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越境EC、オムニチャネル、マルチデバイス、重要テーマに対応するECサイト作りの鍵

9 years 8ヶ月 ago
ECプラットフォーム選びの重要なポイントは「カスタマイズ」「アップデート」「セキュリティー」

マルチデバイス、オムニチャネル、越境EC――こうした重要テーマへの対応にあたり、多くのECサイトが2つの課題に直面している。それは、各種データの統合とトレンドに対応するためのキャッチアップだ。

成功をとげている自社ECサイトはどのように課題を克服したのか。累計360サイト以上に導入されているクラウドECプラットフォーム「ebisumat(えびすマート)」を提供するインターファクトリーの三石 祐輔 取締役が、EC事業者が直面している課題や成功事例を踏まえ、重要テーマに対応するためのシステム選びについて解説した。

セミナーのポイント
  • EC事業者が直面している2つの課題は「データ統合」と「トレンドのキャッチアップ」
  • ECプラットフォームに必要なのは「拡張性」「最新性」「信頼性」の3要素
  • ebisumartを導入した店舗の成功事例
  • 機能を支えるパートナープログラム

EC事業者が直面している2つの課題

課題1:データ統合

各種データがバラバスラに管理されている

多くのECサイトが抱える1つ目の課題は、オムニチャネルを進める上で、データの統合が追いつかず、顧客データや購買データが販売チャネルごとにバラバラに管理されていることだ。

例えば、実店舗で会員登録した顧客が、ECサイトで再度会員登録する必要があったり、店舗で貯めたポイントをECサイトでは使えなかったりするケースは珍しくない。この状態を放置すると顧客は不満を募らせ、いずれ顧客の離反を招く可能性がある。

三石氏によると、ebisumartの導入を検討する小売店の多くが、社内のデータ統合が不十分である点に強い危機感を抱いているという。

ECと実店舗を連携して買い物体験を向上させること、つまりオムニチャネルに取り組むことは、EC事業者が直面している大きな課題の1つだ。

課題2:トレンドのキャッチアップ

トレンドのキャッチアップ

EC事業者が直面している2つ目の課題は、ECのトレンドのキャッチアップに苦労していること。

例えば、2014年はスマホ対応を中心とした「マルチデバイス」、2015年は「オムニチャネル」、そして2016年は「越境」が重要なテーマになっている。新たなトレンドが生まれるたびに追加業務が発生したり、システム開発を行ったりすることが、EC事業者にとって大きな負担になっている。

株式会社インターファクトリー 取締役 三石 祐輔 氏
株式会社インターファクトリー 取締役 三石 祐輔 氏

ebisumartを導入した小売店の成功事例

こうした課題を抱えるEC事業者は、どのように解決したのか。三石氏は、ebisumartを導入した小売店の成功事例を紹介した。

事例1:オムニチャネルを実現した伊東屋

伊東屋

文具販売の伊東屋は、ECと実店舗の会員データやポイント、在庫情報が統合されていないことなどを課題として抱えていたという。また、実店舗でのレジ混雑による顧客の待ち時間を解消したいと考えていた。

伊東屋はebisumartのAPIを使い、ECサイトと実店舗の基幹系データを連携。ECと実店舗のポイントや顧客データの統合、在庫連携などを実現した上、アプリ会員が実店舗でスマホ決済を行えば、レジを通さずに商品を購入できる独自の機能も導入した。

伊東屋がebisumartで実現したこと
  • 店舗とECのポイント・購入履歴統合
  • EC会員の店舗誘導
  • 会員アプリを使ったO2O戦略
  • 実店舗でレジを通さずスマホで決済

事例2:短期間でのオムニチャネル導入を実現した藤巻百貨店

藤巻百貨店

藤巻百貨店はECサイトからスタートし、実店舗も出店させオムニチャネルに取り組んでいる。実店舗を出店する際、OtoOをスムーズに実現することが課題だったが、ebisumartとソフトバンクの「クラウドPOS」の連携により、短期間・低コストでオムニチャネルを実現した。

藤巻百貨店がebisumartで実現したこと
  • 短期間でECサイトと実店舗を連携
  • ポイント情報と会員情報の連動

ECプラットフォームに必要な3要素

EC事業者が直面する課題や成功事例を踏まえ、ECプラットフォームには3つの要素が不可欠だと三石氏は指摘する。

ECプラットフォームに必要な3要素

拡張性……デザインや機能を柔軟にカスタマイズできる

最新性……継続的なアップデートにより、時流に合った標準機能が実装される

信頼性……厳しいセキュリティー基準をクリアしている

EC事業者が直面している課題を意識してECプラットフォームを選ばないと、中長期的にビジネスがスケールしない。激しい時流の変化に追いつく「最新性」と、複雑なニーズに対応する「拡張性」をECプラットフォームが備えていないと、ビジネスそのものが立ち行かなくなるだろう。

ebisumartは「拡張性」「最新性」「信頼性」の3つを特に重視して開発しており、その結果、多くの成功事例を生んでいるという。

①さまざまな機能に対応する「拡張性」

ebisumartは機能の拡張性が高く、「オムニチャネル対応」「BtoBサイトの開設」「モール機能の実装」「チケット販売機能」「オークション機能」など、さまざまな機能を柔軟に拡張できる。

EC事業者の課題であるECサイトと実店舗のポイント統合や顧客データ・購買データの統合はもちろん、会員アプリやPOSレジなどといった外部のシステムのと連携が柔軟に可能。また、トラフィック数に合わせてインフラ環境を変更できる、クラウドならではのメリットもある。

カスタマイズ例

デザインや機能の拡張性も高い。ECサイトのデザインは、テンプレートを使ったオーソドックスなものから、完全オリジナルのものまで柔軟に変更できる。デザイン用の特殊なタグを使い、スタイルシートを書くような感覚で動的なサイトを構築することも可能だ。

標準デザイン(左)とカスタマイズデザイン(右)の事例
標準デザイン(左)とカスタマイズデザイン(右)の事例

②機能が陳腐化しない「最新性」

ebisumartは週1回の頻度でアップデートを行い、時流に合った機能を随時追加している。ebisumartはクラウドサービスのため、機能が追加されるたびに、すべての店舗が利用できる。3年前に契約した店舗も今日契約した店舗も、同じ最新の機能を利用可能だ。

パッケージシステムやフルスクラッチでECシステムを構築した場合、数千万円をかけて開発した機能が数年で陳腐化するリスクがあるが、クラウドサービスのebisumartは、常に時流に合った機能やツールを利用できる。

カスタマイズが標準化される

③東京証券取引所も認めた「信頼性」

導入企業の中には、東京証券取引所のように厳しいセキュリティー基準を要求する企業も多い。すべての店舗は東京証券取引所などが認めたセキュリティーレベルで保護されるとともに、一層のセキュリティー強化に取り組む方針を掲げた。

機能を支えるパートナープログラム

三石氏は最後に、ebisumartと外部企業が連携する「ebisumart ecosystem」というパートナープログラムについて説明。パートナー企業を広く募っていることを明らかにした。

ebisumart ecosystem の3つのメリット

①ビジネス機会が拡大

パートナー企業はebisumartを基盤としてECソリューションを展開できる。フロー収益(例:デザイン制作・システム開発)だけでなく、ストック収益(例:システム保守・アプリ販売)を得ることが可能

②バージョン管理が不要

ebisumartはバージョン管理という概念が存在しないので常に最新

③ライセンスフィーが不要

ebsiumartはパートナー契約に必要なイニシャル費用が発生しない

関連事業者のメリット

関連リンク:

渡部 和章

スマホで最も使うECサイトは「Amazon」。次いで「楽天市場」「Yahoo!ショッピング」

9 years 8ヶ月 ago
スマートフォンからネットショッピングを楽しむユーザーは4857万人で、前年同月比15%増

ニールセンは、スマートフォンからのeコマースサービスの利用状況を分析したレポートを発表した。

2016年5月において、スマートフォンからネットショッピングを楽しむユーザーは4857万人で前年同月より15%増えている。

そのなかで利用者数上位5サービスを見てみると、1位は「Amazon」(3339万人)、2位は「楽天市場」(3181万人)、3位は「Yahoo!ショッピング」(1876万人)。

上位3サービスはモールが占めたが、4位に「ニッセン」(786万人)、5位に「オムニ7」(741万人)がランクインした。

スマホで最も使うECサイトは「Amazon」。次いで「楽天市場」「Yahoo!ショッピング」、ニールセンの調査①

2016年5月のECサービス利用者数トップ5

スマホアプリの利用動向では、「Amazon」が1608万人(前年同月比67%増)、「楽天市場」は1369万人(同76%増)、「Yahoo!ショッピング」は601万人(199%増)。

スマホで最も使うECサイトは「Amazon」。次いで「楽天市場」「Yahoo!ショッピング」、ニールセン調査②

2016年5月のeコマースアプリ利用者数

調査では、利用者数上位5サービスに関し、サービスの重複率も調査。上位5サービスのユーザーを使うユーザーのうち、7割以上が「Amazon」「楽天市場」を利用している状況にある。

スマホで最も使うECサイトは「Amazon」。次いで「楽天市場」「Yahoo!ショッピング」③

ECサービスの重複利用率

ニールセンのエグゼクティブアナリスト・中村義哉氏は次のように調査結果をまとめている。

コマース関連サービス利用者は、スマートフォンの普及と共に継続的に増加し、今では5000万人に届く規模まで成長していますが、その中身を見ると、利用者数上位の3サービス、「Amazon」「楽天市場」「Yahoo!ショッピング」の強さが目立っていました。上位3サービス以外のEコマースサービスが今後どのように、その資産を活用し、スマホユーザーを取り込んでいくのか、その動きに注目していきたい。

今回の調査結果は、スマートフォン視聴率情報のNielsen Mobile NetView(ニールセン・モバイル・ネットビュー)」での5月度のデータをもとに調査したもの。

瀧川 正実

ネットショップ担当者フォーラム編集部 編集長

通販、ECに関する業界新聞の編集記者を経て、EC支援会社で新規事業の立ち上げなどに携わり、EC業界に関わること約9年。まだまだ、日々勉強中。

瀧川 正実

Google、Search Consoleの検索アナリティクスに「リッチ検索結果」のフィルタを追加

9 years 8ヶ月 ago

[レベル: 中級]

Google Search Console の検索アナリティクスに「リッチ検索結果」のフィルタが追加されました。
「リッチ検索結果」でフィルタをかけると、リッチスニペットが表示されたデータだけ絞りこんでレポートを参照できます。

検索アナリティクスのデータをリッチ検索結果でフィルタ

検索アナリティクスの「検索の見え方」指標のフィルタ オプションで「リッチ検索結果」を選べます。

検索アナリティクスの「リッチ検索結果」フィルタ

リッチ検索結果には、リッチスニペットとリッチカードでの検索結果表示が含まれます。
僕が調べた限りでは、トップニュース (AMP) に表示されたデータも含まれているようです。

なお、リッチスニペット/リッチカードが表示されたことがないサイトには「リッチ検索結果」のフィルタオプションは出てきません(AMPフィルタも同じようにAMPを実装していないと選べませんね)。

一般的に言って、リッチスニペットは高いクリック率が期待できます。
ところが最近はユーザーが慣れてきてしまっていたり多くのサイトが導入していたりするため、以前よりも効果が薄れているようにも思います。
今回新たに導入された、検索アナリティクスの「リッチ検索結果」でフィルタしてクリック数やクリック率を分析してみるといいでしょう。

- Google、Search Consoleの検索アナリティクスに「リッチ検索結果」のフィルタを追加 -

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Kenichi Suzuki

自由にサイトデザインを変更できるECサイト構築ソフト、システムインテグレータ

9 years 8ヶ月 ago
HTMLの知識がない人でもがマウス操作で直観的にデザインできるという

システムインテグレータは6月20日、自由にサイトデザインを変更・改修できるECサイト構築ソフト「SI Web Shopping CMS」の販売を開始した。

「SI Web Shopping CMS」は、オープンソースCMS「Concreate5」のコンテンツ管理機能で動的コンテンツも自由に配置・変更できるようにした。HTMLの知識がない人でもがマウス操作で直観的にデザインできるという。

また、売れているECサイトのページデザインを徹底研究し、ページのデザインをテンプレートとして用意。EC企業は必要とするコンテンツをドラッグ&ドロップするだけで簡単にページ作成ができる。

「SI Web Shopping CMS」はプログラミングソースを公開しているため、EC事業者自身で独自の機能追加・変更が可能。独自機能の開発をシステム会社に依頼、制作してもらい、他のコンテンツと同じようにマウス操作でデザインに組み込むことができる。

「SI Web Shopping CMS」でのECサイト構築イメージ

「SI Web Shopping CMS」の販売価格は1サイトあたり100万円。サイト運営費用の低減、改善サイクルのスピード化をめざすEC事業者のリプレース需要を取り込む。2019年7月までに約20本の販売を見込んでいる。

 

中川 昌俊

ネットショップ担当者フォーラム編集部

ネットショップ支援会社を中心にEC業界にかかわる企業や人を取材していこうと思っています。

読んで少しでも経営に役立ったり、なるほどと言ってもらえるような記事の執筆を心がけます。

中川 昌俊

メタップスがSPIKEペイメントを設立、SPIKE事業を分割・独立

9 years 8ヶ月 ago
ペイデザインの子会社で現在休眠会社となっているアクティブチェックに、SPIKE事業を継承

メタップスは7月1日付でオンライン決済サービス「SPIKE」を事業分割し、完全孫会社のアクティブチェックに承継させたと発表した。あわせて、社名を株式会社SPIKEペイメントに変更し、専業会社としてさらなる成長を図っていく。

メタップスは2016年4月に決済代行事業などを行うペイデザインを28億円で完全子会社化(参考記事)。ペイデザインの子会社で現在休眠会社となっているアクティブチェックに、SPIKE事業を継承させる。ペイデザインの有する知見を効率的に活用し、スピード感のある事業展開をめざすとしている。

SPIKEペイメントの社長にはメタップスでSPIKE事業統括責任者を務めていた荻原充彦氏が就任する。

「SPIKE」は完全無料のカード決済サービスを提供しているだけでなく、ECの集客と売上増に特化した「SPIKEトータル支援」といった事業領域にも進出。専業会社となることで、さらなる事業領域の拡大も見据える。

中川 昌俊

ネットショップ担当者フォーラム編集部

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中川 昌俊

越境ECを始める事業者に上限100万円の補助金制度、主たる対象はTPP交渉参加国が条件

9 years 8ヶ月 ago
中小機構が募集開始、新たに越境ECサイトを構築、もしくは出店する事業者が対象

独立行政法人中小企業基盤整備機構は6月30日から、環太平洋パートナーシップ協定(TPP)交渉参加国を主たる対象として越境ECを始める事業者に対する補助金制度の募集を始めた。対象は新たに越境ECサイトを構築、もしくは出店する事業者。リニューアルなどは対象としない。

補助経費は越境ECサイト出店・制作費用(翻訳比など含む)、サイトプロモーション費用。補助対象経費の2/3で、100万円を上限とする。募集期間は7月29日まで。

中小機構では補助金制度について次のように採択基準を説明している。

すでに越境ECに関する知識を持ち、計画づくりが進んでいる方を想定しています。特に事業計画の熟度の高い方を採択する予定です。

中小機構が、越境ECを始める事業者に上限100万円の補助金制度、主たる対象はTPP交渉参加国が条件

中小機構のHPで資料などが掲載されている

TPP交渉参加国は以下の通り(日本除く)。

  • シンガポール
  • オーストラリア
  • カナダ
  • マレーシア
  • ニュージーランド
  • チリ
  • アメリカ
  • ベトナム
  • ペルー
  • メキシコ
  • ブルネイ

TPP対象国で、日本から商品を販売する海外向けEC市場規模が最も大きいのは米国向け。経産省の調査によると、2015年で5381億円規模となっている。

瀧川 正実

ネットショップ担当者フォーラム編集部 編集長

通販、ECに関する業界新聞の編集記者を経て、EC支援会社で新規事業の立ち上げなどに携わり、EC業界に関わること約9年。まだまだ、日々勉強中。

瀧川 正実

【2016年上半期まとめ】Amazonの戦略転換、配送コストのUP、熊本地震など | 通販新聞ダイジェスト

9 years 8ヶ月 ago
熊本地震をはじめ、消費増税の延期決定、大規模な顧客情報の流出などインパクトのあるニュースが相次いだ

2016年も半年が経過し、早くも折り返し地点を迎えた。今年は例年になく多くの出来事があり、通販業界のみならず社会全体に大きな影を落とした熊本地震をはじめ、消費増税の延期決定大規模な顧客情報の流出などインパクトのあるニュースが相次いだ。各社の動きとしてもアマゾンの送料無料化中止日本郵便の大口料金値上げなど業界全体に影響を及ぼすものがあり、非常に印象的な半年間だったと言える。この上半期で通販業界に起きた主な出来事を振り返ってみる。

【2016年上半期まとめ】Amazonの戦略転換、顧客情報の漏えい、熊本地震、法改正……①
2016年上半期の通販業界の主な動き

年頭から通販企業各社の頭を悩ませた問題が、“暖冬”による冬物商戦の苦戦だ。一部では春物商品やレジャー関連用品が先売れするような恩恵があったものの、重衣料や冬物家電を中心とした高額商品の売り上げが大きく伸び悩んだようで、相対的にはマイナスの面が強く、多くの企業が不調に終わっている。

健食通販などへ強まる監視の目

また、今年は通販企業への行政処分が数多く見受けられた。1月にユーコーが景品表示法に基づく措置命令を受けたことを皮切りに、村田園アサヒ食品なども同様に行政処分を受けている。

3月にはライオンが販売する特定保健用食品(トクホ)が健康増進法に基づく勧告を受けたが、トクホに対する健康増進法の初運用という前例のない事態に対して、一部の事業者からは「過剰規制」との批判も上がっていた。そのほかにも適格消費者団31体から広告の見直しを求められるケースもあり、特に健食通販に対する周囲の監視の目が一層厳しくなってきている印象を受ける。

法改正でも大きな進展があった。5月25日の参議院本会議で「改正特定商取引法」と「改正消費者契約法」がそれぞれ可決・成立。改正特商法は悪質事業者への取り締まり強化などを盛り込んだもので、通販ではファクシミリ広告の規制などが導入された。また、改正消契法でも新たに過量販売の契約の取り消しなどができるように規定している。来年6月3日に施行される予定で、今後の通販企業の営業活動に影響を及ぼす可能性も懸念される。

そして、通販業界のみならず社会全体に大きなインパクトを与えたのが、来年4月に予定されていた消費税率の8%から1%%への引き上げ延長だ。6月に安倍首相が正式に表明したもので、前回の引き上げ時と同様に年度末の“駆け込み需要”を見込んでいた通販企業からは、年間販売計画の根本的な見直しが必要になるとの声が数多く聞かれている。

今年も相次いだ個人情報の流出

企業の不祥事という観点では、今年もまた顧客の個人情報流出が相次いでいる。特に大きな話題となったのが、6月に発表されたJTBの子会社でネット販売を手がけるi.JTBでの約793万人分の個人情報流出がある。取引先を装ったメールの添付ファイルからのウイルス感染で、「JTBホームページ」をはじめとする旅行予約サイトでの顧客情報が大量に流出した。

これ以外にも江崎グリコの通販サイトでのクレジットカード情報を含む個人情報の約8万件超の流出や、講談社の女性誌「ViVi」の公式通販サイトでの会員約1万人分の個人情報流出、3月にはビックカメラの通販サイトで不正ログインによるポイントの不正利用被害などもあった。ほとんどのケースが外部からの不正アクセスによるもので、大量の個人情報を保有する通販企業にとっては看過できない問題であり、改めて社内のセキュリティ対策を強化する必要があることを印象付けている。

被災地支援の輪が全国で広がる

そして、今上半期で最も大きな出来事と言えるのが4月に発生した熊本地震。熊本県を中心に九州地方で甚大な被害を巻き起こした一連の地震活動では、通販企業も各所で影響を受けている。地震発生直後から九州に向かう道路や鉄道などに大きな被害が出たことから、宅配便事業者が相次いで熊本県での荷受けや配送を見合わせる措置を発表。通販の商品発送などが滞る事態にもなった。

そうした中、震源地の熊本に本社を構える再春館製薬所や、えがおでは社屋や工場などに被害を受けたものの、ともに復興に向けた専任部署を立ち上げて社員の生活や被災者を支援する活動を開始した。被災地以外の通販企業でも募金活動や救援物資の提供、寄付権付き商品の販売といった様々な形での取り組みが始まっており、支援活動の輪は全国的に広がっている。

【2016年上半期まとめ】Amazonの戦略転換、顧客情報の漏えい、熊本地震、法改正……②
熊本地震の被災地では、通販企業などが支援活動を行っている

アマゾンの決断通販物流に波紋

物流を巡る動向では、業界最大手のアマゾンジャパンで大きな戦略転換があった。これまで実施してきた、同社が発送する全商品を対象とした「送料無料」を4月に中止したことだ。具体的な理由は明らかにしていないものの、新規顧客の獲得よりも既存顧客に対するサービスを拡充する路線に舵を切ったとの見方が濃厚となっている。かつて同社が実施していた「送料無料化」が競合他社に広く波及したように、今回の同社の決断が再び配送サービスでの新たな基準となることも考えられる

また、物流事業者の通販向けサービスを巡る動きも活発化している。3月に資本業務提携を発表したSGホールディングス日立物流では、互いが得意とする宅配便とサード・パーティー・ロジスティクス(3PL)事業を組み合わせた総合的な物流サービスの提供に着手。ヤマトグループでもオープン型の宅配ロッカー事業を本格的に開始し、ライフスタイルの変化などに伴い多様化する様々な受取手段のニーズに対応していく。自社だけなく他の宅配便事業者も利用できるオープン型で展開し、開かれたインフラとしての利用を想定している。

物流サービスの発展が進む一方でメーリング分野では、日本郵便が6月に郵便の大口利用向け割引率の引き下げを実施した。実質的な値上げでもあり、DM送付など大量の郵便物を差し出す通販企業にとってはコスト増が避けられない問題となっている。コスト吸収策も限られていることから、対応に苦慮する企業が多く出ることが予想されている。

楽天が取り組む「ドローン」配送

通販向けの最新ツールの活用状況としては、楽天が画像認識技術や荷物を自動的に離す機能などを搭載した「ドローン」による配送サービスを5月に開始している。千葉県のゴルフ場で食料品や飲料、ゴルフボールなどをコース上の利用者まで届ける期間限定の試みで、将来的には仮想モール「楽天市場」での商品配送も視野に入れるなど大きな話題となっている。

【2016年上半期まとめ】Amazonの戦略転換、顧客情報の漏えい、熊本地震、法改正……③
ドローンによる配送サービスを発表した楽天

そのほかにも人工知能(AI)に代表されるツールを新たに取り入れた企業は多く、通販を舞台にした技術合戦はますます過熱している。

「通販新聞」掲載のオリジナル版はこちら:
上半期の通販業界を振り返る 震災で見えた通販の"絆"、情報流出など不祥事も散見(2016/06/30)

通販新聞

大幅バージョンアップしたヤマト運輸の通販システム「YES!」。その詳細は?

9 years 8ヶ月 ago
従来に比べより簡単に操作できるようにした一方で、深く使いたいショップにはより深く使うための機能の充実を図った

ヤマトグループが提供するバックヤード業務の効率化統合パッケージ「YES!(Yamato Ec Solutions)」が、サービス開始1年を機に大きなバージョンアップを実施した。従来に比べ簡単に操作できるようにした一方、売上規模の大きい通販・EC企業に求められる機能の拡充を図ったという。詳細をヤマト運輸営業推進部の西塔貴海氏に聞いた。

PCの操作に慣れていない人でも簡単に利用

「通販のバックヤード業務をさらに簡単に、手軽にできるようにした」と、今回のバージョンアップのコンセプトを西塔氏はこう話す。

従来は操作マニュアルを用意し、それを読みながら操作する形だったが、リニューアル後は、操作内容に関する解説ボタンを各メニュー内にわかりやすく表示。マニュアルを読まなくても操作できるようにした。必要最小限の情報だけをシンプルに表示し、ショップに必要な機能だけを画面に追加できるようにしている。

最近は、ハンドメイドの商品をネットで販売している主婦も多くなっている。あまりPCの操作になれていないような人でも簡単に使えるようにとことん簡単にした。(ヤマト運輸営業推進部 西塔貴海氏)

手間を省く機能として、複数のサイトから自動的に受注データを取り込む機能も搭載した。従来、EC企業は送り状を作成するため、サイトごとに手作業で受注データ取り込む必要があったが、それを自動化。作業量が大幅に削減できるようになった。

商品管理機能や在庫連動機能まで、ヤマト運輸が提供する「YES!」が大幅バージョンアップした

必要最小限の情報をシンプルに表示する

送り状と納品書が一体、出荷時のミスを防ぐサービスも

今回のバージョンアップでは、売り上げが伸びているEC企業にとって、より便利な機能も追加された。

その機能の1つが商品管理機能。商品情報や商品写真、説明文などを「YES!」に登録しておくと、「楽天市場」店や「Amazon」店、「Yahoo!」店などの商品ページを自動的に更新することができる機能だ。

在庫連動機能も新たに追加。たとえば、在庫3個に対して店舗ごとに振り分けた場合、この機能を使うと1個売れればすべての店舗の在庫を連動して減らすことができる。在庫をすべての店舗に登録することができ、販売機会が広げ、販売機会の損失を防ぐことができる。

商品管理機能や在庫連動機能まで、ヤマト運輸が提供する「YES!」が大幅バージョンアップした

在庫連動機能のイメージ

こうした機能は、月額数万円が必要な通販システムには搭載されていた機能だが、「YES!」はランニングコスト無料で利用できる。

「YES!」は送り状と納品書を1枚の紙に印字できるサービスを提供している。一体であるため、帳票の付け合わせが不要となり、出荷時の作業ミスを未然に防ぐことができるという。

楽天は2016年9月から、出荷時のミスなどに対する違反点数制度を採用し、こうしたミスに対する罰則を強化する予定だ。そのため、こうしたミスを未然に防ぐサービスの需要が増えそうだ。

商品管理機能や在庫連動機能まで、ヤマト運輸が提供する「YES!」が大幅バージョンアップした

納品書一体型の送り状

今後は細かな機能改善に着手

従来、「YES!」に申し込み後、使いこなすことができずに継続利用していないケースも少なくない。今回のバージョンアップで、より簡単に使えるようにしたことで利用率が飛躍的に高まったという。

機能追加で、今までは機能が少なかったから、YESを使っていなかったというネットショップも「YES」を使いたいと言ってくれるようになってきている。今まで以上に、小さな店舗から大型の店舗まで幅広く、使っていただけるサービスになった。(ヤマト運輸営業推進部 西塔貴海氏)

今後も「YES!」の機能改善を行っていく予定。今後はユーザー企業の声を聞きながら、ユーザーが求めている機能改善をスピードを引き上げて対応していく予定としている。

ヤマト運輸営業推進部 西塔貴海氏

中川 昌俊

ネットショップ担当者フォーラム編集部

ネットショップ支援会社を中心にEC業界にかかわる企業や人を取材していこうと思っています。

読んで少しでも経営に役立ったり、なるほどと言ってもらえるような記事の執筆を心がけます。

中川 昌俊

チャットでの簡単な質問に自動回答する「AI Messenger」を開始、サイバーエージェント

9 years 8ヶ月 ago
チャット対応の人的コストを削減し、365日24時間対応可能に

サイバーエージェントグループで、アドテクノロジー分野におけるサービス開発を手がけるアドテクスタジオは7月1日、人工知能を活用したチャットボット事業の連結子会社「株式会社AIメッセンジャー」を設立、人工知能を使うチャットプラットフォーム「AI Messenger(エーアイメッセンジャー)」の提供を開始した。

AIを活用してチャットでの簡単な質問などに自動回答し、人手をかけずに満足度の向上やサイト離脱率の改善につなげることができる。

Web接客サービスとしてチャットでの質問を受け付けるECサイトが増えてきているが、一方、チャット対応による人員の増強やコストアップにつながっているケースもある。

「AI Messenger」は自然言語処理技術にもとづいた独自の会話エンジンを活用。ユーザーが入力した自然文から条件を自動で抽出し、FAQデータベースリストから該当する回答を自動応答することができるようにした。人的コストを削減し、24時間365日、多様なチャネルでリアルタイムに問題を解決することができるようになるとしている。

価格は初期費用45万円、月額費用10万円が基本料金。ECサイトの規模などによって都度、見積もりを行うとしている。

中川 昌俊

ネットショップ担当者フォーラム編集部

ネットショップ支援会社を中心にEC業界にかかわる企業や人を取材していこうと思っています。

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中川 昌俊

Google、症状に関連する検索で病気の情報を提供。米国のモバイル検索でまず導入

9 years 8ヶ月 ago

[レベル: 中〜上級]

病気の症状に関係する検索が実行された場合に、その症状を引き起こしている原因になっている可能性がある病気に関する情報を、Googleはモバイル検索で提供するようにしました。

症状に関係しそうな病気の情報をカルーセルで表示

こちらは公式アナウンスで例に出ている「headache on one side」(片側の頭痛)の検索結果に出てくる関連情報のカルーセルです。

「headache on one side」のクエリで出てくる関連情報

頭の片側が痛む症状に対して、1つ目は「Headache」として(ただの)頭痛の情報を、2つ目は「Migraine」として偏頭痛の情報を提供しています。

カルーセル形式になっていて、横方向にフリックするとその症状に関係しそうな病気の情報が次々と出現します。
それぞれの病気に関する簡潔な説明やかかると危険な状況の人、その病気にかかるのはどのくらい一般的かなどの情報が含まれています。

こちらは「high fever in children」(子供の高熱)のクエリで出てくる関連情報のカルーセルです。

「high fever in children」のクエリで出てくる関連情報

1つ目は「Common cold」(普通のかぜ)、2つ目は「Flu」(インフルエンザ)です。
カルーセルを進めていくと、「Rota virus infection」(ロタウイルス感染)や「Roseola」(風疹)などかかりがちな病気が出てきます。

非常に多い病気関連の検索

Googleによれば、Googleが処理する検索のうち1%は病気関連だそうです。
たったの1%とあなどってはいけません。
数百万のクエリをGoogleは日々扱っていることを考えると、決して小さい数字ではありません。

そうした検索ユーザーのニーズに応えるために、こうした機能をGoogleは導入したのです。
「何かおかしいな。大丈夫かな?」と不安になったときに、そばにあるスマホを手にとって検索するユーザーも増えてきているに違いありません。

昨年2月には、病気やケガに関するナレッジグラフをGoogleは導入していました。

健康・医療に対する適切な情報をすばやく検索ユーザーに提供することをGoogleはとても重要視しています。
提供する情報は当然のことながら医療の専門家によって監修されたものです。

病気関連情報のカルーセルは、米国のモバイル検索でまず導入されました。
対応する症状を増やすとともに、ほかの国や言語にも導入したいとのことです。

医療関連のアフィリエイトも多いのですが、残念ながら情報の信ぴょう性に非常に乏しいサイトが少なくありません。
切羽詰まった状況では、そのサイトで提供されている情報が本当に正しいかどうかを適切に判断できないことがあるかもしれません。

病気やケガは人の生死に関わることがあります。
信頼がおける情報をGoogleが検索結果で提供してくれれば安心できます。

医師による診断が最終的には必要な場合もあるでしょうが、初期対応として検索結果で調べられるのはありがたいことです。
日本でも早く導入してほしいですね。

- Google、症状に関連する検索で病気の情報を提供。米国のモバイル検索でまず導入 -

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Kenichi Suzuki

スマホでSEO&コンバージョン促進するための“マイクロモーメント”4種の対策【海外&国内SEO情報ウォッチ】

9 years 8ヶ月 ago

Web担当者Forumの連載コーナー、「海外&国内SEO情報ウォッチ」を更新しました。今週取り上げた記事は次のとおりです。

今週のピックアップ

  • スマホでSEO&コンバージョン促進するための“マイクロモーメント”4種の対策
    Web担当者フォーラム 海外&国内SEO情報ウォッチ

日本語で読めるSEO/SEM情報

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こちらからどうぞ。

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Posted on: 海外SEO情報ブログ - SuzukiKenichi.COM by Kenichi Suzuki

Kenichi Suzuki

eBayとtensoが連携、EC事業者向け越境EC支援を開始

9 years 8ヶ月 ago
出品、販売、配送といった業務をトータルにサポート

イーベイ・ジャパン(eBay)は6月30日、国内ECサイトの商品を海外に転送するサービスを行うtensoと業務連携し、「eBay」上での出品、販売、配送といった業務をトータルでサポートするサービスを開始した。国内EC事業者や小売・製造業者向けに提供する。

tensoは現在、1200以上の国内ECサイトと連携。海外販売のための翻訳・荷物の検品・発送の代行・カスタマーサポートを提供している。

今回の連携で、tensoがEC事業者の持つ商品データを「eBay」のフォーマットに変換する作業や翻訳、出品、販売、配送などの業務を担当。また、国内EC事業者に対する「eBay」への出店誘致も行っていく

eBayはシステム面のほか、販売を促進するためのコンサルティングも行う予定。

今回の連携のイメージ

今回の連携で、まずは2016年12月末までに国内ECサイトの商品を「eBay」に5000点以上出品。その後、商品の販売状況や販売者や購入者からのフィードバックを精査し、協業の拡大を検討する予定としている。

中川 昌俊

ネットショップ担当者フォーラム編集部

ネットショップ支援会社を中心にEC業界にかかわる企業や人を取材していこうと思っています。

読んで少しでも経営に役立ったり、なるほどと言ってもらえるような記事の執筆を心がけます。

中川 昌俊

楽天ブックスが電話・FAX・はがきによる注文受付を9月に開始

9 years 8ヶ月 ago
子会社のブックサービスを統合することを機にサービス提供

楽天は9月から、「楽天ブックス」の書籍やCD・DVDなどの取扱商品を、電話やFAX、はがきで注文を受け付けるサービスを開始すると発表した。

子会社であるブックサービスの統合を機に電話注文などへの対応を決定。他の書籍ECサイトとの差別化を図り、新たなユーザーの獲得につなげる

2015年4月に子会社となったオンライン書店のブックサービスが展開する事業を「楽天ブックス」に統合するのに伴い、「楽天ブックス」で取り扱っている商品も9月28日から、電話やFAX、はがきなどで注文できるようになる。

電話などで注文を受けた商品も、「楽天ブックス」のシステムを使って配送、消費者が迅速に商品を受け取れるようにする。

電話やFAX、はがき注文の場合、支払い方法は代金引換のみで、購入商品代金に加え、代金引換手数料305円(税込)が必要。楽天スーパーポイントの対象外となり、ポイントを使うことも貯めることもできない。

ECサイト「ブックサービス」

中川 昌俊

ネットショップ担当者フォーラム編集部

ネットショップ支援会社を中心にEC業界にかかわる企業や人を取材していこうと思っています。

読んで少しでも経営に役立ったり、なるほどと言ってもらえるような記事の執筆を心がけます。

中川 昌俊

「グロス・アテンション・ポイント」

9 years 8ヶ月 ago

 デジタルインテリジェンスからGAP「グロス・アテンション・ポイント」の測定と指標化について昨日リリースした。

 テレビ画面注視率(アテンション・インデックス)をその投下CMすべてにおいて他仕上げた数値と言ったらいいだろうか。GRPと相当する注視率総計である。
 
 ベムは昨年から「視聴質」の測定や分析にトライしてきたが、極めて大きな金額が動くテレビ広告の世界を「最適化」する仕組みの構築を考えると、テレビCMの本当の効果をリアルタイムで把握して、リアルタイムの「打ち手」に繋げることに価値があると確信している。

 CMクリエイティブの「視聴質」を個別に測定、データ化して「最適化」の材料にしていこうという試みも重要だが、結局「テレビCMの本当の効果」とは、ターゲット(誰が)、タイミング(いつ:時期・曜日・時間帯)、どんなコンテンツと(どんな番組に挿入して)、どのくらい(量:GRP)というメディアプランニングの変数に、クリエイティブ力という変数を掛け算した結果である。

 「誰が」はブランド側としてはターゲットが明確でないといけないので、ここが変数として揺らいではいけないが、その他の変数を掛け合わせた結果としての「本当の効果」をリアルタイムにしかも競合ブランドのそれとの比較において、把握することの意味は大きいと思う。

 下記のグラフは、同一カテゴリーの商品の2つのブランドが、同時期にほぼ同量のGRPを投下したアクチャルGRPとそれぞれのGAPを示している。

GAP.png

 GRPが同量に関わらず、いわゆるアテンション率総量(GAP)は30%も相違がある。

 原因としては、クリエイティブ力の差が出たということになる可能性がある。

 もし、GRPは変わらないのに、GAPが落ち込んできたら、クリエイティブ素材の賞味期限が切れてきているので、素材差し替えをした方がいいということになるだろう。それも競合と比較してということも重要な要素である。

 マーケティングはある意味競合ブランドとの戦いでもある。「相手のあること」なのだ。ただ自社ブランドのキャンペーンが事前のプランどおりに執行すれば、目標が達成されるというものではない。そもそも一定以上のGRP投下を考えると、多くのブランドは適正量を超えている場合もあり、それでもやるのは競合ブランドよりサウンド量を大きくするためである。
 
 そこで競合との「戦い」ということでは、相手の状況をしっかり把握して、自社の「打ち手」を講じなければならない。「敵」を知り、「己」を知るということだ。

 相手の「山」に敢えてぶつけるのか、相手の「谷」につけ込むのか、同じ量、同じコストを使ってもどんなタイミングで投下するかは、常に「相手のあること」である以上、効果が違ってくる訳だ。

 その意味で、ダッシュボード上に自社及び競合のGRPとGAPを並べてリアルタイム把握することに大きな価値がある。

 さて、このGAPという指標、前述したように、メディアプランとクリエイティブ力の掛け算としての結果(実際の効果)と言える。

 これは、ブランド力、クリエイティブ力という広告主側の責任による結果であるので、テレビ局にギャランティさせるものではない。

 ベムは前回のブログにも書いたように、将来的には広告主がこうした実際の効果を把握しながら、適正な価格で、最適なポジションのスポット枠、番組枠を買い付けに行くという取引きが始まると思う。つまり入札応札による取引である。

 GRPが「何発打ったか」で、GAPが「何発当たったか」だとして、両方をしっかり見て「手を打つ」というのが大きなコストをテレビCMにかける広告主に求められることだろう。予算化はあるものの、実際にどこにどの程度お金をかけて、最も大きな効果を生み出すかを「運用」で行うことが今後の発想である。

 宣伝部は事業部からお金を預かって、最適なマーケティング効果にする(預かったお金をより大きな効果にする)ファンドマネージャーみたいなものである。株式を扱うファンドマネージャーは当然「損切り」をしてでも、売り買いして、最大化させる。同様に宣伝部も、「事前に最適なプランがあるのではなく、運用で最適にする」のだ。

 「運用」型の広告発注の知見とデータを社内に一回は取り込んでおかなければならない理由である。そこにデジタル広告だけでなく、テレビのデータが入るのは当然であり、GAPはそのひとつになると思う。

 詳細は、デジタルインテリジェンスにお問い合わせを。

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