ネットショップ担当者フォーラム

Amazonはなぜ成功したのか――ジェフ・ベゾス氏と同じ道歩む金融系元開発者が語る躍進の秘訣

7 years 8ヶ月 ago

Amazonの創業者兼CEOジェフ・ベゾス氏は創業前、金融システムの開発、ヘッジファンドのアナリストとして活躍していたが、小売業に携わった経験はない。小売経験がないのになぜeコマースで成功できたと思う? それは金融の考え方をオンラインショッピングに活用したからだよ。

Amazonが世界的企業に成長した秘訣(ひけつ)の1つに、ジェフ・ベゾス氏の「金融システムの開発者」「アナリスト」という金融業界での勤務経験が大きく影響していると分析するのは、米国の金融センター「ウォール街」で金融システムの開発に従事し、現在は顧客行動分析をリアルタイムで行うことでECサイトのマーケティング活動をサポートするツール「Fanplayr」を開発・販売する米FanplayrのVice PresidentであるDerek Adelman氏だ。

ジェフ・ベゾス氏が金融システムの開発などを経験した後、EC業界に参入したのと同様、Derek Adelman氏も金融システムの開発者を経て、EC業界に足を踏み入れた。

大学卒業後、金融向けソリューションなどのReuters/TIBCO でディーリング(銀行・証券会社などが自己の勘定で有価証券や外国為替の取引を行うこと)システムの開発に従事。ウォール街を去った後、ディーリングシステムの設計思想を取り入れたという「Fanplayr」の企画・開発に携わった。

Derek Adelman氏が、ジェフ・ベゾス氏と同様にウォール街からEC業界に転じた経験を踏まえ、Amazon成功の秘訣にあげた「金融システム」「アナリスト」について解説する。

FanplayrのFounderでVice PresidentのDerek Adelman氏
Derek Adelman氏はウォール街で金融系システムの開発に従事していた。FanplayrのFounderでVice President。Fanplayrはグローバル展開しており、アジア・パシフィック地域を担当している

ジェフ・ベゾス氏は金融システムの思想をコマースに活用した

1990年代のウォール街では、「証券取引場からデータを収集してさまざまな情報を一元化し、リアルタイムでチャート分析、リスク管理を行って自動売買できるディーリングシステムが運用されていた」と話すDerek Adelman氏。

システムの連携先である各証券取引所の処理能力から売買銘柄、株価などさまざまなデータをリアルタイムでディーリングシステムへ収集して蓄積。証券会社といった金融機関のデータも同様に、ディーリングシステムへ取引情報などを収集し、蓄積していた。

さまざまなデータが蓄積されるこのディーリングシステムでは、収集したさまざまなデータをリアルタイムで分析。蓄積された過去のデータに加え、リアルタイムで収集した市況データを分析することで、リスク管理を行いながら投資家の自動売買をサポートしているという。

Derek Adelman氏は、「このディーリングシステムの設計思想を、ジェフ・ベゾス氏はAmazonの運用に活用している」と元金融業界出身者の視点で分析する。

リテール業界では製品知識がないと成功できないと思われていた。だが、Amazonは成功した。それは、ジェフ・ベゾス氏がオンラインの消費者行動データを重要視し、販売に役立てようと当初から考えていたからだ。(Derek Adelman氏)

1990年代、リテール業界でECが新しい販売手法として登場してきても、重要視されていたのは製品知識だったという。だが、元金融マンであるジェフ・ベゾス氏の視点は違った。

ディーリングシステムは、蓄積した過去データ、リアルタイムで収集した取引データなどをもとに、リスク管理を行いながら自動売買が行えるようになっている。投資家などは、ディーリングシステムに集まったデータから、市場を理解しようとする。ジェフ・ベゾス氏はその発想をeコマースに持ち込んだ。製品知識ではなく、システム上で蓄積される消費者の行動データに注目した。つまりビジターの行動データを蓄積、リアルタイムで分析することで消費者を理解し、販売に役立てようとした。(Derek Adelman氏)

Amazon創業者のジェフ・ベゾス氏
Amazon創業者のジェフ・ベゾス氏。小売業の経験はなく、ディーリングシステムの開発、ヘッジファンドのアナリストなどを経て起業した

Amazonは生み出した利益を先行投資に回し「10年近く赤字経営を続けてきた」(Derek Adelman氏)。Derek Adelman氏の分析によると、「まずは消費者の行動を理解することが大事という考え方に基づき、顧客を管理し、消費者の行動をリアルタイムで可視化し、分析できるようなシステム作りなどに投資を続けてきた」(Derek Adelman氏)と言う。

Amazonが事業規模を拡大させる一方、米国のリテール業界ではリアル店舗が経営不振に陥るケースが増えた。そんなリアル店舗はECに力を入れようとするが、Amazonとの差は開く一方だ。

大手小売企業は製品情報があれば売れると思っていたが、ネットの世界ではそう単純ではない。Amazonはスタート当初から消費者の行動理解に価値があると考えていたため、消費行動に基づいたさまざまな施策を打った。書籍の販売から商品群を広げたのは第一弾の施策。Amazonプライムをスタートしたり、自社物流網を整備したり。リアル店舗では重要視されていた商品情報や知識の優位性だけでは、Amazonに太刀打ちできなかったのだ。(Derek Adelman氏)

そんなAmazonが高級食品販売チェーンのWhole Foods Market Inc.,(ホールフーズ・マーケット)を買収したのは記憶に新しいところ。現在、ホールフーズではAmazonプライム会員向けの優待価格などを展開し、Amazon顧客の店舗利用を促進している。Derek Adelman氏は、「Amazon顧客が店舗で買い物をする行動データはもちろん。Amazonをあまり利用しない店舗利用客の行動データの理解を進めようとしている」と指摘する。

なぜ書籍からECをスタートしたのか。生きたアナリスト経験

Amazonが書籍の販売からスタートした点には、ジェフ・ベゾス氏が経験したアナリストの視点が生きているという。

本の種類は豊富で、政治、経済、歴史、芸能、エンターテイメント、アート、建築、思想、宗教、健康、料理、教育、趣味など多岐に渡る。そのため、「消費者の趣味嗜好、興味関心などが顕著に理解できる商品群である」(Derek Adelman氏)。

Amazonは書籍の販売からスタート
書籍の販売からスタートしたAmazon

ジェフ・ベゾス氏は、書籍の販売から得られる消費者データには、いろいろな使い道があると思ったのだろう。データドリブンの考え方を当初から持っていた。モノを売るというよりも、消費者は何がほしいのか、どんなことに興味を持っているのか、というデータを得ることに重きを置いた。つまり顧客理解だ。(Derek Adelman氏)

そして、リアル店舗よりも多くの品ぞろえを確保できるという優位性、そして行動を収集、蓄積するための製品ページも数多く展開できる点も、ジェフ・ベゾス氏のアナリスト経験が生きているという。

製品ページが多ければ多いほど、消費行動を把握し、消費者の行動を理解できるようになる。訪問者のリファラは? eメール経由なのか? 広告経由なのか? 最初の訪問から過去の閲覧履歴まで可視化しているはずです。ジェフ・ベゾス氏はこうした発想を持ってeコマースを始めた。行動データの重要度を理解しているからこそ、いろいろな施策を打つことができる。(Derek Adelman氏)

書籍のECからスタートしたAmazonの商品展開はご存知の通り。書籍で蓄積した消費者の行動データを活用し、さまざまな商品群へ取り扱いを広げていった。

◇◇◇

2008年、ウォール街を襲ったリーマン・ショック。多くの金融システムに関わる開発者もウォール街を去った。だが、これを契機に「ウォール街出身の開発者の設計思想がEC業界にも流れていった」(Derek Adelman氏)と言う。

たとえばマーケティングオートメーション(MA)。Derek Adelman氏によると、2010年前後、米国内でMAツールを提供するベンダーが急増し、MAを活用するEC企業が拡大した。その急増したベンダーの中には、ウォール街出身開発者が関与したケースが少なくないという。

ディーリングシステムには金融機関など投資家があらかじめシナリオを設定し、自動売買をサポートする機能がある。その設計思想は「MAツールの開発などに役立っている」(Derek Adelman氏)。

EC業界未経験でウォール街出身の開発者が立ち上げた米Fanplayrの「Fanplayr」も、Derek Adelman氏が分析するAmazonと同様、ディーリングシステムの設計思想を基に、消費者行動をリアルタイムで収集・蓄積・分析することに重きを置いたECサイト向けのツールである。

現在、本社は米国、支社をイタリア、アルゼンチン、フランス、オーストラリアに構え、大手ECを始め、航空会社やポータルサイトなどが「Fanplayr」を導入。顧客理解を促進しようとする企業の利用が急増しているという。

日本市場は元ロイター/TIBCOの金融システム事業に携わった上田英明氏が立ち上げたJAMU株式会社が、日本を含むアジア・パシフィック地域の窓口となり、事業を展開している。

FanplayrのFounderでVice PresidentのDerek Adelman氏と、JAMU株式会社の社長である上田英明氏
写真左がロイター/TIBCOの金融事業に携わった上田英明氏。Derek Adelman氏らとは旧知の仲という
瀧川 正実
瀧川 正実

【2018年総括と2019年展望】JADMA阿部会長が語るこれからの通販・EC業界[要旨]

7 years 8ヶ月 ago

公益社団法人日本通信販売協会(JADMA)が1月11日に開いた新年賀詞交歓会で、冒頭のあいさつで登壇した阿部嘉文会長は、参加した500人以上の通販・EC企業の参加者に対し、変わりゆく業界動向を踏まえて今後の業界の見通しなどを語った。その内容を要約して紹介する。

市場は拡大も、勝ち組・負け組が色分け

2019年はラグビーW杯、2020年は東京オリンピック、2025年には大阪万博と、大きなイベントが目白押し。世界の人から見られる日本、世界の中の日本、という時代がいや応もなくやってくる。

2018年はいろいろなことがあった。宅配問題は落ち着きを取り戻したが、災害が非常に多く、経済活動にも大きな影響を及ぼした1年だった。

通販業界においては、通信などに関する技術革新が一層進み、(業務などに)非常に影響を与えた1年だったと感じている。

通販市場の規模は年々拡大し、確実に成長している反面、勝ち組、負け組が色分けされつつある。ネット社会、グローバル社会への対応など、さまざまな課題が待ったなしで突きつけられている。

平成の時代を振り返ると、通信販売は平成の時代とともに発展してきた。通販各社は時代の先頭を走ってきたのではないか。事業の中身だけではなく、2018年に話題となった働き方改革においても、一般的な価値観とは違う価値観でさまざまな働き方、環境を用意してきたということにも、そういったことが言えようと思う。

こういった中、時代が大きく変わりつつある。ネットの発展とともに、社会はさらに新しいものを求める時代に突入しようとしている。何を変えなければならないのか? 一方で、変わりゆく時代の中で通販本来の強みはどこにあるのか? こういったものを今一度考えてみる機会ではないだろうかと考えている。

公益社団法人日本通信販売協会(JADMA)の新年賀詞交換会であいさつした阿部嘉文会長
阿部嘉文会長

今後はコミュニケーションの質が問われる時代に

課題はそれぞれの企業、ビジネスモデルよって異なるが、私自身はITなどの先端技術によるイノベーションだけで課題が解決されるわけではないと思っている。

たとえば、F2転換と呼ばれる2回目以降の継続購入。店舗一般よりも通販は転換率が高い。通販は“Face to Face”ではないから人のつながりが弱いと思われるが、実はその逆。人と人のコミュニケーションをうまく取ることによって、企業が発展してきた。コミュニケーションの密度が高いのが通信販売の特徴である。

通販はテレビなどとの相性がいい。そして、SNSとも相性がいい。通信販売はコミュニケーションを核として発展してきたビジネスである。

ITやネットを生かした利便性の追求は、サービス業である以上、これからの時代は必須要件である。コミュニケーションの在り方次第で、特徴、ビジネスの価値、サステナビリティは伸びる余地、発展の可能性がまだまだあると考えている。

価格中心のコミュニケーションになるかもしれない。一方で、価格だけではない価値を数多く持つことが通販の強みである。

2019年10月に消費増税がある。政府が経済対策を行っている。過去2回の消費増税の際、消費増税の負担額は8兆円を超えていたが、今回は日本銀行の試算によると家庭の負担額は2.2兆円。消費増税は逆風ではあるが、(日銀の家庭負担の試算を見ると)今回はさほど大きな規模ではない。

むしろ、新しい時代の変化のなかでどういったコミュニケーションを取るか、コミュニケーションの中でどういった価値を提供できるのか。コミュニケーションの質が問われる時代になる。

瀧川 正実
瀧川 正実

自社ECサイトを強化するTSI傘下のサンエー・インターナショナル、その施策は? | 通販新聞ダイジェスト

7 years 8ヶ月 ago

TSIホールディングス傘下のサンエー・インターナショナルは、実店舗との連携を強化して自社EC売上高を伸ばしている。

店頭からEC送客で成果、雑貨などのネット限定品も好調

同社は、「アドーア」と「ヒューマンウーマン」「ジルスチュアート」「アッシュ・スタンダード」の4ブランドを手がけるが、店舗数や商品の価格帯、認知度などが異なるため、それぞれのブランドに合ったEC強化策に取り組んでいる。

今上期(3~8月期)におけるTSIグループ全体のEC売上高は前年同期比13.9%増の140億円強だが、サンエー・インターナショナルのEC売上高は同30%増と高成長を維持。とくに、EC売上高に占める自社ECの割合が50%超と高く、グループの自社EC売り上げをけん引している。

2019年上期(2018年3~8月期)におけるTSIグループ全体のEC売上高は前年同期比13.9%増の140億円強
TSIグループの2018年3~8月期における売上高(画像は編集部が決算説明会資料をキャプチャして追加)

上期はリアル店舗との連携を強化。店頭スタッフがスマホアプリのダウンロードやEC会員登録を促し、消費者がリアル店舗に来店できないときでもリーチできる層を増やしてEC送客につなげた。

顧客が来店しているときでも、例えば、店頭で欠品している商品があれば自社通販サイトでの購入を薦め、送料分はクーポンで負担できることを伝えて再来店の手間をかけない提案も行う。同社では店舗ごとにクーポンコードを設けているため、クーポンを利用したEC購入については送客した実店舗の評価に反映させることでリアル店舗の協力を得ている。

同施策は実店舗数が約70店舗と多い「ヒューマンウーマン」でとくに実績が大きく、自社EC比率を押し上げているのに加え、実店舗からの送客分が自社EC売上高の2割程度を占めるまでに拡大している。

サンエー・インターナショナルの「ヒューマンウーマン」
「ヒューマンウーマン」の公式通販サイト(画像は編集部が追加)

「ヒューマンウーマン」については、顧客属性から店舗を3つのタイプに分け、タイプ別のMDを組んでいるが、自社ECではすべての商品をそろえているため、「店頭スタッフが自分の店舗にはないアイテムをEC経由で案内することもできる」(倉田亮マーケティング室Webセクションチーフ)とする。

一方、「ジルスチュアート」ではスマホアプリを運用していないため、メルマガ会員の獲得強化に加え、2018年春夏シーズンにはLINE@のアカウントを開設。自社ECで利用できるシークレットクーポンの付与やフラッシュセール直前告知などメルマガやLINE@だけで配信する特典を用意して新客開拓を進めている。

同ブランドは認知度が高く新規流入も多いものの、商品単価が高いため、「サイト訪問者にいかに買ってもらうかが課題」(倉田チーフ)で、コンバージョン率の高いメルマガなどを通じて会員化を図ることで初回購入につなげる。

プロモーション面では、雑誌などでブランドを露出する際はEC別注品やEC先行販売アイテムなども打ち出す戦略が奏功。EC限定品の販売が好調で、とくにネットでも買いやすい雑貨の動きがいいという。

同社によると、EC限定品は好調なものの、通常アイテムの販売は計画に達していなかったという。ただ、6月にバニッシュ・スタンダードが提供する店頭販売員向けのコーディネート画像投稿アプリ「スタッフスタート」を導入。サイト訪問者が参考にできるコーディネートのコンテンツが充実したことで、通常アイテムやアパレル商材の販売比率が高まっているようだ。

販売員のコーデ画像を充実、経由売上6割のブランドも

サンエー・インターナショナルは、店頭販売員が撮影したコーディネート画像を簡単に通販サイトやSNSに投稿できる業務用アプリ「スタッフスタート」を導入し、自社EC売上高の底上げにつなげている。

同アプリはコーデ画像経由で商品が購入された場合、当該コーデを投稿したスタッフが分かるため、評価にも反映できるツールだ。同社では顧客へのウェブアンケートを通じ、サイズ感や着こなしに関するコンテンツの充実を望む声が多く、同ツールであれば販売員が隙間時間にコーデ投稿できるのに加え、スタッフの身長も記載することでリアルな着こなしの参考になることからコンバージョン率の改善も期待できると判断。まずは人気ブランドの「ジルスチュアート」と「ヒューマンウーマン」で同ツールの運用を開始した。

とくに、「ジルスチュアート」の自社ECでは導入初月の2018年6月から売り上げの約50%がショップスタッフのコーデ画像経由となるなど成果がすぐに表れた。同比率は「スタッフスタート」導入サイトの平均値よりも高いようで、同ブランドの場合は外国人が着用モデルを務めていることから、体型が消費者と近い販売員の着こなしを参考にしてもらうためにも同ツールを導入したことが奏功した。

サンエー・インターナショナルの人気ブランドの「ジルスチュアート」と「ヒューマンウーマン」に通販サイトやSNSに投稿できる業務用アプリ「スタッフスタート」を導入
「ジルスチュアート」に導入した業務用アプリ「スタッフスタート」(画像は編集部が追加)

同ブランドでは下期(18年9月~)に入るとコーデ画像の販売が自社EC売上高の60%を占めるまでに拡大。「商品購入に必要な情報として機能している」(倉田亮マーケティング室Webセクションチーフ)という。

「ジルスチュアート」は“高見せ”させたいブランドのため、モデルを起用したコンテンツがトップページの上部に並び、スタッフコーデは最下部に配置しているものの、新着商品を中心にコーデ画像を投稿しているため更新頻度、情報鮮度が高く、PV数はトップページの次に多く、スタッフコーデ画像非経由に比べてコンバージョン率は3~4倍に高まるという。また、新着商品の投稿が多いことからプロパー品にも効果があるとする。

同ブランドでの実績を受け、10月には「アッシュ・スタンダード」に、11月上旬には「アドーア」にも「スタッフスタート」を導入。同社が手がける4ブランドすべてで運用を始めている。

サンエー・インターによると、自社EC売上高が拡大しているものの、実店舗しか利用していない顧客はまだ多く、そのうち、シーズン中に1回しか購入しない消費者の割合も高いことから、店頭スタッフのリアルなコーデ情報は次の購入を促す上でも大事だという。

一方、「アッシュ・スタンダード」では現在、スタッフコーデをトップページの一番上に配置している。16年にスタートし、認知度が他ブランドに比べて低いため、コーデ画像をVMD戦略に則って目立つ位置に掲載するとともに、インフルエンサーの投稿コンテンツもサイト上部で展開することで買い上げにつなげる狙いだ。

ブランドによってコーデ画像の戦略は若干異なるが、各ブランドとも1週間で更新するコーデ投稿数を決め、運用に慣れてきたら対象の店舗数、スタッフ数を増やす形で段階的に導入を進めている。投稿画像のクオリティーを高めるために、慣れたスタッフによる講習会も実施。コーデ投稿を続けることで、店頭に立つスタッフの着こなしの質も上がると見ている。

ただ、ブランド側が良いと思うコーデと、消費者に支持されるコーデが違うケースもあり、各ブランドのMD戦略をベースにしながらも、「コーデ経由売り上げの大きいスタッフが着たいと思うアイテムを増やすこともあっていい」(倉田チーフ)としている。

運用面の課題としては、スタッフが少ない店舗では何人も売り場から離れられないため、コーデ画像をセルフ撮影できる体制を整備する必要があるようだ。

通販新聞

オンワードがデジタル戦略子会社設立、社長に元ベイクルーズEC統括・村田昭彦氏

7 years 8ヶ月 ago

オンワードホールディングスは3月1日、グループのEC事業やデジタルマーケティング事業を担う完全子会社「オンワードデジタルラボ」を設立する。1月11日に発表した。

オンワードグループのデジタルトランスフォーメーション実現に向け、体制を強化して事業戦略を加速させる。

代表取締役社長には、オンワードホールディングスの村田昭彦常務が就任する(現職と兼任)。村田氏は2018年1月まで、アパレル企業のベイクルーズでEC統括を務めていた。

2018年9月1日付でオンワードホールディングス常務執行役員・デジタルトランスフォーメーション担当に就任した。

オンワードデジタルラボの資本金は1億円。従業員数は50人を予定している。本社は東京・港区。

オンワードHDはEC売上高275億円を計画

オンワードホールディングスの2018年2月期における国内EC売上高は、前期比37.9%増の189億3700万円だった。海外事業は同22.7%増の13億3200万円。

オンワードメンバーズ会員は期末時点で204万人(同28%増)。直営ECサイトの比率はグループ全体の約75%。

2019年2月期のEC事業の売上高計画は、前期比35.7%増の275億円。国内約258億円、海外約16億円という内訳。

2018年3~8月期(中間期)のEC売上高は113億7700万円で、前年同期比31.4%増だった。

オンワードホールディングスのEC売上高
オンワードホールディングスのEC売上高(画像は編集部が決算説明会資料からキャプチャ)
渡部 和章
渡部 和章

【2018年】負債1000億円の倒産など……通販・訪販企業の倒産件数は66件で過去2番目

7 years 8ヶ月 ago

東京商工リサーチによると、2018年1~12月における通信販売や訪問販売を手がける小売企業の倒産件数は、前年比24.5%増の66件だった。調査を開始した2009年以降、年次ベースでは2015年の77件に次いで2番目に多い。

通信販売・訪問販売小売業の倒産 年次推移
通信販売・訪問販売小売業の倒産 年次推移

倒産企業の負債総額は1037億円で、前年の30億6300万円から急増した。食品通販のケフィア事業振興会(負債1001億9400万円)の大型倒産が影響した。

倒産66件のうち、破産(企業の解体・消滅)が64件で全体の約97%を占めた。

倒産の原因は「販売不振」が46件、「事業上の失敗」が8件、「他社倒産の余波」が6件、「運転資金の欠乏」が3件。従業員数別では、5人未満の企業が61件。

EC市場は拡大続く

経済産業省の調査では、日本国内の消費者向けEC市場規模は、2017年時点で16兆5054億円(前年比9.1%増)。

BtoC-ECの市場規模およびEC化率の経年推移
BtoC-ECの市場規模およびEC化率の経年推移(経産省の資料から編集部がキャプチャ)

分野別では「物販系分野」が前年比7.5%増の8兆6008億円、ホテル予約など「サービス分野系」は同11.3%増の5兆9568億円、「デジタル分野」は同9.5%増の1兆9478億円。

物販系分野を対象としたEC化率は5.79%(同0.36ポイント増)。スマートフォン経由の物販ECは3兆90億円だった。

BtoC-EC市場規模および各分野の構成比率
BtoC-EC市場規模および各分野の構成比率(経産省の資料から編集部がキャプチャ)

訪販市場は約1.7兆円

通信販売と訪問販売の専門紙「日本流通産業新聞」が2018年12月に実施した、訪問販売実施企業を対象とした売上高調査によると、ランキングに掲載されている250社の合計売上高は1兆7340億200万円。前年調査と比較可能な104社の実質成長率は1.8%増となっている。

渡部 和章
渡部 和章

セブン&アイ、AR+AIチャットボット活用のショッピングを「オムニ7」で期間限定展開

7 years 8ヶ月 ago

セブン&アイ・ホールディングスは1月10日、グループを横断したショッピングサイト「オムニ7」に、仮想現実(VR)やAIチャットボットなどを活用したショッピングサイト「VALENTINE PARADISE VR」を開設した。

バレンタインデー向けの商品約400種類を販売している。開設期間は2月10日まで。

セブン&アイ・ホールディングスは、グループを横断したショッピングサイト「オムニ7」に、仮想現実(VR)やAIチャットボットなどを活用したショッピングサイト「VALENTINE PARADISE VR」を開設
AIやVRを活用したショッピングサイト「VALENTINE PARADISE VR」(画像は編集部がキャプチャ)

ECサイトのカート機能と、VR技術を組み合わせて架空の店舗を再現。VR空間に商品を陳列しており、AIチャットボットが、対話形式で操作方法の説明や商品の案内を行う。

AIチャットボットのプラットフォームは、BEDOREが提供する対話エンジン「BEDORE(べドア)」を採用し、コールセンター大手のトランスコスモスが導入と構築を行った。

「VALENTINE PARADISE VR」では、再生中の動画をフリックし、動画からECサイトの商品ページに直接移動できる「フリックショッピング」に対応した動画も配信している。

渡部 和章
渡部 和章

WOWOWがワインの定期販売ECをスタート、テレビ番組と連動

7 years 8ヶ月 ago

WOWOWは1月11日、オンラインショップ「wowshop」でワインの定期販売を開始した。ワインを紹介するグルメ番組「The Wine Show」で取り上げたワインを販売する。

定期販売の価格は5000円と1万円の2種類。番組で取り上げたワインや、関連するワインをソムリエが選ぶ。特設サイトでワインの味や特徴を解説している。

「The Wine Show」は1月12日に放送を開始した。番組担当者が「番組を観ながら紹介の1本を飲めたら、ワインはもっと美味しくなるのではないか」「五感を使うことで番組の魅力を、もっと深く味わえるのではないか」と考え、定期販売を開始したという。

WOWOWはオンラインショップ「wowshop」でワインの定期販売を開始
WOWOWが始めたワインの定期販売

「wowshop」はWOWOWのグループ会社、WOWOWコミュニケーションズが運営しているオンラインショッピングサイト。2013年10月にオープンした。2018年2月にサイトをリニューアルしている。

渡部 和章
渡部 和章

現金のバラマキが話題の昨今。楽天市場のメルマガはバラマキから「個別化」にシフト【ネッ担まとめ】 | ネットショップ担当者が 知っておくべきニュースのまとめ

7 years 8ヶ月 ago
ネッ担まとめ

広告はバラマキ過ぎると効果が無いどころかブランド価値を下げるので逆効果。一方、お金のバラマキは広告を凌駕する圧倒的な効果。時間をかけて信頼を勝ち取るか、札束で決着をつけるかの二択です。

世の中に対応したシステム変更。店舗側も流れに合わせましょう

2019年前半から始まる「楽天の新システム」を一挙紹介&深読みしてみる|コマースデザイン
https://www.commerce-design.net/blog-staff/190108-rms-new-system/

まとめると、

  • 1月から始まる「R-Message」は「シナリオメール」と「レコメンドメール」の2種類。前者はちょっと高い
  • 「楽天アフィリエイト」については店舗側ですることは無い。アフィリエイターに対するコミュニケーションより重要になる
  • 「R-Chat」の会員ID連携はスタッフが少ない場合は負荷が大きい。コールセンターの運用など効率化が必要
 	ばらまき(旧型)	個別化(新型)
メルマガ	数撃ちゃ当たる「一斉配信」	「購入体験」を細かく設計する
「シナリオメール」
アフィリ	数重視の「とにかくリンク型」	紹介者の信用を活かす「紹介型」
店内回遊	膨大な商品と情報を載せて
「無人セルフサービス」	対話しながら案内し、売上と信用を得る
「有人チャット接客」
商品画像	膨大な情報を画像に詰め込む
「大盛り型」	情報量を抑え最優先事項だけ伝える
「ひとくち型」
楽天市場の施策分類(「2019年前半から始まる「楽天の新システム」を一挙紹介&深読みしてみる」より編集でキャプチャ)

「ばらまき」から「個別化」にシフトしてきた楽天。世の中の流れに合わせてきたと言えますが、店舗側の負担は金額面でも人的な面でも増えてきそうです。2019年は自分たちの身の丈に合った売り方やショップを考える年になりそうです。

「売れる」と確信できるまで考えること

何から手をつけたらいいかわからない… 「売上を昨対5倍にして」と言われた時の対処法 | ECzine
https://eczine.jp/article/detail/6306

まとめると、

  • 商品に関わるすべての人たちと現状を分析し、「どう頑張っても足りない」という「壁」を認識することから始める
  • 注目すべきは「一番売れている商品」「新規顧客」「既存顧客」
  • 売れそうな気がするアイデアが「間違いなく売れる」と思えるまで仕組みを考える

そこで僕がやるのは、出てきたアイディアが売上に結びつくような仕組みを一から考えていくこと。「Xさんが宣伝してくれたら確かに売れそうな気もする。でも、『それ間違いなく売れるね!』ってならないのはなぜだろう」というのを突き詰めて考えていくんです。この考える工程が抜けているケースが、意外と多いのではないかと思います。

─アクティブ CEO 藤原尚也氏

他社の事例からなんとなく売れそうなアイデアは出てきますよね。「売れる」という確信が得られるまで考えないショップが多いのではないかと思います。真似をするだけではなく、自分たちのやり方で売れる方法を考えてみましょう。

「個」に対応するためにPDCAをどれだけ回せるかがポイント

トップマーケターが語る2019年の展望①【奥谷孝司、石川森生、緒方恵、長田新子】 | Agenda note
https://agenda-note.com/brands/detail/id=907

トップマーケターが語る2019年の展望②【音部大輔、鈴木康弘、世耕石弘、富永朋信】 | Agenda note
https://agenda-note.com/brands/detail/id=918

トップマーケターが語る2019年の展望③【友澤大輔、西井敏恭、本田哲也、山口有希子】 | Agenda note
https://agenda-note.com/brands/detail/id=929

まとめると、

  • 2019年はモバイルペイメントが日本に定着するかどうかが決まる年。本格的に定着が進む2020年あたりに展望をどう描くかが小売業にも求められる
  • 意思決定と社会実験・実装を素早く、スモールスタートで物事を進められるかがポイント
  • 認知ユーザーの背中をひと押しするための、いわゆる「Call to Action」の分野は期待大
  • 消費者が力を持つ時代において、重要なのは信頼を築くこと

個人的に気になった部分を抜き出してみました。「個」が基準となって、その人たちに「信頼」してもらい、背中をひと押しするための方法をたくさん、少しずつ実施するのがポイントのようです。

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ZOZO前澤社長、Twitterで「100万円を100人にプレゼント」 340万以上の応募、「RT日本記録更新」 | ITmedia NEWS
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前澤氏1億円バラマキ企画が示す、「広告」から考える時代の終わり | Yahoo!ニュース(徳力基彦)
https://news.yahoo.co.jp/byline/tokurikimotohiko/20190107-00110412/

アパレル業で私が知ってる事 余談。ZOZOについての雑感。というか百貨店の凋落時のお話。 | note(松田 剛)
https://note.mu/alex_t_m/n/n6d7951618cf7

ついに始まる?アパレル「ゾゾ離れ」の現実味 | 東洋経済オンライン
https://toyokeizai.net/articles/-/258612

広告の考え方を変えたPayPayと今回のZOZOのバラマキ。メルマガなどの広告のバラマキは嫌われても現金のバラマキは強烈な効果があることが判明しました。その一方で、ZOZO離れが進んでいるという記事も。しばらくはZOZOの動きに注目ですね。

無人配送が進む中国のEC市場、EC直販最大手のJD.comが「スマート配送ステーション」 | ネットショップ担当者フォーラム
https://netshop.impress.co.jp/node/6105

アマゾンがFBAの手数料を改定へ。配送代行は増額、在庫保管は減額に | ネットショップ担当者フォーラム
https://netshop.impress.co.jp/node/6098

宅配便の再配達率は15.2%(2018年10月度調査)、1年前と比べて0.3ポイント改善 | ネットショップ担当者フォーラム
https://netshop.impress.co.jp/node/6094

配送関連をまとめて。省力化に投資できるところは伸び、できないところは費用負担が増えていく構図ですね。

ネットの罠体験ショップ
http://shishohi.main.jp/index.php/

商品ページを見てカートに入れるとその問題がわかるというサイト。参考になりますが、特商法の表記などがちゃんと書かれていないのは、わざとなんでしょうか?

「PayPay」のカード決済に1日2万円までの利用上限を追加、決済金額は30日間で5万円までの上限設定も継続 | ネットショップ担当者フォーラム
https://netshop.impress.co.jp/node/6103

あっという間にしぼんでしまった感のあるPayPay。ポイントが使えないなどの報告も上がっているので、利用ユーザーは減っていきそうな……。

今週の名言

まずみんなが喜ぶ仕組みを考えるところから始めると、やっているこちら側としても楽しいんですよ。

─東郊住宅社 社長 池田峰氏

朝食100円、入居者専用食堂が話題沸騰!“異端”の不動産屋に学ぶ、新規事業のつくりかた | 未来を変えるプロジェクト
https://mirai.doda.jp/series/interview/mine-ikeda/

売れることを考えるよりも、喜んでもらうという考え方が基本ですよね。

森野 誠之
森野 誠之

2月はバレンタインデー・節分などのネタが盛りだくさん ~Twitter・Facebook・Instagramの投稿事例&アイデア【2月編】 | Web担当者Forum 特選記事

7 years 8ヶ月 ago

12月に入り冬の到来を感じる日も増えてきましたが、1年でもっとも寒い時期といえば2月前後ではないでしょうか。

そして、2月といえば1年でもっとも日数が少ない月であるうえ、祝日(建国記念日)や行事が多数あるため、「あっという間に過ぎ去る」感があります。風邪やインフルエンザも流行しやすい時期であるため、体調をしっかり整えて臨みたいものです。

3日の「節分」・4日の「立春」を迎えれば、暦の上ではもう春。早い人は花粉症の症状を感じ始める一方で、早咲きの桜や梅が花を咲かせ始めて私たちの心をいやしてくれることでしょう。

今回のテーマは、そんな早春・2月。「節分」「春の訪れ」「バレンタインデー」のシーズンに参考にしたいSNS投稿事例とアイデアを紹介します。

その前に、イベントシーズン(12月・1月)の投稿案がまだできていない! と焦り気味の方は、前回までの記事をぜひ参考にしてみてください。

2月のSNS投稿に役立つネタ
  • 節分
  • 春の訪れ
  • バレンタインデー
  • 2月の投稿ネタ(一例)
    2019年2月ならではのトレンド予測
    SNSでも特に人気! な記念日あれこれ
    「人との絆」を感じさせる記念日

差別化して埋もれないための工夫を

2月のSNS上で必ずトレンド入りするのが「節分」「バレンタインデー」です。前者であれば「豆まき」「恵方巻」、後者は「チョコレート」関係の投稿がSNSでは主流であり、ともすれば他社と差別化するのは難しい……と感じている方もいるでしょう。

ネタに困った時こそ、「自社のファン・フォロワーに楽しんでもらうには?」「どんな投稿なら、自社のファン・フォロワーは喜んでくれる?」ということを今一度考えてみましょう。

Twitter
鬼もいろいろ。ファンに好かれる「鬼」もいる

まず紹介するのは、2018年「節分の日」に、「鬼」を使ってファン・フォロワーにより親しみを感じさせることができた投稿例です。

2018年2月3日に東京ヤクルトスワローズ公式がTwitterに投稿したのは、節分の鬼に扮したコーチたちの姿でした。

文字通り「鬼コーチ」と呼びたくなるユーモラスな写真に、ファン・フォロワー達からは「笑った」「チームが強くなるなら鬼でいい」「ネタにされるコーチ達、好きです」「最高です」など好意的なコメントが多く寄せられました。

チェックポイント!

ファン・フォロワーに楽しんでもらうために、コーチ陣が一肌脱いでくれたことで実現した良い投稿です。選手ではなく「コーチ」が節分の「鬼」に扮することで「鬼コーチ」を連想させたところも「うまい!」と思わせます。

さらに、同日夜には「笑顔編」として鬼コーチの素顔を紹介し、多くの好意的なコメントが集まりました。チームのいい雰囲気を伝えることで、ファン・フォロワーに親しみを感じさせ、絆をより深めることができた好例といえるでしょう。

Instagram
ファンが「待ち望むもの」を見つける担当者のセンスに注目

続いて紹介するのは、2月上旬でありながら「春の訪れ」をいち早く感じさせた投稿です。

2018年2月6日に葉山町(神奈川県)の公式アカウントがInstagramに投稿したのは、2月上旬だというのにもう咲き始めた河津桜の紹介でした(関東圏の桜の開花平年値は3月中旬過ぎ)。

2月は、とりわけ寒さの厳しい時期。そんななか、河津桜をはじめとした早咲きの桜の開花や満開の知らせは、春を待ち焦がれるファン・フォロワーの心をもほんわりと温めてくれたことでしょう。

フォロワーからは、桜の美しさを称える声はもちろん、「うちの河津桜も開花しました」という共感の声や、「もう咲いてるの?」という驚きのコメントが寄せられていました。

チェックポイント!

葉山町の人口約33,000人に対し、Instagram公式アカウントのフォロワー数は約23,600人(ともに2018年11月現在)。おそらく、Instagramを利用している町民数よりもフォロワー数の方が多いと思われます。

これも、曜日を問わず毎日「葉山の魅力」を発信し続けてきた成果の現れといえるでしょう。SNS運用担当者のたゆまぬ努力と、何気ない日常風景でもSNS映えさせる写真のセンスや撮影・画像テクニックなど、学べるものが多いアカウントの1つです。

Facebook
自社のファン・フォロワーに喜ばれるバレンタインデーギフトとは?

次に紹介するのは、毎年「バレンタインデー」に工夫をこらして投稿している企業の事例です。

2018年2月14日にSUBARUがFacebookに投稿したのは、フォレスターをリアルにかたどったチョコレートの画像と、オーナーやファンへの感謝の言葉でした。

単なるバレンタインデー投稿で終わらせず、「2月14日はフォレスターの誕生日」というファンの心に響く事実をタイムリーに伝えています。ファンからは、チョコレート(担当者の手づくり)の出来栄えに対する賞賛やフォレスターへの祝福、愛情あふれるコメントが多く寄せられていました。

チェックポイント!

「2月14日は、自社にとってどんな日か」をSNS運用担当者が把握しており、しっかり準備を進めてきたからこそ実現できた投稿例です。

「投稿ネタとして『バレンタインデー』は外したくないが、単に『おいしそうなチョコレート』の写真を載せるだけでは、自社のファン(車好きな男性が中心と考えられる)からの共感は得にくいだろう……」ということまで考え、毎年工夫をこらしていることが舞台裏のブログからも読み取れます。ちなみに、このSNSから自社Webサイトへの誘導の巧みさも注目ポイントといえるでしょう。

2月の投稿ネタ(一例)
「2019年2月ならではのトレンド予測」「SNSでも特に人気! な記念日あれこれ」「人との絆を感じさせる記念日」

ここまで、2月の記念日などに絡めた投稿事例を紹介してきました。ここからは、その他のイベントやニュースネタをいくつか紹介します。

これをお伝えするのも次回で最後ですが、「ファンを楽しませる投稿」=「ネタ」×「自社情報」(ネタと自社情報をからめる)ですので、忘れないでください。

2019年2月ならではのトレンド予測

第70回さっぽろ雪まつり(つどーむ会場:1月31日~2月11日/大通・すすきの会場:2月4日~2月11日)

日本の雪まつりの代表格ともいえる「さっぽろ雪まつり」が2019年も開催されます。

第69回(2018年)の来場者はなんと254万3000人。2019年は70回目という節目効果に加えて、地震後の観光復興に向けた後押しも受け、SNSでもマスメディアでも話題になることが予想されます。

テレビ朝日開局60周年(2月1日)

テレビ朝日が、本放送開始60周年を迎えます。節目の年ですので、記念ドラマなどの放送や、イベント・キャンペーンなどが今後発表されることが考えられます。

Facebook 15周年(2月4日)

2004年創設のFacebookが15周年を迎えるため、SNSのなかでも特にFacebook上で話題になることが予想されます。SNS運用担当者としても押さえておきたい情報です。

ダーウィンの日(2月12日)

2月12日は「ダーウィンの日」ですが、2019年はダーウィン生誕210周年という節目の年にあたりますので、それにからめた催事が行われるなどして、SNS上でも話題になる可能性があります。

東京メトロ丸ノ内線の新型車両「2000系」が運行開始(2月)

2019年2月に、東京メトロ丸ノ内線の新型車両「2000系」が運行を開始する予定です。

東京メトロの車両で初めて電源コンセントが設置されるとあって、リリース発表時から注目を集めていました。2月の運行開始後もSNSやマスメディアで話題になりそうです。

SNSでも特に人気! な記念日あれこれ

2月の記念日はいろいろありますが、SNSで特に人気が高いものは、ぜひ押さえておきましょう。

ツインテールの日(2月2日)

ツインテールの魅力をアピールしようと、ファッションブランドなどを展開するラフバレーの代表が提案し、2012年に日本記念日協会によって制定されました。日付はツインを意味する「2」が重なる日であることから。

毎年、特にTwitterでは「#ツインテールの日」を付けた投稿で盛り上がる傾向があります。

猫の日(2月22日)

猫の鳴き声「ニャン・ニャン・ニャン」をもじって決められた日で、猫の日制定委員会とペットフード協会が1987年に制定。この日は、猫のコンテストなどの行事が開かれます。

そもそもSNSでは猫の画像が大変人気がありますので、この日はいっそう猫画像・猫投稿があふれる可能性が高いです。

富士山の日(2月23日)

全国一斉に富士山の見え具合をネット上で報告し合うなど、富士山をテーマとした活動を行っているパソコン通信上の「山の展望と地図のフォーラム」が制定。日付は2と23で「富士山(ふじさん)」と読む語呂合わせと、この時期は富士山がよく望めることから。

日本人のみならず、富士山の美しさには世界中の人が魅了されます。世界文化遺産に認定されたことでさらに人気に。この日も間違いなく富士山関連投稿で盛り上がることでしょう。

「人との絆」を感じさせる記念日

寒い冬だからでしょうか、バレンタインデーもその1つですが、なぜか2月には「人との絆」について考えたくなるような記念日が多いようです。その一部を紹介しますので、ぜひ参考にしていただき、ファン・フォロワーの心が温まるような投稿に生かしてみましょう(参考:日本記念日協会)。

  • カップルの日(2月2日)

    ジュエリー・アクセサリーのショップを全国展開するザ・キッスが制定。日付は「カップル=2人」から、数字の2が並ぶ2月2日に。

  • 夫婦の日(2月2日)

    「こどもの日」や「敬老の日」があるのに「夫婦の日」がないのは残念だと、大阪市の末広幸子氏が1987年に制定。日付けは2と2で「夫婦(ふうふ)」の語呂合わせから。

  • ふたごの日(2月5日)

    多胎児(双子や三つ子など)の育児がしやすい環境づくりを考える日として、愛知県豊明市の双子グッズ専門店のチームベラミワークスが制定。日付は2と5を「ふたご」と読む語呂合わせから。

  • ブログの日(2月6日)

    ブログの普及を目的に、サイバーエージェントが制定。日付は2と6でブログの「ブロ(26)」と読む語呂合わせから。SNSだけでなくブログも運営している企業・団体なら、ぜひ押さえておきたい記念日といえるでしょう。

  • 苗字制定記念日(2月13日)

    1875年2月13日、明治政府の「平民苗字必称義務令」により国民はすべて姓を名乗ることが義務づけられたことから。苗字に関する豆知識ネタはいろいろあり、SNS投稿ネタとしても使えそうです。

運用マニュアルを整備して1人担当者のリスクを回避

SNS運用担当者に限らず「体は資本」「健康第一」で毎日過ごしたいものですが、特に冬は風邪・インフルエンザをはじめとするさまざまな理由で体調を崩される方が多いようです。万が一、読者のみなさんがそんな状況になった際には、どうぞ無理をせずに休んでいただき、早期回復を目指していただきたいと思います。

とはいえ、「自分が休むと、SNS運用がストップしてしまう」「自分以外のメンバーが投稿案をつくると、いつものトンマナからずれてしまう」などの理由から、つい無理してしまう「中の人」もいるのではないでしょうか。

確かに、ファンとの信頼関係構築のためには、統一感あるSNS投稿をずっと続けられることが理想ですが、たった1人の担当者だけでSNS投稿を続ける運用体制には、次のようなリスクがともないます。

  • SNS担当者の作業負荷増大(特に「専任」ではない場合)/休暇・異動・退職の代理対応/引継ぎ対応が困難
    こうしたリスクを防ぐためにも、現実的なのは「複数の担当者で、一貫性・統一感あるSNS投稿を続けること」です。そのためにも、ぜひSNS運用体制の構築と運用マニュアルの整備を進めておきましょう。マニュアルには、運用フローやコンテンツ制作ルールを含めるのをお勧めします。

  • 運用フロー
    「日次」「週次」「月次」で行うべきタスクを整理し、フロー図と手順書をまとめておきます。

  • コンテンツ制作ルール
    投稿タイミング(曜日、時間、頻度)、1人称、ファン/フォロワーに呼びかける際の呼称、絵文字や顔文字の使用可否、書き出しなど、細かいところまで決めておくのがお勧めです。

  • SNS担当者のペルソナ作り
    さらに可能であれば、自社のSNS担当者(中の人)の「ペルソナ」を作り、関係者で共有しておけるとベストです。具体的には、プロフィール(部署・年齢・性別・性格など)や口調、口癖に至るまで、「あたかも実在する人物であるかのように」具体的に決めておきましょう(「中の人」は、必ずしも実在する人物でなくていいのもポイントです)。

オリジナル記事はこちら:2月はバレンタインデー・節分などのネタが盛りだくさん ~Twitter・Facebook・Instagramの投稿事例&アイデア【2月編】(2018/12/18)

後藤真理恵
後藤真理恵

有休取得の義務化や残業時間の上限規制など「働き方改革関連法」への対応、していますか?

7 years 8ヶ月 ago

産業医サポートサービスなどを手掛けるエムステージはこのほど、今年4月に一部施行される「働き方改革関連法」への企業の対応状況に関する調査を実施した。

働き方改革関連法について「知っているが、内容すべてはわからない」との回答が6割を超えたほか、「実施・準備のいずれもしていない」と答えた割合は2割を超えている。

民間企業や医療機関、団体などの人事・労務関連担当者106人から回答を得た。

「働き方改革関連法が施行されることをご存知ですか?」という質問に対し、「個別の決定内容まで知っている」と答えた割合は34.0%。「知っているが内容すべてはわからない」は64.2%、「知らない」は1.9%だった。

今年4月に一部施行される「働き方改革関連法」への企業の対応状況に関する調査 働き方改革関連法を「知っているが内容すべてはわからない」担当者は6割超

「働き方改革関連法施行に伴い対策を実施しましたか?」という質問では、「実施した」は8.5%、「施行までに間に合うように準備している」は67.9%、「実施・準備のいずれもしていない」は23.6%。

今年4月に一部施行される「働き方改革関連法」への企業の対応状況に関する調査 「働き方改革関連法施行に伴い対策を実施しましたか?」という質問

働き方改革関連法の対策や準備を「実施した」「施行までに間に合うように準備している」と回答した81人に、実際に取り組んでいる内容を聞いた(複数回答)。

最も多いのは「年次有給休暇の取得」(88.9%)。以下は「残業時間の上限規制」(55.6%)、「産業医・産業保健の機能強化」(34.6%)、「同一労働同一賃金」(22.2%)、「勤務間インターバル制度」(14.8%)、「高度プロフェッショナル制度」(1.2%)と続いた。

今年4月に一部施行される「働き方改革関連法」への企業の対応状況に関する調査 働き方改革関連法の対策や準備の内容

対策を進める際の、具体的な方法について質問したところ(複数回答)、「社内制度の変更・新設」が64.2%、「管理職への指導」(64.2%)、「社員への指導」(56.8%)と、それぞれ約6割を占めた。

今年4月に一部施行される「働き方改革関連法」への企業の対応状況に関する調査 働き方改革関連法の対策や準備を進める際の、具体的な方法

調査概要

  • 調査名:働き方改革関連法への対応に関するアンケート
  • 集計期間:2018年12月10日~12月15日
  • 調査対象:企業・団体の人事・労務関連担当者
  • 有効回答数:106人
  • 調査方法:インターネット調査

回答者属性

  • 業種:民間企業(82.1%)、医療機関(12.3%)、その他(5.6%)
  • 従業員数:49人以下(19.8%)、50~99人(18.9%)、100~299人(18.9%)、300~499人(9.4%)、500~999人(4.7%)、1000人以上(28.3%)
渡部 和章
渡部 和章

【2018年】モバイルユーザーのECに関する消費行動まとめ

7 years 8ヶ月 ago

デロイトトーマツコンサルティングはこのほど、世界のモバイルユーザーに関する実態調査「世界モバイル利用動向調査 2018」を公表した。日本のモバイルユーザーが毎日使うアプリの種類や、定期購読している主なサービスなどをまとめている。

小売/ECのアプリを毎日使うユーザーの割合は?

日本のスマホ所有者に、毎日(1日に1回以上)使うアプリを質問し、年齢層別に集計した(n=1363)。

「18~24歳」と「25~34歳」では、「ソーシャルネットワーク」の割合が最も高い。「ソーシャルネットワーク」の利用割合は、年齢が上がるにつれて低下している。

「小売/ショッピング」と答えたユーザーの割合は、18~64歳では13~18%だった。65~74歳は8%。

35歳以上で最も回答割合が高かったのは「天気アプリ」。音楽や動画のストリーミングサービスを毎日使うユーザーの割合は、18~24歳が15~17%で他の年齢層よりも高い。

デロイトトーマツコンサルティングが実施した世界のモバイルユーザーに関する実態調査「世界モバイル利用動向調査 2018」 1日に少なくとも1回使用するアプリ
1日に少なくとも1回使用するアプリ

コミュニケーションはメッセージアプリやSNSが増加

スマホで週1回以上利用するコミュニケーション手段を質問し、年齢層別に集計した(n=1139)。

LINEやFacebookメッセンジャーなど「インスタントメッセージアプリ」は53~84%。若い世代ほど利用率が高く、「18~24歳」は84%だった。「インスタントメッセージアプリ」を週1回以上利用していると答えたユーザーの割合は、すべての年齢層で前回調査(2017年)を上回った。

TwitterやFacebookなど「ソーシャルネットワーク」は18~24歳では73%、25~34歳は69%、35~44歳は57%、45~54歳は46%となっている。54歳以下の数値は、前回調査よりも高い。

メールは61~75%、「音声通話」は52~72%だった。

デロイトトーマツコンサルティングが実施した世界のモバイルユーザーに関する実態調査「世界モバイル利用動向調査 2018」 スマートフォンで週1回以上利用しているコミュニケーションの手段
スマートフォンで週1回以上利用しているコミュニケーションの手段

「Amazon/Primeビデオ」の契約割合は13%

契約している定期購読サービスと、そのサービスをスマホで視聴しているか否かを聞いた(n=2000)。

「Amazon/Primeビデオ」の契約割合は13%で、スマホで視聴しているのは6%だった。

「週刊東洋経済」とインターネットアンケート・サービス「NTTコム リサーチ」が2017年に共同で実施した「Amazonの利用に関する調査結果」によると、有料会員制度「Amazonプライム」の加入率はAmazon利用者の16.6%%。

また、インプレスのシンクタンク部門であるインプレス総合研究所が2017年6月に実施した調査では、Amazonプライム会員への加入率は、ネット利用者の10.9%だった。

デロイトトーマツコンサルティングが実施した世界のモバイルユーザーに関する実態調査「世界モバイル利用動向調査 2018」 契約している定期購読サービス
契約している定期購読サービス

音声アシスタントやチャットボットの利用割合は?

音声アシスタントの利用割合は「LINE Clova」が23%、「OK,Google」が19%、「Apple Siri」が18%、「Microsoft Cortana」が8%、「Amazon Alexa」が5%。

スマホで音声アシスタントを利用する際の用途は、情報検索、天気の確認、ナビゲーション、アラーム、ニュースの確認などが多い。スマートスピーカーで音声アシスタントを利用する際は、音楽再生や天気の確認、アラームなどに使うと答えたユーザーが多かった。

チャットボットを利用したことがあるビジネスの種類を質問したところ、「通信販売/オンラインショッピング事業者」が7%でトップだった(n=1363)。

デロイトトーマツコンサルティングが実施した世界のモバイルユーザーに関する実態調査「世界モバイル利用動向調査 2018」 チャットボットを利用したことがあるビジネスの種類
チャットボットを利用したことがあるビジネスの種類

調査概要

  • 調査名:「世界モバイル利用動向調査2018」
  • 調査形式:オンラインアンケート(デロイトが設計した調査項目をもとに外部調査会社にて実施)
  • 対象国:35か国・地域
  • 調査人数:日本2000人(18~75歳)※世界全体では5万4150人
  • 調査期間:2018年7~8月
渡部 和章
渡部 和章

越境ECデータ&インタビューから学ぶ海外向けECで成功するためのポイント【ペイパルとDHLが徹底解説】

7 years 8ヶ月 ago

越境ECで売上・利益を伸ばすにはどうすればいいのか?「決済と物流を制する者はECを制する」という国内向けEC事業で成功するための格言と同様に、越境ECでも決済と物流が成功のカギを握っている。「日本製品だから売れる」というステージは過ぎ、多くの越境ECプレーヤーとの競争に勝つためには「買いやすい環境」「優れた配送サービス」などが必要になる。優れた買い物環境を海外ユーザーに提供するにはどうすればいいのか? 越境ECをサポートするその道の“プロ”であるペイパル、ドイツに本社を置く国際物流会社DHLジャパンに話を聞いてきた。写真◎吉田 浩章

越境ECユーザーが海外ECサイトで商品購入する条件とは

31か国に住む3万4000人以上の消費者を対象に、国内と海外の両方のオンラインショッピングの利用方法と、利用理由について調査した「越境ECグローバル調査 2018」(調査:ペイパル)によると、越境ECで利用している決済手段を選ぶ理由として、「安全な決済」(44%)「便利な決済」(36%)が上位2項目にあがった。

越境ECで選ばれる決済手段とは?
越境ECで利用している決済手段を選ぶ理由

「どんな条件下であれば今後越境ECで購入するか?」との問いでは、「安全な決済手段」(38%)、「自国通貨での価格表示・支払いが可能」(34%)と、決済手段に関する回答がトップ5に2項目入っている。

全ECユーザーに質問:どんな条件下であれば今後越境ECで購入するか?
越境ECサイトを利用する条件

「越境ECの購入者が見ているのは商品の魅力に加え、決済、配送に関する情報」と話すのは、調査元であるペイパルの野田陽介事業開発部長。「ペイパル」は、VISAやMasterCardなど国際カードブランドに対応したオンライン決済サービスで、EC事業者は簡単な審査と本人確認手続きだけでオンライン決済を導入できる。

現在、1800万以上のECサイトに導入されており、世界で2億5000万人以上の消費者が利用。200以上の国と地域で、100通貨以上での決済、56通貨で銀行口座への入金(日本では銀行への引出しは、円のみ)、25通貨(日本では22の通貨に対応)で支払いを受け取ることができる。

顧客のカード情報はECサイトに保存されない。そのため、ECサイトからの情報漏えいを心配するユーザーでも買い物しやすく、「安心」「安全」を求める越境ECユーザーの買い物条件に合致するオンライン決済サービスである。

グローバルで決済事業を展開するペイパルの調査から見えてきた傾向では、「決済手段に加え、(越境ECユーザーに商品を購入してもらうには)配送面も重要な課題になってきている」と野田氏は指摘する。

ペイパルの野田陽介事業開発部長
ペイパルの野田陽介事業開発部長

物流面の課題、どう解決すればいいのか?

配送面で不安を抱える越境ECユーザーは多く、それがカゴ落ちに直結するケースが多い。

野田氏は「越境ECで購入を諦めてしまう理由」として、「配送費用が高いのでは?」(25%)、「届くまで時間がかかるのでは?」(24%)、「きちんと配送されるかどうか不安」」(24%)、「返品が簡単にできるかどうか不安」(22%)という配送に関する不安面が上位を占めると説明する。

越境ECユーザーが購入を諦める理由=ほとんどが配送関連
越境ECユーザーが購入を諦める理由

安い配送料金、短期納品が可能な配送スピード、そして配送品質――。日本国内向けECと同様に、越境ECでも手厚い配送サービスを提供しなければ、「カゴ落ち」を改善することは難しいのか? ペイパルと業務提携しているドイツの国際輸送物流会社大手DHL Expressの日本法人、DHLジャパンの野口正弘氏(セールス&マーケティング本部 法人営業第四部 部長)は次のように説明する。

自社の製品はどのようなターゲット層がほしがっている商品で、どのような配送サービスで届けるのが最適なのか? それをまず考えることが重要だ。

たとえばコレクター向けの商材。配送料金が高く、手元に届くまでの時間が多少かかってもキャンセルされる確率は低い。消費者にとって“どうしてもほしい”という小ロット商材なのか、それとも大量消費されているため多くのECサイトで購入できる商材なのか、といった観点からまずは配送サービスを考える必要がある。

DHLジャパンの野口正弘氏(セールス&マーケティング本部 法人営業第四部 部長)
DHLジャパンの野口正弘氏(セールス&マーケティング本部 法人営業第四部 部長)

「きちんと配送されるかどうか不安」(24%)、「返品が簡単にできるかどうか不安」(22%)といった消費者が抱える不安の解消も重要だ。

配送面への不安を簡単に解消する手だてとして野口氏があげた一例は、利用している配送サービスの信用力を自社の越境ECサイトに活用する次のような方法だ。

DHLはグローバルで多くの国・地域で利用されているが、特に欧州では圧倒的なシェアがある。越境ECサイトでDHLでの商品配送オプションを提供していることをサイトで表示(たとえばロゴ表示など)しておけば、配送面での不安解消につながりやすい。

BtoCの越境物流にも力を入れているDHLとは

DHLと言えばBtoB向け物流・配送というイメージを抱く読者が多いだろう。近年はBtoB物流・配送で培ったネットワークを生かしたBtoC向け越境EC物流・配送サービスが伸びているという。

DHLの創業は50年前。現在は世界220以上の国・地域で国際物流事業を展開し、10万人以上の従業員が世界各国・地域に商品を配送する。日本では6万5000社以上の顧客が利用し、近年は海外向け越境ECの取扱荷物が増えている。

1月あたり1633件を海外へ販売したある越境EC事業者のケース(米国向け1214件、欧州向けが259件、オーストラリア向けが57件など)では、1日あたりで最も出荷件数の多かった191件分を計測したところ、翌日配達は129件(67.5%を占める)、翌々日配達39%(20.4%)で、海外からの注文でも翌々日には商品を配送した実績がある。

加えて、破損・ダメージ、紛失はゼロ件。遅延1件が発生したものの、それは購入者が受け取りで投函を選択していたことを勘違いしていたためで、実質無事故で商品を届けていたという。

野口氏は越境ECで事業を伸ばすためには、上記にあげた「スピード」「価格」「品質」に加え、「可視化」「ラストワンマイル」も重要視されていると付け加える。国内配送と同様、越境EC事業者と消費者から、配送状況の確認、受け取りの簡便さが求められているという。

こうしたニーズに対して、DHLでは配送状況を世界中からリアルタイムで常時確認できるシステムを構築した。輸送中のチェックポイントをリアルタイム(約15分ごと)で更新・反映。越境EC事業者は消費者からの配送状況の問い合わせに対し、簡単に確認できる体制を整える。

輸送状況の確認画面
輸送状況の確認画面

「ラストワンマイル」に関しては、無料提供する「ODD(オンデマンドデリバリー)」というサービスがある。これは、購入者へ配達予定日をSMSで自動的に事前通知するサービスで、消費者は配達日や配達先の変更がWeb経由で利用きるというもの。購入者自身で適した配送日や配送先を選べるようにすることで、「ラストワンマイル」の品質向上に役立てているという。

トレーニングウエアを販売するイギリスのGYMSHARKは、海外販売で現地の郵便サービスで配送していたが、新たにDHLを配送サービスのラインナップに追加。DHLを使ったサービス運用後、越境EC販売の実績が1年で1万3000件も増えたという。

購入金額は70%アップし、購入者の50%がDHLの輸送オプション「国際エクスプレス便」(荷物を迅速に配送するオプションサービス)を選択した。配送料金は高くなるものの、この「国際エクスプレス便」オプション追加後に、売上高増加率は210%を記録したという。

DHLとペイパルで決済&物流業務を簡素化する取り組み

越境ECを手がけるには欠かせないペイパルと、海外向け越境ECの取り扱いが増えているDHLジャパンがタッグを組み、越境EC事業者の業務効率を向上させるための支援サービスを始めたことはご存知だろうか?

スタートしたのは、DHLの「国際エクスプレス便」利用料金を「ペイパル」経由で決済できるという取り組み。一般的には、1か月に1度送られてくる配送会社からの請求書と送り状を付け合わせて利用料金を支払うといった業務フローが、大幅に効率化できるようになるという。

DHLの「国際エクスプレス便」で荷物を配送し、消費者が荷物を受け取るごとに配送料金を「ペイパル」で決済できるようになり、請求書は都度、電子データとして管理画面で確認できる。海外向けECの配送料金処理が、大幅に効率化できるようになるのだ。

海外向けECの配送でDHL、決済面で「ペイパル」を活用すると、配送面では販売事業者に代わってDHLが通関業者として申告手続きや関税の立て替えなどを実施し、現地消費者に配送。そして、配送料金の決済はペイパルが行うことで、配送から料金決済までをほぼ自動化することが可能になる。

海外向けECを実施している日本企業では、国内向けが9割、海外が1割といったケースが多い。また、海外向けECを日本国内向け事業部とは異なる部署が手がけていることもある。海外向けの件数は少ないものの、配送料金の付け合わせといった業務に手間がかかるといった声は少なくない。経理部門の業務の効率化につながるといった声を多くいただいている。(野口氏)

海外向けのBtoC物流・配送のニーズが急増しているというDHLジャパン
海外向けのBtoC物流・配送のニーズが急増しているというDHLジャパン

データ&事例から学ぶ越境ECで売り上げを伸ばすコツ

海外ユーザーにとって越境ECは当たり前

世界的にECで商品を買う消費行動は増加傾向にある。越境ECで成功するためにも、海外の消費動向、市場、ニーズなどをまずは把握しておきたい。

日本貿易振興機構(JETRO)がまとめた「ジェトロ世界貿易投資報告 2018年版」によると、2017年の国別のEC市場規模は中国が4489億ドル(1ドル110円換算で約49兆4000億円)、2位の米国が3660億ドル(約40兆3000億円)、3位の日本は788億ドル(約8兆7000億円)。2017年の4位以下は英国(約8兆1000億円)、ドイツ(約5兆4000億円)、フランス(約4兆4000億円)、インド(約3兆3000億円)、ブラジル(約2兆円)、ロシア(約1兆9000億円)。

※市場規模はインターネット上で行われたBtoCの消費財(輸送機器を除く)の取引が対象。食料品や雑貨などの宅配サービス、店舗支払い・受取による取引は含まない。

2020年には中国が約75兆円、米国は約56兆8000億円、日本は約11兆1000億円、英国は約9兆9000億円、ドイツは約7兆円に拡大する見通しである。

主要国におけるBtoCのEC取引額
主要国におけるBtoCのEC取引額(画像はJETRO発表資料からキャプチャ)

2015年の財輸入上位10か国の越境EC購入額をみると、米国や中国、英国、ドイツ、カナダなどの越境EC購入のシェアが高い。米国や中国では年々、海外からの購入額が増えており、多くの国でその傾向が起きていると推測できる。

米国・中国・日本の越境ECポテンシャル推計値(経産省の発表資料)
米国・中国・日本の越境ECポテンシャル推計値(経産省の発表資料)
主要国の越境EC購入額(BtoC)と財輸入額の世界シェアの比較(2015年)
主要国の越境EC購入額(BtoC)と財輸入額の世界シェアの比較(2015年)(画像はJETRO発表資料からキャプチャ)

次の画像はペイパルが実施した2016年の調査結果だが、興味深い数値がある。オンライン購入者に占める越境EC購入者の割合を見ると、多くの国の消費者が海外から購入している状況が浮き彫りになっている。日本は5%にとどまっているものの、世界を見れば、海外から商品を購入する行為は当たり前になっていると言える。

オンライン購入者に占める越境購入者の割合(2016年)
オンライン購入者に占める越境購入者の割合(2016年)(画像はJETRO発表資料からキャプチャ)

ずばり越境ECユーザーに商品を買ってもらうには?

越境ECで商品を売るには、「海外では見つからない商品」「モノがユニークなのか」「品質が良い」など“日本でしか買えない”という観点が売れる1つの要素になる。

決済事業者の視点からこう説明するのはペイパルの野田氏。世界の越境ECユーザーの購入カテゴリーを踏まえ、「越境ECで購入者が見ているのはまずは商品の魅力。そして、決済、配送だ」と言う。

越境ECユーザーが購入する上位カテゴリー
越境ECユーザーが購入する上位カテゴリー

配送視点ではどうか? DHLジャパンの野口氏は、「販売価格も重要な要素になる」と指摘し、ある成功企業の事例を次のように説明した。

越境ECで上手くいっている事業者で低価格帯商材を扱っている企業はそんなに多くはない。1万円以上の商品を販売する事業者が多いように感じている。

成功している企業の傾向としては、送料を大きく見せないのが1つのコツ。「日本でしか購入できない」といった商品であれば、送料を販売単価に乗せることができる。つまり、送料込みの値付けをどうするかということだ。シッピングフリーでなくても、高くないと感じる範囲での上手な値付けをし、残りは自社で負担する……こういった値付け戦略はとても重要だと感じている。

越境ECユーザーへの質問:なぜ越境ECで購入したのか?
越境ECで購入する理由を踏まえ、上手な値付けが必要だと野口氏は説明する
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瀧川 正実
瀧川 正実

自社ECでパーソナライズされたLINEメッセージの自動配信を実現した「futureshop」

7 years 8ヶ月 ago

SaaS型ECサイト構築プラットフォームパーソナライズされたLINEメッセージ自動配信を、自社ECを提供するフューチャーショップは1月10日、「futureshop」を導入したECサイトは、LINEを通じて会員の興味関心に合った情報を定期的に配信できるようにした。LINEの自動配信ツール「WazzUp!(ワズアップ!)」(提供はファナティック)との連携で実現した。

「futureshop」が用意しているLINE連携オプションには、会員の登録情報や購入履歴などからターゲットに適したメッセージ配信できる機能を搭載している。だが、会員の興味関心に合った情報の定期的な配信には、作業負荷など継続運用に向けた運営上の課題があったという。

今回の連携によって、運営上の課題を解決。「WazzUp!」を使う「futureshop」導入店舗は、「新着商品」「人気ランキング」「新着コーディネート」「新着ニュース」といったサイト上の更新情報を「WazzUp!」が取得し、パーソナライズされたメッセージの配信までをすべて自動で実施する。

また、LINEメッセージ経由のかご落ちユーザーへのフォローや、再入荷お知らせ実施など、コンバージョン率改善へ取り組むことができ、「LINEの活用方法も広がる」(フューチャーショップ)という。

経済産業省が公表した『通商白書2017』で越境ECに対する国内企業の課題感が示された 越境ECにおける課題
「futureshop」を導入している古着屋JAMのアカウントでは、LINE上で必要な情報を選択すると、「自分の好みにあったブランド・アイテム・サイズ」の商品情報が届く

LINEのメッセージ配信を巡っては2019年春、公式アカウントやビジネスコネクトアカウント、LINE@などのアカウントが「LINE公式アカウント」として1つに統合される予定。「今までのように全体配信だけを続けていくと今後は膨大な費用がかかってしまうので、費用を抑えて高い効果が狙える配信の出し分けは必要不可欠」(ファナティック)と指摘する。

瀧川 正実
瀧川 正実

しまむらがスマホで注文&店頭受け取りのアプリ「しまコレ」をスタート

7 years 8ヶ月 ago

しまむらは1月7日、商品の店頭取置予約を行えるアプリ「しまコレ」の提供を開始した。

注文1回当たり同一商品につき最大10点、8種類(最大80点)まで予約することが可能。アプリに決済機能は搭載されていないため、店頭で代金を支払う必要がある。

「しまコレ」は会員登録せずに利用できる。商品を選び、取り置きする店舗を選択すると、注文後1週間前後で商品が店舗に届くという。

商品が店舗に到着すると、ユーザーのスマホにプッシュ通知が届く。店頭での保管期間は1週間。期日を過ぎると自動的にキャンセルとなる。

しまむらは、商品の店頭取置予約を行えるアプリ「しまコレ」をスタート
商品の店頭取置予約を行えるアプリ「しまコレ」(画像は編集部がキャプチャ)

商品を受け取る際、購入前の試着が可能。購入後にサイズが合わなかった場合、1週間以内にレシートと商品を店舗に持ち込めばキャンセルできるとしている。

店舗で商品の代金を支払ってから、商品を自宅に配送することは可能。ただし、送料が別途発生する。

アプリの「お気に入り」機能に最大20品目まで登録することが可能。新商品の入荷通知や、再販売通知などの機能は実装されていないが、随時機能強化の予定としている。

しまむらは2018年7月、「ZOZOTOWN」に出店し、初めてオンラインショップを開設した。EC事業は、店舗がない地域や、店舗に来店できない顧客に商品を販売するのが目的。

また、2020年2月期までに自社ECサイトの開設を計画している。まずはECモールに出店することで、ECに関するノウハウを獲得する狙いもある。

渡部 和章
渡部 和章

PayPay続報/ヨドバシカメラのポイント還元セールは20日まで【ネッ担アクセスランキング】 | 週間人気記事ランキング

7 years 8ヶ月 ago

12月21日以降に公開した記事のランキングです。相変わらず「PayPay」の話題に注目が集まりました。

  1. 「PayPay」決済で利用上限、30日間でカード決済金額は5万円まで

    加盟店へ12月21日に配信した告知文では、21日から上限を設定したとしている

    2018/12/21
  2. 「PayPay」のカード決済に1日2万円までの利用上限を追加、決済金額は30日間で5万円までの上限設定も継続

    クレジットカードでの決済金額の上限は1日あたり2万円まで。「Yahoo! Japanカード」からのチャージ金額上限も1日あたり2万円とした

    2019/1/9
  3. ヨドバシカメラが最大20%のポイント還元セール、1月20日までセール期間を延長

    特別ポイント還元セールは、通常10%のポイント還元対象商品について、セール期間中は13%ポイント還元するというもの

    2018/12/26
  4. 通販・EC売上ランキングまとめ【2018年冬版】300社合計7.2兆円、トップはAmazonで1.3兆円

    上位300社の合計売上高は7兆2768億円で、17年12月の調査に比べ8.4%増加した

    2019/1/7
  5. EC業界2018年の振り返りと2019年に起きそうなことまとめ【ネッ担まとめ】

    ネットショップ担当者が読んでおくべき2018年のニュース

    2019/1/8
  6. 宅配便の再配達率は15.2%(2018年10月度調査)、1年前と比べて0.3ポイント改善

    国土交通省が宅配便再配達率の調査結果(第3回)を公表した

    2019/1/7
  7. 「今年こそ健康的にダイエットするぞ!」と誓ったあなたに、罪悪感のないカレーをご紹介します

    EC支援を手がける「マージェリック」がカレーを発売。そのねらいとは?

    2019/1/8
  8. 「Anker」初の常設店、アンカー・ジャパンが都内にオープン

    売上高100億円の目標達成めざしリアル店舗の売り場も強化

    2018/12/21
  9. 中国で巻き起こるコーヒーチェーンのO2O競争。スターバックスに迫る勢いの「Luckin Coffee」の戦略とは?

    O2Oを自在に操る企業が活躍する中国。次は「OMO(Online Merges with Offline)」に進んで行くようです。

    2019/1/9
  10. 3年後に2000万人まで増えるモバイルキャッシュレス決済ユーザー、ICT総研の調査

    ICT総研がモバイルキャッシュレス決済の市場動向に関する調査結果を公表

    2019/1/9

    ※期間内のPV数によるランキングです。一部のまとめ記事や殿堂入り記事はランキング集計から除外されています。

    内山 美枝子

    ユニクロのECは2019年度も好調。1Q(9-11月)売上高は237億円で30.9%増、EC化率は9.7%

    7 years 8ヶ月 ago

    ファーストリテイリングが1月10日に発表した2018年9~11月期(2019年8月期第1四半期)連結決算によると、国内ユニクロ事業のEC売上高は前年同期比30.9%増の237億円だった。

    売上高に占めるECの割合は9.7%(前期は7.0%)に上昇した。

    国内ユニクロ事業の既存店売上高は減収だったが、ECは高い増収率を維持している。

    話題性のあるコラボレーション商品や、検索回数が多い商品を中心にSNSで積極的にニュースを発信。ECサイトで注文した商品の店舗受取サービスも拡大した。

    EC関連の物流費は増加したものの、有明倉庫の自動化により1件当たりの物流費は低下しているという。

    国内ユニクロ事業は4.3%減収

    2018年9~11月期における国内ユニクロ事業の売上収益は、同4.3%減の2461億円。事業利益は同29.1%減の379億円だった。

    減収要因は、①暖冬の影響で防寒衣料の需要が弱かった②商品構成が防寒衣料に偏り過ぎていた③前年のハードルが高かった――ことなどをあげている。

    2019年8月期のEC売上は30%増収を計画

    前期(2018年8月期通期)の国内ユニクロ事業におけるEC売上高は630億円(増収率は29.4%)。2019年8月期のEC売上高の計画は、前期比約30%増に設定している。

    ユニクロのEC売上高推移
    ユニクロのEC売上高推移(通期ベース)
    渡部 和章
    渡部 和章

    イオングループのアパレルECサイトがオンライン試着機能を導入

    7 years 8ヶ月 ago

    イオングループで衣類の製造販売などを手がけるコックスは、アパレルECサイト「コックス公式オンラインストア」にオンライン試着ツール「Virtusize」を導入した。オンラインで商品を購入する際の、サイズへの不安の解消を図る。

    「Virtusize」は、過去に購入した衣服と、ECサイトで買いたい衣服を画面上で重ね合わせることで、商品のサイズ感を把握できるサービス。他社のECサイトで過去に購入した商品のサイズを登録し、買いたい商品とサイズを比較することもできる。

    「コックス公式オンラインストア」の商品詳細ページで「サイズをチェック」ボタンをクリックすると、オンライン試着室が立ち上がる。比較対象の衣服を選択すると、その衣服と商品のイラストが重なって表示され、サイズの違いを把握できる。

    EC売上高は12億円、EC化率6%

    コックスの2018年2月期におけるEC売上高は、前期比6.2%増の約12億円だった。EC化率は6.0%、自社サイト比率は15.1%。

    2019年2月期の下半期における重点施策として「EC事業の拡大・推進」を掲げた。オムニチャネル化を推進するため、ポイントサービス「コックスメンバーズクラブ」の店頭での登録促進や新規入会キャンペーンなどを実施しているほか、自社ECサイトではEC限定商品の販売強化や、先行受注の拡大などに取り組んでいる。

    イオングループで衣類の製造販売などを手がけるコックスはEC強化を進めている
    ECを強化しているコックスの2019年2月期のEC売上高目標は15億円(画像はコックスの2018年2月期決算補足資料をキャプチャ)
    渡部 和章
    渡部 和章

    無人配送が進む中国のEC市場、EC直販最大手のJD.comが「スマート配送ステーション」

    7 years 8ヶ月 ago

    中国の直販EC最大手で「JD.com」を運営する京東集団は1月9日、無人カートや自動物流機能を備えた配送拠点「スマート配送ステーション」を中国長沙市とフフホト市に開設したと発表した。

    無人配送ロボットが、拠点から半径5km以内の顧客に自動で荷物を運ぶ。最短の配送ルートを自動で計算し、走行中は障害物を避けるほか、信号を認識することもできるという。

    顔認証システムで顧客を識別し、正確に荷物を届けるとしている。荷物の最大積載個数は30個。

    「スマート配送ステーション」では人間による配送も行う。1拠点当たり最大で1日2000個の荷物を配送できるという。

    中国の直販EC最大手で「JD.com」を運営する京東集団は、無人カートや自動物流機能を備えた配送拠点「スマート配送ステーション」を中国長沙市とフフホト市に開設
    荷物を配送する無人カート

    JD.comは中国全土にわたって物流ネットワークを自前で構築。配送の無人化や自動化を進めており、一部の大学構内で無人カートを使った配送を行っているほか、ドローンを活用した配送の実証実験にも取り組んでいる。

    京東集団の張晨CTOは、「スマート配送ステーション」の開設について次のようにコメントしている。

    中国最大の小売企業である京東はRetail as a Service(サービスとしての小売)という思想を持っています。京東は世界中の買い物の未来を形作る新技術を研究開発し、商業的に展開することができます。京東のテクノロジーを他の企業や業界に提供することにより、自動倉庫からバーチャルショッピングまで、すでに中国で展開されているサービスを世界中の消費者に楽しんでいただけると考えています。

    「スマート配送ステーション」の動画
    渡部 和章
    渡部 和章

    この先のECビジネスで勝ち残るために求められるカスタマーエクスペリエンスとは | 海外のEC事情・戦略・マーケティング情報ウォッチ

    7 years 8ヶ月 ago

    技術の発展とともに、商品やサービスの提供方法がさらに変化し、伝統的なブランドはECを前提としたビジネスのトレンドに追いついていくのに必死です。

    買い物に「行く」という行為は今後、廃れていくでしょう。デジタルで実現能なことが増え、パーソナルな体験を消費者に提供できるようになったため、実店舗の商取引は、バーチャルショッピングに移行していくでしょう。技術の発展とともに、商品やサービスの提供方法がさらに変化し、伝統的なブランドはECを前提としたビジネスのトレンドに追いついていくのに必死です。

    この変化の推進力になっているのは、AI(人工知能)によるオートメンションです。

    Gartner社の調査によると、多くの企業がAIの活用の重要性を認識し始めています。調査対象になった企業の59%がAI戦略立案を模索中、41%はすでに自動化ソリューションを取り入れていました。

    ECの新時代と、常に進化するデジタル技術が、ブランドの消費者への関わり方に影響を与えています。実際どのような影響があるのか、またECがビジネスの主流になるなかで、ブランドはどのように可能性を広げていくことができるのかを説明しましょう。

    パーソナライズECで鍵となるソリューション

    ブランドはデジタル戦略をブラッシュアップしながら続行していますが、パーソナライゼーションが顧客満足度において決定打になることは明らかです。AIがサポートするカスタマーエクスペリエンスが急速に広がるなか、現在のECに革命を起こすようなソリューションがいくつもあります。

    チャットボット、自動エクスペリンスと会話型AI

    ビジネスのデジタル化によって、消費者の期待値も変わり、前例のない新しい買い物パターンやエクスペリエンスが登場しています。ブランドは台頭する音声技術を活用し、消費者とのエンゲージメント戦略を再定義しなければ、ビジネスが立ち行かなくなるでしょう。

    アビアンカ航空は、新しい技術を使いこなしている好事例です。同社はカスタマーサービスを簡素化し、さらにカスタマーエクスペリエンスを改革するAI技術「Carla」を導入することで競合他社との差別化を図っています。

    「Carla」のチャットボットは、チェックインやフライト状況、座席変更など、顧客の一般的なニーズを管理し、消費者ごとにパーソナルなカスタマーエクスペリエンスを提供しています。

    「Carla」は進化したカスタマーエクスペリエンスを提供するチャットボットの1つのサービスに過ぎません。Amazonが提供する「Lex」(編注:音声やテキストを使用して、任意のアプリケーションに対話型インターフェイスを構築するサービス)は、FacebookやSlackなどのデジタルプラットフォーム上でカスマターサービス用のチャットボットを構築できるサービスです。

    自然言語と質の高い音声認識を統合し、チャットボットソフトフェアとして開発された「Lex」を利用すれば、開発者は会話調のやり取りをデザインすることができ、パーソナルで直感的なカスタマーサービスの提供が可能になります。

    ソーシャルコマースとウェアラブル技術

    消費者のニーズに合わせようとブランドが苦戦するなか、消費者はパーソナルで、消費者中心で、利便性の高い中央集権的なプラットフォームを好んでいます。

    消費者ごとにカスタマイズされた「ゲノム」を自動化技術で手に入れることによって、移り気な消費者たちに信頼感を持ってもらうことができます。ブランドがこの問題に対応する1つの方法が、ウェアラブル技術の応用です。

    クルーズ会社のCarnival社は、ウェアラブル技術とデジタルエクスペリエンスのポータル、IoTネットワークを結び、1つの大きなポータルを作り、ゲストサービスを革新しました。そうすることで、利便性を損なうことなしに、何百万人もの顧客にパーソナルなカスタマーエクスペリエンスを提供しています。

    「オーシャンコンパス」と呼ばれる同社のポータルは、顧客のストリーミングデータ、マシーンラーニング、エンゲージメントを駆使して、1人ひとりにぴったりのオススメを提案します。これらのデータは、顧客全員に配布されるウェアラブル端末オーシャンメダリオンを通じて収集され、顧客の興味や嗜好に合わせて、シームレスで関連性の高いエクスペリエンスを提供しているのです。

    同様に、カンヌライオンズ授賞式でも、すべての参加者のユーザーエクスペリエンスを中央に集めるため、ウェアラブル技術が利用されています。アクセンチュアインタラクティブ社が設計したカンヌコネクトバンドは、ブルートゥースでつながるネットワークで、カンヌコネクトと呼ばれるアプリにペアリングされています。

    カンヌコネクトバンドを使えば、参加者は情報を発信したり、意見交換したりするためのオプションが手に入ります。「バンピング」と呼ばれる方法では、リストバンドを他の参加者とぶつけあうことで、個別IDとビジネス情報がコネクトアプリに保存されます。結果的に情報が中央に集まり、情報交換においてシンプルかつ利便性の高いソリューションを提供できているのです。

    新時代のカスタマーエンゲージメント

    これからのEC業界では、ブランドはさまざまな課題を乗り越え、消費者が自分だけのニーズに応えてくれたと思うような、満足度の高いカスタマーエクスペリエンスを提供しなければいけません。

    ECと技術ソリューションの新時代を勝ち残っていくために、ますます高まる消費者の期待値に応えていかなくてはならないのです。そのために以下を考えてみましょう。

    • ビジネスのデジタル化によってもたらされる真の影響は何か。また、カスタマーエクスペリエンスをビジネスの中心に持っていくために何をすべきか?
    • 企業内でまだ活かしきれていない機会を予測するために、顧客インサイトをどのように活用すればいいか?
    • カスタマーエンゲージメントの新しい波が押し寄せるなか、物理的な体験とデジタルの体験を統合することの意味は何か? 質の高いエクスペリエンスと利便性を実現するために、どのような努力が必要になるか?

    「Amazon Go」とカーニバル社は上記のような質問に取り組み、新たなECの在り方やカスタマーエクスペリエンスを生み出してきました。技術は常に進歩し、カスタマーエクスペリエンスを刷新していきます。ボタン1つ、または声で問いかけるだけで要求に応えてくれることを望む消費者にソリューションを提供するために、これらの企業の事例を参考にしてみましょう。

    貴社はECのパーソナライズ化という新たな標準ニーズに対応する準備はできていますか?

    Internet RETAILER
    Internet RETAILER

    薬機法(旧薬事法)に課徴金制度導入へ――化粧品や健康食品などの通販・EC事業者は要チェック | 通販新聞ダイジェスト

    7 years 8ヶ月 ago

    薬機法(旧薬事法)に課徴金制度が導入されることになりそうだ。医薬品等の虚偽誇大広告や未承認薬の販売などの違反行為を対象にしたもの。ただ、医薬品や医薬部外品、化粧品だけでなく、効能効果の表示から「未承認医薬品」として規制を受ければ健康食品も対象になる。11月22日、薬機法(旧薬事法)改正案を議論する厚生労働省の審議会で委員から反対意見はなく、導入に前向きな意見が相次いだ。政府は来年の通常国会に提出予定の回線案に盛り込む見通しだ。

    製薬業界では、臨床試験データの改ざんが行われたノバルティスファーマの「ディオバン事件」、武田薬品による降圧剤「ブロプレス」の誇大広告など、違法行為が相次いでいた。これを背景に、違反で得た経済的利得への対応が不十分との認識が強まっていた。

    課徴金の対象として想定するのは、「虚偽・誇大広告」(第66条)や「未承認医薬品の広告の禁止」(第68条)。これと合わせて行われる行為として、医薬品等の製造業の許可を得ずに製造・販売することに対する「未承認医薬品等の販売、授与等の禁止」(第14条1項、9項、第55条2項等)。医薬品や化粧品、医療機器が対象になる。ただ、健食も「ガンが治る」など効果効能をうたえば「未承認医薬品」として規制を受けることになる。

    薬機法(旧薬事法)に課徴金制度が導入へ
    厚生科学審議会が11月22日に公表した資料に記載された主な意見(厚生労働省が公開した資料をネッ担編集部がキャプチャして追加)

    課徴金納付命令を下す権限は、国(厚労省)のほか、都道府県にも付与する考え。違反広告による誤情報の影響を抑止する観点から、訂正広告を命じる措置命令を導入することも検討する。

    一方、ほかの行政処分が機能している場合など、課徴金納付命令を行わないことができるとする除外規定を設けることも検討する。

    課徴金額の算定は、製品売上高に一定の算定率を乗じる方式を採用する考え。算定率は、対象となる医薬品等の業種の利益率を勘案して定める。

    海外では、日本の薬機法に相当する法律に課徴金制度が導入されている国もある。米国の場合、個別ケースで算定額は異なるものの、違反で得た「経済的利得」の全額を徴収する場合もある。

    国内では独占禁止法、景品表示法をはじめ4法に導入されている。法律、業態によって算定率は異なるが、おおむね2~10%の範囲で算定率が定められている。

    現行法は、第66条、第68条に違反した場合、「2年以下の懲役もしくは200万円以下の罰金(または併科)」、第55条2項等に違反した場合は、「3年以下の懲役もしくは300万円以下の罰金(または併科)」が科される。ただ、誇大広告は減少しておらず、55条に違反した場合も法人を対象にした場合に科される罰金の最高額は1億円。不当に得た経済的利得を考えると制裁効果が得られていない。

    また、こうした違反行為は、薬機法に基づく業許可を得ない事業者により行われることも多い。業許可の取り消しや業務停止命令など行政処分による抑止が行いにくく、刑事罰の場合、起訴後に裁判で罰金を決めることから手続きに時間も要する。「罪刑均衡の原則」などほかの刑罰との関連から薬機法の罰金のみ高額にすることを検討していくことには限界もある。このため、厚労省では、行政措置である課徴金の導入が適当と考えている。

    薬機法(旧薬事法)に課徴金制度が導入へ
    「厚生科学審議会医薬品医療機器制度部会」が12月25日に公表した取りまとめの一部(厚生労働省が公開した資料をネッ担編集部がキャプチャして追加)
    通販新聞
    確認済み
    22 分 6 秒 ago
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