ネットショップ担当者フォーラム

[30~40代の消費意識]約2割がスマホにECアプリを入れている、「家族との交流」にお金を使う

8 years 1ヶ月 ago

SMBCコンシューマーファイナンスが3月6日に公表した「30代・40代の金銭感覚についての意識調査2018」によると、30~40代(n=1000人)の21.3%がスマートフォン(または、フィーチャーフォン)に「ネット通販アプリ」をインストールしていた。

男女別では男性が20.6%、女性は22.0%でほぼ同水準。年代別では30代が28.8%、40代は14.2%と差が開いた。

「お金・買い物関連」のアプリでインストールしているものを選択式・複数回答で質問したところ、「ポイントカード/会員証アプリ」が38.1%で最も多かった。

2位以下は「ネット銀行/銀行アプリ」(26.4%)、「ネット通販アプリ」(21.3%)、「フリマ/オークションアプリ」(19.7%)、「電子マネーアプリ」(18.9%)。

スマホ(または、フィーチャーフォン)にいれているお金・買い物関連のアプリ
スマホ(または、フィーチャーフォン)にいれているお金・買い物関連のアプリ(男女別)
スマホ(または、フィーチャーフォン)にいれているお金・買い物関連のアプリ
スマホ(または、フィーチャーフォン)にいれているお金・買い物関連のアプリ(年代別)

2018年度のお金の使い道は?

2018年4月からの1年間(新年度)に、積極的にお金を費やしたいことを聞いたところ、もっとも多かったのは「家族との交流」(26.4%)。

2位以下は「趣味を深める」(23.2%)、「友人との交流」(21.2%)、「子どもとの交流や子どもの教育」(20.9%)。

物品購入に関連する「暮らしの質の向上(食費や家具や家電など)」は20.7%で5位。男性は17.8%、女性は23.6%。

新年度(4月からの1年間)、積極的にお金を費やしたいこと
新年度(4月からの1年間)、積極的にお金を費やしたいこと(男女別)
.新年度(4月からの1年間)、積極的にお金を費やしたいこと
.新年度(4月からの1年間)、積極的にお金を費やしたいこと(家族形成状況別)

インスタ映え目的の消費「経験ある」約6割

SNSに写真や動画をアップする目的でお金を使った経験があるか聞いたところ、「使ったことがある」と回答した割合は58.4%。男性は57.8%、女性は59.0%。年代別では30代が60.4%、40代は56.5%。

SNSにアップする写真や動画を撮影するために、お金を使ったことがあるか
SNSにアップする写真や動画を撮影するために、お金を使ったことがあるか

SNSに投稿する目的でお金を使った際の使い道は、「旅行・観光(絶景スポットなど)」が55.0%で圧倒的に多い。

2位以下は「料理(自作弁当や調理家電など)」が13.9%、「レジャー(ナイトプール・アウトドアなど)」が13.4%、「フード・スイーツ(チーズダッカルビ・ロールアイスなど)」が12.5%、「カフェ(ラテアートなど)」が12.2%と続いた(選択式・複数回答)。

SNSにアップする写真や動画を撮影するためにお金を使ったこと
SNSにアップする写真や動画を撮影するためにお金を使ったこと

調査概要

  • 調査対象:ネットエイジアリサーチのインターネットモニター会員を母集団とする30歳~49歳の男女
  • 調査期間:2018年1月10日~15日
  • 調査方法:インターネット調査
  • 調査地域:全国
  • 有効回答数:1000サンプル(有効回答から男女×30代前半・後半、40代前半・後半が均等になるように抽出)

渡部 和章

ライトプロ株式会社 代表取締役

渡部 和章(わたなべ・かずあき)

新聞社で約7年半、記者を務めた後、2015年に編集プロダクションのライトプロを設立して代表に就任。編集者兼ライターとしても活動中。

趣味は料理と漫画を読むこと。東京都在住。1983年生まれ。

渡部 和章

【新卒採用2018】学生は「福利厚生」「働き方」を重視? 通販・EC各社の採用状況は? | 通販新聞ダイジェスト

8 years 1ヶ月 ago

通販新聞が2月末に実施した「主要通販各社の新卒採用状況」によると、2018年春に入社予定の新卒社員の採用活動について、ほぼすべての企業が「売り手」市場であると回答しており、昨年に引き続き“学生側が企業を選別する”状況にあることが分かった。

また、採用人数に関しては前年と比べて「増加」した企業が「減少」をやや上回っており、景気回復が続く中で各企業の採用枠の拡大が進んでいることも伺えた。主要通販各社の新卒採用に関する詳しい状況を見てみる。

圧倒的な「売り手」市場、2017年に続き“学生優位”は変わらず

本紙が主要な通販実施企業約30社を対象に調査を実施し、有効回答を得られた各社の今春の新卒採用状況は別表の通りとなった。前年との採用人数の比較について回答があった企業を集計したところ、「増加」が9社、「減少」が7社となった。また、「前年と同数」とした企業は2社だった。

通販新聞が2月末に実施した「主要通販各社の新卒採用状況」
主要通販・EC各社の「新卒採用状況」

採用人数の前年比での増減幅を見てみると、5人以上増えているところが目立っており、中でもベルーナは10人増加。「事業の成長」をその理由に挙げている。ファンケルでは、大卒以上44人と高卒3人の合計で47人となり前年よりも7人増加。近年は新卒採用人数の絞り込みにより若手社員が減少していたため16年、17年と第二新卒採用を実施して補充していたが、18年は第二新卒採用を凍結して新卒採用数を増加させることにしている。

減少した企業については採用枠そのものに変わりはなく「単純な誤差の範囲」とする回答がある一方で、「学生の質の低下」や「当社の採用基準にマッチした学生が少なかったこと」といった意見も見られ、新卒学生の能力そのものに苦言を呈するようなケースもあった

また、売り手市場に代表される問題でもある「内定辞退」への対応策として、ディノス・セシールでは前年に比べて選考時の志望度の醸成や見極めを強化しており、内定辞退率が改善したという。

19年度の新卒採用については、事業拡大を理由に多くの企業が18年度実績を上回る採用数を予定。ジャパネットホールディングスは100人、ドゥクラッセでは50人を計画。ベルーナでも事業の成長に合わせて前年比20人増を予定している。そのほか、社員の構成年齢に偏りがあるため、今後は若手採用を強化することで調整を図っていく企業もあった。

採用費が前年比50%増の企業も

エントリー数は1000件以上と回答する企業が中心で、中でもジュピターショップチャンネルが約1万100件、ベルーナが約1万件となり、次いでオルビスが約7000件、ファンケルが約5000件となった。前年との件数比較では「増加」と「減少」の割合がほぼ同じとなった。

採用告知に当たって活用した手段(複数回答)としては、自社サイトと大手就活サイトの「マイナビ」が同数で最も多く、次いで、合同説明会、「リクナビ」という順になった。そのほかにも、自社で単独に開催した説明会・イベントを通じての告知、インターンシップ(専用サイト経由を含む)を通じたものなどが見られた。

主要通販・EC各社が新卒採用に使った主な方法

採用コストの総額として、回答企業の中で最も高額だったのが約1200万円。「前年と同額」か「前年よりも増額」という企業が多く、「減額」は少数だった。中には50%以上増額している企業も見られた。

選考過程での特徴的な取り組みでは、オルビスが丸一日に渡って実施するグループワーク選考があるほか、ファンケルが総合職の三次選考において役員と1対1の個人面接を3回(3人の役員と実施)行う。ドゥクラッセではアントレプレナー(起業家)枠の最終選考において、個別面接として直接代表への「夢のプレゼン」を行っている。ルクサでは選考ごとに人事担当者からフィードバックを行い、ステップが進むごとに志望理由や入社後のキャリアを明確にするなど、志望度が上がるような内容になっている。

採用活動期間は3~6月に集中

採用活動の時期に関しては、前回の17年春入社向けの新卒採用活動と同様に、経団連の加盟企業を中心に従来よりも2カ月早い6月からの開始となっている。募集の告知開始時期は以前からの3月で変わりはない。

今回も回答企業のほとんどが3月に募集告知を開始し、内定(内々定)を6月頃に出すというスケジュールで展開。中には内定時期を8月や9月に設定している企業や、募集告知を前年の秋から長期に渡って実施している企業もあった。

企業が見た学生の傾向 「福利厚生」「働き方」を重視

「買い手」市場の認識は皆無

今年春入社の新卒採用市場について企業が感じた印象を聞いた。本項目の質問に回答した19社の内、実に18社が「売り手(学生側が優位)」と回答。「買い手(企業側が優位)」と回答した企業は1社もなく、7割以上が「売り手」と回答した前回調査時(17年2月)よりもさらに学生にとって優位な状況に進んでいることが伺えた。

「売り手」とした主な回答理由では「昨年同様、学生の持つ内々定の量・質ともに上がっているから」(千趣会)、「複数内定保有の学生が多く、辞退もあったため」(オルビス)、「前年同様、内定後に複数内定保持者の相談や辞退連絡を受けることが多かった。選考中、強い志望動機を持った学生が少なく、こちらが企業アピールすることがあった」(ファンケル)、「従来通りHPでの採用活動をメインに行い、従来と変わらないエントリー数であったものの、会社説明会への参加および選考に進む学生の数に多少差があった」(ユーグレナ)、「体感にはなるが、昨年よりも内定を持っていながら当社の選考に参加している学生が多かったように思う」(ロコンド)といった意見があった。

なお、「売り手」以外の回答としては、「自社のみの感触では売り手・買い手の影響は軽微だったと分析している」(フェリシモ)という声があった。

主要通販・EC各社が新卒採用者に求める資質

労働環境を見る学生が増加傾向

圧倒的な「売り手」と評された今回の採用市場の中で、学生側が企業を選ぶ上でどのような項目を重視していたのか。

企業側が学生から感じ取った傾向としては、「ワークライフバランスへの意識が高い印象を持った」(アスクル)、「福利厚生の質問が増えた。やりがいよりも安定を重視している傾向にあると感じる」(ベルーナ)、「働きやすさや制度、福利厚生などの内容を例年以上に重視している学生が多く感じた」(ディノス・セシール)、「ワークライフバランスがとれているなどの『働きやすさ』を求めている傾向を感じた」(オークローンマーケティング)、「理念に共感、勤務地(転勤がない)、福利厚生、女性活躍企業、チャレンジできる、人がいいなど。前年までと比較して当社に入社を決めた理由に『転勤がない』ことをポイントにしている人が多かった」(ファンケル)、「安定志向。制度や働き方の質問を多く受けた」(ドゥクラッセ)、「成長できる環境であること。ある程度の安定性」(ルクサ)、「自分自身のキャリア形成、企業の成長性、仕事のやりがいを重視する一方、待遇面(福利厚生、給与)を気にする学生が増加している傾向があると感じた」(アンファー)との声が聞かれた。

業務内容への興味や仕事そのものへのやりがいなどよりも、ワークライフバランスや福利厚生の充実といった、自身が働きやすい労働環境がきちんと整備されているかを重要視している学生が例年と比べて増えている傾向にあったようだ。

社風や若手の活躍などアピール

こうした状況下において、求める学生を獲得することができた自社のアピールポイントについてもアンケートを実施した。

最も多かったのが、「自由でオープンな社風・多様性のある職種と環境」(QVCジャパン)、「自社サービスを持つEC事業を行っていること。大手企業の連結子会社である安定した環境であること。成長を後押しできる社風・環境であること」(ルクサ)、「スポーツビジネス、働き方、発信しやすい社風」(ゴルフダイジェスト・オンライン)といったように企業理念やビジネスモデル、社風などに対しての共感。

また、「若手のうちから、裁量の大きな責任のある仕事を任される点。経営層と近い距離で仕事が進められる点」(オルビス)、「若いうちから活躍できる(若手管理職実績あり)。少数精鋭」(アンファー)のように若手社員が活躍できる環境であることをアピールできたことが獲得につながったと見ているケースもあった。

そのほかには、「新規事業や新たな商品とサービスの創出に携われる。栽培から生産、販売まで幅広い職種を経験できる」(キューサイ)といったように入社後の業務内容の魅力で訴求していったケースや、「ビッグデータやテクノロジーを活用した新たな取り組み」(アスクル)のように、今後の成長性を予感させるような先進的な戦略が支持された事例もある。

通販新聞

JR東日本が新ECサイト「JRE MALL」、エキナカ受取やポイント連携

8 years 1ヶ月 ago

東日本旅客鉄道(JR東日本)は3月26日、新たなECサイト「JRE MALL(ジェイアールイー・モール)」を開設する。

鉄道関連グッズなどJR東日本グループならではの商品、各地の地産品などを販売。駅構内にある商業施設「エキュート」や「グランスタ」といった「エキナカ」の商品を対象に、店頭受け取りサービスも提供する。

駅ビルやエキナカで使える共通ポイント「JRE POINT」を貯めたり利用したりすることが可能。ポイント共通化によりECと実店舗の連携を強化する。

東日本旅客鉄道(JR東日本)が開設する新たなECサイト「JRE MALL(ジェイアールイー・モール)」

「JRE MALL」は3/36に開設(画像は編集部がキャプチャ)

取扱商品は約4500品目。ジェイアール東日本商事、JR東日本リテールネット、紀ノ國屋、升喜などが出店する。

通販では鉄道関連グッズ、「Suica」のペンギングッズ、地産品、雑貨などを販売。店頭受取サービスの対象は「エキュート」や「グランスタ」などで販売している弁当、土産物、洋菓子、和菓子など。店頭受取の対象商品は宅配も行う。

「JRE MALL」で買い物をすると、100円(税抜)ごとに「JRE POINT」1ポイントが貯まる。1ポイント(=1円)単位で支払いに使うことも可能。

JR東日本グループが現在運営しているECサイト「えきねっとショッピング」は2018年3月30日に終了する。「えきねっとショッピング」の商品は、一部を除き「JRE MALL」で販売を継続するとしている。 

新たなECモールの開設は2017年11月に公表した「生活サービス事業成長ビジョン(NEXT10)」に基づくもの。今後10年を見据え、エキナカやECなどを含む事業の変革を進めている。

JR東日本が策定した「生活サービス事業成長ビジョン(NEXT10)」JR東日本の「生活サービス事業成長ビジョン」

渡部 和章

ライトプロ株式会社 代表取締役

渡部 和章(わたなべ・かずあき)

新聞社で約7年半、記者を務めた後、2015年に編集プロダクションのライトプロを設立して代表に就任。編集者兼ライターとしても活動中。

趣味は料理と漫画を読むこと。東京都在住。1983年生まれ。

渡部 和章

デジタルに精通した新世代「ミレニアル世代」の消費行動とは?

8 years 1ヶ月 ago

リサーチ・アンド・ディベロプメントはこのほど、日本、米国、ドイツ、中国の都市部の生活者の消費行動を調べた「ミレニアル世代の消費意識に関する国際調査」の一部を公表した。

日本では若い世代ほど、SNSで話題になっている商品を購入すると答えた割合が高く、情報入手の経路として一般人のインターネット上の口コミを重視している。

リサーチ・アンド・ディベロプメントは、ミレニアル世代がコミュニケーションで大切にしていることは、自分自身が「共感」できるかどうかではないかと指摘。SNSで意図的な情報拡散を狙ったマーケティングが通用しにくくなる中、ミレニアル世代をターゲットにしたマーケティングでは、共感を得るために生活者と同じ目線を持つことが重要だと指摘している。

SNSで話題になったモノを買う?

「SNSで話題になったもモノをよく買うか」という設問で、「あてはまる」「どちらかといえばあてはまる」と回答した合計割合は、日本人の男性の18~24歳は33%、25~39歳は23%、40~64歳は7%だった。

女性は18~24歳が30%、25~39歳は21%、40~64歳は9%。

米国、ドイツ、中国の調査結果と比べると、日本人はすべての年代・性別において、SNSで話題になったモノを買うと答えた割合が低い。

SNSと買い物意識 ~SNSで話題になったモノをよく買う
SNSで話題になっている商品を購入する割合

若い世代ほど一般人のインターネット上の口コミを重視

「新しい・面白い情報の入手経路」について質問し、入手経路ごとに「よくある」「たまにある」の合計割合を算出した。

その結果、18~24歳は「不特定多数のネット上のクチコミ・レビュー情報(含SNS)」が75%で最多。2位以下は「テレビから」(73%)、「家族や友人、知人から」(70%)、「企業がネット上で発信している情報」(66%)となっている。

25~39歳は「テレビから」が68%で最も多い。次いで「家族や友人、知人から」と「店頭で実物や店員さん等から」がそれぞれ65%。「企業がネット上で発信している情報」と「不特定多数のネット上のクチコミ・レビュー情報(含SNS)」がそれぞれ60%だった。

40~64歳は「テレビから」「家族や友人、知人から」「店頭で実物や店員さん等から」が70%を超えた。一方、一般人による口コミの割合は低い。

若い世代は、情報入手の経路として「一般人のインターネット上の口コミ」を重視する傾向が強い。

「一般人だが、そのジャンルん有名人が発信するネット情報(含SNS)」「一般人だが、そのジャンルで自分が共感できる人が発信するネット情報(含SNS)」「一般人で、より自分のプロフィールに近い人が発信するネット情報(含SNS)」を情報入手の経路として選んだ割合は、18~24歳は52~61%。25~39歳は37~47%、40~64歳は17~25%だった。

新しい・面白い情報の入手経路
情報の入手経路について

調査概要

  • 調査地域:日本、中国、アメリカ、ドイツ
  • 調査対象:18~64歳の男女、かつ都市部の生活者
  • サンプル数:2124サンプル
  • 調査手法:インターネット調査
  • 調査実施時期:2017年11月29日~2017年12月18日

渡部 和章

ライトプロ株式会社 代表取締役

渡部 和章(わたなべ・かずあき)

新聞社で約7年半、記者を務めた後、2015年に編集プロダクションのライトプロを設立して代表に就任。編集者兼ライターとしても活動中。

趣味は料理と漫画を読むこと。東京都在住。1983年生まれ。

渡部 和章

「人が集まる広告」と「見向きもされない広告」の違い。ECの求人広告を考察して分かったこと | 竹内謙礼の一筆啓上

8 years 1ヶ月 ago

EC企業が売り上げを伸ばすには、人材の確保が急務。採用戦略が整っていない企業の成長は難しいと言える。こうした背景を踏まえ、求人サイトに出稿されているEC企業の求人広告を見てみた。その上で、実践的な採用戦略について考察してみた。

中小ECは人手不足で四苦八苦

どの業種・業態も人手不足と言われるが、EC業界の労働力不足は特に深刻だ。そもそも、「ネット」と「小売り」両方の知識が求められるため、人材そのものが世の中に乏しい。クリエイティブな作業も多いため、1日の労働時間が長い。

一方で、結局は小売りのため“薄利多売”。「営業利益率2ケタ台は当たり前」というIT企業とは異なり、利益率が1ケタ台後半だったら“優良企業”(以下の表を参照。主にEC事業のみを展開している企業を参考にしてみた。北の達人は粗利率の高い美容・健康商材のため高い営業利益率をキープ。仕入れ商材を扱っている他の企業は5%以下の営業利益率)。そのため、いくら優秀な人材でも高給取りにはなりにくい。だから人材の流出も激しい。

表 EC企業の利益率の例(IR資料をもとに編集部で作成)
 営業利益
(百万円)
売上高
(百万円)
営業利益率
北の達人コーポレーション(平成29年2月期)5422,69620.1%
サンワカンパニー(平成29年9月期)1908,7372.2%
白鳩(平成29年8月期)2025,0834.0%
ストリーム(平成29年1月期)18722,0250.8%
デファクトスタンダード(平成29年9月期)43910,5144.2%

加えて、最近では大手EC企業が良い条件で働き手を確保しているため、中小のEC企業は慢性的な人手不足で四苦八苦している状態が続く。では、どうすれば良い人材を採ることができるのか?

EC企業の求人広告、ここがダメ!

①同業他社より労働条件が悪い

求人サイトを閲覧してまず目についたのが「他社の求人広告をチェックしていないんだろうな」と思える広告が多い点である。他のネットショップの求人広告と比べて極端に低い年収を提示していたり、厳しい労働条件を出していたり、明らかに他社と比較された際に負けてしまう条件で求人広告を出稿している企業が多い。

他社と比較せずに求人広告を出稿してしまうと、求職者が求人情報を閲覧した際、簡単に転職候補から外されてしまう

年収を低く抑えるのであれば未経験者を条件にしたり、労働条件で劣るのであれば勤務地や福利厚生で差を付けつけたりして、常に「他の企業と条件を比べられている」という意識で、求職者の立場に立った求人広告を制作していかなければいけない。

②応募条件を欲張り過ぎる

 また、ネットショップにはベンチャー企業が多いせいか、欲張りな条件を提示する企業が多いところも気になった。

一眼レフで写真撮影ができてPhotoshopが使えて、英語が堪能な方

リスティング広告と動画制作の両方の経験がある方歓迎!

など、「そんな条件、誰も満たさないよ……」という求人広告も少なくない。

あれもこれもやってもらいたい気持ちはわかるが、このような場合は条件を「Webデザイナー」だけにして募集をかけ、本人の人柄や興味、能力を見ながら広告運用やマーケティングもやらせていく方向で調整した方が良いだろう。レクチャーするスタッフがしっかりしていれば、SEOやリスティング広告のスキルは1年~3年ぐらいで身に付くはずだ。

不満や悩みを持っている人を振り向かせる言葉 

給与や条件が多少悪くても「この会社で働いてみたい」と思わせた求人広告は、苦痛や悩みからの解放を押し出したキャッチコピーの求人広告だ。

毎月ノルマに追われていたら、良いサイトなんて作れませんよね?

出産後も女性が長く勤められる制度が整っています。

というように、現在の職場の不満に共感し、そこから解放される条件を提示すると、転職後のイメージがつきやすくなり、気持ちが前向きになりやすくなる。

そもそも転職を考えている人は現状に不満があり、不満を解放してくれる職場に行きたいという思いがある。自社の自慢話ばかりをするのではなく、仕事に悩んでいる人に振り向いてもらえるような求人広告にしていかなければ、魅力的な企業として認知してもらうことは難しい。

 些細な労働条件でも魅力的に見える言葉もある。例えば「始業時間が遅い」「新規事業立ち上げ」「服装自由」「中途採用が多いので馴染みやすい」などは、ネットショップ従事者にとって魅力的な条件と言えるだろう。

一方、「家族と一緒の社内イベントあり」「サークルや部活動あり」など、アットホーム感をアピールする企業も多かったが、仕事とプライベートを切り離したいという最近の世相を考えると、果たしてこれが魅力的に映るかどうか、少々疑問である。

ネットショップユーザーか店長経験者か

 求めている人材の条件として「ネットショップのヘビーユーザーの方」というキャッチコピーを提示した企業は秀逸だと思った。ネットショッピングが好きな人の方が、多種多様なページを閲覧しているし、ユーザーサイドで物事を考えられるので、良い人材に育つ可能性は高いと言える。

反対に「楽天市場、Yahoo!ショッピングの店長経験者」を条件として提示している求人広告も多かったが、商材が違えば過去の経験が逆に足かせになることも少なくない。モールでの運営やページ制作、広告運用は決して難しいことではないので、数年かけて人材を育てるつもりで未経験者を採用したほうが、売上に貢献するスタッフが育成されやすいだろう。

求人広告は自社PRの場ではない

求人広告に出す写真にも気を使いたいところである。特にネットショップ運営の場合、社長自身が自由な服装や髪形の人が多いせいか、パッと見て「怪しい会社なんじゃないか?」と疑いたくなるような写真も目にする。社長が色黒・長髪で派手なスーツ、スタッフも派手な服装のギャル系の女性ばかりだったりしたら、躊躇する人もいるだろう。

「いやいや、うちの会社はそういうカラーだからいいんだよ」と思う人もいるかもしれないが、先述したように、今、EC業界は空前の人材不足なのである。優秀なスタッフを1人でも多く採用したいのであれば、「この会社はちょっと嫌だな」と思われるようなリスクは極力排除するべきだろう。

経営者自身は求人広告を「自社をアピールする場」だと思っているかもしれないが、実際には「他社よりも働いてみたいと思わせる場」なのである。経営者の思いを伝えるのではなく、働き手にとって素晴らしい職場であることを伝えなくてはいけないのだ。その点を誤解していると自己満足に溢れかえった求職者にとって魅力のない求人広告になってしまう。

今後、今以上に人手不足が加速するEC業界において、優秀な人材を確保するためには、「この会社で働きたい」と思わせる採用マーケティングを積極的に展開していかなくてはいけないのである。

間口を大きく開けて、多くの人材と出会おう

EC業界は他の業種に比べて労働条件が厳しいところがあるのは事実だ。そこで、「相性」を意識した採用を心掛けると良いだろう。応募者の能力よりも、応募者に「この会社は居心地が良さそうだ」「この社長の人柄は好きだな」と思ってもらえるかどうか。応募者と自社のマッチングに重点を置いた採用戦略を展開した方が良い。

「即戦力」を求めたい気持ちはわかるが、自分たちで育成するつもりで求人していかなければ、今後、中小企業が適正給与で人材を確保していくことは難しい。

条件を厳しくして面談する相手を絞り込むのではなく、応募条件を緩やかにしてできるだけ多くの人材と面談を行い、自社と相性の良い人材と接触するチャンスを増やしていくほうが、良い人材と巡り合える可能性は高いだろう。

竹内 謙礼

有限会社いろは 代表取締役

竹内 謙礼(たけうち・けんれい)

1970年生まれ。大学卒業後、出版社に勤めた後に観光牧場に転職。企画広報担当を経て2004年に経営コンサルタントとして独立。楽天市場、ビッダーズ等で多くのネットビジネスの受賞履歴あり。また、千葉文学賞等の小説、エッセイでも数々の受賞暦を持つ。

大企業、中小企業のコンサルティングはもちろん、サイドビジネスや起業に対しての販促、営業、人材教育のアドバイスを行い、特に実店舗のキャッチコピー制作とネットビジネスへのコンサルティングには定評がある。また、低価格の会員制コンサルティング「タケウチ商売繁盛研究会」の主宰として、180社近いコンサルティング指導を日々行っている。

販促、企画、会計、投資の書籍執筆の他、新聞や雑誌等でも連載を持っており、ラジオのパーソナリティとしても活躍。商工会議所や企業での講演、企業での人材教育等、経営コンサルタントとして精力的に活動している。NPO法人ドロップシッピング・コモンズ理事長。著書多数(詳しくはこちら

竹内 謙礼

【採用者には10万円進呈!】Web担当者Forumとネットショップ担当者フォーラムの公式キャラクターを作ってみませんか?

8 years 1ヶ月 ago

Web担とネッ担の公式キャラクターを募集します。あなたの作ったキャラクターに、Web担・ネッ担の顔になっていただきたいのです! 採用者には、賞金10万円を贈呈します。みなさまからのご応募を心よりお待ちしています。

こんなキャラクターを探しています

  • Web担、ネッ担でそれぞれ1人ずつ。2人セットのキャラクターを作ってください
  • 2人はきょうだいです(Web担の方が年上です)
  • 人でも動物でもロボットでも宇宙人でも構いません。性別も問いません
  • 毎年、札幌、東京、名古屋、大阪、福岡を2人で旅行します。観光やご当地グルメを楽しみます(なぜかと言いますと、毎年各地でイベントを同時開催しているからです)
  • 単独行動もします
  • Web担・ネッ担それぞれのサイト上、各イベントのLP、バナー、チラシやパンフレットなどの印刷物……などなど、四方八方で活躍していただきます

①プロのイラストレーターの方からのご応募はもちろん大歓迎です。キャラクターに活躍していただきたい場所はたくさんあります。末永いお付き合いをお願いしたいと思っております。

②会社にお勤めの方からのご応募も大歓迎です。このページをご覧になっている方の中には「イラストは描けるけど、これはうちの仕事じゃないから会社じゃできないよな〜」なんて方もいらっしゃるかもしれません。また、「うちの会社のイラストレーターはなかなか仕事ができるけど、業務に関係ないからな〜」とお思いの方もいらっしゃるかもしれません。

ちょっと待ってください! WebやECにちょっとでも関係がある企業でしたら、御社にもメリットになることがきっと何かあるはずです(それが何かは後日ご相談しましょう!)。ぜひ、御社の業務の一環としてお考えください!

③絵が描けない人からのご応募も大歓迎!です。簡単なラフと、キャラクターの設定をお送りください。簡単なラフというのは、紙にペンで描いたものをスマホで撮影してアップロードしていただければ大丈夫です。編集部が「これはステキ」と心奪われるキャラクターだったら、プロのイラストレーターに仕上げてもらいます。10万円はあなたのものです!

ところで、「Web担」と「ネッ担」ってどんなメディア?

Web担当者Forum(Web担・うえぶたん)は、簡単に言うと「企業Webサイト」と「マーケティング」関連のお仕事をしている人のためのメディアです。
Web担当者や制作者、マーケターにとって「ここに行けば情報がある」「ここに行けば問題を解決できる」場所であることをモットーに、2006年に創刊しました。
セミナーイベント「Web担当者Forumミーティング」「デジタルマーケターズサミット」の開催のほか、「Webライティング基礎講座」などの有料講座、読者同士の交流会「Web担のオフ会」などのイベントを開催しています。

ネットショップ担当者フォーラム(ネッ担・ねったん)は、簡単に言うとEC関連のお仕事をしている人のためのメディアです。
「CVRを上げたい」「集客を伸ばしたい」といったEC事業者の疑問や課題に応え、ECに関わるすべての人たちの一助になることを目指して、2014年に創刊しました。
セミナーイベント「ネットショップ担当者フォーラム」の開催のほか、『EC物流最前線 送料値上げ時代を勝ち抜くためのヒント20選』などのムック本も制作しています。ECに関する旬の特集記事や、ECの業務を支援する268サービスの一覧などを掲載しています。

募集概要

  • 応募方法: 1作品ごとに下記のフォームからお申し込みください(1人で何点でも応募できます)
  • 応募フォーマット: PNG(.png)、高解像度JPG(.jpg)、イラストレーター形式(.ai)、フォトショップ形式(.psd)、PDFなど。最大ファイルサイズは20MBです
  • 賞金:10万円
  • 応募締め切り:2018年4月20日(金)23:59:00
  • 発表:2018年5月中旬に、Web担当者Forum、ネットショップ担当者フォーラムサイト上で発表
  • 主催株式会社インプレス Web担当者Forum編集部・ネットショップ担当者フォーラム編集部
  • 問合せ先:ご応募に関するお問い合わせは netshoptan@impress.co.jp までお願いします(審査結果についての回答はできません)
注意事項
  • 応募作品は第三者の権利を侵害していないものに限ります。
  • 応募作品は未公表のものに限ります。
  • 注意事項に違反する作品は、応募者本人への連絡なく選考対象外とします。
  • 応募作品の個別の作品評価には応じられませんのでご了承ください。
権利について
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動画は商品購入につながる? YouTuberの紹介商品を購入した若年層は約4割

8 years 1ヶ月 ago

動画マーケティング支援などを手がけるエビリーが実施した「10-30代世代別YouTube動画視聴と商品購入の関連調査」によると、10〜30代の約4割がYouTuber(ユーチューバー)が紹介した商品を購入したことがあると回答した。

「YouTuberが紹介していた商品を購入する事はありますか?」という質問に対し、「よくする」は11.3% 、「たまにする」は27.5%だった。合計38.8%が購入経験を持つ。

年齢層別の購入経験者の割合は10代が43.7%、20代が38.4%、30代は27.9%。

エビリーが実施した「10-30代世代別YouTube動画視聴と商品購入の関連調査」

商品購入の検討でYouTuberの動画を参考にするユーザーの割合

「商品の購入を検討する際にYouTuberの動画を参考にする事がありますか」という設問では、参考にすると回答した割合が51.1%だった(「よくする」「たまにする」の合計)。10代に限ると参考にすると回答した割合は60.0%に達している。

エビリーが実施した「10-30代世代別YouTube動画視聴と商品購入の関連調査」

YouTuberが紹介していた商品を購入した経験について

YouTuberが紹介していた商品について、購入して友達に勧めたことがあるか聞いたところ、10代と20代は30%前後が「ある」と回答。30代は17.6%と他の年齢層より低い。全体では27.6%が「ある」と答えた。

エビリーが実施した「10-30代世代別YouTube動画視聴と商品購入の関連調査」

YouTuberが紹介した商品を購入し、友人に勧めた経験について

「何を見ているときに気になる商品を見つけることが多いか」について、選択式・複数回答で質問した結果、10代はTwitterとYouTubeが50%以上と高く、20代はtwitter、YouTube、Google検索の割合が比較的高い。30代はGoogle検索が約50%で最も高かった。

エビリーが実施した「10-30代世代別YouTube動画視聴と商品購入の関連調査」

気になる商品を見つけることが多いサービスについて

調査はエビリーと、サイバーエージェント子会社のCA Young Labが共同で実施し、3月7日に結果を公表した。

調査概要

  • 調査主体:株式会社CA Young Lab
  • 調査期間:2018 年1月17〜19日
  • 調査方法:インターネット上でのアンケート調査
  • 調査対象:10~39歳までの男女計1028人(10代440人、20代412人、30代176人)

渡部 和章

ライトプロ株式会社 代表取締役

渡部 和章(わたなべ・かずあき)

新聞社で約7年半、記者を務めた後、2015年に編集プロダクションのライトプロを設立して代表に就任。編集者兼ライターとしても活動中。

趣味は料理と漫画を読むこと。東京都在住。1983年生まれ。

渡部 和章

「20年代初頭、楽天やAmazonを超える」。Yahoo!ショッピングのミッション【今週のアクセスランキング】 | 週間人気記事ランキング

8 years 1ヶ月 ago

4月1日付で常務執行役員コマースカンパニー長に就任する小澤隆生氏。3月2日に開催されたヤフーの戦略共有会で、「Yahoo!ショッピングはまだまだ伸びる」と語りました。購入者数は「eコマース革命」前の2倍超に拡大。ソフトバンクとの提携も功を奏し、ソフトバンク会員による取扱高は1年間で4倍超に広がったそうです。

  1. ヤフー小澤氏が語る「Yahoo!ショッピング2018年の戦略」と「2017年の振り返り」

    「2020年代初頭、楽天やAmazonを超える国内NO.1のECサービスになる」というヤフー。「Yahoo!ショッピング」について小澤隆生氏が語る

    2018/3/5
  2. 倒産寸前からV字回復を果たした小さなEC会社が語る「大手にも負けないお店の作り方」

    防音商品を販売する福岡の小さなネットショップ「ピアリビング」が倒産寸前からV字回復した成長ストーリー

    2018/3/7
  3. 「ZOZOTOWN」のスタートトゥデイ、LINEショッピングに出店

    ポイント還元率1.0%(3月1日時点)、「ZOZO USED」「ZOZO買取サービス」「おまかせ定期便」は対象外

    2018/3/2
  4. [2018年]押さえておくべきECマーケティング8つのトレンド

    2018年に押さえるべきECトレンドは、「動画」「音声ショッピング」「ソーシャルコマース」「データ連係」「オフラインからオンライン」「商品情報最適化」「データ管理」「パートナー連携」

    2018/3/8
  5. バーコード読取なしでレジ通過&決済、小売向けの商品画像認識技術をNECが開発

    3月からNEC社内の小売店舗で、決済業務の無人化の実証実験を行う予定。

    2018/3/6
  6. 「ネットを見てからお店に行く」が増加中。ナノ・ユニバースが見つけたオムニチャネルの「2周目」【ネッ担まとめ】

    ネットショップ担当者が読んでおくべき2018年2月26日〜3月4日のニュース

    2018/3/6
  7. 広告に頼らず売上・利益を伸ばす方法って!? リピート客を増やすメール接客の極意

    ラクスの西山和人氏は、接客のポイントとして「スピーディーに対応する」「丁寧に対応する」「品質を一定化する」が重要と話す

    2018/3/5
  8. 資生堂のEC売上高は約800億円、2020年に全売上の15%をめざす

    EC売上高比率は中国で40%、「watashi+」を展開する日本では10%弱を見込む。

    2018/3/7
  9. ソーシャルログインとは? ECサイトにもたらす超基本のメリット3つをおさらい

    ソーシャルログインにはどんなメリットがあるのか、基本の3つを紹介

    2018/3/7
  10. 「よなよなエール」のヤッホーブルーイングがファン作りを加速、マルケトのMAツールを導入

    定期購入サービスやファンイベントを強化する

    2018/3/2

    ※期間内のPV数によるランキングです。一部のまとめ記事や殿堂入り記事はランキング集計から除外されています。

    uchiya-m

    対ZOZOTOWNのファッションEC同盟を――ロコンドが「圧倒的な2位グループ」作りに着手

    8 years 1ヶ月 ago

    靴やアパレルなどのネット通販を手がけるロコンドはファッションEC業界1位「ZOZOTOWN」(運営はスタートトゥデイ)を追随する“ファッションEC同盟”作りに乗り出す

    業務提携、資本提携、M&Aなどさまざまな選択肢を視野に入れ、「圧倒的な2位グループ」(田中社長)を構築。まずは取扱高300億円グループを作り、ファッションEC業界の巨人「ZOZOTOWN」を追随する体制を整える。

    2018年夏には「圧倒的な2位グループ」をめざすEC同盟が始動するという。3月9日に開いた説明会で明かした。

    ロコンドが対ZOZOTOWNの「圧倒的な2位グループ」作りに乗り出すことを表明

    2位グループ同盟の始動は2018年夏からという

    さまざまなブランドを扱うファッションECモールで、断トツ1位がスタートトゥデイ。2017年3月期における取扱高は2120億円で、2018年3月期は2700億円を計画する。

    2位以下は200億円前後で推移。「マルイウェブチャネル」(運営は丸井)の2017年3月期におけるEC取扱高は213億円、マガシークは200億円強。「SHOPLIST」(運営はクルーズ)は200億円前後と推測される(売上高は190億円)。ロコンドの2017年2月期における取扱高は80億円。2018年2月期は約100億円を計画していた。

    ファッションEC業界の構造的な問題としてあがっているとされるのが、こうした取扱高の大小に起因するパワーバランス。販売力の大きなECサイトへ在庫が多く集まり、他のECサイトに配分される在庫はそれを大きく下回る傾向がある。

    たとえば、ブランド側が20の在庫を持っていた場合、販売力が最も高いA社には10、その他のB社、C社にはそれぞれ5ずつを配分――。このように、販売力が最も高いECサイトに在庫が集中する状態となる。

    数年前、売上100億円規模のファッションECサイトのマーケターがこう言っていた。「取扱高を増やすための在庫がなければ追いつけない。それどころか、離されるだけ」。

    田中社長は「2位が規模を大きくして、ファッションECを健全なマーケットにしていく」と説明。ブランド側からあがっているという「『ZOZO』が強すぎる」「在庫をいろんなサイトに置くのは避けたい」といった不満やニーズを解決する“同盟”を作るという。

    ファッションEC業界の再編に乗り出したロコンド・田中社長

    ファッションEC業界の再編のキーマンとなるロコンド・田中社長

    「圧倒的な2位グループ」のキーワードは「在庫の共有化」。ロコンドの物流倉庫を活用した物理的な在庫共有、ロコンドと相手先企業の在庫情報をバーチャル上で共有する方法で「在庫の共有化」を実現。

    ブランドから要望のあった在庫の分散化を防ぐと同時に、写真撮影やデータ入力といった業務の効率化も実現できるとしている。

    田中社長はファッションEC業界の再編に向けて、目標を次のように話した。「ファッションEC業界の坂本龍馬になる」。

    瀧川 正実

    ネットショップ担当者フォーラム編集部 編集長

    通販・ECに関する業界新聞の編集記者、EC支援会社で新規事業の立ち上げなどに携わり、現在に至る。EC業界に関わること約13年。日々勉強中。

    瀧川 正実

    フィードフォース、Googleショッピング広告の自動運用化ツール「EC Booster」提供開始

    8 years 1ヶ月 ago

    フィードフォースは3月8日、中小規模ECサイト向けのGoogleショッピング広告自動運用化ツール「EC Booster」を提供開始した。

    EC Boosterは、ECサイトが導入するECシステムとAPI連携して商品データベースからデータフィードを生成する。タグの設置、データフィード設定、キャンペーンや入札設定などの作業を省いて広告運用を自動化できる。サービス開始時点では、次の4社システムに対応している。

    • Eストアー「ショップサーブ」
    • GMOペパボ「カラーミーショップ」
    • GMOメイクショップ「MakeShop」
    • フューチャーショップ「FutureShop2」
    設定は最短5分ほどで完了、サービス開始時点で8万サイト以上に対応する

    EC Boosterは各システムの商品データベースに最適化されているため、ECサイトのデザインやコンテンツに左右されることなく、広告主は管理画面からいくつかの連携設定をするだけで簡単にショッピング広告の掲載を始められる。

    日々の広告運用は、中小規模ECサイトの特性を捉えたエンジンが最適化するため、商品カテゴリや1日の予算を設定すれば広告を開始できる。また、重要な広告指標がひと目でわかる管理画面を備える。

    EC Boosterの初期費用と月額費用は無料。ショッピング広告で実際に消化された金額の30%が利用料金となる。1日の予算は手数料込みで計算されるため、10万円のショッピング広告費を設定した場合は、7万円のショッピング広告費+EC Booster利用料3万円の計算。

    今後の展開として、新規ECシステムとの連携対応を進めることで利用可能なECサイトを拡大していく予定だ。また、将来的にはGoogleのショッピング広告に限らず、複数媒体の広告運用を自動最適化できるワンストップサービスを目指すという。

     

    池田真也

    ネットショップ担当者フォーラム編集部

    家電量販店の法人通販から、Web担当者Forumの前身である『インターネットマガジン』(2006年5月号で休刊)の編集部へ。休刊までの半年ほど雑誌編集を経験し、Web坦の立ち上げを機にネットマーケティングにかかわりはじめ現在へ。編集兼Web担当者。2017年末からネットショップ担当者フォーラムと兼任。

    池田真也

    青山商事、今度はAIで来店客の心理を推定し商品を提案

    8 years 1ヶ月 ago

    紳士服販売チェーン「洋服の青山」を展開する青山商事は、来店客の視線をセンサーで検知し、視線の動きから人工知能(AI)が顧客の興味・関心を推定して商品提案や接客に生かす新たな取り組みに着手する。

    こうした取り組みの実証実験を4月6日から4月27日まで、「洋服の青山 福山本店(広島県)」と「洋服の青山 池袋東口総本店(東京都)」で行う。

    実証実験では、顧客の視線を検知するセンサーをマネキンコーナーに設置。来店客の視線の動きに応じて、顧客が興味を持った商品や、迷っている商品をAIが推定する。

    顧客が関心を持った関連商品の情報を、マネキンの横に設置されたスクリーンに表示。さらに、関連商品の情報をリアルタイムに店員のモバイル端末へ通知する。

    富士通のAI技術を青山商事の店舗接客で活用

    AIを店舗接客に活用する取り組みのイメージ

    青山商事が実証実験に使う技術は富士通グループが開発した。富士通はAIに関する知見や技術を「FUJITSU Human Centric AI Zinrai」として体系化し、提供している。

    富士通は、将来的には来店客の心理分析結果と店員による接客履歴を蓄積することで、「商品の展示効果の定量的な検証」「来店客の潜在ニーズの可視化」「接客ノウハウの共有」などが期待できるとしている。

    青山商事はICTを活用し新しいショッピングの形を提案している。実店舗とオンラインショップが融合した次世代型店舗「デジタル・ラボ」を3店舗展開。「デジタル・ラボ」の来店客は店内で試着した後、店内に設置された大型デジタルサイネージやiPadを使いオンラインショップで商品を購入する。オンラインショップの在庫は全国の店舗在庫と連動している。

    渡部 和章

    ライトプロ株式会社 代表取締役

    渡部 和章(わたなべ・かずあき)

    新聞社で約7年半、記者を務めた後、2015年に編集プロダクションのライトプロを設立して代表に就任。編集者兼ライターとしても活動中。

    趣味は料理と漫画を読むこと。東京都在住。1983年生まれ。

    渡部 和章

    ピーチ・ジョンがチャットで顧客対応、ブラジャー選びを24時間体制でサポート

    8 years 1ヶ月 ago

    ピーチ・ジョンは3月6日、公式通販サイトでチャットを活用したカスタマーサポートを開始したと発表した。商品やサービスに関する質問にチャットボットが24時間自動で応答する。

    公式通販サイトで注文件数が増える夜間はコールセンターの営業が終了している。顧客からの問い合わせに対応できないことが課題だったため、24時間対応できるチャットボットを導入した。

    自動応答で解決しなかった場合、土日祝日を除く午前10時~午後4時はオペレーターが対応する。

    ピーチ・ジョンが土婦乳下チャットボットサポート

    チャットボットによる対応イメージ

    ピーチ・ジョンが主力商品として扱うブラジャーは、パッドの厚さや着やせ効果、着用感など「どのような機能を備えているか」という点も商品選びの要素になる。また、サイズ選びに関する問い合わせも多く寄せられるという。

    これまで電話やメールを中心に問い合わせに対応してきたが、気軽に問い合わせできるようにチャットを活用。サイズの疑問に関しては、電話よりもチャットのほうが問い合わせしやすいと顧客から好評という。

    ピーチジョンは2017年6月に公式通販サイトにFAQツールを導入した。回答の下に、解決したかどうかなどを質問するアンケート欄を設置。顧客からの問い合わせに関する知見を蓄積してチャットサービスの開始につなげた。

    今後、チャットボットによる解決率を上げるため、顧客の疑問が解決しなかった問い合わせの回答を改善していく。

    渡部 和章

    ライトプロ株式会社 代表取締役

    渡部 和章(わたなべ・かずあき)

    新聞社で約7年半、記者を務めた後、2015年に編集プロダクションのライトプロを設立して代表に就任。編集者兼ライターとしても活動中。

    趣味は料理と漫画を読むこと。東京都在住。1983年生まれ。

    渡部 和章

    [2018年]押さえておくべきECマーケティング8つのトレンド | 海外のEC事情・戦略・マーケティング情報ウォッチ

    8 years 1ヶ月 ago

    小売事業者は、オンラインとオフラインを問わず、パーソナルで関連性の高いカスタマーエクスペリエンスを提供することで消費者の注目を集め、ロイヤリティを高めていく必要があります。そのためには、より多くのデータを集め、活用するためのテクノロジーを駆使しなくてはいけません。

    2017年のデジタルメディア、および小売関連のニュースを見て、実店舗展開をしている事業者は“もう終わりだ”と思ったかもしれません。先行きの暗いニュースばかりでしたが、“小売が終わった”と思うのは早計です。

    2017年、ブランドや小売事業者のマーケティングに綻びが見えました。しかし、小売の復活が2017年末のテーマとして多く語られていたのも事実なのです。

    ECやデジタルのマーケターがオムニチャネル時代の消費者を理解し、つながろうとするための方法として、重要な資産となる大規模なデータの活用が注目を集めています。

    オフラインにおけるイノベーション、カスタマーエクスペリエンス、データコラボレーションなど、2018年のコマースマーケティングには8つのトレンドがあります。

    ① 動画戦争が始まった

    マルチメディア化の波で視聴できるコンテンツが増加、テレビ離れを引き起こす動きはさらに続くでしょう。消費者の動画視聴時間は順調に増えていきます。

    小売事業者などの広告主、出版社、メディア企業は、さまざまな形態(インフィード、動画配信サービスなどで動画の閲覧後に挿入される広告「ポストロール広告」、YouTubeの動画再生時の前に表示される6秒間のスキップできない広告「バンパー広告」など)で視聴者へアプローチできるようになるので、臨戦体制を敷かざるを得ません

    ② 音声ショッピングの台頭

    「Goole Home」(グーグルホーム)や「Amazon Echo」(アマゾンエコー)といったスマートスピーカー市場の成長が続きます。Global Market Insights社は、2024年までに1億台のスマートスピーカーが出荷されると予測しています。

    Criteoのレポート「Trade Marketing in Transition」によると、ブランドマネージャーは、音声入力やパーソナルアシスタントのデバイスが、2年後にはマーケティングをする上で主流なテクノロジーになると考えています。

    2年後には主流になると考えるテクノロジー(Criteo調査)
    2年後には主流になると考えるテクノロジー
    音声アシスタント:アマゾン「Alexa」、アップル「Siri」、サムスン「Bixby」、マイクロソフト「Cortana」など
    家庭用音声デバイス:「Amazon Echo」「Dor」「Google Home」
    個人用スキャナーとして使用できるスマートフォン
    IoT家電(冷蔵庫など)
    食品を自動注文するIoTデバイス(「Amazon Dash」「Kwik」
    RFID
    出典は「Trade Marketing in Transition」

    音声を活用したショッピングが増えれば、利用者ごとにカスタマイズされたお勧め商品やコンテンツを提供する音声広告が出現してくるでしょう。

    同様に、顧客の興味や好みに基づいたリッチデータが広く利用できるようになるため、スマートスピーカーは新しい商品をお勧めし、新たなサービスを提供できるようになるのです。

    ③ ソーシャルコマースの台頭

    コマースとソーシャルの境界線がさらになくなっていきます。また、複数のソーシャルメディアがソーシャルコマースの概念を広げ、自らECプラットフォームを立ち上げ始めています。

    Facebook(フェイスブック)のマーケットプレイス、Amazon(アマゾン)のショッピングSNS「Spark」(スパーク)などのソーシャルサービスは、商品購入のハードルを下げるために運用されていきます。

    事業者は、閉じられた各プラットフォーム内で消費者が行動していることを理解すべきです。ブランドや小売事業者は消費者と関係性を築き、プラットフォームと消費者の間で交わされるデータを上手にコントロールする必要があるということです。

    ④ オフラインからオンラインへのカスタマージャーニー

    デジタルとリアルの世界の両方で得た大規模データを利用するには、キャンペーンと顧客データをひも付ける必要があります。小売事業者は、店舗のCRMデータを用いて、それをオンライン上でのプロモーションに活用する取り組みへ注力するようになるでしょう。カスタマイズされたパーソナルなコンテンツをオンライン上で提供すれば、商品購入につながります

    大手小売事業者は、オンラインで購入された商品を店舗で受け取りやすくするため、「優先駐車スペース」「店内ロッカー設置」など、より良い受け取り方法を模索するはずです。

    ⑤ データのコラボレーション

    先見の明があるブランドや小売事業者は、閉じられた各プラットフォーム内でのデータ集めに注視しています。そして、競争力が高くイノベーションにつながるヒントを見つけました。

    Criteoが公表したレポート「Commerce Data Opportunity」によると、ブランドと小売事業者の5分の1はすでに、プラットフォームと自社のデータコラボレーションに着手。そして、消費者とつながることを目的に、個人が特定できないデータも貯めていっています。

    2018年は、コンテンツのカスタマイズ、売上向上、顧客との関係構築のために、自社サイト、プラットフォーム内でさまざまなデータを集めていくことでしょう。

    ⑥ 商品情報の最適化

    小売事業者などの広告主は、商品詳細やイメージビジュアルなども含めた、商品情報の最適化を進める方法を模索することでしょう。

    商品が持つストーリーに合わせた写真、高画質の近影写真、360度のイメージといった商品詳細情報が、オンラインでのカスタマーエクスペリエンスに大きく影響します。

    ECサイトやアプリなど、オンラインでのユーザー体験向上にリッチなディスプレイ広告などを利用することで、コンバージョンも改善されるはずです。

    ⑦ 個人データ保護規則とデータ管理

    2018年5月25日に施行される欧州連合(EU)の個人データ保護規則(GDPR)は、世界中のマーケターや企業が影響を受けることになります。GDPRを遵守するには、マーケターは閲覧者のデータをより慎重に取り扱う必要があります(たとえばEU圏内の個人情報を扱う越境取引など)。

    ブランドや小売事業者が持つ商品情報、ユーザー発信のコンテンツと購買情報を統合する上で、データ管理は今までにないほど重要になっていますが、今後はさらに慎重な取り扱いが求められます。

    ⑧ 買収とパートナー提携

    直近6か月間で、大手小売事業者の買収やパートナー提携がありました。アマゾンとWhole Foods Market, Inc.(ホールフーズ)、アマゾンとKohl's、Walmart Inc.(ウォルマート)とGoogle Expressサービスなどです。

    2018年は、多くの小売事業者やブランドが、ビジネス拡大やオペレーション強化を目的に、戦略的買収や競争力向上につながるパートナー提携を模索するでしょう。

    オフラインとオンラインをつなげる方法を探る企業は、パートナー提携などから貴重な価値を見出すはずです。

    アマゾンと戦うということは、「自分イチから作る」ことよりも、「企業を買う」ことを意味しています

    まとめ:2018年の戦い方

    オムニチャネル化が進んだ現在の世界では、オンライン、オフライン両方で、パーソナル化された関連性の高いカスタマーエクスペリエンスを提供し、消費者の注目を集める必要があります。そして、ロイヤリティを高めていくのです。

    そのためには、より多くのデータにアクセスし、データを活用するためのテクノロジーを駆使しなくてはいけません。一部の例外を除いて、小売事業者もブランドも、自社だけでこれを実現することは難しく、コマースエコシステムの中で信頼の置ける企業やサービスと組み、ハンデのない状況で戦う必要があります。

    2018年は、データ利用でイノベーションを起こす企業向けのコマースエコシステムが台頭してくるでしょう。その中で負け組も出てきます。一方で、複数の勝ち組も登場するはずです。

    Internet RETAILER

    世界最大級のネット通販業界の専門誌「Internet Retailer」は、雑誌のほか、Web媒体、メールマガジンなどを運営。Vertical Web Media社が運営を手がけている。

    Eコマースの戦略に関し、デイリーニュース、解説記事、研究記事、電子商取引におけるグローバルリーダーをランク付けする分析レポートなどを発行している。

    Internet RETAILER

    資生堂のEC売上高は約800億円、2020年に全売上の15%をめざす

    8 years 1ヶ月 ago

    資生堂は3月5日、連結売上高に占めるEC売上高比率を現在の8%から2020年に15%に引き上げる中期経営計画を発表した。国別のEC比率は中国事業で40%、「watashi+(ワタシプラス)」を展開する日本では10%弱を見込む。

    2017年12月期における連結売上高は1兆50億6200万円。このうちEC売上高は8%を占めた。自社で手がけるECと外部企業が運営するEC売上の合計はグローバルで約800億円。

    EC事業を強化するとした資生堂の中期経営計画

    資生堂はEC事業の強化を進める

    資生堂はラグジュアリーブランドのECを手がける米国のVIOLET GREY社へ出資している。魚谷雅彦社長は「ECは勉強しなければならない。こうした企業などから力を取り入れたい」と話した。

    デジタル分野を強化するため、ビジネスプロセスの進化、ITプラットフォームの統合、データの一元管理などへ今後3年間で累計270億円を投資する。

    資生堂は、ビジネスプロセスの進化、ITプラットフォームの統合、データの一元管理などへ今後3年間で累計270億円を投資する

    今後3年間で累計270億円を投資する

    社員のデジタルリテラシー向上を目的とし、2020年までに延べ5000人がデジタルアカデミーを受講する計画。

    魚谷社長は「コミュニケーションはデジタルなくしては考えられない」と述べ、CRMをグローバルで構築し、数百万人の顧客データとダイレクトにつながるプログラムを作ると説明した。

    化粧品ユーザーのトレンドを踏まえ、パーソナライゼーションを実現する事業モデルを構築することにも言及。化粧品の技術を融合することで、新しい事業を実現するとしている。

    2020年度を最終年度とした中期経営計画を発表する魚谷社長ら

    中期経営計画を発表する魚谷社長ら(画像は資生堂のHPからキャプチャ)

    資生堂はオンラインショップ機能を備えた美容情報サイト「ワタシプラス」を2012年4月に開設した。会員数は2017年11月時点で300万人。

    資生堂は2017年、化粧品ブランド「草花木果」の通販で知られる、当時100%出資の子会社だったキナリを通販大手スクロールに売却した。

    渡部 和章

    ライトプロ株式会社 代表取締役

    渡部 和章(わたなべ・かずあき)

    新聞社で約7年半、記者を務めた後、2015年に編集プロダクションのライトプロを設立して代表に就任。編集者兼ライターとしても活動中。

    趣味は料理と漫画を読むこと。東京都在住。1983年生まれ。

    渡部 和章

    倒産寸前からV字回復を果たした小さなEC会社が語る「大手にも負けないお店の作り方」

    8 years 1ヶ月 ago

    「倒産寸前からのV字回復」「地方の小さな会社が東急ハンズとコラボ」――福岡に本社を置く「ピアリビング」にはこんなサクセスストーリーがある。ECを始めてから約15年間、防音業界の大手と渡り合うために、「小さい会社だからできること」を徹底的に磨いた。商品開発にかける思い、顧客との向き合い方など、ECを通じて経験してきたビジネスの成功秘話をピアリビングの室水房子社長が語る。写真◎Lab

    倒産寸前の会社を立て直すため防音製品のECに参入

    ピアリビングがEC事業を開始したのは2000年頃。当時はOAフロアの施工(オフィスなど床の上に配線を敷くための工事)を手がけていた。そんな環境下、新規事業をスタートしたものの、経費が増え倒産寸前の会社を丸抱えするような状況に陥った。経営は一気に悪化する。

    「黙っていても潰れるだけ」。室水社長はこう思い、この状態を1人で解決することに挑む。小さい子供2人を抱えながら管理会社やゼネコンなどへの飛び込み営業や、自作チラシのポスティングに駆けずりまわった。

    当時は阪神淡路大震災後。木造住宅耐震診断技能士の資格を取得した。ただ、「2人の子育てをしながら1人で会社を再建させるにはどうしたらいいのか?」と模索する毎日が続いた。

    「何か売るものないですか」と取引先に1人で飛び込み、手にしたのが防音カーペットのチラシ1枚だった。当時、その商品はネット通販では展開されていなかったもの。ECの可能性を感じ、ヤフオク!に出品。すると、3か月後に100万円も売れた。

    何より心が動かされたのは「助けてください」という、騒音などに悩むたくさんの顧客からのメールだったという。そこで、「防音の問題に悩む方たちを助けることができないか!」と一念発起。当時、一般住宅の防音商品がほとんど流通されていない環境下、メーカーを駆けずり回り、建材を工夫するなどして自社開発の防音商品に踏み切ることを決めた

    開発した防音商品はヒットし、2005年には1人で年商1億2000万円を独自ドメイン店で売り上げた。そして2006年に「楽天市場」「Yahoo! ショッピング」と多店舗展開に踏み切った。

    株式会社ピアリビング 代表取締役 室水房子氏
    株式会社ピアリビング 代表取締役 室水房子氏

    その頃、「ヤフオク!」を見た一般消費者から「賃貸マンション住まいなので、壁を傷つけずに、隣の家から聞こえる音を軽減したい」という要望が舞い込んだ。

    室水氏は、雑誌で見つけた「つっぱりパーテーション」からヒントを得て、賃貸マンションでも使えるついたてタイプの防音パネルを独自に開発。もともと行っていた映画館やオーディオルームでの吸音工事の技術を生かし、マンションでも壁を傷つけることなく防音工事を実施できる方法を編み出した。

    ついたてタイプの防音パネルを自社のホームページに掲載すると、東京のJRグループから20台の注文が入った。防音パネルを商品化した当初、周囲から「こんな商品は売れない」と言われたこともあった。だが、壁を傷つけない防音施工へのニーズはあった。潜在ニーズを顕在化することに成功した

    お客様の声から出来た制作商品  壁から聞こえる音を壁に傷をつけないで軽減したい もともとしていた吸音工事の技術を生かしてパネル化 シネコンの吸音工事の技術 主婦の知恵 つっぱりパーテーションからヒント
http://www.ntb-m.com/item_fine_veil_system.html
    2003年、顧客の声を反映して最初に製作した防音パネル

    室水社長はECサイトの運営と並行し、オリジナルの防音商品の開発に取り組んだ。ドアに引っ掛けるタイプの「ワンタッチ防音ドア」、ペット用の「ワンタッチ防音犬小屋」などを商品化。さらに、日本初の「組み立て式防音室」もECサイトで販売した。商品のユニークさが注目され、NHKの番組に取り上げられたことで商品の売り上げは一気に伸びたという。

    順風満々の経営から一転、不況と競合増加で倒産の危機

    ピアリビング 防音タイルカーペット 静床ライト
    倒産寸前からのV字回復を果たす原動力となったECサイト

    防音製品の売り上げが順調に伸びていた2000年代半ば、深刻な問題が頻発する。1つは建材の「アスベスト問題」が社会問題化したこと。風評被害などからピアリビングの売り上げは半分に減った。

    2007年、追い打ちをかけるようにリーマンショックが訪れる。大口の仕入先が経営難に陥り、ピアリビングの主力商材の9割が廃番。経営はさらに苦しくなっていく。

    防音商品のECを始めた当初はほとんどなかった同業者が続々とネット通販に参入。大手取引先の経営陣が変わったことで、独占販売だった主力商品を他社も扱うようになった。

    ピアリビングが開発した防音製品が他社に真似されるケースが後を絶たず、類似商品がネット上に増えていったのもこの頃だった。

    「売り上げはガタ落ちで、倒産するのかな……」(室水社長)という状況まで追い込まれていた。そんな室水氏を奮い立たせたのは、ある先輩経営者の言葉だったという。

    先輩経営者から、「商品を真似されることに怒るくらいなら、簡単に真似されないことをすればいい」と言われて、よし、それなら自分たちにしかできないことをやろうと決意しました。私たちのことを真似できるものなら、真似してみろ、と。(室水社長)

    自社の強みを見つめ直し、徹底的に磨く

    室水社長は「自社にしかできないことは何か」「自社のターゲットユーザーは誰か」「さらに強化すべきところは何か」を見つめ直した。

    そして、ピアリビングが得意な天井やフロアの防音工事のほか、大手がやりたがらない狭い隙間の防音工事などを強化。「賃貸マンションの防音工事を行いたい」という顧客の要望にも幅広く応えるため、壁を傷つけない取り付け式の防音パネルもさらに改善していった。

    他社がやらないことをする
    ピアリビングが得意な分野や、大手がやりたがらない工事を強化した

    また、ECサイトには施工事例の掲載を増やし、室水社長自身のECサイトへの露出を拡大。類似商品を扱う競合のECサイトとの差別化を図った。さらに、事業拡大を見据え、物流業務をスクロール360(静岡県)に委託した。

    ピアリビングのブログ
    室水社長が執筆する「店長ブログ」

    もう1つ、室水氏が実施した施策は、東京・恵比寿のマンションの1室を借りて開いた防音商品の体験会。今までネットの中だけでやり取りしていた顧客に直接会い、話を聞くことで、これからやるべきことが見えてきたという。

    顧客と直接コミュニケーションを取る機会を増やすため、2017年春に東京支店兼ショールームをオープンした。

    答えは現場にある「まずやる! 後で直す!」というスピードが最大の付加価値リアルの世界でお客さまに会うことで、よかった点、反省点がわかり、スタッフがお客さま対応や催しことをチームとして考えられるようになりました。(室水社長)

    会場の様子
    防音商品の体験会の様子

    東急ハンズから卸依頼 ネットとリアルの融合へ

    2016年、東急ハンズから防音商品を卸して欲しいと依頼が舞い込む。ユニークな防音商品を持ち、きめ細かい顧客対応まで行えるピアリビングの実績や知識を求められての依頼だった。

    東急ハンズ渋谷店のDIYコーナーのブースで1か月間、催事を開いた。ブースを訪れる人は、「そういえば、子どもにピアノを習わせたいな」「隣の音がうるさいな」など、なんとなく生活音のことを気にしている“予備軍”が多いと仮定。そこで、催しごとで配るパンフレットの表面に「騒音対策 あなたは大丈夫!?」と大きく記載するなど、潜在顧客の興味を引き、防音商品の需要を喚起する工夫を施した。

    東急ハンズ渋谷店
    東急ハンズ渋谷店のDIYコーナーで催事を開いた
    どんな工夫をしたか 予備軍にも響く工夫
    催事で配ったチラシ

    SNSを起点に顧客獲得。ポイントはSNSの使い分け

    催事中、ツイッターやFacebookで「今、東急ハンズさんで催し事をやってま~す」と告知。すると、消費者からSNS上で商品や見積もりに関する問い合わせが寄せられるなど、SNSを起点に顧客と接点を作ることにも成功した。

    SNSをECに活用する際、それぞれの特性を生かして使い分けることがポイントだと室水社長は強調する。ブログは「情報の蓄積(SEO効果)」ツイッターは「今の発信」Facebookは「セグメント広告」Instagramは「画像で見せる」ことを意識しているという。

    SNSを徹底的に活用した
    SNSを活用して受注につなげている

    室水社長流、壁にぶつかったときの解決法

    小さな会社が生き残り、厳しい環境下でも力強く成長していくために必要なことは何か? 室水社長は15年間の経験から、壁にぶつかったときは「自分ができなくてもいい。できる友達を作ればいい」「商品を変える」「市場を変える」といったことを学んだという。

    また、会社の経営において、次のことを大切にしている。

    • 「5年後は売上10倍にする」など大きな目標を掲げること目標をホワイトボートに書くと、スタッフもその目標に向けて意見するようになった
    • 常に情報を出し続けること。SNSがすべてではないが、情報発信しなければ忘れ去られてしまう。そして、商品に対する思いを伝えられるのは、商品を扱っている自分自身であることを理解する

    最後に室水氏は、ピアリビングがめざすものを説明し、講演を締めくくった。

    見るべきは他社ではない。お客さま1人ひとりに適した防音アドバイスを行い、要望にあった防音商品を作る。それぞれのお客さまに根付いていける会社でありたい。私たちがめざすのは、「防音で日本一、世界一に」なること。(室水社長)

    渡辺 裕子

    フリーライター・エディター

    渡辺 裕子(わたなべ・ゆうこ)
    フリーライター・エディター

    出版社での音楽雑誌編集を経てフリーに。音楽や旅など趣味実用系の雑誌・書籍、ECショップのコラム、企業HPコンテンツ制作、タイアップ記事など、幅広い媒体で編集者兼ライターとして活動中。

    趣味はピアノ、クラシック中心の音楽会の企画、マラソン。東京都在住。

    渡辺 裕子

    ソーシャルログインとは? ECサイトにもたらす超基本のメリット3つをおさらい | ソーシャルログインとは? ECオーナーが知っておきたい基本

    8 years 1ヶ月 ago

    ソーシャルログイン(ソーシャルサインイン)とは、ユーザーが利用している既存のSNSアカウントを利用して、Webサイトやサービスにログインできる機能です。

    ソーシャルログインは、今も進化を続けています。スマートフォンシフトが進むなかで、ソーシャルログインはユーザーの利便性を高めるUXの側面だけでなく、企業のOne to Oneマーケティングの起点になる非常に重要な接点の1つとなりました。

    LINEの参入で注目を集めるソーシャルログイン

    ソーシャルログイン機能は当初、FacebookやTwitterから始まりました。その後、GoogleやYahoo! JAPANが加わり、2017年にはLINEが本格的に参入して注目を集めています。

    一般的なWebサービスは、会員登録時にIDとパスワード(PW)を設定して登録しますが(メールアドレスがそのままIDになるケースが多い)、ソーシャルログインに対応したWebサービスであれば、すでに使い慣れているSNSアカウントを使ってログインできます。

    新しくWebサービスやアプリの利用登録をするときに、次のような登録画面を見たことはないでしょうか。

    ソーシャルログインを利用したサイトのログイン画面

    ユーザーは、わずらわしい会員登録の手間を省き、簡単にサービスを利用できて、新しくIDやPWを覚える必要もありません。ユーザー視点で見れば、この手軽さが一番のメリットだと言えるでしょう。

    ECサイトでは、「情報入力する手間が省けるサイト」が支持される傾向があります。ユーザーは個人情報の入力に抵抗がありますし、登録するID/PWをやみくもに増やしたくありません。

    ソーシャルログインでユーザーが得られるメリット

    改めてソーシャルログインのメリットを整理しましょう。ユーザーへのメリットは非常にわかりやすく、次の3点。導入することでサイトの利便性を高めることができます。

    1. 会員登録時に登録フォームの情報を埋めてくれる
    2. 再ログイン時に使い慣れたID/PWでログインできる
    3. 二段階認証を利用できる

    1. 会員登録時に登録フォームの情報を埋めてくれる

    ソーシャルログインに対応したサイトであれば、各SNSプロバイダから取得できる情報で登録フォームの内容を埋めることができるので、ユーザーは会員登録作業のほとんどをタップ操作で進めることができます。

    タップ操作で簡単に会員登録を進められる

    スマートフォンシフトが進み、ユーザーが利用するデバイスの画面は小さくなりました。PCよりも小さくなった画面上で、PC感覚で会員登録フォームに個人情報を入力させることは、ユーザーにとって苦痛でしかありません。

    スマホの小さな画面では、PCと比べてフォームの入力に手間がかかります。

    会員登録フォームでは必要最低限の情報を取得するにとどめ、企業はユーザーとの接点を持つことに注力するべきです。タップ操作だけで進められるようにしたり、入力項目を少なくしたりするなど、ユーザーのストレスを減らすことができれば、登録完了にたどり着く確率が高くなります。それが、ソーシャルログインで実現できるのです。

    ただし、取得できる情報はSNSプロバイダごとに差があります。次の図を登録フォームの必須項目を決める判断材料に活用ください。

    ソーシャルログインで取得できる情報はSNSプロバイダによって異なる(2018年1月末、フィードフォース調べ)

    2. 再ログイン時に使い慣れたID/PWでログインできる

    ソーシャルログインには、ID/PWの管理が楽になるというメリットもあります。

    世の中には数えきれないくらいのWebサービスやアプリが存在し、生活者1人当たりが利用するWebサービスの数は増えつつあるため、それぞれのID/PWを覚えることは年々、難しくなっています。

    「1Password」のようなPW管理アプリを利用したり、PWをブラウザ上に保存することで覚えないという方法もありますが、前者はまだまだ一般的ではなく、後者の場合は端末やブラウザが変わるとPWがまったくわからなくなってしまいます。

    毎週のように利用するサイトならPWを思い出せそうなものですが、年に数回といったサイトもあります。

    • 頻繁に訪問するサイト(週1回)
    • たまに訪問するサイト(月1回)
    • まれに訪問するサイト(年数回)

    ID/PWがすべて同じであれば、訪問周期は関係ないでしょう(セキュリティ的には望ましくありません)。しかし、少しでも違うPWで管理していた場合は、週1回の訪問では数サイトを覚えるのが限界です。月1回の訪問になると、恐らくPWを思い出せないケースが出てくるはずです。

    特に最近は、セキュリティレベルが厳しい複雑なPW設定をデフォルトとするサイトも増えています。訪問するたびにPWを再設定するといった経験はないでしょうか。

    8文字以上で英大文字と英小文字と数字が必要。これに記号が加わると……

    ソーシャルログインに対応したサイトなら、使い慣れているSNSプラットフォームのアカウントでログインできます。訪問するたびにPWを思い出すなど、無駄な時間を過ごすこともなく、簡単にログインできるのです。

    3. 二段階認証を利用できる

    二段階(二要素)認証とは、「ID/PW」に別の要素を加えた、2つの要素で認証を行うことです。具体的には、次の3つの要素のうち2つを組み合わせた認証の仕組みをいい、セキュリティを強化できます。

    • ユーザー本人だけが知り得る要素(ID/PWなど)
    • ユーザー本人だけが所有する物(キャッシュカードなど)
    • ユーザー本人の特性(指紋、顔認証など)

    代表的な手法に「ワンタイムパスワード」があります。これは、本人だけが所持する認証デバイス(セキュリティトークン)に届くパスワードを利用するものです。

    トークンに届いたパスワードを使ってログインする
    dcdp/Thinkstock

    最近は、トークンではなくスマホアプリでワンタイムパスワードを発行するサイトもあります。認証アプリとしては、「Google Authenticator」や「Authy」などが有名です。

    Amazonの二段階認証の設定画面。SMSや認証アプリでパスワードを受け取れる

    最近ではGoogleやFacebookのように、スマートフォンに届く通知に対し「はい」をタッチするだけのものもあり、利便性も損ないません。

    Facebook(左)とGoogle(右)からスマホに届いたログイン通知

    ソーシャルログインで企業が得られるメリット

    ソーシャルログインの導入で企業が得られるメリットは、ユーザーが得られるメリットを逆の視点から見たものになります。

    ソーシャルログインで企業が得られるメリット
    1. 会員登録時に登録フォームの情報を埋めてくれる
    2. 再ログイン時に使い慣れたID/PWでログインできる
    3. 二段階認証を提供できる

    上記の3つから企業には下記のようなメリットをもたらします。

    • 会員登録時の離脱率が減る
    • 詳しいユーザー情報を得られる(SNSプロバイダによる)
    • 再訪率が上がる
    • PW再発行やログインできないという問い合わせが減る
    • セキュリティ対策へのコストが減らせる

    特に「会員登録時の離脱率が減る」「再訪率が上がる」という点はニーズが高いです。EC企業からのニーズも同様ですが、自社のサービス/商品がどのプラットフォームと相性が良いか(どのSNSアカウントでログインしているのか)、判断材料にもなることも支持されています。

    実際、弊社のソーシャルログインサービスを利用する企業のなかには、新規会員登録率が38%上がった例や、ソーシャルログインで登録したユーザーの再訪率が70%を超えるといった事例もあります。

    ◇◇◇

    今回は昨年までの一般的なソーシャルログインについてまとめました。次回は今年に入って大きく変わったソーシャルログインのトレンドと、ソーシャルログインの新しい活用方法について紹介します。

    岡田 風早

    株式会社フィードフォース

    岡田 風早(おかだ かざはや)
    株式会社フィードフォース
    ソーシャルPLUSプロダクトマネージャー 兼 カスタマーサクセスチーム

    ソーシャルログイン/ID連携ASPサービス「ソーシャルPLUS」のプロダクトマネージャーとして2015年フィードフォースに入社。その後、カスタマーサクセスチームの立ち上げに携わり、「ソーシャルPLUS」プロダクトマネージャーを兼任している。LINE社とLINEログインにおけるパートナー契約を中心になって進め、ビジネスコネクトパートナーや大手代理店と連携して、企業のLINEによるOne to Oneコミュニケーション実現の設計に数多く携わる。

    岡田 風早

    ローソンが店頭受取&決済の生鮮食品EC「ローソン フレッシュ ピック」をスタート

    8 years 1ヶ月 ago

    ローソンは3月6日、生鮮食料品の注文をネットで受け、コンビニ店頭で決済と商品の受け渡しを行う新たなサービス「ローソン フレッシュ ピック」を始めた。

    野菜や果物、調味料など約500種類を販売。消費者は午前8時までに予約すると、当日午後6時以降に店舗で商品を受け取ることができる。

    当初は東京・世田谷区と渋谷区、神奈川県川崎市、横浜市の一部地域(約200店舗)でサービスを提供。今後はエリアを首都圏に拡大し、全国展開を検討する。

    「ローソン フレッシュ ピック」はローソン型ラストワンマイルと名付けている

    野菜や果物、豆腐や納豆などの食品、調味料のほか、食材と調味料などがセットになったオイシックスドット大地のKit Oisix(ミールキット)も販売している。成城石井などスーパーや専門店の商品も含まれている。

    商品の一例の参考価格(税込)はレタス1個193円、国産豚細切れ200グラムで298円、「旨味が効いた海鮮八宝菜キット」は832円。

    「ローソン フレッシュ ピック」の利用条件は1回あたりの購入金額1000円以上。

    午前8時までの注文は、午前9時にEC物流センターで商品をピックアップし、昼頃に出荷、指定店舗に商品を納品し、午後6時以降に商品を店頭で受け渡す。

    ローソンの「ローソン フレッシュ ピック」の流れ

    サービスの流れ

    既存のコンビニの店舗網と物流網を活用しているため、新たな物流の構築は行わないという。

    生鮮食品のECは競争が激化している。アマゾンジャパンは2017年4月、生鮮食品などを注文から最短4時間で配送する「Amazonフレッシュ(アマゾンフレッシュ)」をスタート。

    セブン&アイホールディングスとアスクルは2017年11月、生鮮食料品のECサービス「IYフレッシュ」を共同で立ち上げた。

    渡部 和章

    ライトプロ株式会社 代表取締役

    渡部 和章(わたなべ・かずあき)

    新聞社で約7年半、記者を務めた後、2015年に編集プロダクションのライトプロを設立して代表に就任。編集者兼ライターとしても活動中。

    趣味は料理と漫画を読むこと。東京都在住。1983年生まれ。

    渡部 和章

    英会話教育のEC会社に有利誤認で措置命令、消費者庁

    8 years 1ヶ月 ago

    不当な二重価格をWebサイトに表示していたとして、消費者庁は3月2日、英会話教材を販売するSPRINGに対して再発防止策を求める措置命令を出した。

    景品表示法の有利誤認(実際のものよりも著しく有利であると消費者を誤認させること)に該当すると判断した。

    消費者庁によると、SPRINGはキャンペーン期間中に限り通常価格2万9800円の商品を1万9800円で販売しているとWebサイトに表示し、英会話教材「7+English」を販売していた。しかし、実際はキャンペーン期間に関係なく、Webサイトを初めて訪問した消費者に1万9800円以下で販売していた。

    消費者の閲覧履歴からサイト訪問回数を特定し、閲覧初日から5日目以降にサイトを閲覧した場合に限り、実際の販売価格(2万9800円)が表示される仕組みだったという。

    消費者庁は英会話教材を販売するSPRINGに対して再発防止策を求める措置命令を出した。

    有利誤認に該当すると判断された表示例

    消費者庁による措置命令は以下の3点。

    • 実際よりも安い価格であるかのように表示し、景品表示法に違反していたことを一般消費者に周知徹底すること
    • 再発防止策を講じ、役員と従業員に周知徹底すること
    • 今後、同様の表示を行わないこと

    景品表示法とは?

    不当表示や不当景品から消費者の利益を保護するための法律が「景品表示法(正式名称:不当景品類及び不当表示防止法)」。景品表示法は、商品・サービスの品質、内容、価格等を偽って表示を行うことを規制。また、過大な景品類の提供を防ぐために景品類の最高額を制限している。

    不当表示は大きく分けて3つの種類がある。

    • 優良誤認表示(商品・サービスの品質、規格、その他の内容についての不当表示)
    • 有利誤認表示(商品・サービスの価格、その他の取引条件についての不当表示)
    • その他 誤認される恐れのある表示(一般消費者に誤認される恐れがあるとして内閣総理大臣が指定する不当表示)

    SPRINGのケースは有利誤認にあたる。商品・サービスの価格その他の取引条件について、実際のものよりも著しく有利であると一般消費者に誤認される表示は不当表示となる。

    優良誤認を招く不当表示の例

    優良誤認を招く不当表示の例(消費者庁の資料を編集部がキャプチャ)

    消費者庁では、各種資料をまとめた景品表示法用コーナー、「不当景品類及び不当表示防止法ガイドブック(PDFが開きます)などで、景品表示法に関するさまざまな情報を提供している。

    渡部 和章

    ライトプロ株式会社 代表取締役

    渡部 和章(わたなべ・かずあき)

    新聞社で約7年半、記者を務めた後、2015年に編集プロダクションのライトプロを設立して代表に就任。編集者兼ライターとしても活動中。

    趣味は料理と漫画を読むこと。東京都在住。1983年生まれ。

    渡部 和章

    「ネットを見てからお店に行く」が増加中。ナノ・ユニバースが見つけたオムニチャネルの「2周目」【ネッ担まとめ】 | ネットショップ担当者が 知っておくべきニュースのまとめ

    8 years 1ヶ月 ago

    ナノ・ユニバースさんはオムニチャネルの1周目は終わっていて、すでに2周目に入っているようです。2周目とは店舗のショールーム化が終わって、ECを見てからお店に来る人が増えている状況のことです。ユーザーの動きはこちらが考えている以上に早いです。

    お客さんをコントロールしないことがオムニチャネルのポイント

    [対談]ナノ・ユニバース越智さんが話す、試行錯誤の末に辿り着いた「オムニチャネルの答え」とは | ECzine
    https://eczine.jp/article/detail/5437

    まとめると、

    • ナノ・ユニバースにとってのZOZOTOWNは、自分たちでリーチできないお客さんを広く取ってきてくれるディベロッパーのような場。自社ECは超優良顧客のポテンシャルをもったお客さんに、しっかりサービスを提供する場
    • 顔写真を登録すると1%、クレジットカードの情報を登録するさらに1%というように、個人情報の登録数に応じてポイント還元率を上げている
    • 店舗の売り上げが自社ECの影響を受けた時期を経て、現在は「ECを見てからお店に来る」というお客さんが増えているEC担当者の役割は商品画像のビジュアルを良くして「店舗で見てみたい」と思ってもらえるようにアシストすること

    欲しいものがあった時にECで買う人もいれば、試着をしたい人もいる。でもそれって、僕がコントロールできる話ではないですよね。例えばさっきのようにお店の前を通りかかった時にプッシュ通知を送ることで商品を思い出してもらうなど、店舗とECサイトの合間をアシストすることが僕らに出来ることなんじゃないかなと思っています

    オムニチャネルで店舗とECで売上を取り合うという段階は通り越して、すでに2周目に入っているというナノ・ユニバースさん。ユーザー側もECサイトを見て店舗に来る人が増えているようです。次にやることは店舗とECの隙間にあるタイミング。まさにシームレスですね。

    読まないのはもったいない! ツイートの拡散に必要なのはコレだった!

    口コミ拡散のためにはコンテンツが1番、では2番は何に? jigen_1さんが語るツイートが拡散する仕組みとは | Marketeer
    https://marketeer.jp/jigen_1_second/

    まとめると、

    • 口コミの拡散に1番必要なのはコンテンツ。2番目はフォロワーの行動分析
    • フォロワーには①フォロー数が少ない人、②ツイート数が多い人、③インタレストグラフ(興味・関心)でつながっている人の3種類ある。拡散してくれるのは①と②
    • インフルエンサーとはリツイートしてくれる人。インフルエンサーをフォロワーで評価するのは間違い

    まずはプロモアカウント(フォロワーを獲得するための広告配信)をやるべきです。プロモアカウントであれば、キーワードターゲティングなどで質の高いフォロワーを獲得できますし、そうして獲得したフォロワーの中から第1パターン、第2パターンに当てはまるフォロワーをフォローバックしていくことでフォローを外されないようにできます。

    SNSは数だけ追っても何の意味もないですよね。発信するだけなんてもっと意味がないです。拡散したくなるようなネタを作って、拡散してくれる人を見つけていくことからスタート。記事の内容はとても役立つものばかりなのですが、いきなりここから始めないようにしましょうね。

    ローカルビジネスにはGoogleマイビジネスが必須!

    Googleマイビジネスのリスティングを最適化する方法 | Web担当者Forum
    https://webtan.impress.co.jp/e/2018/02/26/28384

    ローカルビジネスのホームページにはBASE使うの最高じゃね? | F's Garage
    https://f-shin.net/fsgarage/6236

    ローカルビジネス(カフェなど)のホームページがほとんど意味ないのでは...という話 | note(shogo@エントワコミュニティ)
    https://note.mu/seeekone/n/n189a6c87884d

    まとめると、

    • Googleマイビジネスのプロフィール欄には、潜在顧客に自分の企業を見つけてもらいやすくするのに役立つデータが盛り込まれる
    • 営業日、営業時間、イベント、住所、電話番号など、店舗に必要な情報を登録できる
    • オンラインレビューは、検索順位や消費者の信頼だけでなく、クリックスルー率にも影響を及ぼす

    Googleマイビジネスのダッシュボードに定期的にログインして、自分のリスティングに誰も不要な変更を加えないようにすることが非常に重要な理由の1つに、これがある。もし誰かがオーナーの承認を必要とする変更を提案した場合は、変更が保留中であることを示す通知が表示される。

    Googleマイビジネスのリスティングを最適化する方法

    「ローカルビジネスでやるべきはGoogleマイビジネス」というのは私も同感です。「お店の売上を上げたいからネットショップを」となるのはその先の先。検索エンジンもどんどん賢くなっていますので、臨時休業やイベント情報などをちゃんと更新していきましょう。

    EC全般

    競合に"棚を明け渡す"と利益が増えるワケ | PRESIDENT Online
    http://president.jp/articles/-/24477

    “「いつか売れる」は「いつまでも売れない」とほぼ同義である”。これはものすごく納得。

    洗顔商材の魅力を伝える広告で、「メラニン」「美白」「透明感」「明るく」「白く」は使用できる? | ネットショップ担当者フォーラム
    https://netshop.impress.co.jp/node/5144

    メラニンは×、透明感は〇などパッと見だけはわからないので、記事に書いてある説明を読んでおきましょう。

    アマゾン、フルフィルメント支援のFBA手数料と料金体系を改定へ(4/24~) | ネットショップ担当者フォーラム
    https://netshop.impress.co.jp/node/5187

    Amazon、取引メーカーに「協力金」要求か 物流費の上昇緩和で | ITmedia ビジネスオンライン
    http://www.itmedia.co.jp/business/articles/1802/28/news083.html

    経済誌では「Amazonジワリ値上げ」と書かれそうな話題。大家さんには逆らえません。

    クロネコヤマトのネットショップ開業サービス「らくうるカート」|ヤマトフィナンシャル
    https://www.yamatofinancial.jp/cart/

    他のサービスとあまり変わらない印象。ヤマトさんだけのサービスがあれば……と思ってしまう。

    どん底から再生したタオル業界の風雲児。今治から最高のタオルを届けるチーム「IKEUCHI」の裏側 | ネットショップ担当者フォーラム
    https://netshop.impress.co.jp/node/5076

    バックヤードの人が接客意識を持っているところは強い。

    読み込み速度改善が売上に与える影響と競合とのスピードを比較するツールをGoogleが公開 | 海外SEO情報ブログ
    https://www.suzukikenichi.com/...

    読み込み速度はますます重要になっています。特にスマホは要チェック。

    楽天RMSにABテスト機能が実装!!ページ改善に活用してみよう | ネットショップ運営の気になる備忘録
    http://peacepopo.net/blog-entry-252.html

    いつの間にかこんな機能が。アクセスが多いページでお試しを。

    「ZOZOTOWN」のスタートトゥデイ、LINEショッピングに出店 | ネットショップ担当者フォーラム
    https://netshop.impress.co.jp/node/5204

    ZOZOUSED、マーケットプレイス開始 コメ兵とゲオが出店 | ECzine
    https://eczine.jp/news/detail/5476

    ZOZO関連記事を2つ。それより、ZOZOSUITEはどこに行ってしまったんでしょうか……。

    FutureShop2(フューチャーショップ2)動的リマーケティングとの連携について | 株式会社グランフェアズ
    https://www.granfairs.com/blog/staff/fs-dynamic-remarketing

    マーチャントセンターにはログインできないので注意。

    今週の名言

    みんなで話しているとすぐに検索する人がいるじゃないですか。ザビエルの首元にあるやつって面白いよねって話が出たとして、それはザビエルを深掘りする企画をやりたいわけではなくて、そこから話を広げたいだけなのに、検索して「アレは、なんとかですね!」って答えを出す博士君みたいな人がいる。そうやって正解を言われてしまうと話の腰を折りますよね。全くイノベーションじゃない。

    デイリーポータルZの林編集長と閑談 「なんでそれやるの?と聞かれると僕らは消えていなくなります」 | ウェブ電通報
    https://dentsu-ho.com/articles/5846

    アイデアを出すときにはアイデアが出やすい環境やスタッフィングが重要です。

    森野 誠之

    運営堂

    運営堂代表。Web制作の営業など数社を経て2006年に独立後、名古屋を中心に地方のWeb運用を支援する業務に取り組む。現在はGoogleアナリティクスなどのアクセス解析を活用したサイト・広告改善支援を中心にWeb制作会社と提携し、分析から制作まで一貫してのサービスも開始。豊富な社会・業務経験と、独立系コンサルタントのポジションを活かしてWeb制作や広告にこだわらず、柔軟で客観的な改善提案を行っている。理系思考&辛口の姿勢とは裏腹に皿洗いを趣味にする二児のパパ。

    森野 誠之

    【AI活用例】作業の効率化、ECサイトでの販促、顧客対応――見えてきた効果と課題とは | 通販新聞ダイジェスト

    8 years 1ヶ月 ago

    昨今、なにかと話題のAI(人工知能)。日常生活やビジネスの現場などさまざまなシーンでの実用化が進んでいる。そうした中、通販の領域ではどのような役割を果たしていくのだろうか。フルフィルメントの作業工程や、サイト上での売り方、あるいは顧客からの問い合わせなどで今、AIが通販のお助け役となりつつある。最新のAI活用事例を見ていく。

    "音声採寸"で業務時間を短縮

    「サイズ、L……着丈、66……肩幅、42……」――。

    アパレル企業などの通販サイト向けにファッションアイテムのささげ業務(撮影・採寸・原稿作成)を手がけているささげ屋。同社が今取り組んでいるのが、作業員の“声”による採寸データの入力だ。

    AIを通販・ECの「ささげ」業務に活用
    作業員が計測したサイズを声に出して言うと、その音声を認識し自動的に採寸データが登録される。キーボードでの入力に比べて作業時間を短縮できる

    通常、衣料品や雑貨などのサイズを計測する際はキーボードで入力しており、繁忙期などは採寸と入力の担当を分けて2人体制で作業をこなすこともある。

    この採寸業務を効率化するために同社が目をつけたのが、東芝デジタルソリューションズのコミュニケーションAI「リカイアス」だ。リカイアスは音声の合成や翻訳など複数の機能を持つが、その中に音声認識技術を使って作業記録を音声で入力できる「フィールドボイス」というサービスも提供している。

    ささげ屋はこのサービスに注目した。同社の秋山宙士社長は「新しい技術を知ったことで、これまでなかった“音声採寸”というものに気づくことができた」と述べる。

    ささげ屋が進めている“音声採寸”の中身はこうだ。

    専用のアプリを立ち上げ、ヘッドセットを付けた作業員が商品のサイズを測り、メジャーを見たまま採寸情報を声に出す。するとその発話が自動的に認識され、アプリ画面上に採寸データが登録される。

    アプリ内の着丈、身幅、肩幅、袖丈、原産国といった必要な項目はささげ屋が事前に設定しており、AIが作業員の声を認識して適切な項目に数字が登録されていく。

    作業時間短縮で機会ロス低減へ

    この音声採寸がささげの現場を大きく変えるポテンシャルを秘めている

    メリットは時間の短縮。「トータルで考えて、話したほうが圧倒的に早い。現場の感覚では作業時間は半分くらいになりそう」と秋山社長。

    ささげ業務を依頼しているアパレル企業や百貨店などからすると、作業時間が短くなるということは、画像を通販サイトに掲載するまでのリードタイム短縮を意味する。スピードがアップすることで、サイト上の訴求が早くなり販売機会の損失を低減できる

    1商品あたりの作業時間を短縮できればささげ業務で扱える商品数も増えるため、アイテム数が多い通販サイトにとってインパクトはより大きくなると予想される。

    顧客企業だけでなくささげの現場でも作業負荷の軽減のほかに、キーボードでの入力に比べて誤入力が減るのではないかと期待がかかる。

    この仕組みは現在トライアルの段階だが、早ければあと1カ月程度で現場に正式導入する予定だ。ささげ屋は東芝デジタルソリューションズと共同で音声採寸の技術で特許を出願している。

    音声採寸の導入を進めるささげ屋だが、現場での効率化だけでなく、見据える先にはビッグデータの活用がある

    将来的に音声採寸アプリを様々な採寸業務の現場で活用することで、アパレル商材の採寸データがアプリを通じて蓄積される。そこからサイズ、色、素材などのトレンドが見えてくる

    そのデータを解析してマーケティングに応用することを視野に入れる。「音声採寸はそのための入り口」(秋山社長)というわけだ。

    ビジュアルから商品お薦め

    通販サイトの商品詳細画面を閲覧していると、下部に「この商品を見ている人におすすめ」などと別の商品が提案される。レコメンデーションというもので、ネット販売ではすでにおなじみの手法だ。この部分にAIを取り入れ、新しい切り口でアプローチする動きがある。

    レコメンデーションエンジンを手がけるサイジニアは昨年9月からビジュアルAIレコメンデーション「デクワス・ビジョン」の提供を始めた。ディープラーニングと呼ばれる技術を使いAIが自動的に画像を分類し、ユーザーが通販サイトで見ている商品とイメージが近いものを探し出す

    ただ、AIがビジュアル的に近いと判断した商品の中には、人間の目から見て「おかしい」というケースもある。そこで同社では以前から取り組んでいるレコメンドエンジンを活用。過去の人間によるクリックデータを用いて、AIが導き出した結果を補正し、閲覧している商品のイメージに近いものを並べる

    例えばユーザーがアパレルECサイトでスカートを見ているとする。デクワス・ビジョンでは、色や形状、柄といったビジュアルが近い商品群を並べて推奨する。これが従来の行動履歴型レコメンドであれば、同じスカートを見ていてもバッグやトップス、サンダルといったアイテムを提案する。過去にそのスカートを購入したユーザーがバッグやサンダルをクリックしていたデータが反映されるためだ。

    「デクワス・ビジョン」は行動履歴型と異なり、デザインが近い商品画像を薦めるのが特徴
    「デクワス・ビジョン」は行動履歴型と異なり、デザインが近い商品画像を薦める

    サイジニアの吉井伸一郎社長は「黒のスカートの場合、行動履歴型はニットやカーディガンが表示されるが、デクワス・ビジョンは黒いスカートが並ぶ」と説明する。

    その際のポイントは、名称が異なっていてもデザインが近いものが並ぶということだ。ブランドごとで商品の呼び方は変わるが、ユーザーが「プルオーバー」を閲覧していても「Tシャツ」も「カットソー」もデザインが近ければ掲載される。

    メリットは他にもある。行動履歴型のレコメンデーションは過去の履歴が必要になるため、新着商品や短期間で売り切るような商材には向いていない。誰も商品をクリックしていなければお薦めできないからだ。

    一方のデクワス・ビジョンであれば新着商品が入荷したその日からAIがレコメンドできる。ロングテール商品も同様で、埋もれた商品であってもAIは公平に類似性を見つける

    このデクワス・ビジョン、導入先のアパレルECについてサイジニアが計測したところ、デクワス利用者のコンバージョン率は、利用していないユーザーに比べて1・63倍になったという。同社では「画像で訴求したことで、アパレル商材の売り上げアップにつながっている」(吉井社長)とみている。

    チャットボットで新規狙う

    AI活用の事例としてすでに導入が進んでいるのチャットボットだ。チャットでAIが自動的に回答するというものだが、通販の現場でも問い合わせなどで使われている。ただ、新規獲得や成約となると現状はAIだけでは限界があるようだ。

    セコムの子会社でコールセンター業務を手がけるTMJでは昨年9月から、ベネッセコーポレーションが展開する進研ゼミ小学講座の新規顧客向け問い合わせ窓口にチャットサービスの提供を開始した。

    「LINE」内の進研ゼミ公式アカウントで実施しており、AIによるチャットボットとオペレーターによる有人チャットを組み合わせている。オペレーターは午前9時から午後9時までだが、チャットボットは24時間365日問い合わせに応じる。合わせてフリーダイヤルでの入電に対してガイダンスで「LINE」を告知し、チャットボットへの誘導も行う。いずれもまずはチャットボットが問い合わせの入口になる。

    ベネッセとの取り組みの目的は、ウェブ入会率の向上と、副次的な効果としてコールの削減だ。

    これまでの状況では、チャットボットで課題を解決した割合は46%、残りの54%は有人チャットに移行するか離脱したケース。ただ、AIのチューニングにより直近の解決率は50%を超えてきているようだ。

    「LINE」上の問い合わせの入口でAIが対応するTMJの事例
    「LINE」上の問い合わせの入口でAIが対応する

    さらに人が介在せずチャットボットだけで入会するケースもある。その意味ではコール削減には寄与している。では、入会率の向上はどうか。同社東日本事業本部BenesseCC事業部の宮川正雄氏によると「入会率を高めることについては限界を感じている」という。入会時には販売員の“最後の一押し”が大きいが、「それをロボットでやるのは難しい」(宮川氏)というのだ。

    その一方で、顧客満足度については手ごたえを感じている。有人チャットを終えたユーザーにアンケートを行った結果、5段階評価のトップ1「大変満足」とトップ2「満足」を選択したのは98%にのぼり、トップ1だけでも80%以上ある。

    今後は新規客だけでなく既存会員にまで範囲を拡大する予定だが、これまでの結果を踏まえ方針を変える。新規客は極力有人チャットに誘導して、ボット段階での離脱を防ぐ。一方、既存会員の住所やコースの変更といった手続きをチャットボットで対応する。このように新規と既存でチャットの使い方を明確に分けていく考えだ。

    通販新聞
    確認済み
    48 分 52 秒 ago
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