ネットショップ担当者フォーラム

トラブル総額は4.9兆円。CtoCや終活に関するトラブルも増加。平成29年度消費者白書【ネッ担まとめ】 | ネットショップ担当者が 知っておくべきニュースのまとめ

8 years ago

今回は消費者白書に注目しました。特に20代男性は賃貸アパートに関するトラブルが多く、「必ずもうかる」といった詐欺にも引っかかりやすいといった結果が出ています。詐欺の手口も巧妙化していますので、現在の傾向を見ておくと、20代男性に限らず自己防衛に役立つかもしれません。ショップの皆さんはこういった悪質な業者と間違われないような努力が必要です。

仮想通貨、CtoC、終活などでトラブルが増えています

消費者白書等|消費者庁
http://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_research/white_paper/

まとめると、

  • 2017年、被害やトラブルの元になった商品やサービスに対し、消費者が支払った総額は推計約4.9兆円
  • Webを利用したデジタルコンテンツ等の相談件数が24.7万件と突出している
  • 性別・年齢層別では、男女共に60歳代の相談件数が多く、インターネット通販に関する相談が訪問販売に関する相談を上回る

2017年度は上記以外にも終活や仮想通貨に関するトラブル、20代男性に多い賃貸アパートのトラブル、CtoCのトラブルが増えているのがポイントです。このまとめでは何度も書いていますが、これだけのトラブルがあるということは、ネット通販全般への信頼度が下がっているということなので、決済、配送、問い合わせなど、信頼してもらうためのコンテンツはしっかり書いておきましょう。

どうする? AIスピーカーの誤認識や言い間違いによる注文

経産省がAIスピーカーによるネット通販について見解を公表 | ネットショップ担当者フォーラム
https://netshop.impress.co.jp/node/5522

まとめると、

  • 電子商取引(EC)に関する規則を定めた「電子商取引及び情報財取引等に関する準則」を改定し、ルールを明文化していく
  • 想定している課題は、①AIスピーカーが音声を誤認識した場合、②AIスピーカーに対して発注者が「言い間違い」をした場合の2点

※①に関してはAIスピーカーが認識した注文内容をユーザーに通知し、ユーザーから確認が得られた場合に注文を確定することが有用としている。 ②に関しては発注が完了する前に発注内容に誤りがないかを確認する機能などを想定している。

何気ない会話で注文されてしまう可能性も無いわけではないですよね。AIスピーカーでのトラブルは今後増えてくると思われますので、こうして議論が進むのは良いことですね。記事中にもあるように、「タイヤ」と「ダイヤ」を間違われたらたまったものではないですから(笑)。

関連記事

もはや防ぐことができないのでは……と思ってしまう事例

巧妙化するECサイトへの不正アクセス。セシールの被害は「二重登録防止機能」の悪用が原因 | ネットショップ担当者フォーラム
https://netshop.impress.co.jp/node/5509

不正アクセスの手段は以下の通り。

  1. 攻撃者は外部で不正に入手したメールアドレスを用いて新規顧客登録を申請
  2. すでに登録があるメールアドレスは登録できないようにする「二重登録防止機能」を悪用し、登録済みのメールアドレスを確認
  3. 登録済みのメールアドレスでリストを生成し、外部で別途不正に入手してあったパスワードを使って不正ログインを試行

ディノス・セシールによると、6月2日午前0時頃から、16万5038件に上る新規顧客登録申請があったという。16万5038件のうち3533件は登録済みで、新規顧客登録ができなかった。不正アクセス1938件すべてが、3533件に含まれていたという。

怪しげな新規会員登録が大量にあった時点で攻撃されているとこはわかりそうですが、その対策となるとなかなか難しそうです……。攻撃者の手口はどんどん巧妙になっていますので、こうした事案に学んで対策していくしかなさそうです。

EC全般

ZOZOがオーダーシャツをリリースしたので、最近のオーダーサービスをまとめてみた | Topseller.Style
http://topseller.style/archives/7672

意外に小さい市場規模。ZOZOスーツという武器があるから自信があるんでしょうね。

メルカリ、バーコード読み取り出品が可能に | ASCII.jp
http://ascii.jp/elem/000/001/691/1691049/

5周年を迎えるメルカリ、7都市でリアルフェス「mercari Merci Fes.」を開催 | ECzine
https://eczine.jp/news/detail/5787

メルカリ ?本当にあった怖いコメント10選。 | ゲムぼく。
http://gameboku.blog.jp/archives/74950527.html

メルカリ関連を3つまとめて。便利になって拡大施策もどんどんやりながら、ちょっと闇の部分もありますね。

「現地からの視点~アフリカの商慣習」-ビィ・フォアードだけが知るリアルなアフリカビジネス-Vol.1 | BE FORWARD
https://africabusiness.beforward.jp/africa_business/bfafricabusinessfromafrica1/

越境ECというか違う国で商売するには、その国のことをしっかり知っておかないといけないですね。

【ニュース】Googleが小売店舗向けの広告メニューを強化へ | Unyoo.jp
http://unyoo.jp/2018/06/shoppingactions/

日本で使えない機能もありますが、Googleでの買い物がどんどん便利になってきています。

2018年5月 モバイル決済 利用者・未利用者比較調査 | MMD研究所
https://mmdlabo.jp/investigation/detail_1713.html

QR決済よりも「かざすだけで決済したい」という人が多いというデータ。

見えすぎて困る…Facebookの「フォトハラ」にご用心 | 日経トレンディネット
http://trendy.nikkeibp.co.jp/atcl/column/17/011800066/061100014/

机の上、社内、風景など、ちょっとしたことで情報が漏れたりしますので細心の注意を。

アリババの「AI+ロボット」はEC業務をどう変える?[人工知能活用が進む中国ECの今] | ネットショップ担当者フォーラム
https://netshop.impress.co.jp/node/5517

現時点でのAIとの付き合い方はこうだよ、というお手本のような記事。

今週の名言

マーケティングは、頭で考えるフェーズは全体のほんの少しです。すべては現場の行動にかかっています。施策の失敗は現場が動かなかったせいではありません。現場を動かせなかったマーケターにあるのです。

あなたのマーケティング策が失敗する、たった一つの理由【コメ兵 藤原義昭】 | Agenda note
https://agenda-note.com/retail/detail/id=246

「動け」と言って動くわけがないですよね。ユーザーにも社内にもメリットがある施策を考えるのがマーケターの仕事。

森野 誠之

運営堂

運営堂代表。Web制作の営業など数社を経て2006年に独立後、名古屋を中心に地方のWeb運用を支援する業務に取り組む。現在はGoogleアナリティクスなどのアクセス解析を活用したサイト・広告改善支援を中心にWeb制作会社と提携し、分析から制作まで一貫してのサービスも開始。豊富な社会・業務経験と、独立系コンサルタントのポジションを活かしてWeb制作や広告にこだわらず、柔軟で客観的な改善提案を行っている。理系思考&辛口の姿勢とは裏腹に皿洗いを趣味にする二児のパパ。

森野 誠之

楽天が出店者向け保険サービスを開始、法務・税務の専門家無料紹介も行う取組とは? | 大手ECモールの業績&取り組み&戦略まとめ

8 years ago

楽天は「楽天市場」の出店店舗向けの損害保険サービス「市場店舗限定 経営者様向けサポート制度」、「法務」「税務」の専門家を無料で紹紹介する取り組みを6月18日から始めた。

楽天が保険契約者となり、出店者を被保険者として保険者と保険契約を締結する団体保険商品「サイバー(情報漏えい)保険」「PL(生産物賠償責任)保険」を開発。企業単体で加入するよりも手頃な価格で契約できるようにする。

楽天グループの楽天インシュアランスプランニングを取扱代理店として提供していく。

「法務」「税務」の専門家紹介は、弁護士ドットコムグループと連携して提供する。

楽天が提供する「市場店舗限定 経営者様向けサポート制度」、「法務」「税務」の専門家無料紹介の内容
「市場店舗限定 経営者様向けサポート制度」、「法務」「税務」の専門家無料紹介の内容
楽天が市場出店者に向けて提供する保険や経営者向けサービス
楽天が市場出店者に向けて提供する保険や経営者向けサービスについて(一部、今後の構想も含む)

団体保険制度

サイバー(情報漏えい)保険

  • 契約形態:保険契約者を楽天、被保険者を楽天市場出店店舗とする団体契約
  • 補償内容:個人情報漏えいにより負担する法律上の損害賠償責任とお詫びや謝罪広告などの漏えい対応費用を補償。被保険者への情報セキュリティ診断サービスも提供
  • 年間保険料水準:1万2000円~
  • 取扱代理店:楽天インシュアランスプランニング
  • 引受保険会社:三井住友海上火災保険

PL(生産物賠償責任)保険

  • 契約形態:保険契約者を楽天、被保険者を楽天市場出店店舗とする団体契約
  • 補償内容:販売した商品に起因して、国内で第三者の身体の障害および第三者の所有物の損失が発生した場合の賠償責任を補償。「楽天市場」を通じての販売に限らず、被保険者が「楽天市場」以外で運営するネットショップ・リアル店舗、イベントなどでのリスクも補償。製造業、食品製造・販売業、輸入販売業のPLリスク対策に活用できる
  • 年間保険料水準:6000円~
  • 取扱代理店:楽天インシュアランスプランニング
  • 引受保険会社:三井住友海上火災保険、朝日火災海上保険(7月2から「楽天損害保険株式会社」に商号変更)

また、楽天生命が提供する経営者向け定期保険を活用した「決算対応」「事業継続」「事業資金準備」など企業経営に役立つファイナンスに関する情報提供も行う。

楽天生命が提供する「経営者定期保険」の契約者に向けて、企業経営に役立つ情報提供を行うもの。「経営者定期保険」は、保障内容や保険期間によって保険料の一部または全額の損金算入、保障を継続したまま所定範囲内での契約者貸付が利用できるのが特徴。

経営者の万一への保障を確保しながら、将来に向けた資産形成ができる保険として、楽天市場店の経営者向けに提供していく。

楽天が市場出店者に向けて提供する団体保険制度の一覧サービス
団体保険制度のサービス一覧

税務・法務の相談窓口サービス

弁護士ドットコムと提携し、店舗向けの相談窓口を開設。ECモールのビジネスに知見を持つ、法務や税務の専門家を無料紹介する取り組みも始める。

弁護士ドットコムグループと連携し、店舗経営者に「法務」「税務」の専門家を無料で紹介するサービス。ユーザートラブル、契約締結、特定商取引、知財・特許、決算対策、EC特有の税務処理、税調対応などに対応する。

◇◇◇

楽天はこれまで、「安心・安全への取り組み」を掲げて「楽天市場」利用者向けの補償サービスを拡充。出店者向けにはチャージバック補償を中心に補償制度の拡充を進めてきた。

楽天が「楽天市場」の消費者・出店者に向けて整備を進めてきた補償制度について
楽天が「楽天市場」の消費者・出店者に向けて整備を進めてきた補償制度について

今回の保険を中心とした補償サービスもその一貫。出店者が抱えている課題などを保険サービス、紹介サービスといった取り組みを通じて解決していく。

楽天は6月、楽天生命、朝日火災海上保険、楽天少額短期保険、楽天インシュアランスプランニング、楽天アンセルインシュアランスの保険関連の子会社5社を統括する中間持株会社「楽天インシュアランスホールディングス株式会社」を7月2日に設立すると発表。

5社が一体となって最適な保険サービスを提供し、多様化する顧客の保険ニーズに対応するとしている。

瀧川 正実

ネットショップ担当者フォーラム編集部 編集長

通販・ECに関する業界新聞の編集記者、EC支援会社で新規事業の立ち上げなどに携わり、現在に至る。EC業界に関わること約13年。日々勉強中。

瀧川 正実

グーグルと中国小売大手JD.comが資本・業務提携した理由

8 years ago

中国直販EC最大手のECサイト「JD.com(京東商城)」を運営する京東集団は6月18日、Google(グーグル)と戦略的提携を締結し、その一環として約600億円(5.5億ドル)の出資を引き受けたと発表した。

京東集団とGoogleは、東南アジア・米国・欧州などを対象に、小売ソリューションの開発などを共同で展開するとしている。

京東集団が保有するサプライチェーンとロジスティクス領域における知見やインフラ、グーグルの技術力を活用し、次世代の小売インフラを構築。便利でパーソナライズされた快適なショッピング体験を世界中に提供するとしている。

パートナーシップの一環として、JD.comが「Googleショッピング」に参加。検索エンジンでGoogleを利用する世界中のユーザーへアプローチできるようにするという。

東南アジア市場でJD.com+グーグル連合×アリババグループ×Amazonの戦いへ

京東集団がグーグルの出資を受け入れた背景には、約6.3億人を抱える東南アジアの消費マーケットの開拓があると考えられる。

グーグルと投資会社のTemasekが東南アジアのインターネット市場をまとめた『e-Conomy SEA Spotlight 2017』によると、2017年にインターネットを活用する月間アクティブユーザー数は3.3億人。世界で3番目のインターネットユーザー数を抱えているという。

東南アジアのユーザーは、ネット通販にアメリカ人の2倍もの時間を費やしており、EC市場規模は2025年までに881億ドルまで拡大すると予測している。

東南アジアのインターネット経済市場規模
東南アジアのインターネット経済市場規模(単位は十億米ドル、『e-Conomy SEA Spotlight 2017』からキャプチャ

アリババは東南アジア最大手のLazadaを買収

東南アジア市場では、アリババグループが東南アジア市場最大といわれるEC企業Lazada(ラザダ)を買収し、東南アジアでのネット通販に本格進出。また、シンガポール国内で郵便事業を行うシンガポールポストへの出資、インドネシアのEC企業であるTokopedia(トコペディア)にも投資している。

アリババグループの東南アジア事業で中核を担うとみられるラザダは、インドネシア、マレーシア、フィリピン、シンガポール、タイ、ベトナムなどで事業を展開。タイのKerry Logistics NetworkやDHL、インドネシアのJNE Expressなど100社以上と連携し、提携パートナーがラストワンマイルを担っている。

Amazon、シンガポールを拠点に東南アジアへ?

米Amazonも東南アジア市場を狙う一社。2017年7月、商品を2時間以内に配達する「Prime Now」をシンガポールでスタート。ラザダと同様、シンガポールを拠点に、東南アジア圏へ販売網を広げていくという見方があがっている。

京東集団は自前主義を中心に市場を開拓中

京東集団はインドネシアへ2015年に進出。現地法人PT Jingdong Indonesia Pertamaは1000人を超えるスタッフを抱え、自前で配送網を構築。中国で培った直販、プラットフォーム事業のノウハウを生かし、ネット通販を展開している。

また、2017年にはタイの小売大手セントラルグループと合弁会社JDセントラルを設立し、2018年内にECプラットフォームを立ち上げると発表。セントラルグループの知見、京東集団の物流力、AI技術、サプライチェーンを管理する技術などを融合するとしている。

ベトナムではテンセントの子会社であるVNGと共同で「Tiki(ティキ)」に出資。京東集団は「ティキ」の大株主になったという。

「ティキ」は毎年3ケタ桁の成長率を維持し、ベトナムのインターネット業界への貢献を表彰する政府部門における「ベトナムECへ最も影響力のある企業トップ10」入りも果たしたという。

京東集団は現地企業への出資、合弁設立、もしくは自前構築で東南アジア各国へ進出方針を掲げている。こうした方針を維持しながら事業規模を広げていくためには、世界的に検索のトップシェアを握るグーグルとの連携が不可欠と判断したと考えられる。

アウンコンサルティングの調査によると、タイ、マレーシア、シンガポール、インドネシア、ベトナムといった東南アジアでは、グーグルが圧倒的な検索シェアを占める。

アジア地域における2018年2月度のPCとモバイルの主要検索エンジンシェア
2018年2月度のPCとモバイルの主要検索エンジンシェア(アウンコンサルティングのリリース

「Googleショッピング」はベトナム、マレーシア、ベトナム、タイ、インドネシア、シンガポールといった東南アジアでも提供されている。京東集団がパートナーシップの一環として「Googleショッピング」に参加したのも、東南アジアに住むネットユーザーの検索ニーズを獲得するためでもある。

ショッピング広告に力を入れるグーグル、東南アジア市場をJDと開拓

グーグルにとって、ショッピング広告は成長を続けている注力領域。京東集団との資本・業務提携により、市場拡大が見込まれる東南アジアの小売・ECマーケットを攻略することができるようになる。

たとえば、2018年3月に公表した「Googleショッピング」の新しい機能「Shopping Action(ショッピングアクション)」。これは、モバイルとデスクトップでの検索結果、Google Express(グーグルが提供する食品などの即日宅配サービス)、Google Assistant(グーグルが提供するAIの音声アシスタント)、Google Home(会話型AIのGoogle アシスタントを搭載したスマートホーム機器)に商品情報を掲載し、商品購入までをサポートする広告商品だ。

従来型のクリック課金ではなく売上課金型の広告で、より小売企業のビジネスモデルに沿った広告サービスとなっている。また、グーグルはユニバーサルショッピングカートを提供。1クリックによる商品の再購入、過去の閲覧・購入履歴を用いたパーソナライズされた商品レコメンド機能を広告主に提供するという。

グーグルが提供する売上課金型の新しい広告「Shopping Action(ショッピングアクション)」
「Shopping Action(ショッピングアクション)」のイメージ(画像はグーグルのブログからキャプチャ)

「Shopping Action」を導入した米国の大手小売企業Target(ターゲット)では、「間もなく、『Target.com』とGoogleのアカウントを連携し、よりパーソナライズされた直感的なショッピング体験を作り出すことができる」と説明している。

現在、「Shopping Action」は米国のみの提供だが、東南アジア圏でも展開する可能性は大きい。Walmart(ウォルマート)、Costco(コストコ)、Walgreen(ウォルグリーン)など米国では小売企業との連携を強化するグーグル。東南アジアで「Googleショッピング」を強化するには、小売企業である京東集団は最適なパートナーだったと言える。

グーグルのアジア太平洋地域担当プレジデントであるカリム・テムサマニ氏は、「GOOGLE IN ASIA」のサイトで次のように述べている。

私たちは、小売企業が東南アジアを含む世界中のさまざまな国々で、有用でパーソナライズされた高品質のサービス提供を加速したいと考えている。JD.comのサプライチェーンと物流の専門知識、技術力を活用して、小売企業が消費者に簡単な買い物経験を提供し、どこでも好きな場所で買い物できる新しい方法を模索する。

瀧川 正実

ネットショップ担当者フォーラム編集部 編集長

通販・ECに関する業界新聞の編集記者、EC支援会社で新規事業の立ち上げなどに携わり、現在に至る。EC業界に関わること約13年。日々勉強中。

瀧川 正実

ネット通販の荷物、西日本地域を中心に配送遅延の可能性あり

8 years ago

大阪府で6月18日に起きた地震の影響で、ネット通販の商品配送で遅延が発生する可能性がある。

日本郵便は6月18日12時、ホープページで「大阪府での地震に伴う影響により、郵便物・ゆうパックのお届けに半日程度の遅れが発生いたします」と記載。道路状況によってさらなる遅れが生じる可能性に言及した。

荷物の配送が遅延する可能性があるのは、近畿地域で引受または配達、東北・関東・甲信越・東海・北陸地域と中国・四国・九州地域の間で配達となる荷物など。

ヤマト運輸も6月18日、ホームページで「通行止めなどの交通規制や道路渋滞などの影響で、宅急便・クロネコDM便にお届けの遅れが予想されます」と告知。佐川急便も遅延が発生する可能性があるとしている。

EC実施企業は通販サイトで遅延の可能性を告知

大阪府に本社を置く上新電機では商品の出荷に遅れが発生。ECサイトで「明日お届け」「24時間以内出荷」などと記載されている商品、すでに配送の案内を行った注文について、「お届けのお約束ができません」とアナウンスし、理解を求めている。

アスクルが運営するECサイト「LOHACO」でも早々に配送への影響をECサイトで告知。西日本を中心としたエリアで商品の配送に遅延が見込まれるとアナウンスした。

「関西道路を通過する直送品やストアの商品のお届けに遅延が発生する可能性がある」とし、理解を求めている。

アスクル運営の「LOHACO」でのお知らせ

「LOHACO」での配送遅延に関するお知らせ(画像は編集部がキャプチャ)

ニトリでは大阪府内での商品配送に一部遅延が発生。「一部店舗での商品受け取りにも遅れが発生する可能性がある」。

良品計画のECサイト「無印良品」でも、配送遅延の可能性について言及。西日本エリアへの配送について、遅延が見込まれるとしている。

瀧川 正実

ネットショップ担当者フォーラム編集部 編集長

通販・ECに関する業界新聞の編集記者、EC支援会社で新規事業の立ち上げなどに携わり、現在に至る。EC業界に関わること約13年。日々勉強中。

瀧川 正実

豪州向け越境EC、1000豪ドル以下で消費税(GST)10%徴収開始

8 years ago

オーストラリア(豪州)国内での物品やサービスの販売に広く課される財・サービス税(GST)が2018年7月1日から、豪州向けの越境ECにおける1000豪ドル以下の物品販売にも適用される。税率は10%。

現在、課税基準額が1000豪ドル以下の輸入品(国際郵便などを含む。たばこ、酒類は除く)は関税やGSTなどが免除されている。この「低額輸入品関税免除制度」が7月1日に撤廃される。

豪州向けに越境ECを行う事業者は、商品の販売時(決済時)にGST相当額を消費者から徴収し、豪州政府に納付する。

サービスやデジタル商品の販売では、2017年7月1日からGSTが課されている。

日本貿易振興機構(JETRO)によると、「低額輸入品関税免除制度」が海外の小売業者を不当に優遇しているとの批判が豪州国内の小売業界から上がっていたという。

eBayが対応開始

「低額輸入品関税免除制度」の撤廃を受け、グローバルECサイト「eBay」はバイヤー(買い手)からGST相当額を徴収すると発表した。

7月1日以降、豪州国外のセラー(売り手)が販売している1000豪ドル以下の商品については、豪州のバイヤーが決済する際にGST相当額を上乗せする。

検索結果や商品ページにはセラーが設定した価格を表示するが、決済時に10%相当額を追加して表示するとしている。

 

渡部 和章

ライトプロ株式会社 代表取締役

渡部 和章(わたなべ・かずあき)

新聞社で約7年半、記者を務めた後、2015年に編集プロダクションのライトプロを設立して代表に就任。編集者兼ライターとしても活動中。

趣味は料理と漫画を読むこと。東京都在住。1983年生まれ。

渡部 和章

景表法違反で2229万円の課徴金、サプリメントのEC会社が違法表示。アフィリエイトサイトにも波及

8 years ago

根拠がないにも関わらず、飲むだけで短期間で痩せると宣伝してサプリメントを販売したなどとして、消費者庁は6月15日、ブレインハートに対して景品表示法に基づく措置命令を出した。違法表示によって商品を販売したとして、景品表示法に基づき課徴金2229万円の納付も命じた。

消費者庁によると、ブレインハートは健康食品の販売サイトで「摂取するだけで短期間で痩せる」などと表示していた。また、石けんの販売サイトで「使用するだけでシミやシワが軽減する」などと表示していたほか、下着の販売サイトで「着用するだけで下半身の痩身効果がある」といった表示があったという。

また、商品の販売価格について「限定特価2980円」などと表示していたが、実際には特価ではなく通常の販売価格だった。

消費者庁は6月15日、ブレインハートに対して景品表示法に基づく措置命令を出した

ブレインハートが行った表示例

消費者庁は、ブレインハートのECサイトに表示された内容や、ECサイトにリンクするアフィリエイトサイトの表示内容が、景表法が禁止する「優良誤認」(実際の商品よりも優れていると消費者に誤認させること)に該当すると判断。また、二重価格は「有利誤認」(実際のものよりも著しく有利であると消費者に誤認されるもの)に当たると判断した。

ブレインハートに対し、再発防止の徹底や違反事実を消費者に周知するよう命じた。消費者に違反事実を周知する際は、ECサイトにリンクしているアフィリエイトサイトも含めることとしている。

措置命令の対象商品は食品3品目と石けん1品目、下着1品目の合計5品目。

  • 食品:「グリーンシェイパー」「アストロンα」「スリムイヴ」
  • 石けん:「恋白美スキンソープ 」
  • 下着:「Smart Leg 」

違法に得た売上高の3%が課徴金に

「アストロンα」を除く4商品については、景品表示法に基づき課徴金の納付を命じた。課徴金は「グリーンシェイパー」が916万円、「スリムイヴ」 が193万円、「恋白美スキンソープ 」が563万円、「Smart Leg 」が557万円。

景品表示法に課徴金制度が導入されたのは2016年4月。課徴金制度は、法律に違反することで不当に利益を得た法人・個人から、その利益を没収する(金銭的不利益を科す)処分のことで、違法表示によって得た売上額の3%。

渡部 和章

ライトプロ株式会社 代表取締役

渡部 和章(わたなべ・かずあき)

新聞社で約7年半、記者を務めた後、2015年に編集プロダクションのライトプロを設立して代表に就任。編集者兼ライターとしても活動中。

趣味は料理と漫画を読むこと。東京都在住。1983年生まれ。

渡部 和章

スタートトゥデイの前澤社長、田端氏らが語るZOZOグループの「成長戦略」「将来像」 | 通販新聞ダイジェスト

8 years ago

スタートトゥデイはこれまで、ネットで服を買いやすくするためにさまざまなサービスや機能をファッション通販サイト「ゾゾタウン」で展開し、ファッションEC市場の拡大に大きく貢献してきた。5月21日には会社設立20周年を迎えたが、今も業界関係者や消費者を驚かすチャレンジを続けており、サイズ問題の解消を原点とした同社初のプライベートブランド(PB)「ゾゾ」と、採寸用ボディースーツ「ゾゾスーツ」の取り組みは業界の垣根を越えて注目されている。通販新聞ではスタートトゥデイの前澤友作社長をはじめ、今後の成長戦略で欠かせない役割を担うグループの4人(※ゾゾオールスターズと命名)に集まってもらいグローバル展開の“要”となるPBへの思いやグループの将来像などについて話を聞いた。

スタートトゥデイの前澤友作社長、田端信太郎氏、スタートトゥデイテクノロジーズの金山裕樹社長、アラタナの濵鍋伸次社長が対談

サイズ問題はグローバル

――M&Aでグループが大きくなっています。前澤社長はどんな狙いや思いでM&Aを実施されてきましたか。

前澤「これまでのM&Aの対象は、買収前から知っている経営者が多いです。それぞれの人柄や活躍、諸事情?(笑)も含めて、事前に知った上で買わせてもらっています。あまり、当社から積極的に『買収させろ』みたいな形で話をすることはありません。会社として、次のステージに向けて動き出そうとしている時期に『今度、こういうことを考えているのだけど、一緒にやりませんか』と、お互いが相思相愛でM&Aを実施することが多く、急に押しかけて買収することはないです」

スタートトゥデイ・前澤友作社長
スタートトゥデイ・前澤友作社長

――アラタナさんのケースではどうだったのでしょうか。

前澤「ちょっと忘れちゃいました(笑)」

濱渦「私はちゃんと覚えていますよ(笑)。スタートトゥデイは当時、子会社だったスタートトゥデイコンサルティングを通して取引先のメーカー自社ECの開設・運営を支援するBtoB事業を展開していました。当社も通販サイトの構築サービスをメインにしながら、『ハニカム』というウェブメディアを買収し、メディアコマースなどに挑戦していた頃でした」

「そんなときに、スタートトゥデイコンサルティングがメーカー自社EC支援のビジネスから身を引くという話が出まして、『やめるのはもったいない』と前澤に伝えに行ったのがきっかけです。結局、当社がうまい仕組みを作れるのであれば、スタートトゥデイグループとして事業を継続していこうということになりました」

前澤「そうでした。宮崎に行ってオフィスも見せてもらいました。濱渦は宮崎では有名人なんですよ」

――アラタナさんはグループに入って3年くらいですか。

濱渦「2015年5月にスタートトゥデイグループに入りましたので、ちょうど3年経ちました。通常、M&Aは社長のキーマンクローズと呼ばれる規定を盛り込みますが、そういったことを忘れてしまうくらい楽しく過ごせていますし、親会社に行って終わりという画一的なM&Aも多い中で、スタートトゥデイグループはそういうこともなく、今後の3カ年計画についてもワクワクしています。東京も楽しくて、けっこう東京にいる時間が多くなりました(笑)」

――旧VASILY(ヴァシリー)の金山さんともだいぶ前から面識があったようですね。

前澤「7年くらい前から知っています」

金山「私がヴァシリーでファッションメディア『IQON(アイコン)』を作って1~2年後にスタートトゥデイと取り引きを始め、スタートトゥデイの担当者から前澤と一緒に食事に行こうと誘われたのが最初です。そこから定期的に会って話をする中で、これは絶対一緒にやった方がいいなと思ったのは、前澤の自宅でゾゾスーツとPBの話を聞いたときです」

「朝5時くらいだったと思いますが、前澤から『こんなこと考えてるんだよね』と言われたときに、脳天をぶち抜かれた感じがあり、これは世界を変えると思いました。しかも、ゾゾスーツというテクノロジーとファッションを組み合わせた世界でも類を見ないような取り組みを始めると聞いたときに、スタートトゥデイは世界トップのファッションテック企業になると確信しました」

「ヴァシリーもファッションテックで世界を目指していたのですが、前澤からは7年くらい前に『うちを越えるのは無理だから早くやめなよ』みたいなことを言われていて、当時は『もうちょっと頑張ります』と答えていたのですが、早朝5時にゾゾスーツの話を聞いて、しかもプロトタイプまで見せてもらい、7年前は生意気なことを言って本当にすみませんでしたという気持ちになりました」

前澤「確かに、同じようなことを別々にやってもしょうがないので、7年前から『どうせなら一緒にやろうよ』と言っていましたね」

金山「7年前から前澤の方が正しかったと、今は思います。ゾゾスーツの構想とプロトタイプを目の当たりにしたときは、初めてiPhoneに触れたときぐらいの衝撃がありました」

前澤「ゾゾスーツの話はどんなタイミングで話したかな」

金山「社長会という、前澤とグループ会社の社長が定期的に集まって食事をする会に、なぜか私はM&Aの前から呼ばれていて、その場に居たんですよ」

濱渦「だいたい朝方まで続く会です」

前澤「そうでした。外部ゲストとして金山を呼んでいて、私と年齢も近いですし、いずれ(M&Aを)ということもあってですね」

金山「グループの社長たちもPBとスーツの構想を聞いたのは、そのときが初めてだったと思います。みんなで、ゾゾのPBはこうじゃないのと当てっこをしていて、5時くらいに前澤が『実はね』と話し出したんですね」

濱渦「あれは目がさめましたね」

金山「さめたどころか、このスケールできたかという感じで、目がギンギンになっちゃいましたよ。私たちはPBを始めるのであれば、どんなデザイナーを呼ぶとか、ユーザーがカスタマイズできるといった具合にデザインの話をしていたのですが、前澤は『そうじゃなくて、サイズの問題はグローバルだから。ゾゾスーツでファッションの問題を解決していく』と言っていて衝撃を受けました」

「あと、『われわれが作るPBは、ラグジュアリーなものではなく、カップラーメンみたいなもので、みんなが知っていて、みんなに愛され、みんなが手にとれて、みんなが幸せになれるものを目指す』と言ったのをよく覚えています。もう迷うことなく、一緒にやりたいと思いました」

――田端さんはいつ頃からお知り合いですか。

田端「私はLINEの広告営業をしていたときにスタートトゥデイと付き合いがあったのですが、そのときは前澤と接する機会はほとんどありませんでした。ただ、個人的に注目はしていて、同い年として男は前澤友作、女は神田うのという感じで勝手にベンチマークしていました(笑)」

「前澤の発言もウェブで見ていましたが、普通はこんなこと言わないと思うことをたくさん発信していて、それこそ、堀江さんがライブドアを離れて以降、良くも悪くも“おとな”なネット企業の創業者ばかりで、社員や世の中の空気を読んで安全運転な発言をする人が多い中で、この人は違うなと思っていました。前澤から話をもらったのが昨年9月で、私も発表前のゾゾスーツを見せてもらい、これだと思って一緒に仕事をさせてもらうことになりました」

スタートトゥデイの田端信太郎氏(コミュニケーションデザイン室 本部長)
スタートトゥデイの田端信太郎氏(コミュニケーションデザイン室 本部長)

――前澤社長はなぜ田端さんにアプローチしたのですか。

前澤「PBを展開するということは、その会社や私自身、スタッフのみんなが、どういう人で何を思っているのかを伝えていくことが大事だと感じています。なぜなら、ブランドというのは会社そのもの、人そのものだからです。どんなに繕っても素の姿は分かってしまいます。そういう意味で、自分たちが何者なのか、スタートトゥデイがどういう風に創業から20年間を歩んできたのかを世間に正しく、きれいに知ってもう必要があります」

「一方で、当社の広報グループはあまり前に前にというプロモーションをしてこなかったですし、私もこの数年はあまり取材を受けてきませんでした。そこで、PRの体制を整え直す必要があり、どういう人をPRの責任者に置くのがいいかを考えたときに、すぐに頭に浮かんだのが田端でした。いろいろ問題も起こす人ですが(笑)、基本的には真面目で信念を持って言いたいことを言うという意味では私と近く共感していて、一緒に仕事がしたいと思いました」

田端「個人と会社の関係性は私なりに思うところがあり、前澤という個人とスタートトゥデイという会社の関係性が重なる部分と重ならなくていい部分の境目みたいなところに悩んでいるという感じがあり、私も明確な解を持っているわけではないのですが、もしかしたら役に立てるかもしれないと思いました。個人と会社、個人とブランドの距離感みたいなことを熱弁させてもらいました」

「あとは、私自身もLINE以前からずっと広告ビジネス一筋の身ですので、広告費をかけてメディアの枠を買うこと自体を全否定するわけではないですが、広告枠がどうとか、クリック単価ばかりを気にしていても仕方ないと思っています。ゾゾスーツの原価は広告宣伝費に計上していて、ある意味、スーツ自体が最新型の広告スペースみたいなものです。広告は新しいお客さんとの接点を作り、買ってもらうためのきっかけ作りであることを考えると、ゾゾスーツもそうですし、支払いが最大2カ月後にできる『ツケ払い』もその決済手段自体がある種の広告かもしれません。そういう問題意識を抱えている中でゾゾスーツを見せられ、このチャンスに飛び込みたいと思いました」

旧スーツを3カ月で一新

――初めての中期経営計画と10年後ビジョン(※注①)の成功に欠かせないのがPB事業ですが、新型ゾゾスーツはスタートトゥデイ研究所が3億円で買い取ったアイデアがその原形ですか。

注釈①スタートトゥデイは21年3月期を最終年度とした3カ年の中期経営計画で商品取扱高7150億円、売上高3930億円、営業利益900億円を、長期ビジョンとしては10年後にPBを展開するオンラインSPAで世界ナンバーワン、グローバルアパレル企業トップ10入り、10年以内に時価総額5兆円を目標に掲げている

前澤「買い取ったアイデアをもとに開発しました。今年の1月末に買い取って、3カ月くらいで全部作りました。旧型スーツの改良を重ねていた裏で新型スーツの準備も進めていました」

濱渦「新型ゾゾスーツではスタートトゥデイのすごさを改めて見た気がします。1月に新しいアイデアを発見した奇跡と、そこから3カ月でそれまで作ってきた生産フローやアプリも全部作り直していて、なかなか普通の企業ではできないことだと思いました」

金山「設備投資したものも全部ですからね」

前澤「40億円減損しました」

――旧ゾゾスーツの未来感が失われた(※注②)という意見もありますが、本質的な部分、目的はブレていないですよね。

注釈②昨年11月に発表した伸縮センサー内蔵のゾゾスーツはスマホと通信接続することで人体のあらゆる箇所の寸法を瞬時に測定できることから「未来感がすごい」などと話題になった。ただ、生産面の課題を解消できず、全身に付いたドットマーカーをスマホカメラで撮影することで体型を測定できるマーカー読み取り方式を採用した新型ゾゾスーツに切り替えたことで、SNS上ではマーカーが水玉模様に見えるとして「未来感がなくなった」などの声が相次いだ

前澤「そうです。いまはもっと簡単で精度の高い測定が可能なスーツや、スーツに頼らない技術の研究もしています。今期、600万着~1000万着のスーツを無料配布すると発表していますが、さらに新型のスーツを配布するかもしれませんし、スーツなしでの計測の技術革新に成功すれば、何百万着もスーツを配らなくて済むかもしれません。いまのスーツも1着1000円はかかり、1000万着だと100億円ですからね」

――物流センターの拡充(※注③)を進めていますが、PB商品は工場直送にかなり近いイメージでしょうか。

注釈③商品取扱高の拡大に伴い、千葉県習志野市にある既存の物流センターに加え、昨年7月からは千葉県印西市でも倉庫を賃借しているが、今秋には茨城県つくば市内で大型の物流センターが稼働を始めるほか、来年秋完成で隣接地にも物流拠点を構える計画で、その時点で倉庫の延床面積は約32万平方メートルになる見込み

前澤「そうですね。物流センターでの保管期間は短く、基本的に作ったPBはすぐに届けますので、センターを経由するというくらいの感覚です。一部、アイテムによっては事前の作り置きもあります」

――金山さんは世間のPBやスーツへの反応をどう見ていますか。

金山「PB『ゾゾ』についてはSNS上の反応が主ですが、想像通りの反応だと思います。新しいゾゾスーツについても外見上の意見がでると思っていましたし、一方で、それを越えて計測してPB『ゾゾ』を買ってくれた方はほぼポジティブで、そこも想像通りです。いい流れはできつつあると思います」

「PB『ゾゾ』自体は前澤直轄で取り組んでいますが、私のタスクとしては、もう3歩先、5歩先をスタートトゥデイ研究所(※注④)としては見据えないといけません。新型ゾゾスーツを見ると分かりますが、顔や手足の先といった人の末端部分まではカバーしていません。そこには大きな課題があります。当然、展開アイテムもいまはデニムパンツとTシャツだけですが、アイテムを増やしていくときに、デザインは人が一からデザインするのかなどを検討しなければいけません。私としては、機械がデザインしてもいいと思っています」

注釈④スタートトゥデイ研究所はファッションを科学的に解明する目的で今年1月末に発足したプロジェクトチームで、グループが持つ大量のビッグデータとゾゾスーツで得られる体型データなどを活用して「服作り」や「サイズ」「似合う」をテーマに研究を行っており、金山氏がプロジェクトリーダーを務めている

――PBの今後のラインアップについてはいかがですか。

前澤「今後のラインアップとしては、ビジネススーツのセットアップを投入したいと考えています」

――PBのラインアップを増やすのに協力工場の開拓は欠かせませんが、どのような基準で工場を選んでいますか。

前澤「オンデマンド生産やメード・トゥ・メジャーの生産に前向きで、最新鋭の設備に投資意向の強い工場を選んでいます。グローバル企業を目指していますので、最終的には工場のローカライズまでを見越した体制を、最初から考慮しています」

――中計ではブランドの自社EC支援を行うBtoB事業の再強化を打ち出しました。

濱渦「スタートトゥデイが今後、5000億円、1兆円と成長を目指す中で、『ゾゾタウン』やPB『ゾゾ』も成長させていくのですが、ファッション市場にイノベーションを起こすことが私たちのミッションだと思っています。ブランドの自社ECは店頭も含めてまだまだ在庫運用に課題があり、半分くらいがセールになっていたりするわけですが、これは需要予測が十分に機能していなかったり、物流に問題があったりするからです。アラタナとしては、スタートトゥデイが持つデータと物流をファッションブランドに使ってもらうことで、課題解決を手助けしたいと思っています」

「これまでも物流機能は提供してきましたが、データは提供していませんでした。データの一部開放は結構思い切った判断だと思います。『ゾゾタウン』で何が買われているかというデータを使えば需要予測になりますし、自社ECの課題の集客面でも、『ゾゾタウン』のデータは活用できると思います」

アラタナの濵鍋伸次社長
アラタナの濵鍋伸次社長

――BtoB事業でも「ツケ払い」の提供を始めます。

濱渦「ツケ払いも単に新しい決済手段を提供しますというだけでなく、『ゾゾタウン』のデータを使うことで与信の精度がかなり上がっています。『ゾゾタウン』での実績があって、はじめてブランドさんに提供できるようになりました」

「BtoB事業の規模が縮小していた時期は、誰でもできるEC運営代行をやっていたのだと思います。今回、商品取扱高が2700億円まで拡大し、提供できるデータの質が上がってきましたし、BtoBとしても再度アクセルを踏むタイミングだと判断しました。BtoB事業は初年度100億円、2年目に200億円、3年目に300億円を目標にしていますが、個人的には300億円がスタートラインととらえていまして、『ゾゾタウン』と並ぶくらいのビジネスにしたいです」

――今期からスタートする広告事業はどなたが責任者を務めるのでしょうか。

金山「私が務めます。『アイコン』で広告メディアに取り組んできましたし、私は元々ヤフーにいて、ECというよりもメディアの運営にたずさわってきました。『ゾゾタウン』の出店ブランドはかつてない規模に増えていますので、どうしても埋もれてしまうブランドが出てきます」

「新たに始める広告を使ってブランドさんにも『ゾゾタウン』内で露出を増やす機会を提供させて頂くことで、売り上げアップにつなげてもらいたいと思っています。当然、スタートトゥデイが持っているデータを使って、最適な広告を表示します。濱渦が言ったように、われわれのデータをブランドさんのマーケティングに使ってもらえるという意味でも広告ビジネスは意義があると思いますし、今がそのタイミングなのかなと感じています。広告事業は3年後に100億円を目指していまして、グループの利益に貢献したいです」

――LINEで広告営業をされていた田端さんが舵取りをされるのかと思っていました。

田端「アドバイスをすることはあると思いますが、基本的には金山が責任者としてハンドリングします。私が広告営業を指揮するのでは、あまりにこれまでの業務の延長線過ぎてスタートトゥデイに入社した意味がないというか、今はPRやブランディングの再整備に力を注ぎたいと思っています」

最後発こそ最先端を導入できる

――中計では研究所も大事な役割を担うことになります。

金山「研究所発足の意義はいろいろあると思いますが、スタートトゥデイは初めてブランドを手がけるわけです。ある意味、最後発のブランドですよね。ただ、最後発だからこそ今一番新しい仕組みを取り入れやすいと思っています。すでにあるサプライチェーンや生産技術というものにあまりとらわれずに、最先端の技術を導入できる更地が広がっている状態です。研究所で開発したテクノロジーによってブランドを開発できれば、ほかのブランドと差別化できると思います」

「過去に何度か人工知能ブームがありましたが、今回はブームで終わらずに社会に浸透してくるタイミングだと感じていますので、技術を使った差別化をブランド作りに十二分に生かすには計画的に技術を生み出していく必要があります。旧型のゾゾスーツもその準備ができていたら、もっとスムーズに行った気がします。今はいろいろな技術が枝分かれしていて、どれが次に来るのか分かりませんので、研究所としては、すべての技術に対して『ゾゾタウン』やPB『ゾゾ』である程度使える形にしていくことが重要になります」

スタートトゥデイテクノロジーズの金山裕樹社長
スタートトゥデイテクノロジーズの金山裕樹社長

――さまざまな技術に対して均一に人や時間をかけていくことになりますか。

金山「そうですね。いろいろな技術に網を張っておきたいですね。ただ、始まったばかりで研究スタッフも足りませんので、人材を確保しながら研究所としてのプレゼンスを高めていきたいです」

――スタートトゥデイは「実店舗はやらない」と言っていますが、AIやデジタル活用がもっと進むと、アパレル企業はリアル店舗の価値をどこに求めていくのでしょうか。

濱渦「先ほど、ゾゾスーツの体験が広告になるという話が出ましたが、店舗も体験がメインになってきていると思います。ストライプインターナショナルさんがホテルの運営を始められたり、体験をブランディングに生かしている例もあります。そういったことから、体験というワードが店舗のあり方のひとつとして強まっていくと思います。これまでのように店舗のバックヤードにたくさんの在庫を積んで店頭の商品を補充する形で運営していると、体験の場がバックヤードで狭まってしまいます。ですので、例えば、『ゾゾタウン』の物流センターから実店舗に在庫を提供するなど、早いサイクルで商品を回せるサプライチェーンを作ることで、“体験”というブランドさんの店舗価値を生かせるようにサポートしていきたいです」

――今年2月に始めた「おまかせ定期便」(※注⑤)の狙いを教えてください。

注釈⑤今年2月に始めた「おまかせ定期便」は、注文履歴やアンケートの回答などを独自のアルゴリズムで解析して選定した最適な商品をもとに、スタッフが顧客に合ったコーディネートを作成して定期的に届けるサービスで、利用者は届いたコーディネートの中から欲しい商品だけを購入し、それ以外は無料で返品できる。届ける頻度は1カ月ごと、2カ月ごと、3カ月ごとの3種類から選択できる

前澤「服を選ぶのは難しかったり、面倒だったりしますよね。しかも、『ゾゾタウン』には何十万点という商品がある中で、ゾゾスーツを使うとこれまで以上にお薦めの精度が上がるよねという話の中で、単品アイテムをお薦めするだけではなく、コーディネートとして提案できるのではないかという発想でスタートしました。つまり、『おまかせ定期便』はゾゾスーツ起点ということです。スーツで体型を把握して、購入履歴やアンケートから趣味嗜好まで分かれば、今までのレコメンドから次元を超えたお薦めができますよね。しかも何も考えなくても定期的に届くサブスクリプション型ですから楽だと思います」

――定期便のスタッフ数や購入率などはいかがですか。

前澤「まだお伝えできません。手応えもこれからですね」

――「おまかせ定期便」もそうですが、データやAI活用が進む中で「人」の生かし方をどう考えますか。

前澤「人ができることはすべて機械もできるようになると言われていますが、私は半信半疑で、やりながら決めていく以外にはないと思います」

――エンジニアの採用にもかなり力を注いでいます。

前澤「当社がやりたいことを実行するためには数年以内に500人から1000人規模のエンジニアが必要になりますので、しっかりと人材を確保できるテクノロジー企業を目指します」

――ファッション産業が抱える課題をどのように見ていますか。

前澤「これまでもずっと言ってきたのですが、オーバーストックやセールの乱発、服の廃棄など、明らかに人や社会にとって良くないことを、見過ごしてきた感があります。そうした課題も変えていける力になりたいという思いでPB『ゾゾ』も展開していきます。大きなことは言えませんが、ファッション業界全体に伝播して、業界再興の機会にもなればいいと思っています」

海外で売れないと意味がない

――PB展開が成功すれば、じり貧状態にあるファッション市場全体にもインパクトを与えますよね。

前澤「じり貧と言っても、取扱高が鈍化しているとか、下がっているだけで、服の販売数量やファッションを楽しむ人が減っているわけではなく、販売数量はむしろ増えていて、商品単価が下がっているだけだと思います。今までより良い商品が従来よりも安い価格で流通しているということは、誰かが頑張っているからです。デフレというと言い過ぎかもしれませんが、マーケットが正常化に近づいているのではないでしょうか。取扱高は同じでも、例えば単価は半分で、販売数量は2倍になっていて、それでもマーケットが保たれているというのはユーザーにとって良い状態だと思います。今までより服を2倍楽しめるのに、使う額は変わらないわけですから」

スタートトゥデイ・前澤友作社長

――PBが始まり、「ゾゾタウン」の取引先ブランドとの関係性に変化はありますか。

前澤「競合として見られているイメージはまったくないです。むしろ、『突き抜けて面白いことをやってもらいたい』という応援コメントを頂くことの方が多いです。ただ、ブランドさんもプロですので、『そんなに服作りは簡単じゃないぞ』という声も当然頂いていますが、厳しいご意見もありがたく感じています」

――ブランドさんとの接点が多い濱渦さんはどう感じていますか。

濱渦「対ゾゾ、対PBという感じはありません。互いにやろうとしていることは一緒で、PB『ゾゾ』も大量消費の解決につながると思いますし、広告もブランドさんが売りたい商品をより売れるようにすることですので、ブランドさんにもスタートトゥデイグループがやろうとしているファッション革命に乗って頂きたいと思います」

金山「研究所視点になりますが、出せる範囲で論文だったり、学会の発表にこれまでも取り組んできましたし、これからも取り組んでいこうと思っています。研究所として発見した世の中の真理や科学みたいなものは、自分たちだけで囲い込むつもりはありません。公にしていきますので、論文で発表したものをブランドさんや繊維メーカーさんに使ってもらうことはウェルカムですので、ファッション産業の一員として業界を盛り上げていきたいですね」

――中長期ビジョンを達成する上での課題を教えてください。

前澤「中長期ではPB『ゾゾ』が海外で売れないと意味がありませんので、国内で胡座をかくつもりはありません。海外は本当にチャレンジになりますが、サイズの課題はグローバルですので、それを信じて突き抜けるしかないです。米国や欧州では何度もフィッティングテストをしていますが、『こんなぴったりの服は初めて』とたくさんの方に言ってもらっていますので、方向性は間違ってなかったという安堵感がありながらも、海外では『ゾゾタウン』はまったく無名ですから、いかに広げていくかというチャレンジに対してワクワク感もあります」

海外でもPBで問題提起を

――海外でのブランド発信も田端さんが担当するのでしょうか。

田端「海外は良くも悪くも当社が運営する既存ビジネスがほとんどありませんので、廃棄の問題だったり、生産の低賃金や児童労働などの問題も含めて、既存のファッション業界に対して問題提起しても、『ゾゾタウンも福袋や大型セールを開催しているだろ』というご意見が飛んでくることをそんなに心配しなくていいですし(笑)、世の中的にエシカルやフェアトレードといった流れもある中で問題提起することで、有料広告に頼らなくてもポジショニングを獲得できる余地があります」

「それこそ、トヨタのプリウスが出てきたときに、米国のセレブがプリウスに乗ったのは、ガソリンを大量に消費するリムジンよりも燃費のいいプリウスの方がクールという態度表明だったのと同じで、当社のPB『ゾゾ』もそうしたブランディングができないかということを少し考えています」

――5~10年後の服の買い方はどうなっていると思いますか。

金山「ネット販売のシェア拡大という今の流れが続いてネットで服を買う人が増え、リアルで買う人は減ると思います。ネットでの買い方は、欲しいもののイメージがあって、それをネットで探して買うという今の買い方に加えて、なんとなく服が欲しいけどイメージがないという状況にもネット上でインスピレーションを受けてそのまま購入するという流れや、ゼロから提案を受けて購入に至るという受動的な購買が増えると思います。リアルでの買い物はネットで完結しない部分を補う存在になると考えています」

――前澤社長はいかがですか。

前澤「自分の体に合うものをストレスなく選べることはもちろん、自分でデザインした一点ものが作れたり、頭の中で想像したものがそのまま製品化されて買えるようになると思います」(敬称略)

通販新聞

基礎化粧品のEC市場に本格参入する万田酵素、発酵技術を化粧品に応用

8 years ago

植物発酵食品「万田酵素」の製造販売を手がける万田発酵は基礎化粧品のECに本格参入する。

現在、スキンケア製品は洗顔料やハンドクリームなどを販売している。7月10日に発売するスキンケアライン「Mforte(エムフォルテ)」を通じて基礎化粧品に本格参入する。

「Mforte」は先行美容液、化粧水、乳液、クリーム」の4品目。価格帯は1個あたり5400~8640円。

4品目の小瓶が詰め合わせになった1週間分のトライアルキットも販売する。トライアルキットの価格は1620円。

万田発酵初の基礎化粧品「Mforte」

「Mforte」は、植物性原材料の発酵過程で得られるアミノ酸やポリフェノールなどを含む植物発酵エキスを配合しているのが特徴という。

万田発酵は1987年設立。主力商品の「万田酵素」を中心に、健康食品の通販・ECを展開しているほか、卸売やOEMも手がけている。

万田発酵は複数の原材料を段階的に発酵する独自の技術を持ち、植物発酵食品「万田酵素」を販売している。この発酵テクノロジーを基礎化粧品の開発に応用した。

売上高は公表していないが、大手求人サイト「マイナビ」の掲載情報によると2017年5月期の売上高は128億円。イングランドプロサッカーリーグに加盟するプロサッカークラブ「マンチャスター・ユナイテッド」の、日本国内における公式栄養サプリメントパートナーとなっている。

渡部 和章

ライトプロ株式会社 代表取締役

渡部 和章(わたなべ・かずあき)

新聞社で約7年半、記者を務めた後、2015年に編集プロダクションのライトプロを設立して代表に就任。編集者兼ライターとしても活動中。

趣味は料理と漫画を読むこと。東京都在住。1983年生まれ。

渡部 和章

「楽天ラクマCS新潟オフィス」オープン/巧妙化するECサイトへの不正アクセス【今週のアクセスランキング】 | 週間人気記事ランキング

8 years ago

「楽天ラクマCS新潟オフィス」が開所しました。現時点のスタッフ数は40名。年内に160名の雇用を目指すそうです。2位はセシールが被害に遭った不正アクセスの手口の解説。

  1. 楽天の「ラクマ」、新潟市にカスタマーセンターをオープン。年内に160人の雇用めざす

    「ラクマ」初の地方CS拠点「楽天ラクマCS新潟オフィス」の開所式を開催

    2018/6/12
  2. 巧妙化するECサイトへの不正アクセス。セシールの被害は「二重登録防止機能」の悪用が原因

    6月2日に発生した不正アクセスの原因について、外部調査会社による調査結果を公表した

    2018/6/11
  3. ネットショップの経営者が女優とお付き合いできる可能性について、真剣に考えてみた

    第2の前澤友作になるために、普通のEC社長が超えければならない3つのステップ(連載第10回)

    2018/6/11
  4. アリババの「AI+ロボット」はEC業務をどう変える?[人工知能活用が進む中国ECの今]

    「店小蜜(デンシャオミー)」「小度(Xiaodu)」など、中国ECにおけるAI活用をレポート

    2018/6/13
  5. 元キタムラの逸見氏がオムニチャネルのECシステム設計を徹底解説! GitHubの「自社ECの仕様を学ぼう」も必読

    ネットショップ担当者が読んでおくべき2018年6月4日〜6月10日のニュース

    2018/6/12
  6. 倉庫ロボット「Amazon Robotics」導入の物流拠点「アマゾン茨木FC」を9月開業

    国内で「Amazon Robotics」を導入するのは、「アマゾン川崎FC」に続く2拠点目

    2018/6/13
  7. 60万店が使う「Shopify」の日本版もInstagram連携をスタート

    「Shopify」を利用しているネットショップは、Instagramのオーガニック投稿からECサイトに集客できる

    2018/6/12
  8. 経産省がAIスピーカーによるネット通販について見解を公表

    消費者の言い間違えによる誤発注が発生した場合などを想定し、消費者保護に関する考え方を整理する

    2018/6/14
  9. アリババが天猫国際(Tmall Global)のリアル店舗をオープン。オフライン展開の狙いとは?

    中国・杭州に誕生した天猫国際(Tmall Global)の実店舗のレポート (vol.33)

    2018/6/11
  10. 宅配クライシス前後の配送会社利用率調査/楽天の独自配送ネットワーク構想【ネッ担アクセスランキング】

    2018年6月1日~7日にアクセス数の多かった記事のランキングを発表! 見逃している人気記事はありませんか?

    2018/6/8

    ※期間内のPV数によるランキングです。一部のまとめ記事や殿堂入り記事はランキング集計から除外されています。

    uchiya-m

    ヤマトが「クロネコメンバーズ」連携のID決済「クロネコペイ」を開始、導入方法は?

    8 years ago

    ヤマト運輸とヤマトフィナンシャルは6月18日、通販・EC事業者のECサイトにおいて「クロネコメンバーズ」の会員情報で決済ができるようになるID決済サービス「クロネコペイ」の提供を始める。

    対象はヤマトフィナンシャルが提供するオンライン決済「クロネコwebコレクト」の契約者。

    「クロネコペイ」はヤマト運輸の会員サービスで約2000万人が登録している「クロネコメンバーズ」と連携。購入者は「クロネコメンバーズ」で登録した情報を用いて、住所やクレジットカード情報を入力する手間なく、「クロネコペイ」導入サイトで決済ができるようになる。

    商品購入時の情報入力といった手間が削減できるため、利便性や使い勝手が向上。ECサイトのコンバージョン率や顧客体験の向上などが期待できる。

    ヤマト運輸とヤマトフィナンシャルは、通販・EC事業者のECサイトにおいて「クロネコメンバーズ」の会員情報で決済ができるようになるID決済サービス「クロネコペイ」の提供をスタート

    「クロネコペイ」を使った場合の決済ステップの流れ

    「クロネコペイ」の提供に合わせ、「クロネコメンバーズ」に新たにクレジットカード情報登録画面を加えた。消費者が登録したクレジットカード情報は、国際セキュリティ基準「PCI DSS」に準拠したヤマトグループの決済システムで管理する。

    「クロネコペイ」を導入するには?

    通販・EC事業者が利用するには、ヤマトフィナンシャルが提供するオンライン決済「クロネコwebコレクト」の契約が必要。「クロネコwebコレクト」は初期費用・固定費無料、決済手数料のみ(決済手数料は5%)で利用できる。月額固定費1万円で決済手数料3.9%のプランもある。

    「クロネコペイ」ではAPIの提供をスタート。自社開発でECサイトを構築した通販・EC事業者も「クロネコペイ」を導入できるようにした。自社カートを利用している事業者には、専用ページから問い合わせを受け付けているこちらから

    ヤマトグループのECサイト開業サービス「らくうるカート」を利用している事業者は、設定不要で自動的に「クロネコペイ」が利用できるようになるという。

    ヤマトグループの「クロネコペイ」を導入した場合の仕組み

    「クロネコペイ」利用イメージ

    ショッピングカート、パッケージとの連携も拡大

    ヤマトグループは今後、「クロネコペイ」の拡大をめざして各種ショッピングカートやECパッケージとの連携を進める。

    また、宅急便の運賃支払い、店舗での買い物など多様なシーンで利用できるようにするとしている。

    瀧川 正実

    ネットショップ担当者フォーラム編集部 編集長

    通販・ECに関する業界新聞の編集記者、EC支援会社で新規事業の立ち上げなどに携わり、現在に至る。EC業界に関わること約13年。日々勉強中。

    瀧川 正実

    アダストリアのファッションECサイト[.st]、24時間365日対応のチャットボット導入

    8 years ago

    「グローバルワーク」「ニコアンド」などのファッションブランドを展開するアダストリアは6月12日、自社ECサイト[.st](ドットエスティ)に人工知能(AI)を搭載したチャットボットを導入した。

    従来の顧客対応手段であるメール、電話、FAQに加え、チャットポットを導入することで、セール時など問い合わせが集中する時期でも顧客を待たせることなく対応する。

    コールセンター大手りらいあコミュニケーションズが開発した自動応対システムを採用。仮想エージェントの「コトヨさん」が、顧客からの問い合わせに24時間365日対応する。

    アダストリアによると、1か月間に顧客から寄せられるメールでの問い合わせは1万件以上。質問の中には「配送料について」「ログインが出来なくなった」「ポイントの利用方法」など、AIで自動応対できるものも多いという。

    アダストリアは、自社ECサイト[.st](ドットエスティ)に人工知能(AI)を搭載

    チャットボットのイメージ(画像は編集部がキャプチャ)

    チャットボットの導入にあたり、過去のメールのログデータやカスタマーサービス担当者の回答例、りらいあコミュニケーションズの顧客対応ノウハウなどを活用。「言葉のゆらぎ」にも対応する学習データを生成し、回答精度の向上を図っている。

    今後、配送情報やポイント情報とのAPI連携を通じ、チャットボットで解決できる領域を拡大するとしている。

    アダストリアは「グローバルワーク」「ニコアンド」「ローリーズファーム」など、グループで20を超えるブランドを持つ。国内外で約1500店舗を展開している。

    2018年2月期のEC売上高は、前期比17.3%増の333億円。単体売上高に占めるEC売上高の比率は16.6%だった。[.st](ドットエスティ)の会員数は2月末時点で約700万人。

    アダストリアのEC売上高とEC構成比の推移

    アダストリアのEC構成比の推移(画像はIR資料を編集部がキャプチャ)

    渡部 和章

    ライトプロ株式会社 代表取締役

    渡部 和章(わたなべ・かずあき)

    新聞社で約7年半、記者を務めた後、2015年に編集プロダクションのライトプロを設立して代表に就任。編集者兼ライターとしても活動中。

    趣味は料理と漫画を読むこと。東京都在住。1983年生まれ。

    渡部 和章

    7/6名古屋開催。自転車ECで急成長のエイチーム(cyma)、Google 検索最新情報など全7講演

    8 years ago
    本イベントのお申込受付は終了いたしました。
    多数のお申込ありがとうございました。
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    // (function($){ // $(window).resize(function(){$('#mainImageArea').height($('#mainImageArea').width() * (300 / 1140));}); // $(window).trigger('resize'); // })(jQuery);ネットショップ担当者フォーラム/Web担当者Forumミーティング2018 in 名古屋ネットショップ担当者フォーラム/Web担当者Forumミーティング2018 in 名古屋

    ファン作り、ブランディング戦略など顧客コミュニケーションを学ぶ1日

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    ネットショップ担当者フォーラム、Web担当者Forumでは、地域におけるeコマース市場の現状と課題を把握し、その方策を導くため、「ネットショップ担当者フォーラム/Web担当者Forumミーティング2018 in 名古屋」を開催します。

    オープニング基調講演
    スタート4年で売上高20億円突破!実店舗やモールに頼らないEC戦略。
    ~難しい「自転車」のECで、店舗無し、モールなしで、成長を続ける戦略とは~
    講師
    株式会社エイチーム
    執行役員 EC事業本部長
    斉藤 洸貴
    自転車通販「cyma -サイマ-」
    クロージング基調講演
    Google 検索最新情報 2018 ~MFI からスピード アップデートまで~
    講師
    グーグル合同会社
    Search Quality Team
    Senior Search Evangelist
    金谷 武明
    Google

    今回の基調講演は、LINE@やLINEショッピングなど、LINEを使った顧客とのコミュニケーションをテーマにLINE藤井執行役員が登壇。

    ゼネラルセッション、クロージング講演では、フェリシモのファン作り、Twitterビジネス活用、ヤッホーブルーイングのブランド戦略など顧客コミュニケーションについてさまざまな角度からお話いただきます。

    そのほかにも、ECサイトの成功事例、CRM戦略、解析、決済、アプリについて講演など盛りだくさんの内容でお届けする1Dayセミナーです。

    ネット通販、デジタルマーケティングに関わる全ての方にお役立ちの情報満載です。 あなたも、お知り合いをお誘い合わせのうえ、ぜひご参加ください。

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    • 株式会社ロックオン
    協力
    • TEK 東海イービジネス研究会

    開催概要

    イベント名
    ネットショップ担当者フォーラム&
    Web 担当者 Forumミーティング2018 in 名古屋
    日時

    2018年7月6日(金)
    セミナー:11:00~17:20(受付開始10:30)
    懇親会 :18:00~19:30  ※有料

    場所
    愛知県名古屋市中村区名駅一丁目1番1号 KITTE名古屋 3階(地図
    交通アクセス
    西鉄福岡(天神)駅から徒歩2分
    地下鉄空港線天神駅から徒歩5分
    地下鉄七隈線天神南駅から徒歩5分
    JR博多駅から天神まで地下鉄で5分
    福岡空港から天神まで地下鉄で11分
    天神バスセンターから徒歩3分
    -->
    参加費
    • セミナー:無料(事前登録制制)
    • 懇親会 :お一人様3,000円(税込)※当日会場でお預かりします。
    主催
    株式会社インプレス ネットショップ担当者フォーラム、Web担当者Forum
    協賛企業
    • アマゾンジャパン合同会社
    • 株式会社Faber Company
    • 富士通株式会社
    • 株式会社ヤプリ
    • 株式会社ロックオン
    協力
    • TEK 東海イービジネス研究会
    特別協力
    • 一般社団法人ウェブ解析士協会
    定員
    100人
    このページのURLhttps://netshop.impress.co.jp/event/201807nagoya
    お問い合わせ
    株式会社インプレス イベント事務局
    TEL:050-3356-0787
    受付時間 10:00~18:00(土・日・祝日を除く)

    タイムテーブル※講師・講演内容は予告無く変更される場合があります。予めご了承ください。

    11:00~12:00
    オープニング基調講演
    スタート4年で売上高20億円突破!実店舗やモールに頼らないEC戦略。
    ~難しい「自転車」のECで、店舗無し、モールなしで、成長を続ける戦略とは~
    講師
    株式会社エイチーム
    執行役員 EC事業本部長
    斉藤 洸貴
    斉藤 洸貴
    セッション概要

    エイチームがEC事業に本格参入したのは2013年と遅い時期。これまで在庫を持たないWebサービスやアプリ運営に特化していた会社が、「自転車」という一風変わった商材でECに参入し、実店舗なし、モール出店なしで、年商20億円まで急成長した舞台裏を初めてお話しします。マーケットの選び方、プロモーションの選定、モールに頼らない集客や、組織づくりまで、成長段階の組織が直面する課題解決のヒントを提供します。

    プロフィール

    2010年株式会社エイチーム入社。ブライダル系Webサービスでのディレクター業務や、スマートフォンアプリゲームにおけるデータ解析・企画運営に携わる。2015年よりエイチームが新領域として取り組んでいるEC事業の責任者を務め、現在に至る。

    続きを読む
    12:10~12:50
    ランチセッション軽食をご用意しています。
    成長するECサイトが続々とアプリを導入する理由とその効果
    講師
    株式会社ヤプリ
    マーケティング
    マネージャー
    佐藤 裕子
    佐藤 裕子
    セッション概要

    モバイルシフトによりスマートフォンがインフラ化した現在、モバイルサイトの次に取り組むべき手段としてアプリが注目されています。アプリ経由のEC売上は、ウェブ広告やメルマガ経由を上回り最も売れるチャネルになる事例が続出しています。「アプリ導入で売上は上がるのか?」こんな疑問をお持ちのEC担当者様向けに、導入実績250社以上のアプリ運営プラットフォーム「Yappli」が自社アプリの最新事例を紹介します。

    プロフィール

    新卒でEC事業会社へ入社。開店支援のコンサルタントとして約450店舗のネットショップ立ち上げに携わる。
    その後、地方企業のモバイル活性化を目的に、全国各地にてセミナー講演を実施。
    2015年にファストメディア株式会社(2017年4月に株式会社ヤプリへ社名変更)へ参画後は、スマホファースト時代におけるアプリ×マーケティングを軸としたセミナーの企画・講演を行っている。

    内容レベル

    大規模店舗向け、中規模向け、小規模店舗向け、モール店舗向け、その他

    内容のレベル感への補足

    初心者向け(これからアプリ導入を検討されている方向けの内容となります。)

    参加対象者

    マーケティング、EC、販促 ご担当者様

    受講するメリット

    アプリを導入することのメリットや想定される効果が分かります。

    こんなニーズや悩みにこたえられる内容です

    アプリを導入したいが、いまいち効果がわからない
    モバイルマーケティングを強化したいと感がている方
    におすすめの内容です。

    続きを読む
    13:00~13:40
    講演1
    Amazon Payが実現する買いやすいECサイトの事例とコネクテッドコマースの世界
    講師
    アマゾンジャパン合同会社
    Amazon Pay事業本部
    事業部長
    井野川 拓也
    井野川 拓也
    セッション概要

    「Amazon Pay」はAmazon以外のEコマースサイトでもお客様がAmazonアカウントで簡単にログインし、お支払いできるサービス。
    導入ECサイトでは新規会員獲得やコンバージョン率の改善などにその効果が表れています。
    本講演では「Amazon Pay」の導入メリットや最新の導入事例をご紹介します。
    また、オンラインだけでなく実店舗やAlexaを使った音声での決済におけるAmazon Payのソリューション=コネクテッド・コマースの世界もご紹介します。

    プロフィール

    2007年11月アマゾンジャパン株式会社入社。セラーサービス事業本部にて、Amazonマーケットプレイスの事業者様へ向けたサポート業務を担当。
    2016年よりAmazon Pay事業の営業責任者として、「Amazon Pay」の日本での拡大をリードし、現在に至る。

    内容レベル

    大規模店舗向け、中規模向け、小規模店舗向け

    参加対象者

    自社ECサイト運営責任者・運営担当者、ソリューションプロバイダー、ECサイト開発者

    受講するメリット

    最新の決済サービスに関する情報が得られる、EC売上向上のヒントが得られる

    こんなニーズや悩みにこたえられる内容です

    新規顧客獲得、コンバージョン率向上

    続きを読む
    13:50~14:30
    講演2
    マーケティング×ITに潜むリスクの正体に挑む!
    ~富士通が広告配信まで手掛ける理由をお話しします~
    講師
    富士通株式会社
    オファリング推進本部
    デジタルマーケティングオファリング統括部
    デジタルマーケティングソリューション部
    シニアマネージャー
    西本 伸一
    西本 伸一
    セッション概要

    あらゆるものがデジタル化され、繋がる世の中となりその境界線は日々見えにくくなって来ています。このような時代だからこそ、企業はマーケティングに関わる全てのITを「手中に収め」リスクをマネージメントして行かなくてはなりません。本日は当社がこの春より新たに提供を開始したデジタル広告配信サービスをはじめ、富士通がご提案するデジタルマーケティングの狙いについてお話しをします。

    プロフィール

    デジタルマーケティングを中心としたソリューションの拡販を担当。エンタープライズ領域のシステムエンジニアとしての経験を活かし、デジタルマーケティングに関するソリューションの提案と新たなビジネスモデル創造に向けた協業など幅広い活動をしている。

    内容レベル

    大規模店舗向け、中規模向け、小規模店舗向け、モール店舗向け、 その他

    参加対象者

    デジタルマーケティング基盤の整備やレベルアップを図りたい方向け。
    今回はマーケ部門、情報システム部門双方に聞いて頂きたい内容です。

    こんなニーズや悩みにこたえられる内容です

    デジタルマーケティングを強化していきたいが、進め方が判らない、きっかけがつかめない等、お悩みの方に富士通がお手伝いできる事をお話しします。

    続きを読む
    14:40~15:20
    講演3
    年間7,000件のリードを生み出すオウンドメディア運営術
    講師
    株式会社Faber Company
    エグゼクティブ マーケティング ディレクター
    月岡 克博
    月岡 克博
    プロフィール

    大学卒業後、SFAベンダーにて導入コンサルタントに。次にCRMベンダーで営業マネージャーを経験した後、2014年 Faber Company参画。SEOやコンテンツマーケティングの営業・コンサルに従事した後に、マーケティングを担うIMC部を立ち上げ。SEOプラットフォーム「MIERUCA」を中心に、リードマネジメント、ミエルカブログ運営、セミナー登壇など自社マーケティング全般を担当。

    講師
    株式会社ジャストシステム
    マーケティングリサーチキャンプ編集長
    庄子 悟
    庄子 悟
    プロフィール

    大学卒業後、大手通信会社に入社。事業企画担当としてBtoCサービスを中心にアライアンス構築業務に従事。その後、ジャストシステムに入社し、全社横断でのマーケティング業務を担う。特にリサーチ(調査)サービスの「Fastask」「Sprint」のマーケティングを中心に、コンテンツ制作、展示会、セミナー登壇などマーケ施策全般を行う。マーケッター向けオウンドメディア「マーケティングリサーチキャンプ」編集長。

    セッション概要

    年間で7,000件ものリードを獲得している、マーケッター向けオウンドメディア「マーケティングリサーチキャンプ」。編集長の庄子さまにコンテンツ制作から配信方法、分析手法などの運営ノウハウを、MIERUCAで同メディアを支援するFaber Company月岡がお聞きしていきます。明日からのオウンドメディア企画・運営のヒントを1つでも多くお持ち帰りください。

    内容レベル

    大規模店舗向け、中規模向け、小規模店舗向け、モール店舗向け、 その他

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    15:30~16:10
    講演4
    SEOアルゴリズム変更も乗り切った!
    EC事業Webプロモーション設計 虎の巻
    ~EC事業担当者 400名の調査結果から読み解かれたリアル
    講師
    株式会社ロックオン
    マーケティング部
    部長
    デ・スーザ リッキー
    デ・スーザ リッキー
    セッション概要

    昨今のEC事業者を取り巻く環境は日々激変しており、中でもGoogleの「健康アップデート」に代表される施策により「アフィリエイトに頼るだけ」と言ったような展開を行ってきたEC事業者は壊滅的な打撃を受けています。その一方で、しっかりと「獲得の成果を戻している」事業者も増えいることもまた、事実です。この両社の違いを生み出しているものは何でしょうか? このセミナーではEC事業を営むマーケター400名への調査結果から見えた「差」と「リアル」について言及。今後行うべき、プロモーション設計について紹介いたします。

    プロフィール

    Web制作会社でディレクター/企画営業の経験を4年積んだあと、特定企業のブランディングを行うため大手通信企業に転職。通算10年以上のマーケティング実務経験を持ち、同社在籍時にはWeb経由獲得数を数倍に伸長させた。2017年3月より株式会社ロックオンに参画し、アドエビスのマーケティングに従事。複数の担当業務で前月比150~700%成長を記録。6月より現職。

    内容レベル

    大規模店舗向け、中規模向け、小規模店舗向け

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    16:20~17:20
    クロージング基調講演
    Google 検索最新情報 2018 ~MFI からスピード アップデートまで~
    講師
    グーグル合同会社
    Search Quality Team
    Senior Search Evangelist
    金谷 武明
    金谷 武明
    セッション概要

    本セッションでは、Google 検索最新情報 2018 として、モバイル ファースト インデックス(MFI) 、新 Seach Console、スピード アップデートを中心に、Google 検索の最新情報についてお話します。

    プロフィール

    2007年よりグーグル株式会社勤務。2009 年より現職。Google 検索のエヴァンジェリストとして技術的な内容からウェブマスター向けガイドラインまで、Google 検索の公式情報の啓蒙活動を担当。
    Google 検索 Q&A #ウェブマスターオフィスアワー(Twitterにジャンプします)、毎月実施中。
    前職ではゲーム会社のウェブディレクターとして EC サイトの制作やサイトのプロモーションなどを担当。

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    高嶋 巌

    経産省がAIスピーカーによるネット通販について見解を公表

    8 years ago

    経済産業省は、人工知能を使った音声認識スピーカー(AIスピーカー)の普及が進んでいることを受け、AIスピーカーを使ってネット通販を行なう場合のルールを明確化する。

    消費者の言い間違えによる誤発注が発生した場合などを想定し、消費者保護に関する考え方を整理。今後、電子商取引(EC)に関する規則を定めた「電子商取引及び情報財取引等に関する準則」を改定し、ルールを明文化する。

    5月21日に準則の改定案を公表した。6月20日までパブリックコメントを募集しており、結果を受けて準則の改定を進める。

    経産省が想定している課題は、①AIスピーカーが音声を誤認識した場合②AIスピーカーに対して発注者が「言い間違い」をした場合――の2点。

    AIスピーカーが音声を誤認識した場合、消費者は救済されるか?

    経産省は、AIスピーカーが音声を誤認識して発注した場合、消費者は「注文」の意思表示を行っていないと解釈されるため、注文は成立しないとの見解を示している。

    AIスピーカーを提供している事業者が取るべき対策として、AIスピーカーが認識した注文内容をユーザーに通知し、ユーザーから確認が得られた場合に注文を確定することが有用としている。

    AIスピーカーによる誤認識の例

    • AIスピーカーが、テレビドラマの中でのAIスピーカーを使った発注の場面の音を拾って注文してしまった
    • 幼児が母親にお菓子をねだっている音声を、お菓子の発注と誤認識して注文してしまった

    消費者が言い間違いをした場合、注文は取り消せる?

    発注者(消費者)が商品名を言い間違えて別の商品を注文してしまった場合、法律上(民法第95条本文)は注文が無効になるとしている。ただし、発注者に「重過失」がある場合には契約を取り消せない。

    経産省の見解では、言い間違えは誰にでも生じ得ることから、一度の言い間違えでそのまま注文されてしまうシステムであれば、言い間違えに「重過失」があるとされる可能性は低いという。

    AIスピーカーを提供する事業者の対策として、発注が完了する前に発注内容に誤りがないかを確認する機能などを想定している。

    消費者の言い間違えによる誤発注の例

    • 「タイヤ」を注文しようとして「ダイヤ」と言ってしまった
    • 子供が好きなキャラクターのおもちゃを注文しようとしたら、記憶間違いで似たような名前の全く別のキャラクターのおもちゃを注文してしまった

    「電子商取引及び情報財取引等に関する準則」は、ECなどにおける、さまざまな法的問題点について現行法をどう適用するか解釈を提示したもの。2002年に策定し、これまで14回改訂されている。

    渡部 和章

    ライトプロ株式会社 代表取締役

    渡部 和章(わたなべ・かずあき)

    新聞社で約7年半、記者を務めた後、2015年に編集プロダクションのライトプロを設立して代表に就任。編集者兼ライターとしても活動中。

    趣味は料理と漫画を読むこと。東京都在住。1983年生まれ。

    渡部 和章

    訪日観光きっかけの越境EC規模は約8000億円、半数以上を中国が占める

    8 years ago

    観光庁がまとめた「平成30年版観光白書」によると、中国や米国など5つの国・地域からの訪日観光をきっかけとした2017年の越境ECの購入規模は、推計7800億円だった。購入者自身の訪日観光だけでなく、家族や知人の訪日観光をきっかけとした購買も含めた金額。

    調査対象は中国、香港、台湾、韓国、米国。 越境ECによる購入金額全体の1兆5500億円のうち、約5割は訪日観光がきっかけとなっている。

    訪日観光をきっかけとした7800億円のうち、約6割にあたる4700億円は中国からの購入金額。

    訪日観光をきっかけとした越境ECによる購買規模推計

    訪日観光をきっかけとした越境ECによる購買規模推計(観光庁の資料を編集部がキャプチャ)

    中国では、都市部を中心に越境ECによる日本製品の購買経験者が増えている。

    20~49歳のミドル・ハイエンド層に相当する月収5000元以上の社会人を対象に、北京市、上海市、広東省広州市および内陸部都市(湖北省武漢市、重慶市、四川省成都市)の居住者に対してインターネット調査を実施した結果、越境ECによる日本製品の購入経験者は2017年8月時点で67.7%だったという。

    中国における越境ECでの日本輸入品の購買経験の有無

    中国における越境ECでの日本輸入品の購買経験の有無(観光庁の資料を編集部がキャプチャ)

    購入した商品ジャンルは上位から化粧品(48.5%)、食品(41.6%)、医薬品(35.5%)。

    中国における越境ECで人気の商品

    中国における越境ECで人気の商品(観光庁の資料を編集部がキャプチャ)

    越境ECで購入した理由の1位は「中国内では店頭で販売されていない製品だから」(44.4%)、2位は「日本に旅行をしたときに購入して気に入った製品だから」(40.4%)となっている。

    中国における越境ECを使った購買理由

    中国における越境ECを使った購買理由(観光庁の資料を編集部がキャプチャ)

    渡部 和章

    ライトプロ株式会社 代表取締役

    渡部 和章(わたなべ・かずあき)

    新聞社で約7年半、記者を務めた後、2015年に編集プロダクションのライトプロを設立して代表に就任。編集者兼ライターとしても活動中。

    趣味は料理と漫画を読むこと。東京都在住。1983年生まれ。

    渡部 和章

    モバイルECの高速表示・ユーザー体験向上のために知っておくべきPWAの導入メリット | 海外のEC事情・戦略・マーケティング情報ウォッチ

    8 years ago

    プログレッシブWebアプリとは、モバイルサイトのローディングタイムを速くし、モバイルサイトでのコンバージョン率をアップさせるためのツールです。

    現在大きな注目を浴びているプログレッシブWebアプリ(PWA)とは一体なんなのでしょうか? アプリなのか、それともWebサイトなのか? 名前を見ただけでは混乱するでしょう。モバイルからの流入は増えるのに、モバイルサイトでのコンバージョン率で苦戦しているなか、PWAが小売事業者に提供できるメリットが、次第に明らかになってきています。

    今回の記事では、PWAがどんな課題を解決しようとしているのか、PWAとはなんなのか、日々変化するモバイルの世界で、この新しいモバイル技術が消費者と事業者両方にもたらす大きなメリットをお伝えしたいと思います。

    オンライン通販事業者が抱える問題点

    オンライン通販事業者は大きな問題を抱えています。それは、モバイルにおける低いコンバージョン率です。5年前にレスポンシブWebデザイン(RWD:Responsive Web Design)がEC業界を大きく変えたとき、小売事業者はデスクトップ用のサイトを小さいスクリーン用に変更しただけの、「誰にでも1つのサイトで」事足りるという事実に飛びつきました。ページのローディングに時間がかかるという欠点はありましたが、多くの小売事業者は、RWDのシンプルさと作業効率化を喜んで受け入れました。

    モバイルからの流入が20~30%だった時は、モバイルサイトのためだけに労力を割くのは、あまり意味がなかったかもしれません。しかしながら、モバイルからの流入が50%、60%、70%まで上がり、業種によってはモバイルからの流入が80%にもなってくると、モバイルサイトとデスクトップサイトがRWDによって(1つのサイトとして)切っても切れない関係にあるという事実が、大きな問題になるのです。

    RWDのモバイルサイトは、デスクトップ用に作られたWebサイトをリサイズしただけのものなのです。ですから、モバイルのコンバージョン率が悪いという問題すら、解決するべき問題として議論することができないのです。

    モバイルサイトにまつわる耳の痛い数字の話

    RWDサイトのモバイルページのローディングタイム(パフォーマンス)は、変わらず長いままで、コンバージョン率が悪くなる大きな原因になっています。ローディングタイムが長ければ長いほど、コンバージョンが下がることは、さまざまなレポートで明らかにされています。

    ある調査では、ページのローディングタイムが1秒短くなるごとに、コンバージョン率が27%上がったという結果も出ています(編注:1秒の改善で27%向上した例もあるということ、毎秒ごとではない。詳細は図を参照)。

    横軸のモバイルページの表示速度が1秒速くなると、コンバージョン率が27%向上(1.5%から1.9%)した例も(編注:IRONPAPER発表の資料を編集部がキャプチャし、追加)
    https://www.ironpaper.com/webintel/articles/web-design-statistics-2017/
    グーグルが2018年2月に発表したデータでは、モバイルサイトの表示速度が1秒から3秒になると直帰する確率が32%、10秒になると123%に増加するという(編注:グーグルの資料を編集部がキャプチャし、追加)
    https://www.thinkwithgoogle.com/marketing-resources/data-measurement/mobile-page-speed-new-industry-benchmarks/

    素晴らしいデスクトップ向けのサイトを制作することも重要ですが、デスクトップと同様のリッチな体験を、リサイズしてスマートフォンに詰め込むだけでは機能しないのです。

    この事実を裏付ける調査として、Monerate社のレポートがあります。2016年第4四半期には1.65%だった全米のモバイルのコンバージョン率が、2017年第1四半期には1.54%に下がりました。より長期間にわたるレポートを見てみても、2013年から2017年の間、モバイルのコンバージョン率は1~2%の間を行ったり来たりしています。この数字は、5年以上にわたって停滞し、改善されていないのです。一方、モバイルからの流入は2013年の16%から2017年の50%にまで増えています。

    アプリが隙間を埋められるのか

    多くの小売事業者にとって、EC機能のあるアプリはコンバージョン問題の解決に寄与しています。アプリでのコンバージョン率は、モバイルのWebページよりも4~6倍高くなっているからです。

    アプリの方がよりローディングが早く、常にオンの状態で消費者のスマートフォンのなかに存在します。アプリは消費者に見つけてもらい、ダウンロードしてもらわないといけませんが、エンゲージメントの高い利用者が多くの売り上げを作ってくれる、大変パワフルなツールです。

    Criteo社が実施した2017年の調査では、2017年第4四半期のアプリでのコンバージョン率は18%でした。同調査によると、アプリとモバイルに最適化されたWebサイトを比較したところ、アプリがモバイルでの売り上げの66%を占めていたそうです。2018年第1四半期では、アプリのコンバージョン率は20%にアップしています。

    Criteoが発表した米国EC事業者の調査によると、アプリのコンバージョン率は20%でモバイルサイトの約3倍、デスクトップのCVR10%を上回る(編注:Criteoの資料を編集部がキャプチャし、追加)
    https://www.criteo.com/wp-content/uploads/2018/05/18_GCR_Q1_Report_US_ENG.pdf

    グーグルの役割とソリューション

    グーグルはアプリの台頭を好ましく思っていないでしょう。なぜなら、アップルの「閉じられた庭」であるApp Storeのなかでは、グーグルのインデックスがうまく効かないからです。ネイティブアプリのなかで流入やトランザクションが起こっても、グーグルには何が起こっているかわかりません。これは、Web上での行動データを元に広告を展開するグーグルに大きなインパクトを与えます。グーブルやアドワーズのボットにとって、iOSアプリ上で行われるビジネスは「盲点」なのです。

    ですが、グーグルは賢い人材を抱える賢い企業です。2015年には、アプリのトレンドが来ることを予想し、モバイルWebサイトのコンバージョン問題を解決するため、プログレッシブWebアプリ(PWA)をスタートしました。

    不思議な名前ですが、これはデバイスのキャッシュを最小限に抑えて、モバイルサイトのパフォーマンスを向上させるためのツールキットなのです(どうして“アプリ”という単語を名前に入れたのかはまったくわかりません。個人的にはこの名前には反対です)。

    プログレッシブWebアプリは、アプリではない

    名前に“アプリ”が入っていますが、PWAはアプリではないのです。方法論であり、ガイドラインであり、ツールキットなのです。ページのローディングタイムやパフォーマンスを劇的に向上させるために、デベロッパーが守るべきルール一覧です。グーグルはアプリが提供できる最高のもの(スピード)と、モバイルWebサイトが提供できる最高のもの(簡単なアクセス)を融合させています。

    PWAの“シェル”※1はサイト内のコンテンツとは切り離されているため、ユーザーエクスペリエンス的にはまるでアプリを使っているような感覚です。スピードが速く、ページのローディングタイムを遅くする要素を取り除いてくれます。

    ※1 編集部注:シェル(App Shellとも呼ばれる)は、UIを機能させるための最小限のHTML、CSS、JavaScript。PWAを構築する手法の1つ。コンテンツと切り離してキャッシュしておくことで素早くページを表示できる。

    スピードの重要性:キャッシュとサービスワーカー

    グーグルはアンドロイドのオペレーティングシステムをトロイの木馬のような方法で利用しました。サービスワーカー※2と呼ばれるものを付け加えたのです。サービスワーカーとは、オペレーティングシステムに埋め込まれたコード(JavaScriptのファイル)で、API(この場合はECプラットフォーム)からのデータを処理し、他のAPI(キャッシュ)がデバイス上でデータを別々に保存することを容易にします。

    ※2 編集部注:Service Worker(サービスワーカー)は、Webページのバックグラウンドで実行するスクリプト。オフラインでWebページを表示したり、アプリを実行したりすることを可能にする。
    参考記事:Service Workerの紹介(Google Developers)

    どうしてこれがパフォーマンスに多大な影響を与えるかというと、モバイルコマースのデータを毎回呼び出す必要がないからです。スマートフォンのなかにすでにキャッシュされ、保存されているので、ページのローディングは瞬時に行われます。ローディングタイムが1秒短くなるごとに27%コンバージョン率が上がるというデータがあることを思い出してください。

    Webベースのプッシュ通知

    PWAのもう1つのメリットは、プッシュ通知という、アプリの最大の特徴をまねていることです。PWAという“シェル”が“ダウンロード”されていて、ネイティブアプリのように消費者のホームスクリーン上に存在します。

    スマートフォン上にアイコンを追加することを選択した消費者には、ポップアップでメッセージを送ることが可能になります。特定の消費者に向けたメッセージになること多いため、コールトゥアクションが効果的に作用し、購入につながります。これも、コンバージョン率向上につながるのです。

    コンプライアンスの測定と“SEOという人参”

    グーグルはPWAのコンプライアンスを測定できるツールを作っています(Lighthouseと呼ばれるものです)。コンプライアンスのメリットを打ち出すことによって、デベロッパーコミュニティへの啓蒙を行い、大きな小売事業者を惹きつけているのです。

    グーグルはPWA基準を採用しようとしている小売事業者向けに、非常に価値の高い人参をぶら下げています。それは、SEOのページランキングでの優遇です。グーグルのページランキングが改善されるだけでも、いくつかの事業者にとっては(ROIの観点から)PWAを採用する理由になるでしょう※3。

    ※3 編集部注:現状、PWA採用の有無が直接SEOで有利に働くことはないと考えていい。ただし、PWAと並行したページ表示速度やUI改善などのユーザー体験の向上が、間接的に影響する可能性はある。

    アップルもついにWebワーカーのサポートに参加

    しばらくの間、グーグルとアンドロイドOSだけがサービスワーカーをサポートしていました。しかし、デベロッパーがPWAを使い始め、結果が伴って来始めたため、アップルへの風当たりが強くなりました。そして、ついにアップルも最新版のiOSでサービスワーカーのサポートを開始したのです。つまり、PWA(とPWAの鍵となるサービスワーカー)は、現在はiPhone上で動きます。我々のクライアントの多くが、PWAをじっと静観していたのは、アップルの動きを見ていたからです。

    グーグルがコンテンツを提供しているWebサイトをPWAで牽引しているのに対し、アメリカの小売事業者の動きはまだ緩やかです。アップルがサービスワーカーのサポートを始めたあとも、多くの小売事業者が今までの(モバイルでの動きが遅い)RWDサイトにこだわり、“バック・トゥ・ザ・フューチャー”のような考え方や、モバイルに特化した“m-dot”サイト(編注:PCページに対応した別URLのモバイルページを用意する手法)を立ち上げるのに難色を示しています。

    現在、PWAを採用しているアメリカのモバイルサイトは少数ですが、その1つがランコムです。そのほかにも大きなPWAプロジェクトが進行していて、問い合わせも多く頂いています。PWAに関心がある方、もしくはご質問がある方は、いつでもご連絡ください。

    まとめ

    モバイルからの流入が増え続けるなか、低いコンバージョン率のままビジネスが停滞している小売事業者にとって、PWAは調査・検討すべきパワフルなソリューションです。

    付け加えておきたいのは、PWAはモバイルのみならず、デスクトップのパフォーマンスも向上してくれるということです。ただ、小売事業者にとっては、モバイルこそが苦戦している領域なので、そこでPWAが最大限活躍してくれることでしょう。

    モバイルで買い物する消費者にとっても、PWAは良いことしかありません。小売事業者のサイトを見ている時に、ほぼ瞬時にページがローディングされ、“ダウンロード”ができ、アプリ同様、ホームスクリーンにアイコンを張り付けて使用することが可能です。選択すれば、アプリのプッシュ通知のように、特別なプロモーションをポップアップで通知してもらうこともできます。しかし、大切なのは、App Storeに行ってアプリをダウンロードしなくて済むということです。

    リピート客やロイヤルティの高い顧客が多い事業者にとって、PWAはアプリのスピードとグーグルのSEOランキングの両方を実現してくれるパワフルなツールです。仮にネイティブアプリを作る予定があったとしても、モバイルサイトからのトラフィックを個別に考え、長い間停滞していたコンバージョン率を改善するためにPWAを試す価値はあるでしょう。

    Internet RETAILER

    世界最大級のネット通販業界の専門誌「Internet Retailer」は、雑誌のほか、Web媒体、メールマガジンなどを運営。Vertical Web Media社が運営を手がけている。

    Eコマースの戦略に関し、デイリーニュース、解説記事、研究記事、電子商取引におけるグローバルリーダーをランク付けする分析レポートなどを発行している。

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    【スマホユーザー調査】ネット通販する理由は? 表示内容はどこまで見る? タップした広告は?

    8 years ago

    スマートフォン(スマホ)を使う消費者は、なぜスマホでネット通販をを利用するのか? 表示内容はどこまで閲覧しているのか? また、企業の広告についてどのような認識を持ち、タップしているのか? 消費者庁は5月、スマホを使うユーザーの意識などを調査し、その結果を「スマートフォンにおける打消し表示に関する実態調査報告書」に盛り込み公表した。スマホEC時代のユーザー行動をまとめてみた。

    消費者意識調査は、消費者庁がWebアンケートとグループインタビューを実施。1000人から回答を得た。詳しい調査内容はこちら

    スマホを使うシーンは「自宅でくつろいでいるとき」が最多

    「普段の生活のどのような場面で、スマートフォンで商品・サービスのWebページを見ることが多いか」と質問したところ、73.7%が「自宅で、くつろいでいるとき(他のことをしている時を除く)」と回答。

    「外出先で、ちょっとした空き時間(休憩時間、待ち合わせ中など)」は44.6%、「電車やバス、車などで移動しながら」は36.3%、「家事の合間」が11.9%と続いた。

    (図表 普段スマートフォンの表示に接する時間や場所)。自宅で、くつろいでいるとき(他のことをしている時を除く)73.7%、外出先で、ちょっとした空き時間(休憩時間、待ち合わせ中など)44.6%、電車やバス、車などで移動しながら36.3%、家事の合間11.9%、テレビの視聴中やPCを使っているとき、雑誌などを読んでいるとき11.6%、店頭で買い物しているとき7.4%、食事中6.9%、入浴中やトイレの中で6.2%、仕事中3.5%、その他0.1%、特になし14.2%
    図表 普段スマートフォンの表示に接する時間や場所(画像は消費者庁の発表資料を編集部がキャプチャ)

    スマホを使った消費行動について

    スマホの閲覧頻度が高いユーザーほど商品を購入する

    過去1年間にスマホで商品・サービスの購入・申し込みをした経験のある割合は55.1%(551人)。性別・年代別の特徴では、30代と40代の女性がスマホ経由で購入・申し込みする割合が高い(65.2%~65.9%)。

    また、スマホでWebサイトなどを「ほぼ毎日」「週に1日以上」、閲覧時間は「2時間以上」「1時間以上~2時間未満」のユーザーは、スマホで商品の購入・申し込みをする割合が高かったという(62.3%~71.4%)。

    【属性別】過去1年間のスマートフォンでの購入経験
    図表 【属性別】過去1年間のスマートフォンでの購入経験(画像は消費者庁の発表資料を編集部がキャプチャ)

    スマホ購入はポイントなどがお得に5割

    スマホでの購入経験者(551人)に対して、スマホ経由での商品・サービスの購入・申し込み理由を聞いたところ、最も多かったのは「24時間いつでもどこでも購入・申し込みができる」(78.0%)。

    「店頭に行ったり、他の媒体(PC、電話等)で購入・申し込みをするより、手間や時間がかからない」が69.9%。スマホ経由の購入についてはポイントをPCよりも多く付与するキャンペーンを実施している事業者も多く、「スマートフォンで購入・申し込みをすると、ポイントや割引があり、特になる」が55.2%だった。

    また、30.1%が「スマートフォンを使っている時に、購入・申し込みをしたい商品・サービスが見つかる」と回答している。

    (図表 スマートフォンでの購入経験者(551人)におけるスマートフォンでの購入・申込みの理由(複数回答))。24時間いつでもどこでも購入・申し込みができる、店頭に行ったり、他の媒体(PC、電話等)で購入・申し込みをするより、手間や時間がかからない、スマートフォンで購入・申し込みをすると、ポイントや割引があり、得になる、口コミやレビューなど、購入・申し込みをする前に参考となる情報を得やすい、購入・申し込みをする前に、他の商品・サービスとの比較がしやすい、スマートフォンを使っている時に、購入・申し込みをしたい商品・サービスが見つかる、特に理由はないが、スマートフォンで購入・申し込みをしている、その他
    図表 スマートフォンでの購入経験者(551人)におけるスマートフォンでの購入・申込みの理由(複数回答、画像は消費者庁の発表資料を編集部がキャプチャ)

    スマホ閲覧時に偶然、商品を見つけて購入は42.8%

    スマホの商品・サービスの購入・申し込み経緯を質問したところ、50.6%が、「スマートフォン以外の媒体(PC、テレビ、雑誌等)で商品・サービスを知った上で、スマートフォンで購入・申し込みをしようとした」と回答。

    「店頭で実物を見た上で、スマートフォンで購入・申し込みをしようとした」(44.6%)、「スマートフォンでキーワード検索などしている際に、偶然商品・サービスを見つけて購入・申し込みをしようとした」(42.8%)と続いた。

    広告を閲覧したことによる消費行動については、24.1%が「スマートフォンで目に留まった広告がきっかけで購入・申し込みをしようした」と回答した。消費者庁はこうした消費行動について次のように解説している。

    30.1%が「スマートフォンを使っている時に、購入・申し込みをしたい商品・サービスが見つかる」と回答していることも踏まえると、あらかじめ商品・サービスのことを知らない状態でスマートフォンを使用している際に、スマートフォンからの情報を基に偶然購入・申し込みをする場合があると考えられる。グループインタビュー調査では、スマートフォンでセール商品を見つけるとすぐに買ってしまうといった意見が聞かれた。

    (図表 スマートフォンでの購入・申込みの経緯(複数回答))スマートフォン以外の媒体(PC、テレビ、雑誌等)で商品・サービスを知った上で、スマートフォンで購入・申し込みをしようとした。店頭で実物を見た上で、スマートフォンで購入・申し込みをしようとした。スマートフォンでキーワード検索などしている際に、偶然商品・サービスを見つけて購入・申し込みをしようとした。スマートフォンで目に留まった広告がきっかけで購入・申し込みをしようとした。友人や知人のSNSの投稿ややり取りがきっかけで、購入・申し込みをしようとした。その他
    図表 スマートフォンでの購入・申込みの経緯(複数回答、画像は消費者庁の発表資料を編集部がキャプチャ)

    スマートフォンの画面上の表示に対する接し方

    スマホでは「目に留まった情報だけを拾い読みする」

    スマホでWebサイトやアプリを閲覧するユーザーは、表示された画面内容はどの程度、閲覧しているのだろうか。

    スマホでの画面上の表示について、「目に留まった情報だけを拾い読みする(「目に留まった情報だけを拾い読みする」「どちらかというと目に留まった情報だけを拾い読みする」)と答えた割合は66.5%。じっくり画面内容を閲覧しているユーザーはそれほど多くない状況が浮かび上がった。

    グループインタビューでの意見
    • 普段から大きな文字や図表だけを見て、関心のあるところは細かい表示も見る
    • とりあえず全体を把握しようとして下にスクロールしながら見るため、大きな文字や画像しか目に入ってこない
    • 小さくて目立たない文字は見ない
    (図表 スマートフォンの画面上の表示に対する接し方)、目に留まった情報だけを拾い読みする 23.4%、どちらかというと目に留まった情報だけを拾い読みする 43.1%、どちらともいえない・わからない 23.2%。どちらかというと画面に表示されている情報は全て目を通す 9.3%、画面に表示されている情報は全て目を通す 1.0%、目に留まった情報だけを拾い読みする 66.5%
    図表 スマートフォンの画面上の表示に対する接し方(画像は消費者庁の発表資料を編集部がキャプチャ)

    「スクロールして下まで読まない」は4割

    スクロールに関し、「表示された画面の下に内容が続いていても、スクロールして下まで読まない」「どちらかというと表示された画面の下に内容が続いていても、下までは読まない」に40.4%が回答した。

    グループインタビューでの意見
    • 上の方にある表示は比較的目を通すが、下にスクロールするにつれて飛ばし読みをする
    • 下の方にあまり関心がないことが書かれていると見ない
    • (注意書きなどが)下にあると思って読んでいない
    • 途中でスクロールするのをやめてしまうことがある
    (図表 スクロールが必要な場所にある表示に対する接し方)。表示された画面の下に内容が続いていても、下までは読まない 12.7%。どちらかというと表示された画面の下に内容が続いていても、下までは読まない 27.7%。どちらともいえない・わからない 35.9%。どちらかというと表示された画面の下に内容が続く場合は、スクロールして下まで読む 18.5%。表示された画面の下に内容が続く場合は、スクロールして下まで読む 5.2%。画面の下に内容が続いていても、スクロールして下まで読まない 40.4%
    図表 スクロールが必要な場所にある表示に対する接し方(画像は消費者庁の発表資料を編集部がキャプチャ)

    関心のある情報のリンクは「すぐにタップ」するが約4割

    関心のある情報を見つけた場合、Webページ上の表示内容を確認することなく、「すぐにハイパーリンクの文字列をタップする」「どちらかというと気になる情報を見つけると、すぐに画像や文字のリンクをタップする」と38.2%が回答した。

    グループインタビューでの意見
    • 通販サイトにおいて、ページの下部や別ページ等にある注文画面や申込画面に移動するボタンがページの途中に表示されている際、値段等の情報を見た時点で、他に関心のある情報がなければ、ページの下まで読む必要がないので、すぐにボタンを押す
    (図表 ハイパーリンクに対する接し方)。気になる情報を見つけると、すぐに画像や文字のリンクをタップする 8.8%。どちらかというと気になる情報を見つけると、すぐに画像や文字のリンクをタップする 29.4%。どちらともいえない・わからない 39.9%、どちらかというと情報を全て読み終わるまでは、画像や文字のリンクをタップすることはない 16.2%、情報を全て読み終わるまでは、画像や文字のリンクをタップすることはない 5.7%、関心のある情報を見つけると、すぐにハイパーリンクの文字列をタップする 38.2%
    図表 ハイパーリンクに対する接し方(画像は消費者庁の発表資料を編集部がキャプチャ)

    スマートフォンの広告の閲覧経験、閲覧対象

    広告だと思ってタップしたことがある人は約4割

    過去1年間に広告をタップしたか質問したところ、「広告だとわかってタップ(クリック)したことがある」と41.3%が回答。

    「広告とは意識せずに、気になったフレーズ(文字)や画像などをタップ(クリック)したら、後から広告であることに気づいたことがある」が27.7%で続いた。この2つの選択肢のいずれかを回答した人は、全体の60.8%(608人)。

    スマートフォン広告の閲覧経験
    図表 スマートフォンの広告の閲覧経験(複数回答、画像は消費者庁の発表資料を編集部がキャプチャ)

    スマートフォンの広告の閲覧対象

    広告をタップしたことがある回答者(608人)に対し、「どのような種類の広告をタップしたか」を質問したところ、33.1%が「自分が閲覧している検索結果や記事、SNSの投稿などと、見た目が似ている広告」をタップしたと回答。39.0%が「自分が閲覧している検索結果や記事、SNSの投稿などと、テーマや内容が近い広告」をタップしたという。

    「検索サイトで検索した結果とともに表示される文字の広告」をタップしたが23.2%で、これらの広告のいずれかをタップした人は68.1%にのぼった。

    また、「過去に自分が閲覧・検索した商品・サービス等に関連のある広告」をタップしたユーザーは44.4%だった。

    自分が閲覧している検索結果や記事、SNSの投稿などと、見た目が似ている広告68.1%、自分が閲覧している検索結果や記事、SNSの投稿などと、テーマや内容が近い広告33.1%、検索サイトで検索した結果とともに表示される文字の広告39.0%、過去に自分が閲覧・検索した商品・サービス等に関連のある広告23.2%、ポータルサイトなどに表示される画像や映像を用いた広告(バナー広告)44.4%、その他の広告30.1%
検索結果や記事等に紛れるような形態の広告1.0%
    図表 スマートフォンで表示される広告の種類(複数回答、画像は消費者庁の発表資料を編集部がキャプチャ)
    調査方法
    • 調査期間:2017年10月2日~2018年2月28日
    • 調査方法:普段スマートフォンを利用している一般消費者を対象として意識調査を実施。Webアンケート調査
    • 回答者数:1000人(有効回答ベース)
    • 対象者:普段スマートフォンを利用している全国の消費者(スマートフォン利用率を考慮した地域別・年代別の人口構成比)
    • 実施時期:2018年2月5日~7日
      ※グループインタビュー調査の対象人数は12人(6人1グループ)。男女別に1グループずつで、普段スマートフォンを利用している20~40歳代の消費者。実施日は2018年1月31日。

    瀧川 正実

    ネットショップ担当者フォーラム編集部 編集長

    通販・ECに関する業界新聞の編集記者、EC支援会社で新規事業の立ち上げなどに携わり、現在に至る。EC業界に関わること約13年。日々勉強中。

    瀧川 正実

    メール配信システム「Cuenote FC」が大幅機能強化。ターゲットに応じたメールマーケティングが容易に

    8 years ago

    ユミルリンクは6月13日、メール配信システム「Cuenote FC」に、RFM分析などさまざまなデータを分析できる機能を追加した。

    新たに追加したのは「購買データ」「顧客データ」「メールの行動データ」など、さまざまなデータをGUI上で集計・分析するツール。ユーザーはターゲットに応じたメールマーケティングを容易に実行できるようになる。

    分析ツールは100万件規模のデータを数秒以内に集計でき(同社ベンチマーク値)、リアルタイムなデータ分析が可能。活用例は次のとおり。

    • RFM分析で、見込み顧客に優良顧客へ引き上げるメール施策の実行
    • 商品カテゴリごとに購入金額や購入回数を集計・分析
    • 休眠顧客をアクティブにするメール施策の実行
    • 過去のキャンペーンでメールを開封していない顧客に対する販売促進
    • 特定の商品を購入した顧客に対するアップセル、クロスセル施策
    データ連携→分析・セグメント→ メール配信
分析ツール…RMF分析、商品カテゴリ別集計、開封・クリックの横断分析
    システムイメージ

    機能強化の内容

    1. RFM分析……最新購買日(Recency)、購買頻度(Frequency)、購買金額(Monetary)の3要素を使い、優良顧客や見込み顧客、休眠顧客などに分類し、顧客分類などに応じたメールマーケティング施策を行える。RFM分析に必要な購買データは、自動または手動で「Cuenote FC」に蓄積可能。

    購入頻度 最新購買日 優良顧客 一般顧客 休眠顧客 離反顧客

    2. メールの行動分析……複数のキャンペーンを横断して、メールの行動データ(開封、クリック、コンバージョン)、顧客データ(性別、居住地などの属性情報)や購買データを組み合わせ、分析からターゲットの抽出までをGUI上で簡単に行える。特定のターゲットに対してシナリオ形式のメールを送り、メールマーケティング施策の効果を高めたり、アップセル施策を実行したりなど、さまざまなメールマーケティング施策が可能。

    「Cuenote FC」は、数千万規模の一斉メール配信が高速・確実に実行できる。現在約1,300社以上が導入しており、月間メール配信数は約42億通。提供形態と販売価格は下記のとおり。

    • クラウドサービス(ASP・SaaS)
      初期費用:30,000円~(税別) 月額費用:5,000円~(税別)
    • オンプレミス型(ライセンス)
      初期費用:2,250,000円~(税別) 月額費用:46,000円~(税別)
    uchiya-m

    ecbeing、ECソリューション市場占有率で10年連続シェア1位。構築数は1100社を突破

    8 years ago

    ECサイト構築システム「ecbeing」を展開するecbeingは6月13日、富士キメラ総研が発行する「富士マーケティング・レポート」において、ECサイト構築ソリューション市場占有率で10年連続1位を獲得したと発表した。

    また、国内における「ecbeing」のECサイト構築実績は1100サイトを突破したという。

    「富士マーケティング・レポート」によると、2017年度のECサイト構築ソリューション市場は155億円で、「ecbeing」の市場シェアは45.2%。

    2017年度のECサイト構築ソリューション市場

    カテゴリ別の市場シェアは「アパレル」で49.2%、「食料品・飲料」で61.0%、「健康・美容関連」で42.5%、「サービス販売」で46.2%となっている。

    2017年度のECサイト構築ソリューション市場(カテゴリ別)

    カテゴリ別の2017年度ECサイト構築ソリューション市場

    ecbeingによると、2017年はクレジットカード情報の漏えい対策など高水準のセキュリティ基準を設ける企業が増えたことなどから、オープンソース系のECシステムからecbeingにリニューアルを行うケースも多く、導入社数の増加につながったという。

    2018年6月には「ecbeing」を基盤としたクラウド型ECプラットフォーム「mercart(メルカート)」の提供を本格的に開始。すでに20社以上のEC事業者が導入したとしている。

    渡部 和章

    ライトプロ株式会社 代表取締役

    渡部 和章(わたなべ・かずあき)

    新聞社で約7年半、記者を務めた後、2015年に編集プロダクションのライトプロを設立して代表に就任。編集者兼ライターとしても活動中。

    趣味は料理と漫画を読むこと。東京都在住。1983年生まれ。

    渡部 和章

    4年連続で売り上げが伸びた日本トイザらスのEC事業、好調の秘訣と今後の施策 | 通販新聞ダイジェスト

    8 years ago

    玩具などを販売する日本トイザらスではEC事業が好調に推移している。2017年度のEC事業は増収増益となり、4年連続で売り上げが拡大した。売り上げ伸び率でも、通販サイト訪問者数でも前年を上回る成果を挙げている。

    品ぞろえ拡充し増収増益、通販サイトの接客機能に磨き

    成長を支えた要因の一つとして、まずはアイテム数の拡充がある。実店舗と同じアイテムをECでも取り扱えるようになったほか、ネット限定商品の取り扱いも拡大。「商品登録が実店舗に追いつくようになった。16年度の春はまだできていなかったが、現状ではほぼ100%をカバーできている」(eコマース本部の西原慎祐シニア・ディレクター)とする。

    そして、昨年6月に実施したサイト刷新の効果も大きく、パーソナリゼーションのツールとして顧客が住んでいる地域の天候に応じた個別のページ表示機能を開始。具体的には雨の予報地域に対して傘や合羽といったレイングッズをページトップのバナーで表示(画像)。また、夏シーズンで晴れ予報の地域に対してはUVケア商品やサングラス、浮き輪などを同様の形式で表示して、バナーから購入ページに誘導していった。レイングッズについては、このツールの効果もあって前年比二桁増の売り上げとなったようだ。

    日本トイザらスのECが手がける、雨の予報地域に対して傘や合羽といったレイングッズをページトップのバナーで表示

    今のところは天候別での訴求だが、今後は気温、湿度、紫外線などより細かい条件から個別に商品を提案できるような機能にしていく考え。

    商品選びのサポートとしては、ベビーカーやチャイルドシート、抱っこひもといった使い方の説明が必要な商品について「セレクトガイド」ページを導入。商品の特性や特徴、使用上の注意といった実店舗の接客でもよく受ける問い合わせをベースにしたアドバイス情報を専用ページにまとめたほか、メーカー別・対象年齢別に適した商品の選び方などが分かるようにもなっている。導入効果は上々で、対象商品の売り上げを前年比で全体平均以上に伸ばすことができた。

    顧客対応に関連しては従来からのコールセンターに加えて、昨年11月より「LINE」上でAIが問い合わせに回答するサービス「LINEカスタマーコネクト」を開始。利用者は「キャンペーン・クーポン」「配送」など大枠から質問内容を選択し、その後AIによるLINE上でのやり取りで解決に導いていくという。1カ月に1000件程度の利用率で、今後、質問内容によっては適宜人が対応する仕組みも取り入れる考え。

    商品画像でも見せ方に工夫

    SEO対策に向けては、商品説明やタイトルが検索で重視されるということもあって、商品コンテンツのリッチ化を進めている。昨年からはこれまで1行のみだった商品解説文などは3行以上に増量。並行して画像や動画の種類も拡充を図っている仕入れ先のメーカーからの提供画像はなるべく複数枚にするよう協力を求めたほか、自社での撮影機会も増やしている

    以前はアパレル商品中心に自社で撮影を行っていたが、現在は玩具商品でも対応。必要に応じてサンプルを取り寄せたり、一部では360度撮影ができる画像コンテンツも導入するようになった。

    画像撮影では特に人物を入れ込むことを重視。商品説明文のリッチ化を進めているものの、商品サイズや利用イメージ、色合いなどは一目でわかる表現が求められているため、時には自社の社員の子供などもモデルに起用して商品画像を作成している。「マットの広さやぬいぐるみの大きさなどはパーツだけで見せても伝わらない。人物を見せたり工夫して、パッケージにはない通販サイト専用の画像を用意している」(同)とした。

    コンテンツのリッチ化を進めたことに加え、レコメンドの精度を高めて電池や付属商品のついで買いを訴求できたこともあり、一件当たりの買い上げ点数が上昇。結果的に、前年よりもコンバージョンが高まったようだ。

    実店舗と在庫連携強化、欠品解消で物流工程も効率化へ

    物流費高騰に伴う負担を軽減するため、商品配送の効率化や実店舗とECでの在庫連携などを強化している。

    まずは実店舗で商品が欠品している際に、店内の専用カウンターのタブレットなどで通販サイトの在庫を確認してその場で注文できるサービス「ストア・オーダー・システム」(画像)を拡充。これまでは利用対象を自転車やベビーカーといった大型商品中心に絞っていたが、昨年5月からは全商品で対応するようにした。店内に配置するタブレットについても各店舗2台以上配置するようにしていった。

    通販サイトの在庫を確認してその場で注文できる日本トイザらスのサービス「ストア・オーダー・システム」

    また、通販の物流センターに在庫がない商品について、実店舗の在庫から顧客に出荷する「シップ・フロム・ストア(SFS)」サービスについても昨年7月より対象アイテム数を以前の7~8倍まで拡充している。通販の物流センターに在庫がなくても実店舗に在庫がある限り、通販サイト上では「在庫あり」となるため、100%に近い形で欠品率の改善が進んだという。

    SFSに関しては、顧客がいる近隣の実店舗から出荷する仕組みであるため、特に同社の通販物流センターがある兵庫県神戸市と千葉県市川市から離れた地域にいる顧客にとっては、商品がより速く届くといったメリットも生まれている。

    これらの実店舗との在庫連携施策は、欠品率をなくすといった効果だけでなく、昨今の配送料の値上げ問題への対応にも大きくつながる。

    同社では昨年より3辺サイズ合計で2メートル以上を超える自転車やベッド、大型遊具といった一部の大型商品について、一律送料を1950円から6000円に値上げしている。しかし、顧客の近隣店舗からの配送案件が増えたことで、地域によっては物流センターからの顧客への配送よりも物流コストが大幅に軽減できるため、大型商品を除いた商品についてはまだ値上げをせずに済んでいるという(現状は1回の受注につき4900円以下の場合は送料590円)。「物流事業者の値上げは大きく影響を受けたが、当社の強みとして全国に約160の実店舗がある。顧客を近隣の(送料がかからない)実店舗に誘導していくことは大事になる」(eコマース本部の西原慎祐シニア・ディレクター)とする。

    大型商品については送料値上げの影響で今年度は苦戦が見られるものの、今年から通販サイトでの告知を見て実店舗で買い物する顧客に対して割り引きするようなサービスを数回実施するなどテコ入れを図っている。

    受け取り先も拡大図る

    そのほかにも自社内での物流スキームだけでなく、仕入れ先であるメーカーとの物流連携も強化する。メーカー(の倉庫)から顧客に直接配送するもので、以前から500アイテム程度を対象に取り組んでいたが、今後は拡大を図っていく。同社の物流センターを経由せずに送れることから顧客にとっては配送リードタイムが短くなり、同社にとっても物流工程の短縮によるコスト削減効果が得られるという。

    また、通販購入商品を近隣の実店舗で受け取れる「イン・ストア・ピックアップ」も並行して強化。これまであまり実施していなかった店頭受け取りに関するプロモーションを積極化し、利用を促していく。

    関連して、受け取り先についても自社の実店舗だけでなく、コンビニエンスストアでの受け取り先エリアを拡大していくことを目指す。さらに、今年度上期中にはヤマト運輸の営業所での受け取りを開始する考えで、郵便局での受け取りや駅前の宅配ロッカーの活用なども今年中の開始を視野に入れている。「不在時の再配達など、配送業者の作業負荷をいかにして減らしていくか。顧客とのタッチポイントを広げていけるかだと思う」(西原シニア・ディレクター)とした。

    元々、通販を行う有店舗企業にとって、「店頭受け取りサービス」自体は自社の実店舗に集客するひとつの戦略という意味合いがあったが、現在では物流費の高騰に伴い、そういった視点も変化。自社の拠点にこだわらず、顧客とのタッチポイント拡大を図ることで集客以上のメリットが生まれるという考え方ができているようだ。

    サイトのリッチ化に本腰、「コミュニティー」をフックに集客

    これからの課題としてサイトコンテンツのさらなるリッチ化をひとつのテーマに挙げている。

    昨年度を商品別で見るとゲーム機やベビー用品など高額商品の需要を獲得できたことから顧客単価の上昇が見られた。18年度の市場についても引き続き成長することが見込まれているが、近年は配送料金の値上げが進んでいることもあって、以前と同水準の伸び幅を確実に確保することは厳しくなると見ている。そのため、「今までは(通販サイトで)『売る』をメインにしていたが、今後はマインド的な部分でのサービス提供強化にシフトしていくような取り組みになっていく」(eコマース本部の西原慎祐シニア・ディレクター)と説明。

    具体的には決済サービスの多様化やコミュニティページづくりなど顧客目線での利便性の改善に着手していく。特にコミュニティページは情報提供を通じて顧客との接点が拡大すると考えられ、すでにベビーカーやチャイルドシートなどで開始している商品解説ページの「セレクトガイド」(画像)機能などに近いものをイメージしている。

    日本トイザらスが手がける商品解説ページの「セレクトガイド」

    一般的にベビー関連商品についてはスペック説明以上の情報を求める顧客が多いことから、運営する専門店の「ベビーザらス」などでも得た接客ノウハウを生かしつつ「知育玩具」といった解説が必要なアイテムを中心に深堀りしたページを作り込む考え。現状では通販サイトとは別のドメインではなく、一体化したページづくりを検討している。

    玩具がメインの通販サイトであるため、プレゼント需要という視点ではクリスマス、誕生日など購入機会は限られている。コミュニティページをフックに、イベントがない時期でも頻度高く集客ができるようなページ作りを目指す。

    また、カスタマーレビューのテコ入れとしては、関連キャンペーンの定番化を図っていく。現状ではまだレビューがあまりついていない商品も全体の数%あることから、期間限定で行っているレビュー投稿に応じたクーポン付与などについて、条件やインセンティブ内容を変えながら、通年で行うことを検討。カスタマーレビュー数の拡大でSEO対策を図り、トラフィックの増加につなげていく

    そのほか商品施策では昔からの定番アイテムの売り上げが好調なことから引き続き品ぞろえを充実する考えで、並行して自社ブランド商品による差別化も実施。通販サイトでのプロモーションや見せ方は商品のアップデートと共に頻度を高めてファン獲得を目指す。

    通販新聞

    アリババの「AI+ロボット」はEC業務をどう変える?[人工知能活用が進む中国ECの今] | 中国の最新買い物事情~トランスコスモスチャイナからの現地レポート~

    8 years ago

    中国のEC業界では今、プロモーションやバックオフィスなどの業務で、人工知能(AI)の活用が進んでいます。1日で約2.8兆円もの流通額を記録したAlibaba(アリババ)グループの2017年「ダブル11」では、爆発的な注文に対し、AIなどが対応して業務の効率化やコスト増を抑制する取り組みも始まっています。中国内でEC業務をサポートしているトランスコスモスチャイナの事例などを踏まえ、中国EC業界におけるAI活用の今をお伝えします。

    Alibaba店で始まったAI活用の受注と問い合わせ対応、粗利率向上にも貢献

    アリババは2015年7月、ECサービス、ショッピングガイド、タスクアシスタントなどを備えたAIパーソナルアシスタント「Ali Xiaomi」を独自開発し、サービスをリリース。2016年7月には、ECサイト運営企業向けのAIロボット「店小蜜(デンシャオミー)」プロジェクトを立ち上げました。

    「デンシャオミー」を利用するECサイトでは、人間のオペレーターが退勤した後、「デンシャオミー」が顧客の注文や問い合わせ、チャットなどに自動で対応します。夜間におけるECサイト内での滞留時間の増加、サイト離脱の抑制といった効果をあげ、商品の購買を促進しています。

    店小蜜(デンシャオミー)アイコン
    店小蜜(デンシャオミー)

    また、「デンシャオミー」はチャット対応する人間のオペレーターが忙しいときは、率先して顧客対応を行うのです。「デンシャオミー」によって、ECサイトで利用されているチャットツール「阿里旺旺(アリワンワン)」を通じた返答の待ち時間を大幅に短縮。シームレスな顧客対応を行い、100%の返答率を実現しています。

    阿里旺旺のチャット画面
    阿里旺旺(アリワンワン)のチャット画面。ある店舗の「店小蜜(デンシャオミー)」が率先して顧客に対応しています

    「デンシャオミー」は2017年3月29日に正式リリース。4月15日には、「淘宝網(Taobao)」と「Tmall(天猫)」に出店するすべての販売店(出店企業)向けに無料提供されました。こうした状況を受け、20以上のブランドの「Tmall」出店・店舗運営を支援していたトランスコスモスチャイナにとって、「デンシャオミー」の研究は喫緊の課題となったのです。

    2017年4月初旬、トランスコスモスチャイナは「デンシャオミー」に関するプロジェクトチームを発足。アリババの「デンシャオミー」開発部門、運営部門と積極的にコミュニケーションを取り、関連知識を半年間かけて学習。試験運用、データ分析、テストの繰り返しを経て、8人の「デンシャオミー」トレーニングエンジニアを育てました。

    プロジェクトチーム発足後の約半年後、2017年の「ダブル11」を迎えることになりました。そいて、「デンシャオミー」の活用で早速、効果をあげることに成功したのです。ご存知の通り、アリババの「ダブル11」(2017年)の取引高は1682億元で、過去最高の記録を更新。たった11秒でTmallにおける取引額は1億元を突破し、28秒で10億元、3分01秒で100億元を超える盛況ぶりでした。

    「ダブル11」当日の問い合わせ件数は通常日比で10~20倍に膨れあがったものの、ほとんどの取引を最初の1~2時間以内に完了することができました。大幅な受注増加だったのです、通常日のように取引を処理できたのです。なお、取引内容は、商品に関する問い合わせ、決済など各種問い合わせ、受注、決済などが含まれます。

    通常、「ダブル11」開催の6か月前に大量のオペレーターを用意しなければ、当日の大幅な取引増に対応できません。当時、消費者からの質問に答え商品販売を促進するカスタマーサービス担当者(プリセールス担当者)は、カスタマーサービス担当全体の約70%を占めていました。2017年、トランスコスモスチャイナのECプロジェクトに携わったクライアントの7割は「デンシャオミー」技術を利用し、「デンシャオミー」の導入によって、カスタマーサービス担当全体の約50%にとどまる割合のプリセールス担当者で対応することができました

    なお、取引に対応するオペレーターの人数は2016年比で40%以上減に成功しながら、寄せられた問い合わせに対しては95%の確率で解決できました回答へのクオリティ向上はもちろん、オペレーターの募集時間、募集コスト、トレーニング時間、トレーニングコスト、人件費といった節約にもつながり、2016年比で7%以上も売上総利益率が増加しました。

    店小蜜(デンシャオミー)
    (出典元:Baidu baike)
    店小蜜(デンシャオミー)の役割とメリット
    (出典元:TCC内部資料)

    AIが新たな仕事を創出、キャリアアップの道も

    トランスコスモスチャイナは2018年、「デンシャオミー」のサービス向上を目的に、アリババとの提携を強化しました。より多くの「店小蜜(デンシャオミー)」トレーニングエンジニアを育成し、従業員により多くの学習と変革のチャンスを提供するためです。

    社内事例をご紹介しましょう。オペレーターの管理担当者として2016年に入社した「Aさん」は、2017年の「デンシャオミー」導入をきっかけに、キャリアアップの転機を迎えました。カスタマーサービスに関する知識を備え、勤勉な「Aさん」はすぐに「デンシャオミー」トレーニングエンジニアのリーダーになりました。このような昇格の機会ができたのも、「デンシャオミー」の導入があってこそなのです。

    現在、「Aさん」による指導の下、「デンシャオミー」を使った顧客対応における問題解決率、サービス効率が大幅に向上しました

    ある店舗での店小蜜(デンシャオミー)の使用状況
    (出典元:TCC内部資料)

    中国における人工知能の今

    米カリフォルニア大学バークレー校の電気工学およびコンピュータサイエンス学部の教授で、人工知能研究家のスチュアート・ラッセル氏は、「2018年中国(上海)第6回国際技術輸出入交易会(CHINA <SHANGHAI>INTERNATIONAL TECHNOLOGY FAIR)」でのスピーチで次のように強調しました。

    人工知能の活用とは、ロボットを正しく行動させ、その価値を最適化することだ。データと知識は公的資源でなければならない。これは全人類の基本的権益であり、人間の知能を上回るAIはまだまだ実現していない。

    2018年の「中国(上海)国際技術輸出入交易会」では、人工知能とAIロボットの専属ブースが設置されました。音声対話、スマート医療、自動運転、AIサービスロボットなどを活用した多様なシーンは、国内外の多くの事業者の関心を集めました。想像以上のスピードでAIが私たちの生活に浸透していくことが実感できたのです。

    中国の3大インターネット企業BAT(Baidu、Alibaba、Tencent)、国外のGoogle、IBM、Microsoft、Facebook、Amazonなどの大手企業はAIロボットの開発に巨額の研究費を投じ、先行者利益を獲得しようとしています。

    Baiduが独自開発したAIロボット「小度(Xiaodu)」を例に説明しましょう。「小度(Xiaodu)」はBaiduの自然言語処理部門で誕生し、2014年9月16日に江蘇衛視のテレビ番組「芝麻開門(Raid the cage)」でデビューしました。Baiduの強力な人工知能に関する技術をベースに、自然言語処理、対話システム、音声ビジュアル技術を搭載。ユーザーとの円滑なコミュニケーションを提供しています。

    3年以上の期間を経て、2018年2月8日にCCTV(中国の国営放送のテレビ局)主催の催し「Chinese Spring Festival Gala Online」に登場し、司会者と「飛花令」(中国の詩歌にちなむゲーム。負けた者は罰として酒を飲まなければならない)を楽しみ、Baiduの強力な人工知能技術を披露。そして、中国の伝統文化もPRしたのです。

    小度(Xiaodu)
    (出典元:Baidu baike)

    「小度(Xiaodu)」は、ヒアリング、会話、移動が可能です。技術の発展に伴い応用できる分野やシーンは拡大し、車の中、家の中、公共場所で、さまざまな情報を検索することもできるようになりました

    一方、インテリジェントハードウェア(情報収集・処理と接続機能を有し、インテリセンス、インタラクティブ、ビックデータサービスなどの機能を備えたインターネットの端末デバイス製品)の機能性およびビジネス運用能力も大幅に向上しました。その活用例が顔認識技術です

    広州で開催された2017年フォーチュン・グローバル・フォーラムにおいて、Tencentの取締役会長兼CEO馬化騰(Ma Huateng)氏は「私たちの顔認識技術は、データ解析に基づいて、人が老いた時の様子、たとえば5年後、10年後の様子を推測できますので、行方不明になった子供を探すことにも大変役立ちました」という事例を発表しています。

    顔認識は、簡単に言うと、アルゴリズムにより顔の構造情報を取得し、識別された対象者の年齢、肌色、性別、表情等の特徴を判断すること。顔認識技術は主に11の顔マッチングと、1Nの顔検索に用いられています。

    顔認識技術
    出典元:Baidu baike(中国の検索エンジンである百度が2006年4月に公開したオンライン百科事典)

    中国で広まっているニューリテールは、小売業界自身の「産業革命」であり、小売業全体に大きな影響を与えると考えられます。人工知能は従業員の効率を大幅に高め、新しい雇用機会をもたらすと同時に、消費者によりよい体験を提供し、企業に大きな競争力をもたらします

    現在、トランスコスモスチャイナは「618」イベントの準備に取り組んでおり、「ダブル11」、「ダブル12」など大規模なECイベントにおいて、人工知能が業績向上に貢献してくれると期待しています。

    杜蓓敏(Grace Du)

    トランスコスモスチャイナ(transcosmos China)

    Business Support Department Director
    業務支援部ディレクター
    杜蓓敏(Grace Du)

    トランスコスモスチャイナ(transcosmos China)

    トランスコスモスチャイナ(transcosmos China)はトランスコスモス株式会社の100%出資子会社。上海(4拠点)、北京、天津、合肥、長沙、西安の6都市の複数の拠点でサービスを提供しています(台北、深センには支社を開設)。

    杜蓓敏(Grace Du), トランスコスモスチャイナ(transcosmos China)
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