京都の目黒区・世田谷区・渋谷区・大田区へ配送する荷物については、荷受け自体を停止している。

対象の荷物は宅急便、クール宅急便、宅急便タイムサービスなどの全商品。

ヤマト運輸の仕分けターミナル「羽田クロノゲート」で機器の一部故障が発生し、東京都23区の一部などへの配送に遅延が生じている事象が、12月13日12時現在になっても解消していない
ヤマト運輸のお知らせ(画像はWebサイトからキャプチャ)

「羽田クロノゲート」は、陸・海・空のスピード輸送ネットワークと付加価値を提供する機能を一体化した東京都大田区に拠点を置く物流ターミナル。主要都市間の当日配送を実現する「多頻度幹線輸送」、「24時間365日稼働の付加価値機能」を一本化している。

瀧川 正実

「ナイジェリアで野球を普及し雇用創出を」。兄は元プロ野球選手、“元楽”“楽天マフィア”のマージェリック嶋社長の挑戦 | 忙しすぎて疲れているあなた。ちょっとしたECの小ネタでブレイクタイム

2 years ago
多くのEC事業者を支援してきたマージェリックが、ナイジェリアの「野球普及」、それを通じた「産業創出」「雇用創出」をめざすプロジェクト「MERGERICK NIGERIA」を立ち上げた

楽天グループの成長を支えた楽天OBの通称“元楽”。なかでも、有名企業の出身者が新たなフィールドで活躍する「○○マフィア」にちなんで、「楽天マフィア」とも呼ばれる経営者も少なくない。

多くのEC事業者のビジネスを支援してきたマージェリックの嶋泰宣社長は、ファーストリテイリング、青山商事、楽天グループのECCなどを経てマージェリックを起業した“元楽”“楽天マフィア”の1人。大手ECサイトなど数多くのEC事業者をサポートしていることで知られる。

その嶋社長がマージェリックの事業として新たに立ち上げたのが、ナイジェリアの「野球普及」、それを通じた「産業創出」「雇用創出」をめざすプロジェクト「MERGERICK NIGERIA」だ。

マージェリックの事業として新たに立ち上げたのが、ナイジェリアの「野球普及」、それを通じた「産業創出」「雇用創出」をめざすプロジェクト「MERGERICK NIGERIA」
「MERGERICK NIGERIA」のコンセプト

初期費用は1300万円、クラファンでの賛同者募集もスタート

現在、「Japanese quality」「Made in Nigeria」というコンセプトのグローブブランドを立ち上げるため、グローブの生産準備を進めているマージェリック。初期費用は1300万円を超える見通しで、投資金額は合計で2600万円を計画。自己資金、借入金で賄うと同時に、このプロジェクトの認知拡大、賛同者を募るためのクラウドファンディングもスタートしている。

グローブ技術習得のためのスタッフ採用や研修、プロジェクトを推進するための現地駐在員の採用、製品製造のための機器および原材料調達など、すでに「人」「物」「時間」へ大きな資金を投じている。

ナイジェリアの人口は約2億1800万人。メジャースポーツはサッカー、バスケットボールで、野球をする人は数百人程度。祖業であるECビジネスとは大きく異なるビジネスで、かつ野球に親しむ人も少ないという下地が“ゼロ”といった状況下でプロジェクトを進める原動力は何なのか――。

マージェリックの事業として新たに立ち上げたのが、ナイジェリアの「野球普及」、それを通じた「産業創出」「雇用創出」をめざすプロジェクト「MERGERICK NIGERIA」
クラウドファンディング「READYFOR」を活用し賛同者を募っている(画像をクリックすると「 READYFOR」のサイトにジャンプします)

「この子供たちをどうにか救いたい」がプロジェクト推進の原動力

嶋社長の兄は広島カープで活躍した嶋重宣・元西武ライオンズ一軍打撃コーチ。自身の長男は甲子園常連校で野球部に所属、次男も2024年に名門校へ進学する予定など、野球とは切っては切れない生活を送る。

嶋社長は、幼少期から野球と触れ合う生活を送る一方、商売の表と裏を見聞きしてその楽しさを体験。「商売を通じ世の中に新たな提供価値を生み出したい」と中学時代に起業を決意している。大学卒業後、ファーストリテイリング、青山商事、楽天グループ、フィールドマネージメントを経て、2013年9月にマージェリックを立ち上げた。

ナイジェリアでの野球を通じた「産業創出」「雇用創出」を考えるきっかけになったのは、支援団体の活動の一環として、アフリカ野球振興プロジェクトに参加したこと。その時に、野球をする数少ないナイジェリア人の子どもに、「なぜ野球を選んだのか」を聞いてみたという。

返ってきた言葉は「野球は、打席が平等にまわってくる、チャンスが平等だから好き!」だった。

マージェリックの事業として新たに立ち上げたのが、ナイジェリアの「野球普及」、それを通じた「産業創出」「雇用創出」をめざすプロジェクト「MERGERICK NIGERIA」
ナイジェリアの子どもたちと触れ合う嶋社長(左上から2人目)

世界でも有数の石油産出量と天然ガスの埋蔵量を誇り、近年著しい経済成長を遂げているナイジェリア。一方で、抱えている課題も多い。公益財団法人プラン・インターナショナル・ジャパンによると、所得格差が大きく、社会基盤の整備が不十分、多くの人々が厳しい貧困のなかで生活、2014年にはイスラム過激派組織ボコ・ハラムによる女子生徒拉致事件が発生するなど治安の問題もある。

そんな環境下で育つナイジェリア人の子どもたちと触れ合いを重ねた。そして、こんな疑問が沸いてきた。「無邪気で楽しそうに、目を輝かせて、野球をする子供たちが確かにいる。どうして、この環境でこんなにも無邪気に笑っていられるんだろう」(嶋社長)

子どもたちに疑問を投げかけてみた。返ってきた言葉に衝撃を受けたという。

目の前の現実を見ると、死にたくなる……。だから、楽しいことを見つけて、笑ってないと、現実に打ちのめされてしまう。だから、ずっと、楽しいこと、笑顔でいられることを探してるんだ!

絶句し、涙が出たという。「この子供たちをどうにか救いたい」「この地に、新規産業・雇用創出、野球で生活ができる環境を作り上げたい」。ECビジネス支援事業が軌道に乗るなかで足を運んだナイジェリアの地で、嶋社長はこう決意した。

マージェリックの事業として新たに立ち上げたのが、ナイジェリアの「野球普及」、それを通じた「産業創出」「雇用創出」をめざすプロジェクト「MERGERICK NIGERIA」
ナイジェリア視察で嶋社長が撮影した子どもたちの様子

グローブで雇用を創出しようとした背景+増えるプロジェクト賛同者 

経済的理由で野球を断念する子供たちがいる。ナイジェリアに新規産業と雇用創出を……。どうにか、この2つの課題を織り交ぜて、解決出来ないか?

こう考えた嶋社長は、アフリカのブルキナファソで野球振興を手がける人物と出会う。幼少期からブルキナファソで野球に打ち込んだことがあるその人物との会話のなかで、ナイジェリアでグローブを製造するというアイデアが浮かんだ。

「ナイジェリアでの新規産業、雇用の創出にもつながる案。日本にはグローブ製造技術がある」。早速、嶋社長はグローブ製造技術を教えてくれる職人探しを始めた。

断られたのは数十社。理由は「弟子はもうとらない、私の代で廃業」「アフリカ!? ナイジェリア!? なんかよくわかんないし、外国に技術は……」。さまざまだった。このような状況のなか、弟子の受け入れを快諾した職人がイクノ工房の生野秀次氏だった。

イクノ工房は江夏豊氏などプロ野球選手にグローブを提供すること50年以上。イクノ工房が手がけるグローブは「誠グローブ」というブランドで知られる。

日本でグローブ製造技術を習得するために日本人2人とブルキナ・ファソ人1人がイクノ工房で修行。技術を習得したその3人はナイジェリアへ向かい、現地のナイジェリア人にその技術を伝える。

グローブの原材料である牛革は、兵庫県で原皮加工を手がける平野工業から仕入れることが決定、原価抑制の見通しが立った。平野工業は国内で流通しにくくなった規格外の牛革を活用したグローブ提供を行っており、上田秀明社長がマージェリックのプロジェクトに快く賛同。「ぜひ規格外の牛革を提供したい」と快諾したという。

ナイジェリアでのグローブ製造の土台は整った。2023年12月、日本人を含む3人の有志がナイジェリアに駐在、現地でのスタッフ雇用、グローブの製造や販売などをスタートする。

マージェリックの事業として新たに立ち上げたのが、ナイジェリアの「野球普及」、それを通じた「産業創出」「雇用創出」をめざすプロジェクト「MERGERICK NIGERIA」
グローブ製造の修行を経てナイジェリアに駐在する3人

「ナイジェリアで野球を普及し雇用を創出する」「ナイジェリアの子どもたちにチャレンジできる環境を提供する」。こんな壮大なビジョンを描く嶋社長の新たなチャレンジが始まった。

◇◇◇

「MERGERICK NIGERIA」のプロジェクトではまず、約2600万円の投資を予定。初期費用として、工業製品(約400万円)、製品原材料(約260万円)、輸送費(約670万円)、登記・外注・人件費など含めて約1321万円を投じる。

マージェリックでは、このプロジェクトの費用を補填、そしてプロジェクト賛同者を募るクラウドファンディングを実施している。なお、設定したゴールの金額に達しない場合も、自己資金、金融機関の借り入れでプロジェクトを継続していくという。

マージェリックの事業として新たに立ち上げたのが、ナイジェリアの「野球普及」、それを通じた「産業創出」「雇用創出」をめざすプロジェクト「MERGERICK NIGERIA」
日本とナイジェリアのコラボで製造するグローブ。その費用の一部をクラウドファンディングで募っている(画像をクリックすると「READYFOR」のサイトにジャンプします)
瀧川 正実

日本の消費者は「ソーシャル志向」より「商品志向」

2 years ago

ティックトックがアクセンチュアと「ショッパーテインメント白書2023」を作成。「ショッパーテインメント」とは、エンターテインメントと啓発を第一に考えたコンテンツ主導型コマースで、コンテンツとコミュニティーを融合させながら没入感の高いショッピング体験を提供する。インドネシア、タイ、ベトナム、日本、韓国の5カ国の消費者を比較すると、日本の消費者はクリエイターによる推奨や評価よりも商品情報や割引の影響を強く受けていて、ソーシャル志向でなく商品志向に分類される。また、日本の消費者はコンテンツプラットフォーム内で行動を完結させず、検索エンジンを併用している。

TikTok for Business、次世代の購買行動を紐解く「ショッパーテインメント白書2023」を公開
https://tiktok-for-business.co.jp/archives/18201/
ショッパーテインメント(Shoppertainment)
https://www.tiktokshoppertainment.com/jp

noreply@blogger.com (Kenji)

ECでの商品購入時に「口コミの確認する」は9割超え。商品を買う際の判断材料でInstagramを利用するユーザーは約23%

2 years ago

BASEがショッピングサービス「Pay ID」ユーザーを対象に実施した「ネットショッピングにおける消費者動向調査」によると、商品購入時に口コミを参考にする割合は「たまに確認する」が51.9%、「かならず確認する」が40.5%、「確認しない」は7.6%だった。

BASEがショッピングサービス「Pay ID」ユーザーを対象に実施した「ネットショッピングにおける消費者動向調査」

商品購入のきっかけについて聞いたところ、「ネットでの検索」が42.6%で最多。「SNSやプラットフォームでの検索」が18.8%、「SNSやプラットフォームでたまたま見つける」が15.4%、「SNSやプラットフォームの広告で見つける」が10.0%で続いた。

BASEがショッピングサービス「Pay ID」ユーザーを対象に実施した「ネットショッピングにおける消費者動向調査」

商品の検討材料として最も利用するSNSやプラットフォームで一番多かったのは「商品の公式ホームページ」で26.3%。「Instagram」で22.9%、「商品の口コミサイト」が18.1%だった。

BASEがショッピングサービス「Pay ID」ユーザーを対象に実施した「ネットショッピングにおける消費者動向調査」

決済方法について聞いた質問では、「クレジットカード」が最も多く45.6%。2位は「コンビニ決済」で12.8%、3位は「後払い決済」で9.9%。希望する決済方法がない場合、購入を諦めたユーザーの割合は61.9%に達した。

BASEがショッピングサービス「Pay ID」ユーザーを対象に実施した「ネットショッピングにおける消費者動向調査」
BASEがショッピングサービス「Pay ID」ユーザーを対象に実施した「ネットショッピングにおける消費者動向調査」

ECを利用する頻度で最も多かったのは「1か月に1回程度」が25.8%。「2週間に1回程度」が21.8%、さらに「1週間に1回程度」が15.3%で続いた。

BASEがショッピングサービス「Pay ID」ユーザーを対象に実施した「ネットショッピングにおける消費者動向調査」

購入する商品カテゴリーの1位は「衣料品」で22.0%。「生活用品・消耗品」が16.1%、「その他」が14.0%、「美容・化粧品」が12.3%、「食料品」が10.6%となった。

BASEがショッピングサービス「Pay ID」ユーザーを対象に実施した「ネットショッピングにおける消費者動向調査」

ECで購入する理由を聞いたところ「好きな時間に買い物ができるから」が21.6%で最も多かった。「実店舗に行かなくても購入できるから」は16.6%、「検索などでほしい商品が見つけやすいから」が15.7%で続いた。

BASEがショッピングサービス「Pay ID」ユーザーを対象に実施した「ネットショッピングにおける消費者動向調査」

実店舗で購入する商品カテゴリーは、「食料品」が最も多く21.0%。「衣料品」で14.7%、「生活用品・消耗品」が13.6%、「飲料・酒類」が12.8%。

BASEがショッピングサービス「Pay ID」ユーザーを対象に実施した「ネットショッピングにおける消費者動向調査」

実店舗で購入する理由は、「実物を確認しながら購入したいから」が41.3%で最多。「すぐに購入したいから」が24.0%、「目的の商品以外も見たいから」が14.9%、「買い物に行くのが好きだから」が9.5%で続いた。

BASEがショッピングサービス「Pay ID」ユーザーを対象に実施した「ネットショッピングにおける消費者動向調査」

調査概要

  • 調査内容:ネットショッピングにおける消費者動向について
  • 調査方法:インターネット調査
  • 調査期間:2023年10月27日〜11月5日
  • 調査対象:「Pay ID」アプリのユーザー
  • 有効回答数:4673件
松原 沙甫

EC支援実績1.2万件の実績に学ぶ、「自社EC」「楽天市場」「Amazon」で勝つための戦略作り

2 years ago
「Amazon」や「楽天市場」の現状は? 自社ECの事情はどうなっている? EC事業者がとるべき戦略や運営のポイントを、EC支援数12000件超のいつもが解説
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大手ECモールが台頭するなか、自社ECはどう戦うべきか――。支援案件12000件以上、数多くのEC企業を支援してきた、いつもの望月智之氏(取締役副社長)は「品ぞろえと商品レビューが大事」と言う。その理由やレビューを増やすのに効果的な施策を、最新の国内EC事情、「楽天市場」「Amazon」の動向などを交えて解説する。

成長を続けるECモール、自社ECは?

2022年における物販系ECの市場規模は14兆円。コンビニ市場(約12兆円)を超え、スーパー市場(約15兆円)と同じレベルにまで迫っている。カテゴリー別には食品、化粧品、家電、アパレルが順調に伸びている。

2022年 物販系EC市場規模予測
2022年 物販系EC市場規模予測(経済産業省の調査をもとに、いつもが作成)

下図はネット通販売上高ランキングの上位500社が、どのECモールに出店しているかをまとめたものだ。約5割以上が「楽天市場」「Yahoo!ショッピング」「Amazon」に出店している

ECモールへの出店・出品状況
ECモールへの出店・出品状況(日本ネット経済新聞の調査から、いつもが作成)

いつもの調査によると、物販系EC市場規模のおよそ7割にあたる10.5兆円が「Amazon」「楽天市場」といったECモールの流通額で占められているという。

2022年 ECモールと自社ECの市場規模
2022年 ECモールと自社ECの市場規模

同じくいつもの調査によると、自社ECの市場規模は約3.5兆円だが、毎年この数字は成長が鈍化してきている。一方、ECモールの市場規模は毎年5%〜10%で成長。自社ECサイトの数は増え続けているため、1サイトあたりの売り上げが下がっている、もしくは勝ち負けがはっきりしてきているということが言えるという。

「楽天市場」の最新動向

「楽天市場」には毎年4000〜5000の新規出店があるが、2020年〜2021年はコロナ禍で出店数が特に伸び、通常の1.5倍から1.7倍程の出店があった

「楽天市場」では現在、「SKUプロジェクト」が動いている。服などの色違いやサイズ違いで別の商品ページを作っていたものを、1つのページにSKUを統合し、ページを訪れた消費者がサイズや色を選びやすくするためのプロジェクト。また、商品ページをまとめることで、商品レビューが分散しないというメリットもある。

「楽天市場」の「SKUプロジェクト」
「楽天市場」の「SKUプロジェクト」

これができていないと、「楽天市場」のランキングに影響があると言われているので、各企業は急いで対応する必要がある。(望月氏)

いつも取締役副社長 望月智之氏
いつも取締役副社長 望月智之氏

もう1つ、EC事業者にとって重要なのが「配送品質向上制度」だ。早期の発送や土日も出荷できるなどの条件を備えている店舗にはラベルが表示され、検索結果も上位表示されると考えられている。

配送品質向上制度の概要
配送品質向上制度の概要

Amazonの最新動向

いつもの調査によると、「Amazon」はすべてのカテゴリーにおいて伸長しており、なかでも低価格商品が特に強いという。いつもが支援する企業において平均注文単価は、「Amazon」では3000円以下で、「楽天市場」は5000円〜6000円。およそ倍の開きがある。

「Amazon」には各企業が直接出品する「セラー出品」と、「Amazon」に卸す「ベンダー出品」がある。下図は「Amazon」の世界的な流通額におけるセラーとベンダーの動向を調べたもので、セラーの流通額が伸びているのに対し、ベンダーの流通額はそれほど伸びていないという傾向がわかる。

「Amazon」における世界のセラーとベンダーの動向
「Amazon」における世界のセラーとベンダーの動向(Statistaの調査をもとに、いつもが作成)

これは日本だけでなく世界的な動きとして、中国で製造されたものが安く流通するケースが増え、中国セラーが流通額の大部分を占めていると言われている。「Amazon」では、日本の他プレイヤーよりも中国のセラーやメーカーと戦わなければならないという状況が増えているのである。

ECで戦うために必要なのは「戦術」ではなく「戦略」

競争が激しいEC市場で生き残るためには、いろいろな規模、資本力の会社と戦わなければならない。また、国内に約20万社近くあると言われるEC企業において、店長や事業責任者といった人材が非常に少ないことも1つの課題である。EC事業をただ運用するだけでなく、戦略的に売り上げを作ることができる人材がマーケットに少ないのだ。

それでも事業を運営し続けなければならない。望月氏は「ECサイトができていて、メルマガや広告も打っているのに売れないという状況は、そこに戦略が不足しているから」と言う。

戦略と戦術の違い
戦略と戦術の違い

戦略とは、マーケティング戦略やSEO戦略、広告戦略のようによく使われる言葉だが、望月氏は、戦略と戦術は明確に違うという。

ページをどう直すのか、SEOをどう設計するのかはあくまでも戦術的な話。つまり、戦える状態にすることを「戦術」と呼び、「いつ、誰と、どう戦うのか」「予算をどこにどう投下するのか」「どれくらい売り上げを伸ばせる可能性があるのか」という、事業計画を含めたものが「戦略」だ。(望月氏)

たとえば「数年以内に10億円の売り上げをあげたい」という相談があっても、10億円のシェアはどこから取るのか、どう取るのかといったことまでは検討されていないことが多いという。

商品だけでなく品ぞろえで勝負する

たとえば扇風機を売る場合、ECモールで「扇風機」と検索すると、値段が安いものから高いもの、大手から中小メーカーまで膨大な量がヒットする。こうなると競合と戦うことを避けることはできない。

競合に勝つための施策として検索上位に表示されるには、広告を増やしたり、ページを改善したりする必要があるものの、当然予算も人材も必要になる。資本力がある企業なら一時的に赤字になってでも広告費をかけたり、粗利を削ったりという戦い方ができるが、資金力が限られている場合などはさらに複雑な戦略が求められる。

たとえば消費者がワンピースを買いにサイトに来た場合、1種類ではなく色や形の異なるいろいろな種類のワンピースを見たいはずだ。そのため、ECサイト内を回遊し、品ぞろえの豊富さや価格帯で購入するショップを選ぶだろう。だからこそ、商品単品だけの勝負ではなく、品ぞろえが重要なのだ。

下画像の赤で示した「自店舗」はECモールに出店している、いつものクライアント企業。横軸A〜Eはそれぞれ別の会社で、これらの会社の商品をすべて抜き出し、商品の価格をまとめたのが上段。下段は人気アイテムだけを抽出したものになる。

あるアパレル企業の品揃えマッピング表
あるアパレル企業の品揃えマッピング表

この表を見ると、まず自店舗の品ぞろえでは比較的価格が高いところに商品が多い。一方、人気アイテムを見ると、2000円〜6000円がボリュームゾーンになっている。では、どの企業と戦って、どのプライスラインのアイテムを増やすべきか。どこに広告費を使って人気アイテムに仕上げるのか。そういった戦略が必要になってくる

1商品ずつの戦いでは、広告費の使い方で大手の方が有利になる傾向が強い。特にECモールではCPA(1件あたりの獲得単価)を1回目の広告だけで回収できるようなケースは非常に少なくなっている。広告費の使い方よりも価格帯別の品ぞろえやマーチャンダイジングの方が重要だ。(望月氏)

商品レビューが最重要

実店舗で一等地を狙うように、オンライン上でも狙うべき一等地がある。それはECモールの検索上位や人気ランキングだ。出店するだけでは訪問者数が少ないので、一等地を押さえるために投資をして、検索結果の上位を取りに行く必要がある。

そして、良い場所を取ることと同じく、多くの消費者が買う直前に確認する商品レビューの重要性が高まっていることは必ず押さえておきたい。

下画像のグラフは、いつもの顧客データで、オレンジがレビュー数、青い線がコンバージョンレート(買い上げ率)。レビュー数とコンバージョン率の相関性が非常に高いことがよくわかるだろう。

ECの購買プロセスにおけるレビュー件数とCVRの関係
ECの購買プロセスにおけるレビュー件数とCVRの関係

商品レビューが付いていない状態で広告を大量に投下するのは効果的ではない。最初はレビューを貯める必要がある。(望月氏)

いつもでは100人の購入者のうち何人がレビューを書くかという「レビュー記入率」に注目している。通常は1%程度だが、購入者にレビューに関するフォローメールを送ると倍になるという。

さらに「レビューを書くとクーポンを配布」という施策によってレビュー記入率は5%になり、プレゼントを付けると最大30%まで上がる。クーポンやプレゼントは経費がかかるため継続は難しいが、商品をローンチしてからしばらくの間は、こうした仕掛けをしながらレビューを増やすのも戦略の1つだと説明する。

レビュー記入率の目安
レビュー記入率の目安

あるコスメブランドでは、レビューを増やす施策に150万円の投資を行った結果、1000件のレビューを獲得し、CVRが3倍になった

あるコスメメーカーECの実績
あるコスメメーカーECの実績

商品だけなく、店を覚えてもらう

以前は「ECモールだと消費者がどの店で買ったかを覚えていない」とよく言われてきたが、最近は消費者も目が肥えてきて、よく見る店や覚えている店、お気に入りの店を把握するようになった。

消費者もブランドや店舗を意識して買う流れがある。商品同士の戦いではなく、店舗やブランドの戦いに持ち込むことが重要。店舗独自の価値を顧客に知ってもらうこと、検索から見つけてもらって来てもらえることが大事。付加価値で勝負しないと広告費の戦いや価格競争になる。(望月氏)

では、選ばれる店舗とはどんな店舗なのだろうか。望月氏によると、大きく「マーケティング型」「親しみ・便利型」「商品価値型」の3つに分かれるという。

選ばれる店舗の3つのパターンとその代表的なブランド
選ばれる店舗の3つのパターンとその代表的なブランド

「マーケティング型」はいつ訪れても新しいトレンドの商品がある、新鮮味のある楽しい店ということ。「親しみ・便利型」は素早い配送スピードや、さまざまな配送パターンに対応している店。「商品価値型」は製造プロセス自体にこだわりを持っている店などだ。自社の個性を商品だけでなく、店舗全体としてメルマガやサイトなどで訴求することで選んでもらえるようになるという。

点ではなく線としてのノウハウ・支援

最近ではライブコマース市場やSNSを使ったECが伸びてきており、「ECモールのなかだけでプロモーションや集客をするといった戦い方は徐々に終わりつつある」と望月氏は語る。いつもではSNSなどから自社ECへ集客する支援も行っており、高い成果を上げてきた。

コスメや食品、インテリア、家電といったさまざまな企業を総合的に支援しているいつもの支援企業は12000件を超える。戦略立案から物流、デザイン、広告もすべて自社内で完結させることができ、自社ECだけでなくECモールを含めた複数のECプラットフォームにも対応している。

望月氏は「ノウハウや支援は、点ではなく線になっている必要がある」と強調する。「SEOだけができていても、集客した先のサイト内はどうなっているか、そもそもどういった顧客を呼ぶのかといった戦略がつながっているかどうか、点ではなく線としての支援ができないとクライアントの業績を上げることは難しい」と言う。

ECはサイトだけでなく在庫や開発、そこにいるマネージャーや運営担当者、物流担当者など、事業全体で見るべき。単純にサイトが良くなることより、事業のPLや資産などを見ながら、いかに利益を出すか、効率化するかという観点で総合的にサポートしている。(望月氏)

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大村 マリ

資生堂子会社のイプサ、メタバース空間に初店舗。化粧品やデジタルアイテムの販売、体験など提供

2 years ago

資生堂子会社のイプサは、ANA NEOのバーチャル旅行プラットフォームアプリ「ANA GranWhale」内に出店、化粧品に加えデジタルアイテムも販売する。

イプサが仮想空間に出店するのは初。メタバース空間ならではの顧客接点を創出する。

イプサが「ANA GranWhale」内に出店している店舗の外観
イプサが「ANA GranWhale」内に出店している店舗の外観

メタバース空間ならではの演出・体験を提供

メタバース空間に出店する仮想店舗の名称は「IPSA Play Lab.」で、「ANA GranWhale」内のショッピング空間「Skyモール」に出店した。メタバース店での体験を通じて、化粧を楽しむユーザーを増やす狙い。

「IPSA Play Lab.」ではオリジナル衣装を着たレシピスト(スタッフのアバター)がユーザーを出迎え、フォトスポットやデジタルアイテムの販売など、実店舗とは異なる“メタバース空間ならでは”の演出・体験を提供する。

オリジナル衣装を着てユーザーを迎える
オリジナル衣装を着てユーザーを迎える

肌測定+スキンエフェクト贈呈

独自の肌測定サービスを提供。測定後は、肌タイプごとにお勧めの商品と肌の手入れの方法を紹介する。また、肌測定の結果に応じたオリジナルのスキンエフェクトを贈呈。ユーザーは「ANAGranWhale」でのプレイ中にスキンエフェクトを自由に着せ替えることができる。

スキンエフェクトの着せ替え
スキンエフェクトの着せ替え

独自デジタルアイテムの販売

米DRESSX(ドレスエックス)が運営するデジタルファッションプラットフォーム「DRESSX」で展開したアーティストとのコラボレーション衣装を再現し、デジタルアイテムとして「IPSA Play Lab.」で販売する。ユーザーは、購入したデジタルアイテムをアバターに着用させることができる。

アバターが着用できるデジタルアイテム
アバターが着用できるデジタルアイテム

フォトスポット

店舗空間中央には、イプサの主力商品の1つである薬用化粧水「イプサ ザ・タイムR アクア」の大きなボトルを中空に浮かべている。その手前を、アプリ内でユーザーが写真撮影できるフォトスポットとしている。

フォトスポットでの写真撮影
フォトスポットでの写真撮影

化粧品ブランド「IPSA(イプサ)」の販売

化粧品ブランド「イプサ」の販売も行う。店舗内から公式ECサイトに遷移する動線を設けており、顧客は商品を購入できる。

販売する商品の一例「イプサ ザ・タイムR アクア」(医薬部外品)
販売する商品の一例「イプサ ザ・タイムR アクア」(医薬部外品)

「ANA GranWhale」とは

旅先や文化をデジタルで再現するバーチャル旅行プラットフォームアプリ。バーチャル旅行空間の「V-TRIP」、ショッピング空間の「Skyモール」(ショッピング空間)のサービスで構成している。

「Skyモール」は、リアルとバーチャルを融合した非日常体験ができるショッピングモール。訪れる人は、自分のアバターを操作しながら、EC商品やデジタルアイテムを購入できる。

「ANA GranWhale」のイメージ
「ANA GranWhale」のイメージ
高野 真維

Instagram×ECの最新トレンドとは? 2024年に向けた戦略や打ち手を解説! | 今日から試せるネットショップ運営ノウハウ powered by カラーミーショップ

2 years ago
「リール」「フォロワー」「ハッシュタグ」など、Instagramの機能はどのように使うと効果的? 今知っておくべきInstagram×ECの最新運用法を識者の富田さんに伺いました

Instagramマーケティングを成功させるには、機能やアルゴリズムを理解して的確な施策を打つことが大切です。

今回はInstagramの最新トレンドを中心に、今知っておくべきInstagramの動向をハピラフ 代表取締役CEOの富田竜介さんに伺いました。EC事業者さんにぜひ取り組んでいただきたい、最新活用術も紹介します。

富田竜介さん

ハピラフデジタル 代表 富田竜介さん。成蹊大学卒業後、マイクロアド(旧マイクロアドプラス)に入社。その後ヘルスケアD2C/フィットネススタートアップ/ブライダルスタートアップ、クックパッドでマーケティング担当として幅広く従事。ブライダル会社在籍中にハピラフデジタル/ハピラフを設立。現在はハピラフ代表としてSNSマーケティングに特化したサービスを展開している。

2023年上期、Instagramのアルゴリズムの変化について

――前回インタビューをさせていただいてから約1年が経ちました。2023年上半期を振り返って、Instagram上の重要な動きやアルゴリズムの変化などがあれば教えてください。

Instagramはもともとフォロワーファーストのツールです。フォロワーが多いほどリーチを獲得できて評価が上がることから、これまではフォロワー数を増やすことが重視されてきました。

それがこの1年の間に一部がTikTokやYouTubeショートと似たようなアルゴリズムに変わり、フォロワー数よりも1投稿単位の評価が優先されるようになりました

Instagramの3種類の投稿方法のうち、「フィード」や「ストーリーズ」は今もフォロワーファーストで、まず既存フォロワーに表示されて反応が良ければ拡散される形ですが、「リール」はコンテンツベースで評価・露出されます。

具体的には、「リール」に投稿するとそのジャンルに興味のある「フォロワーではない人」にも表示され、一定の反応が取れたら拡散されて、次の人が反応したらさらに拡散されていきます。これにより、1つの投稿をより多くの人に見てもらえるようになりました。

それから、コンテンツの表示をコントロールできるようになったことも変わったポイントです。Instagramでは「好きと欲しいをつくる」ことを重視していて、ユーザーの興味があるものだけをおすすめしたいという方針を貫いています。

これまでは興味関心から遠いものが表示されることもありましたが、興味のないコンテンツのメニューから「興味なし」を選ぶと似たような投稿の表示を減らせる機能がリリースされ、好きなものに近い投稿だけを見ることも可能になりました。

ただ、本当に興味のある人に届くようになった反面、興味が曖昧な人のリーチを期待できなくなったので、1投稿あたりのリーチが伸びづらくなったなと感じます。

Instagramのトレンドは?

――投稿トレンドなど、Instagramの今の傾向を教えてください。

2023年10月から景品表示法のステマ規制がスタートします。

それに先駆けて「#PR」「#タイアップ」のようなハッシュタグによるPR投稿は非推奨となり、クリエイター(インフルエンサー)がPR投稿をする際は、タイアップ投稿機能を使って、ユーザーネームの下にタイアップ投稿ラベル(ブランドコンテンツのタグ)を付けなければならなくなりました

タイアップ投稿を行うには、ブランドとクリエイターの双方で操作する必要があり少し手間がかかりますが、それなりのメリットも得られます。

ラベル付きの投稿はブランドの透明性を確保できるうえ、クリエイターのインサイトを直接見られるようになるので、どの人のどの投稿が伸びているかを把握できます。フォロワー以外にリーチを拡大することも可能です。

また、最近は「コラボ」機能による共同投稿を行う企業が増えてきたように思います。共同投稿の長所は、コラボした相手と自分のフォロワーに同じ投稿を見てもらえることで、1投稿あたりのエンゲージメント獲得数を増やせるため高い関心が寄せられています。

ただし、広告のルールを遵守する必要があるので、景表法や薬事法に抵触しないように注意しなければなりません。ちなみに、ブランドとクリエイターの共同投稿の場合は、広告主が発信しているような見せ方になるのでタイアップ投稿ラベルは不要です。

Instagramではクリエイター向けのサービスにも力を入れています。2023年6月にリリースされた「一斉配信チャンネル」は、クリエイターが大勢のフォロワーとリアルタイムに交流できる公開メッセージツールで、関心度の高いファンとの絆を深められます。ほかのクリエイターを呼んでトークを展開することもできます。

また、もう1つ、「Meta認証」という「X Blue(旧Twitter Blue)」 のような有料サービスも始まっています。本人確認書類を提出すると青い認証バッジを得られ、なりすましを防げます。いずれも残念ながらビジネスアカウントや一般ユーザーは対象外なので、今後のサービス範囲の拡大を期待したいですね。

余談ですが、フェイスブックジャパン代表取締役の味澤将宏氏が、2022年10月に開催された「House of Instagram2022」で、2023年のInstagramのテーマの1つに「価値共創」をあげていました。タイアップ投稿、共同投稿、一斉配信チャンネルはまさに共創するものなので、アカウント運用者は意識したほうがいいと思います。

――前回の記事でもお伺いしたのですが、改めて投稿のコツやおすすめの投稿数(頻度)を教えてください。

Instagramでは、

  • リールで外部の人にリーチして新規フォロワーを取り込む
  • ストーリーズで新規フォロワーとの仲を深める
  • 既存のフォロワーにはフィードで情報を発信する

というように、それぞれの役割に合わせて使い分けることが大事です。さらに、エンゲージメントの高いフォロワーと共同投稿すれば、親密度を高められるのではないかと思います。

「リール」や「フィード」の投稿頻度は、Instagramでは興味関心や親密度に加えて新鮮度を重視していることを考えると毎日が理想です。とはいえ、投稿の質が低ければエンゲージメントを獲得できません

毎日投稿するのが大変で質が下がるのであれば、3日に1投稿、月に10投稿程度でも問題ないので、可能な限り質の良い投稿をめざしてください。1投稿あたり1000リーチのものを月に30投稿しても3万リーチにしかなりませんが、1投稿あたり1万リーチ取れるコンテンツなら、月に10投稿でも10万リーチ獲得できます。

また「ストーリーズ」の投稿は、1日10投稿以上を推奨しています。投稿内容は、「今日も暑いですね、外に出る予定はありますか?」といった「はい」「いいえ」で答えられる問いかけでもOKで、回答をもらえればシグナルが貯まって親密度を上げることができます。

フィードへの投稿が滞っていても、ストーリーズで交流できていればエンゲージメントを高められるので、忙しくてもストーリーズの投稿だけは止めないようにしてください。

なお、親密度にはユーザーの反応回数も関係していて、5回反応する人より10回反応する人のほうが親密だと判断されます。親密度が高い人ほどストーリーズの投稿はより左側に、フィードの投稿はより上部に掲載されて反応を得やすくなるため、好循環を生むためにもフォロワーとの双方向のコミュニケーションを大切にしてください

Instagram運営におけるKPIは何にすべき?

――SNSを運用する際、どうしてもKPIを何に置くかという話がついてきます。指標の設定時に気をつけるべきことはどんなところでしょうか?

Instagramの効果を見るなら、定量的ではありませんが、ハッシュタグ数とタグ付け数に注目してください

「#ブランド名」「#商品名」のようなハッシュタグは、ユーザーがブランドや商品を気に入ったときに付けてくれるものです。ハッシュタグ検索は指名検索に似ているので、ハッシュタグ数を把握すればいわゆる口コミ(UGC)の影響を量ることができます

それから、「リール」や「フィード」へのタグ付け数にも注目すべきです。タグ付けされるメリットは、タグからユーザーを呼び込めることで、「友達が投稿したタグからブランドのプロフィールにきてフォロワーになる」というような効果を期待できます。

定量評価を重視する企業では、フォロワー数やリーチ数をKPIに設定するケースが多いですが、個人的にはいずれも追う必要はないと考えています。それよりも顧客満足度を指標にして、お客さんとどれだけ仲良くなれたか、お客さんにブランドをどれだけ好きになってもらえたかを重視したほうが売り上げにつながると思います。

Instagramはフォロワーやリーチよりもユーザーの投稿を増やすために運用するもの」と、視点を切り替えることが大事です。

また、Instagram以外にX(Twitter)広告やGoogle広告、SEO記事と複数の施策を打っている場合、Instagramのアカウント経由でどのくらい売り上げが上がったかを証明する術はありません。

購入者に「商品購入のきっかけとなったのはどの媒体ですか?」とアンケートを取ればある程度の効果を把握できますが、売り上げとなると施策の前後で売上状況を比較して判断するしか方法はなく、定量的なKPIは立てにくいです。評価方法もチャネルごとに区切らず「全体の売り上げが上がれば評価します」という方向に変えていったほうがいいと思います。

企業でよくあるのは、「広報:アカウント運用、指標=ブランド認知度」「広告チーム:インフルエンサーマーケティング、指標=新規顧客獲得数」のように担当や部署で目標や目的を切り分けてしまうケースです。

それぞれでプレゼントキャンペーンだ、広告だとやってしまうと良い成果は得られませんし、フォロワー数が積み上がって一時的に売り上げが上がったとしても、フォロワーとのコミュニケーションが深まっていなければ一瞬で落ちてしまいます。

その結果として、「売上が上がらない⇒SNSは意味がない⇒SNSをやめる」という道を辿る企業が増えているので、状況を打開するには組織の評価軸から変えなければなりません

新しいアルゴリズムに効果的な対策方法は?

――新しいアルゴリズムへの対応策を教えてください。

コンテンツ/コミュニケーションを強化することが一番の対策法です。TikTokが伸びているのはプラットフォームの利用者が増えているからで、今TikTokを始めれば誰でも一定数のフォロワーを獲得できます。

一方、Instagramはやや飽和状態にあるため、新たなフォロワーを獲得するには必然的にコンテンツやコミュニケーションの質で勝負せざるを得ません。

記事コンテンツはわざわざアカウントをフォローしなくても「いいね!」で保存できるので成果が見えにくいという側面がありますが、SEOやコンテンツマーケティングに近づいてきている状況なので、ジャンルの中でもNo.1の質を狙ってコンテンツをブラッシュアップしていくしかないのかなと思います。

コンテンツの中味についてもアイディアが出尽くした感があり、オリジナル性の高さで勝負するのは難しくなっています。質の高いAとBの記事を掛け合わせてもっと中身の濃い記事に仕上げるとか、動画ならクオリティの高いTikTok動画を参考に制作するなど、なんらかの工夫が必要です。

滞在時間を延ばす策としては、文章+動画でコンテンツをリッチにする戦略が増えています。文章は長ければ長いほど滞在時間が延びますし、投稿内に動画もあればその分滞在時間が増えて評価されやすくなります。

これらを参考に、高品質のコンテンツ作りに取り組んでみてください。

一方で、矛盾するようですが、ブランドアカウントではあまりコンテンツマーケティングに力を入れる必要はないとも思っています。記事コンテンツはコアなファンに任せて、ブランドアカウントは世界観を作ることや、ファンとコミュニケーションを取ることを優先したほうが効率的です。

ブランド自身で1日1投稿してもMAX30投稿/月ですが、ファン100人に共同投稿を依頼して月に1回ずつ投稿してもらえれば100投稿/月になります。なので、ブランドアカウントで発信するものは文章の長いコンテンツではなく、原点回帰して映える画像や動画で世界観を見せる方向に舵を切ってもよいかもしれません。

コンテンツの中身だけでなくフォロワーも質が大切です。コアなファンはフォロワー獲得に貢献してくれます。親密度の高い100人が新たな100人を呼び、200人が別の200人を連れてきて、と地道に輪を広げていくほうが今の時代に合っていますし、プレゼントキャンペーンなどで無理にフォロワーを増やすよりも成果が生まれやすいです。

Instagramの運用者は、フォロワー全員の名前を覚えて交流するくらい濃厚なコミュニケーションを取るようにしてください

2024年に向けたInstagramの戦略や打ち手は?

――2023年下期、さらに2024年に向けてECを伸ばすためのInstagram戦略や打ち手をぜひ教えてください!

いろいろな手法がありますが、おすすめの施策をいくつかピックアップして紹介します。

1.共同投稿を増やす

PR投稿だけでなく、積極的にフォロワーとコラボして共同投稿を行ってください。

Instagramは、フォロワー数よりもエンゲージメントや質が大事だと公言しているので、コラボ相手はクリエイターではなく、タグ付けされた投稿にコメントが多く付いている人や、エンゲージメント率の高い人を選ぶのがおすすめです。一般の人に近いほうが購買の意思決定につながります。

2.ギフティングでタグ付け欄を埋める

インフルエンサーに商品を提供して紹介してもらう「ギフティング」でタグ付け欄を充実させてください。

Instagramを始めたばかりの企業はタグ付け欄がゼロの状態です。日本人は1人目になることを避けがちなので、最初の30件くらいはギフティングで埋めることをおすすめします。

一般的に、ユーザーはブランドアカウントのタグ付け欄から他人の投稿を見て「これは私に合いそうだから買ってみよう」と思うものなので、検討材料を与える意味でもギフティングは活用したほうがいいです。

ブランドフォロワーとブランドリーチを増やす方法

――ブランドフォロワーとブランドリーチを増やすにはどうしたらよいですか?

ブランドの情報だけでフォローしてくれる「ブランドフォロワー」を増やすことも大切です。

記事コンテンツに興味があってフォローしてくれる「コンテンツフォロワー」は、ブランドフォロワーよりブランドを好きな度合いが一段階浅く移ろいやすくもあるので、ブランドフォロワーを獲得したほうが売り上げにつながります

リーチも同じで、メディア頼りにせずブランドの情報だけでリーチを増やすことをめざしてください。ブランドが発信した情報でブランド理解が深まったファンは、次にファンになる人たちを連れてきてくれます。

「リール」に投稿する動画の長さは30~45秒くらいがおすすめです。伸びている動画も30~45秒くらいのものが多い印象です。一部ビジネスアカウントでは、Instagramインサイトで、投稿動画の総再生時間や平均再生時間・率、オーディエンスのリテンションレート(継続率)などを見られるので確認してみてください。

参考までに、平均再生時間は10秒以上、平均再生率は30~40%以上が良い動画の基準となっています。

――最後ぜひ本記事を読んでいるEC事業者さんにアドバイスをお願いいたします!

ECではよく、「リソースが足りない」「運用方法がわからない」などの理由から、Instagramの運用を支援会社に丸投げしたり、業務委託でアルバイトの人に任せたりするケースを見かけますが、外部に依頼するのはおすすめできません。

SNSはオンライン上で一番の接客ツールなので、ブランドについてよく理解している人が運用しなければ、本当の意味でのファンは獲得できないと思います。アカウントの運営人数は企業の戦略次第で1人でも複数人でも構いませんが、「SNSをやる」と決めたらリソースを割いて本格的に取り組んでほしいです。

またInstagramの運用では、リーチやフォロワーを増やす施策よりも、いかにして口コミを発生させるかに重きを置くべきです。

購買の意思決定につながるのは、企業より友人や家族など身近な人のレコメンドなので、購入者の100%が口コミを投稿したくなるような設計やマーケティングの仕組みを作ることに注力してください。

新規獲得のために宣伝ばかりしていたのでは、ユーザーはタグ付けしたりハッシュタグを付けて投稿したりする気がなくなると思います。Instagramを含めSNSはコミュニケーションツールなので、ぜひユーザーとのコミュニケーションを大切にして絆を深めてくださいね。

この記事はカラーミーショップの公式Webメディア『よむよむカラーミー by GMOペパボ』の記事を、ネットショップ担当者フォーラム用に再編集したものです。

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