ネットショップ担当者フォーラム

カート離脱率(カゴ落ち率)を改善するための6つの方法 | 海外のEC事情・戦略・マーケティング情報ウォッチ

6 years 8ヶ月 ago

オンラインショッピングを利用する消費者の約3分の2は、購入を完了する前にカートを離脱していることが、さまざまな調査で明らかになっています。小売事業者が、カート離脱(カゴ落ち)を減らすためにできる6つの方法をご紹介します。

Baymard Institute社の調査によると、ECサイトのカート破棄率は平均69.57%だそうです。言い換えれば、ECサイトでチェックアウトに進んだ消費者のうち、注文を完了するのは3分の1に満たないということです。

多くの場合、消費者は合計金額を確認するため、もしくは後で購入するために商品をカートに入れています。しかし、カート離脱の軽減のために小売事業者ができることもあるのです。以下の6つのアイデアを実行することで、ECのカート離脱を大幅に減らすことができます。

追加コストが高過ぎる(送料、税金、手数料)	55%
アカウント作成が必要	34%
完了までのプロセスが長すぎる/複雑すぎる	26%
合計金額が最初にわからなかった	21%
クレジットカード情報を入れるほど信用できない	17%
エラーが発生した	17%
配送が遅すぎた	16%
返品ルールに不満があった	11%
支払い方法の選択肢が少な過ぎた	6%
クレジットカード決済が拒否された	4%
カート離脱をした理由(n=2,584/2018年)
Baymard社の調査をもとにネットショップ担当者フォーラム編集部で作成

1. 余分なコストを最小化する。そして事前に知らせる

カート離脱を大幅に削減する一番の方法は、送料、税金、手数料など、消費者にとって余分なコストに対処することです。Baymard社のショッピングカート離脱に関する調査によると、55%の人がチェックアウト時に余分なコスト(送料、税金、手数料など)がかかるためにショッピングカートを破棄しています。

追加コストの問題に対処して、カート離脱を軽減するためのアイデアをいくつかご紹介します。

  • 可能であれば、できる限り送料を無料にしてください。送料を無料にできない場合は、送料を最小限に抑えてください。
  • 追加料金が発生することを取引開始時に通知してください。後になって突然、追加コストがあると消費者に知らせることは、カート離脱につながります。
  • 業界にもよりますが、送料を商品の料金に含めてしまって、「送料無料」とアピールすることもできます。73%もの消費者が、購入するかどうかを決める際に送料無料が重要だと答えていることを考えると、これは大きな違いになります。しかし、やりすぎて競争力を失わないようにしてください。

2. 入力フォームのフィールド数を減らす

Baymard社の調査によると、チェックアウト前にアカウントを作成することを強制したり、チェックアウトのプロセスが長すぎたり複雑すぎたりすることが、カート離脱する第2、第3の理由だそうです。この2つの理由が、カートの破棄の60%を占めています。

何百万人もの消費者が作成したフォームのデータを分析したFormstack社の調査によると、次のことがわかりました。

  • フィールド数を10以下に減らすと、コンバージョン率が120%向上する
  • フィールド数を4つ以下に減らすと、コンバージョン率が160%向上する

カート離脱を減らすために、フォームのフィールド数を確認し、それらがすべて本当に必要かどうかを確認してください。フォーム内の不要なフィールドは削除するべきです。

3. 認知度の高いトラストマークを利用する

ITガバナンス社によると、2019年1月に、約17億件の情報が不正アクセスやサイバー攻撃により流出しました。不正アクセスはほぼ毎日発生しており、大手ブランドでさえ例外ではありません。一般的なネットユーザーが、自分の支払いの詳細をインターネット上に公開することに慎重になるのは当然でしょう。

いくら購入したいと思っていても、支払いや個人情報が危険にさらされるのではないかという不安から、多くの消費者は最終的にカートを破棄しています。実際、Baymard社の調査によると、消費者がカート離脱する5つ目の理由は、クレジットカード情報を提供するECサイトを信用できないことによるもので、約17%の人が純粋にその理由のみでカートを破棄しています。

ただしこの問題は、トラストシールとトラストマークを使用して解決できます。McAfee社の調査によると、消費者の約47%が、あまり知られていないサイトで買い物をする際は、トラストマークを探すそうです。こういう消費者にとって、PayPalのロゴ、Nortonの SECUREシール、McAfeeのシールなどのトラストマークが特に効果的であることがわかりました。

4. サイトスピードと機能を改善する

消費者の注意力が散漫になり、選択肢の数が急速に増えている今、ECサイトで商品を購入する間、ずっと待つ余裕がある消費者はいません。遅い上にバグだらけのECサイトは、多くの人が結局カートを放棄する主な理由の1つです。サイトの読み込み時間が0.5秒遅れるだけで、コンバージョン率が最大7%下がることがわかりました。

サイトの処理速度を上げることで、カート離脱率(カゴ落ち率)を減らすことができます。以下のような効果的なオプションがあります。

  • 「Google PageSpeed Insights」と「GTMetrics」でサイトの速度を分析。これらのツールはサイトの速度を示すだけでなく、サイトを高速化するために修正すべき点のリストを提供してくれます
  • キャッシュを有効にして、サイト訪問者がピーク時にも最適なエクスペリエンスを得られるようにする
  • 世界中の消費者を対象としている場合は、サイトの最適な読み込みとコンテンツの配信を実現するために、CDN(コンテンツ配信ネットワーク)を利用する
  • サイト速度を最適化するだけでなく、チェックアウトページの速度を最適化することも重要です

5. 明確な返品ポリシーを作る

消費者がカート離脱する主な理由の1つは、明確な返品ポリシーがないことです。返品ポリシーがない、または明確に伝えていない場合、カート離脱率は高くなると思ってください。実際、ある調査によると、消費者の80%は「簡単な返品ポリシーが明記されていない限り、そのECサイトで買い物をすることはない」と答えています

返品ポリシーがない場合は、返品ポリシーを検討することをおすすめします。最も重要なことは、返品ポリシーが明確に伝えられ、サイト内で目立つように強調されていることです。

6. カート離脱をフォローアップするシステムを導入する

カート離脱追跡メールシステムを利用していない場合、コンバージョンにおいて損をしているかも知れません。カート離脱の回復に関する調査の一部をご紹介します。

  • 破棄されたカートに関するフォローアップメールは、約45%の消費者が開封している
  • 21%はクリックにつながる
  • 注文を完了するよう促すフォローアップメールを受け取った消費者のうち、7%が注文を完了する

カート離脱した消費者をターゲットにしたメール追跡システムがない場合は、導入することをおすすめします。

Internet RETAILER
Internet RETAILER

グローバルでECビジネスを展開する京都の小さな毛糸屋さん「amirisu」の成長ストーリー

6 years 8ヶ月 ago

ライスタイル雑誌、ECサイト、実店舗、コト体験などを通じて、国内、そして世界に編み物文化や編み物グッズを届けている企業がある。その社名は「amirisu」、京都に本社を構える従業員数12人のベンチャー企業だ。海外や国内へのBtoB-ECとBtoC-EC、京都と東京に構えるリアル店舗での商品販売、実店舗でのレッスンやイベントを通じたコト体験などで利用者を拡大、2015年の会社設立から売り上げは右肩上がりを続ける。「amirisu」の成長ストーリーを取材した。写真◎奥田晃介(松鹿舎)

海外の手染め毛糸を輸入・販売で競合と差別化

「amirisu」の売り上げは、BtoB-ECとBtoC-ECのほか、2つの実店舗、雑誌販売と雑誌を通じた商品販売がメイン。個人向けが全体売上の9割を占め、そのうち6割がEC経由となる。

事業のスタートは、編み物に関する情報誌の発行と販売。2012年の創刊当初はネットで閲覧できるオンライン冊子だったが、現在は紙の雑誌を年2回のペースで発行。英語と日本語の版をそれぞれ用意し、国内は一部の書店や輸入雑貨店などへ販売、海外は編み物店など120店舗へ販売している。

雑誌単体では利益はあまり出ません。また、全体売上に占める割合は小さいのですが、雑誌を見たお客さまが店舗へ来訪したり、ECサイトで商品を購入するといった副次的な効果がとても大きいのを実感しています雑誌はこうしたブランディングのほか、マーチャンダイジング(MD)にも役立つんですよ。

こう話すのは代表取締役の落合徳子氏。ビジネスの最大の特徴は「日本ではあまり見たことがない毛糸を海外から仕入れて、日本を中心に物販を行うこと」(落合氏)。競合とは異なる商品ラインナップを実現しているため、価格競争に陥りにくい。そのため、「客単価は高いと思います」(落合氏)。

amirisu 代表取締役の落合徳子氏
代表取締役の落合徳子氏

物販を始めたのは2014年。雑誌の発行を通じて「ファンがつくようになったため、物販を始めることにしました」(落合氏)。

日本の小さなベンチャー企業が海外の毛糸メーカーと取引する上で役立ったのが、雑誌を発行していることによる信用力。「雑誌を発行しているので、信用や、体力がある企業という印象を持ってもらえました」(落合氏)。

雑誌という信用力をバックに仕入れ先を開拓していった「amirisu」が、海外メーカーから仕入れる主な製品は手染めの毛糸。取引先は小さな手染めメーカーが多いため、仕入れの際は、前払いがスタンダード。「毎月、かなりの額を仕入れなければ物販は成り立たないので、出ていくキャッシュも多いビジネスです」(落合氏)。

だが、これまでキャッシュフローの悪化を招くことなく、海外からの円滑な仕入れを継続し続けてきた。その要因の1つとして、グローバルで2億7700万人以上のユーザーが使うオンライン決済サービス「PayPal」の存在があげられる

「amirisu」はECサイトの決済手段として「PayPal」を使用。「PayPal」で決済された売上金はペイパルアカウントに即時入金され、数日内に銀行へ引き出せるため、キャッシュフローが改善。円滑なMDに役立っているという。落合氏はこう振り返る。

海外との取引では商品の発送時点で請求書がメールで送られてくるケースが圧倒的です。でも、商品は海外から配送されているため、税関の通過なども含めて、手元に商品が届くまでのリードタイムがすごく長いんです。輸入毛糸を扱っているため、キャッシュ周りが一般的な企業よりも大変。早くても週に1回といった入金サイクルの決済サービスよりも、即時入金される「PayPal」のおかげで円滑なMDが実現できています

「PayPal」を重宝する「amirisu」だが、もちろん他の決済手段も提供している。年々件数は減っているものの、業務負荷が大きいのが銀行振込み。「振込名義と購入客の名前が合致しないこともあり、突き合わせ・消込作業がとても大変」(田中氏)と言う。

こうした銀行振込に関する業務負荷の問題を解決する機能が「PayPal」に昨年追加された。購入者が銀行口座とペイパルアカウントをひも付けると、「PayPal」で決済した支払いを銀行口座から引き落とすことが可能となったのだ。事業者は「PayPal」経由で支払いを受け取るので、カード決済の場合と同様に注文情報と支払い情報は自動的にリンクしており、突き合わせ・消込作業は不要。さらに、支払いはペイパルアカウントに即時入金されるというメリットもある。

業務負荷を最小限に抑えながら、クレジットカードを持たないユーザーや、カードを利用したくないといった消費者ニーズに対応できる方法として、「PayPal」のこの新機能にも注目したい。

amirisuの商品1amirisuの商品2
「amirisu」で販売している毛糸。主に海外メーカーから仕入れている

自社に適したECサイトを海外プラットフォームで実現

海外から仕入れる毛糸の量が年々増えている「amirisu」。順調に仕入れが実現できた要因の1つに、BtoC-ECビジネスが軌道に乗っていることがある。

ECビジネスの立ち上げで中心的な役割を果たしたのが、落合氏と共同で代表取締役を務める田中芽理氏。特に英語力が役に立ったという。なぜ「英語力」なのか?

「amirisu」がプラットフォームとして採用しているシステムは、世界で80万店舗以上が使う「Shopify」。今では日本向けのローカライズ版が用意されたため、英語が不得手な日本企業の導入も増えている「Shopify」だが、2015年当時の対応言語は英語のみだった。

数あるプラットフォームから「Shopify」を見つけ、そして自社のビジネスモデルに適したアプリを探し、運用していく――。田中氏はその大きな役割を担った。田中氏は「Shopify」をECのシステムとして採用した理由を次のように話す。

ECを始める際、まず検討したのがモールへの出店と無料のショッピングカートなどです。モールは顧客データを手に入れることができないので、ダイレクトマーケティングを手がけるには適していません。いくつかのショッピングカートでは、カテゴリ分けができなかったり、色・サイズなどの「SKU」ごとのバリエーションが作れなかったりと、当社の商材に適さなかったんです。最終的に「Shopify」を採用したのですが、紆余曲折がありました。

amirisu 代表取締役の田中芽理氏
代表取締役の田中芽理氏

初めに採用したのがWordPressで作ったWebサイトに、EC機能を加えるためのプラグイン「WooCommerce(ウーコマース)」。だが、すぐに問題が。機能拡充のためのプラグインを追加実装していくと、サイト全体が重くなるといった問題が浮上。管理画面も同様で、ECサイトのユーザビリティの低下、作業効率の悪化などを招いた。

店頭販売も行っていたため、在庫管理にも大きな労力がかかるようにもなった。当時、ECサイトと実店舗の在庫はファイルメーカーでデータベースを構築して管理。ECサイトで商品が売れた場合、店頭用在庫を減らすといった作業が発生していた。うれしい悲鳴かな、売れば売るほど、作業が増えるといったジレンマが発生した。

「やりたいことが実現できて、実店舗とも連動できるECプラットフォームはないのか」――。英語が堪能な田中氏は、国内だけではなく、海外のECプラットフォームも探し、「Shopify」と出会った。

使っているのは「Shopify」の上位プラン「Shopify Plus」。「Shopify」は基本機能以外の拡張機能は、インストールして利用するアプリやさまざまなAPIを活用してECサイトをカスタマイズしていくシステム設計だ。

現在は日本企業の導入も進み、運用方法の情報もWeb上に多く存在する「Shopify」だが、当時は日本語の情報がほとんどない状況。そんな状況下だったが、「Shopify Plus」では専任サポートが就くため、田中氏はそのサポートに適したアプリのこと、機能のことなどを何度も相談した。

たとえば、自社商品を実店舗販売するためのPOSシステムに関するアプリ「Shopify POS」のケース。商品検索、注文処理、クレジットカードの読み取り、レシート発行などをiPadやモバイル機器で行うことができるようにする機能で、もちろんECプラットフォーム「Shopify」と連携するアプリだ。「Shopify」を利用する企業は無料で利用することが可能だ。

実店舗、ECサイトの売上情報などを一元管理でき、「amirisu」もこのアプリを実装。実店舗が東京店と京都店の2店舗になってからは在庫管理機能を強化するため、オンライン在庫管理サービス「TradeGecko」の「Shopify」連携アプリを導入し、2つの実店舗運営とECサイトの円滑な運営を実現している。

amirisu 京都本店
京都の実店舗。来店客は海外購入客が半数を超える

ECサイトの決済手段はキャッシュフロー経営を重要視していたため「PayPal」を導入した。「日本のカード決済手数料は高いんですよね。ですが、当時、『PayPal』はそれらと比べて低かったので、導入を決めました」(田中氏)。そして、落合氏もこう付け加える。

決済の手数料と(入金までの)リードタイムは重要です。「PayPal」の即時入金システムの有り難さは、会社を経営している人であればとてもわかることだと思います。

amirisu 落合氏と田中氏
代表取締役としてキャッシュフロー経営の重要性を説く落合氏と田中氏

ちなみに、海外販売での不正被害リスクを最小限にするため、「amirisu」では高額商品は必ず配達証明が出る配送方法を使うよう案内している。

「PayPal」には、買い手から未承認取引や商品・サービス未受領に基づくクレーム、チャージバック、支払いの取り消しが行われた場合に注文金額を補償する無料プログラム「売り手保護制度」がある。配達証明の提出など一定の適用条件を満たせば、「PayPal」が損失を補填する仕組みだ。

チャージバックはいつ何時起きるかわからない。特に海外向け配送の際は、トラッキングに対応した配送サービスを活用しておきたいことに触れておく。

福袋は2分で完売する人気ぶり、「PayPal」を使ったユニークな消費行動も

メインのBtoC-ECサイトは「Shopify」の多言語アプリを活用し、海外からの注文に対応雑誌の卸販売といったBtoB-ECも「Shopify」を活用している

「Shopify Plus」を使う場合、合計10ストアまでECサイトを立ち上げることが可能。追加料金なしでBtoB-ECサイトを運用できる「BtoB向けPlusストア」を使い、海外向けの雑誌卸販売などに対応している。海外向け販売でも「PayPal」が主な決済手段。海外向け販売ではさまざまなリスクが存在する。そのため「前払いを採用するようにしています」(落合氏)。

雑誌販売からBtoC、BtoB、そして実店舗展開と販売チャネルが拡大していくにつれて、ファンは拡大していった。それを表すユニークな出来事がある。

「amirisu」では毎年1月1日に福袋セールを行っている。これまで、落合氏が年末、手動で福袋セールのランディングページをアップしていたのだが、2019年に初めて「Shopify」の自動アップ機能を使った。

何かあればすぐに対応できるようにスタンバイしていた落合氏。23時過ぎに「Google Analytics」を確認したところ、100人以上がWebサイトをリロードしていることを発見。「これまで手動だったため、日付が変わる前にアップしていました。毎年アップ後3分で売り切れてしまうような状態だったため、リロードして待ち構えているお客さまがいらっしゃったんです」(落合氏)。

紅白歌合戦が終わった段階でリロードを実行しているユーザーは200人を突破。そして、日付が変わった2分後には完売状態となった。

LP公開後、2分以内に購入した人たちの傾向を見ると面白いことがわかった。福袋の購入に成功したユーザーの多くが、「PayPal」の「ワンタッチ決済」を使っていたのだ。

「ワンタッチ決済」は、「ログイン状態を保持する」を設定すると次回の支払いからログインをスキップし、「ワンタッチ」で支払いができる機能。福袋のLPがアップされた瞬間、「amirisu」の支払いで「PayPal」を使うコアなユーザーは「ワンタッチ」機能で、簡単に、素早く決済することに成功したのだ。「PayPal」ユーザーが多い「amirisu」ならではの消費行動と言えるだろう。

amirisu 落合氏と田中氏
福袋でのユニークな消費行動について語る落合氏

今後の課題は実店舗とECサイトの一元管理

「amirisu」は今後、「Shopify」をベースに実店舗とECサイトの連動をさらに進めていきたいという。

「amirisu」は実店舗で、編み物体験といったイベント、教室などを開いている。いわゆる「コト体験」を通じて、既存顧客のファン化、潜在ニーズの掘り起こしといった需要創出にも取り組んでいる

ただ、実店舗を使う顧客などからは「店舗で付与されたポイントはECサイトでは使えませんか?」といった声が寄せられるようになった。今後は、「ECサイトと実店舗の購買履歴を統合し、それに対してポイントを付与するといったこともやりたいと考えています」(田中氏)と言う。

「amirisu」では今、ECサイトで買い物をしたお客さまの購入履歴しか見ることができません。実店舗で買い物したユーザーにアプローチできていないんです。また、海外ユーザーが来日して、店舗に訪れるインバウンド消費も増えてきています。「amirisu」の実店舗で何を購入しているのかを可視化することで、ECサイトにもそれを活用していきたいです。(田中氏)

amirisu 店舗
落合氏と田中氏が口にしたのは「実店舗とECサイトのシームレスな買い物体験作り」
ネットショップ担当者フォーラム編集部
ネットショップ担当者フォーラム編集部

オイシックスが月額1280円の新サブスク「プライムパス」、特定商品毎週3品まで0円&野菜や果物全品2割引き

6 years 8ヶ月 ago

農産品や加工食品、ミールキットなどの食品宅配を展開するオイシックス・ラ・大地は6月24日、新たなサブスクリプションサービス「Oisix プライムパス」の運用を6月27日から開始すると発表した。

利用者は月額1280円を支払うと、特定商品が毎週3品まで0円となるほか、野菜や果物が全品20%オフとなる。新サービスの開始で、EC食品宅配サービス「Oisix」を継続的に利用しやすくする。

常備しておきたい食材が月額2320円お得に

月額1280円(税別)を支払うと、毎週40種類以上の対象商品の中から3点が0円になる。ラインナップは牛乳やパン、ベーコン、ハム、ヨーグルトなど、冷蔵庫に常備しておきたい食品を集めた。1回の注文につき、3点を月に4回注文した場合、毎月12点が0円になる。

有機野菜や特別栽培野菜など、安心・安全基準を満たした「Oisix」の野菜や果物が何品でも20%オフで購入できる。「Oisix」では産地から野菜や果物を直接仕入れるため、価格が常に安定しており、市場で野菜の価格が高騰した際にも安心して購入できる。

オイシックス・ラ・大地が始める、新たなサブスクリプションサービス「Oisix プライムパス」
「Oisix プライムパス」の対象商品イメージ

対象商品を平均すると1品約300円。毎週3品、1か月12品を注文した場合、300円×12品の3600円から、月額利用料1280円を差し引くと、月間2320円お得となる計算。なお、一部のセット販売商品やお取り寄せ市場の商品、頒布会商品などは対象外となる。

食品宅配サービス「Oisix」は、「つくった人が自分の子どもに食べさせられる食材のみを食卓へ」をコンセプトに、インターネットで有機野菜や特別栽培野菜、無添加の加工食品を届けるEC食品宅配サービス。現在の会員数は20万5976人(2019年3月末時点)となっている。

石居 岳
石居 岳

宅配ボックスを設置したら…非対面受取率は0%→30%にUP、再配達率は34%→14%に減少

6 years 8ヶ月 ago

パナソニック・ライフソリューションズ社は6月24日、都内の子育て世帯を対象にした宅配ボックスの実証実験の結果を公表した。宅配ボックスを設置後、被験者は宅配荷物の30%を宅配ボックスで受け取り、再配達の割合は設置前の34%から14%へと減少したという。

実証実験は2018年12月3日から2019年1月31日まで、東京都世田谷区内に住む子育て中の50世帯を対象に実施した。

宅配ボックスを設置する前の2018年10月時点で、被験者が宅配荷物を「直接受け取った(対面)」割合は66%、「再配達になった」は34%だった。

宅配ボックス設置後は、「直接受け取った(対面)」が56%、「宅配ボックスで受け取った(非対面)」は30%、「再配達になった」は14%に変化した。

2018年10月の配達個数は412個(回答47世帯)、2018年12月と2019年1月の月間配達個数は平均553個(回答46世帯)。

パナソニック・ライフソリューションズ社が実施した、都内の子育て世帯を対象にした宅配ボックスの実証実験の結果 非対面での受け取り率、再配達率の変化
非対面での受け取り率、再配達率の変化

宅配ボックス設置でも再配達の理由は?

宅配ボックスの設置後に再配達になった要因の上位は、「荷物が大きくて入らなかった」(27.8%)、「生もの・クール便」(25.2%)、「宅逢ボックスがいっぱいだった」(20.5%)、「宅配ボックスに入れてくれなかった」(12.6%)となっている。

パナソニック・ライフソリューションズ社が実施した、都内の子育て世帯を対象にした宅配ボックスの実証実験の結果 宅配ボックス設置でも再配達になった理由
宅配ボックス設置でも再配達になった理由

再配達による待ち時間の削減時間も調査

実証実験の事前調査では、「荷物の受け取りのために時間が拘束されている」という意見があったという。そこで、宅配ボックスを設置したことによる、再配達のための待ち時間の変化を調査した。

荷物を受け取るための待ち時間を試算するため、「再配達を依頼してから受け取るまでの待ち時間」を再配達1回あたり2時間と仮定し、年間の待ち時間を算出した。宅配ボックスを設置する前は、1年間の待ち時間は一世帯当たり平均約72時間だったが、宅配ボックス設置後は平均約39時間に減ったという。

パナソニック・ライフソリューションズ社が実施した、都内の子育て世帯を対象にした宅配ボックスの実証実験の結果 再配達による待ち時間の変化
再配達による待ち時間の変化

全被験者が荷物の受け取りにおけるストレスは「軽減」「やや軽減」と回答

宅配ボックスを設置したことで、荷物の受け取りにおけるストレスの変化を聞いた。その結果、「かなり軽減された」は71%、「やや軽減された」は29%だった。「どちらともいえない」「あまり軽減しなかった」「全く軽減しなかった」はすべて0%。

在宅時の荷物の受け取りに関するストレスの変化では、「かなり軽減された」は31%、「やや軽減された」は41%、「どちらでもない」は21%、「あまり軽減しなかった」は8%、「全く軽減しなかった」は0%だった。

パナソニック・ライフソリューションズ社が実施した、都内の子育て世帯を対象にした宅配ボックスの実証実験の結果 荷物の受け取りにおけるストレス
荷物の受け取りにおけるストレス
渡部 和章
渡部 和章

日本郵便が置き配バッグでの配送を推進――依頼書不要で「OKIPPA」への指定配送OKへ&置き配バックを10万世帯に無料配付

6 years 8ヶ月 ago

日本郵便は6月24日、置き配バッグ「OKIPPA」と同梱の配送員向けプラカードを設置していれば、指定場所配達の依頼書を提出したものと見なし、顧客や同居人が不在でも「OKIPPA」に郵便物などを配達することを明らかにした。

併せて、10万世帯の顧客を対象に「OKIPPA」を無料配布するキャンペーンを実施。「OKIPPA」の配付を通じて、「置き配」の普及拡大に取り組む。キャンペーン受け付け期間は6月24日から8月26日まで。

日本郵便が置き配バッグ「OKIPPA」を公認

「OKIPPA」はYperが提供している、玄関などに折りたたんで設置し宅配ボックスと同時に利用できる置き配バッグ。

日本郵便はこれまで、一戸建、アパート等(2階以下の集合住宅)、マンションで各住戸に設置された宅配ボックスへの配送に関しては申請書「指定場所配達に関する依頼書」の提出が必須だった。6月24日以降、「OKIPPA」への配送の場合は申請書の提出を不要とし、「OKIPPA」を顧客が受け取ったその日から利用できるようにした。

日本郵便は、置き配バッグ「OKIPPA」と同梱の配送員向けプラカードを設置していれば、指定場所配達の依頼書を提出したものと見なし、顧客や同居人が不在でも「OKIPPA」に郵便物などを配達することを明らかにした
置き配バッグ「OKIPPA」についての日本郵便のお知らせ(画像は編集部が日本郵便のHPからキャプチャ)

「OKIPPA」配達の対象となる荷物は以下の通り。

  • 郵便受箱または差入口に入らないゆうメール、ゆうパケットおよび郵便物(速達、配達時間帯指定郵便および配達日指定郵便とする郵便物ならびに国際通常郵便物を含む)
  • ゆうパック(国際小包郵便物を含む)、特定記録郵便物等(国際特定記録郵便物を含む)EMS郵便物

対象外郵便物は、書留、セキュリティゆうパック、レターパックプラス、保冷、代金引換、返信依頼郵便、生ものを内容とするゆうパック、料金・運賃または手数料の支払を要する郵便物等、新特急郵便、国際書留通常郵便物、受取通知または保険付とする国際郵便物、税付郵便物。 

配達員の94%が「OKIPPA」の利用を望む

Yperは2018年12月、日本郵便と共同で、東京・杉並区内の1000世帯で「OKIPPA」を使った実証実験を実施。受取人が不在中に届いた荷物の約61%で「OKIPPA」が使われた。

実証実験終了後、配達員に「OKIPPA」の満足度を聞いたところ、56%が「とても利用してほしいと回答」。「できれば利用してほしい」と合わせると、合計94%が利用を望む結果となった。

物流系ITベンチャーのYper(イーパー)は置き配バッグ「OKIPPA(オキッパ)」の実証実験を行った結果、受取人が不在中に届いた荷物の約61%で「OKIPPA」が使われたと発表
「OKIPPA」の利用が配送の効率化、配送員の業務負担の軽減につながることを確認できたという
石居 岳
石居 岳

中国人が解説、中国市場でモバイル決済が急速に普及した理由 | 中国の最新買い物事情~トランスコスモスチャイナからの現地レポート~

6 years 8ヶ月 ago

モバイル決済サービスの誕生によって、現金を持たずに外出することは今や中国人にとって日常的なことです。バス、シェア自転車、友人との会食、オンラインショッピング、水道光熱費の支払い、観光地の入場券、映画、医療など、モバイル決済は日常消費で当たり前に利用できるようになっています。また、交通違反の罰金や寄付金の支払いもモバイル決済で行うことができます。あらゆる支払いにモバイル決済を利用できるようになり、中国人のライフスタイルには新しい変化がもたらされています。

調査機関であるiiメディアリサーチ(艾媒諮詢)の発表によると、2017年の中国モバイル決済取引規模は前年比28.8%増の202兆9000億元に達しました。利用者数は5億6200万人で前年比21.6%増。モバイル決済サービスの改善や消費者意識の変化に伴い、モバイル決済サービスはさらに普及し、取引規模は引き続き成長していく見通しです。

増加率
モバイル決済取引規模(兆元)
中国におけるモバイル決済取引規模の推移(2011年~2017年)
※iiメディアリサーチのデータを元に編集部で作成
モバイル決済利用者数(億人)増加率
中国におけるモバイル決済利用者数の推移(2014年~2019年)
※iiメディアリサーチのデータを元に編集部で作成

中国のモバイル決済サービスの代名詞と言えば「Alipay(アリペイ)」と「WeChat Pay(ウィチャットペイ)」。

「Alipay」はアリババグループが提供する中国最大規模のオンライン決済サービスで、強力なECプラットフォームと豊富な支払シーンを備えています。一方、中国トップのソーシャルプラットフォーム「WeChat」のモバイル決済サービスである「WeChat Pay」は、顧客ロイヤリティが高く、巨大なトラフィックを持っています

中国の市場シェアを見ると「Alipay」と「WeChat Pay」の2サービスで92.53%に達し、流通分野において圧倒的シェアを占めています。

Alipay	53.7
WeChat Pay	38.8
壱銭包	1.23%
UMFintech	0.87%
YeePay	0.68%
99Bill	0.65%
百度銭包	0.31%
蘇寧金融	0.28%
その他 3.45%
中国モバイル決済市場シェア(2018年第3四半期)
亿欧のデータを元に編集部で作成

モバイル決済最大手―Alipay

QRコードは日本人が開発、中国人によってモバイル決済の手段として一般的に普及し、現在ではさまざまな生活シーンで幅広く使われています。

2011年、中国のEC大手アリババグループ「Alipay」のスマホアプリを通したQRコード決済機能の提供を正式に開始し、オフライン決済の市場に進出しました。それ以来、「Alipay」はユーザーの生活に深く浸透しています。「Alipay」アプリは以下のような機能を搭載しています。

豊富な金融商品
ECとの連携機能
メッセージが送られてくる機能
ユーザーのロイヤリティを高めるディスカッショングループ
オフラインでの活用機能
決済ツールの基本的機能(QRコードに基づく)
ローカルサービス(020機能)
各種オンラインアプリ(Alipayのミニブログラム)

一方、インターネット大手テンセントも「WeChat」でモバイル決済機能をリリース。現在、特に中国の主要都市では、財布を持たずに出かけることが一般的になったと言える状況になっています。モバイル決済は中国人のライフスタイルを劇的に変えたと言っても過言ではありません。

モバイル決済サービスの革新

中国ではなぜモバイル決済が大多数の人に利用されているのでしょうか?

アリペイの公式サイト
アリペイの公式サイト

近年、BAT(B=Baidu(バイドゥ)、A=Alibaba(アリババ)、T=Tencent(テンセント))をはじめとしたインターネット大手企業がO2Oモデルに注力したことがあげられます。

中国ではすでにECが、衣食住や交通など各方面に浸透しています。これを前提にして、オフラインをより便利にするためにモバイル決済サービスが使用されるようになりました。このライフスタイルの変化によりモバイル決済の普及が一層促進され、中国人の決済習慣が変わっていきました

次に、モバイル決済はいつでもどこでも使用でき、持ち運びやすいという特徴を備えているので、従来の支払方法と比べると、小額でも素早く、便利に日常生活の領域で広く応用されるようになりました

QRコードを読み取り、決済完了というモバイル決済技術のイノベーションによって、オンラインとオフラインの融合が実現。また、ハードウエアのコストが下げられ、小売店、野菜市場など、さまざまなオフラインシーンで利用されるようになりました

QRコードのサンプル
QRコードに基づき支払いを完結

QRコード決済サービスの特徴は下記のとおりです。

  • 低コスト:スマホさえ持っていれば、QRコードを読み取るだけで支払いを済ませることができます。また商店にとっても、QRコードを付けたものを用意するだけですむことが多く、ほぼゼロコストと言えます。
  • 読取精度が高い:QRコードをスキャンする場合、枠内にQRコードリーダーが100%入らなくても読み取ることができる
  • 普及率が高い:商店の導入、消費者の利用のハードルがないので、子供からお年寄りまで「QRコードのスキャン」で簡単に支払うことができます。

しかし、QRコード決済にも問題がいくつかあります。たとえば、ネット環境への依存、そして、スマホの電池の残量も影響します。

特に、セキュリティに関しては、モバイル決済の技術がさらなる発展を遂げるまでは、メーカー側とユーザー側の両方の対応が必要になります。これは開発者と利用者の努力のもと、監視を強化し防護措置をとることでリスクへの予防意識を高めることが大切だと考えられます。

日本でのモバイル決済

日本でも「Alipay」の導入店舗は5万店にまで広がっています。その中には日本の三大コンビニエンスストアであるセブン-イレブン、ローソン、ファミリーマートも含まれています。また「WeChat Pay」は新千歳空港やドン・キホーテ、富士急ハイランド、各大手ショッピングモールなど、中国人観光客が多く集まる場所に導入されています。

これら日本の店舗は主に中国人観光客と中国人留学生を対象にモバイル決済サービスを提供しています。中国人の使用率約99.9%に比べて、日本人のモバイル決済の使用率は相当低い状況です。その原因は、交通系電子マネーでの決済サービスが先行し、利用率がかなり高いからだと思われます。

p>交通系電子マネーは、交通、小売、サービス、スーパーなどの幅広い分野をカバーしているため、モバイル決済への転換やモバイル決済の普及を阻んでいると思われます。
Suica
交通系電子マネーの1つ「Suica」

それでも2018年11月27日、「WeChat Pay」と「LINE Pay」は東京で記者発表会を開催。業務提携を通じ、日本でのモバイル決済を可能にする業務の展開を発表しました。

LINE Payは「WeChat Pay」と提携することで、実店舗に中国人観光客向けの決済サービス機能を追加、多くの日本の実店舗がモバイル決済を導入することに寄与するでしょう。日本の実店舗は同じQRコードで、日本人ユーザーには「LINE Pay」、中国人観光客には「WeChat Pay」で支払いを済ませてもらえます。また、日本の実店舗はQRコードスキャナーなどの電子設備を導入する必要がなく、運営のデジタル化を簡単に実現できます。

◇◇◇

現在、モバイル決済の分野においては、中国は世界第1位であることは間違いありません。イノベーションは先進国で始まり、徐々に発展途上国へ広がると考えられています。しかし、イノベーションは発展途上国の新興市場で始まり、先進国に大きな影響を与える場合もあると考えられます。

今後、中国のモバイル決済サービスは世界で飛躍的に普及していくと予想されています。

トランスコスモスチャイナ(transcosmos China)
姜赫(Hayden Jiang)
トランスコスモスチャイナ(transcosmos China), 姜赫(Hayden Jiang)

顧客対応もオムニチャネルが求められる時代へ――14万社が導入の「Zendesk」を使うとECビジネスはどう変わる?

6 years 8ヶ月 ago

ECサイトで決済してから店舗で商品を受け取るなど、消費者の商品購入行動がネットと店舗を行き来するようになり、小売・EC企業は消費者へのシームレスな顧客体験の提供が求められるようになった。いわゆるこのオムニチャネル対応は販売面だけが注目されているが、グローバルを見ると、多様化する消費行動への対応として、顧客対応のオムニチャネル化も進んでいる

メール、SNS、電話、SMS……商品購入に関する行動と同様、消費者が求めているコミュニケーションは、適したチャネルで好きなときにやり取りできる環境。顧客対応力が企業イメージ、ひいては売り上げをも左右されるようになった今、EC事業者は消費者とのコミュニケーションチャネルをどのように設計・構築すればいいのだろうか?

CXに注力する企業は非注力企業と比べて売上成長は5倍も高い

顧客対応もオムニチャネルの時代だ。顧客体験をより良くするのがオムニチャネルコミュニケーション。カスタマーエクスペリエンスに注力する企業とそうではない企業を比べると、売上成長に5倍もの差が出るというデータもある。

こう話すのはクラウド型カスタマーサービスプラットフォーム「Zendesk」の公認パートナーで、日本初のインプリメンテーションパートナーであるエクレクトの辻本真大社長だ。

「Zendesk」はグローバルで14万社以上が使うカスタマーサービスプラットフォームで、顧客対応の品質向上を通じた良質な顧客体験の提供を実現したい日本企業の導入が進んでいる。

旅行業界やメーカーなどさまざまな業種・業態が「Zendesk」を採用しているが、エクレクトはEC企業へのサービス提供に強みを持つ。有名ECプラットフォームなどで従事した担当者らが、製品企画、開発、導入サポートといった業務に携わる。

「Zendesk」がECビジネスなどに関わる企業から近年、注目を集めている理由は何なのか。まず、日本のEC事業者が考える「顧客対応」に触れながら、「Zendesk」を導入した企業の理由などを見ていきたい。

エクレクトの辻本真大社長
エクレクトの辻本真大社長

EC事業者が抱える顧客対応の課題、実現していきたいこと

「神戸魔法の壷プリン」などで知られるスイーツ専門店「神戸フランツ」を運営するフランツのEC事業責任者 中林慎太郎氏、アメリカンスポーツ商材の「セレクション」を運営するセレクション・インターナショナルの統括本部 マネージャーである小林礼武氏の2者は、「Zendesk」の導入を決めた責任者。エクレクトのエンゲージメントマネージャーの徳山友紀氏が切り込んだ。

顧客対応の課題は、CSの組織&ポジション、リソース……解決する方法は?

徳山友紀氏(以下、徳山)オムニチャネル対応は販売面で進んでいるが、顧客対応にまで対応している企業は少ない。その要因は何だと思いますか?

エクレクトの徳山友紀氏(エンゲージメントマネージャー)
エクレクトの徳山友紀氏(エンゲージメントマネージャー)

中林慎太郎氏(以下、中林)カスタマーサポートの組織上の在り方、携わる人のポジションだと思う。カスタマーサポートは、お客さまの声が直接、一番集まるところ。僕が思うのは、多くのECマーケターは数字に重きを置きがち。数字がすべてではない。お客さまの声には課題を解決する答えがすべてあるわけではないが、課題解決のためのヒントが必ずある。たとえば、顧客の声に耳を傾けていかなければ、お客さまの声を無視したECサイトのデザインになってしまったり……。結局、お客さまの声が集まるカスタマーサポート、その業務に携わる人たちが、それなりのポジションに上がっていかなければ、現場に広がらない。そのECサイトはお客さまの声と乖離(かいり)したものになってしまう可能性がある。

フランツのEC事業責任者 中林慎太郎氏
フランツのEC事業責任者 中林慎太郎氏

小林礼武氏(以下、小林):リソースの問題もある。顧客満足を上げるためには「親切に」「素早く」「正しい」情報をお客さまに提供するのがベスト。だけれども、今は人手不足の時代お客さまの要求に対してベストな対応をすることが難しくなってきている顧客対応にリソースを増やさなくても、「問い合わせにきちんと返信する」「一次回答は1時間のうちにする」といったルール作りも必要。もっと上の顧客対応を実現した場合は「Zendesk」のようなツールの活用も重要になる。

セレクション・インターナショナルの統括本部 マネージャー・小林礼武氏
セレクション・インターナショナルの統括本部 マネージャー・小林礼武氏

中林:昨今、ECサイトにおいてコミュニケーションがとても重要視されているが、“お客さま”をちゃんと見ているEC事業者は少ない見ているのはGoogle Analyticsで表示される数値それを見ることで、“お客さまを見た”気になっているケースが多い。つまり、お客さまの生の声とちゃんと向き合っていない。

それも踏まえ、フランツもコミュニケーションに課題を抱えていた。“お客さまを本気で見る”ためには、顧客の注文データなどと消費者からの問い合わせの声を一元管理し、お客さまの顔をちゃんと見ていかなければならないと感じていた。そこで2018年、「Zendesk」を導入した。

EC事業者が「Zendesk」を導入した理由と期待

徳山:商品に関する質問、その他の問い合わせといったコミュニケーションに関して、消費者から見るとECサイトは24時間365日運営されているのでいつでも対応してもらえると思ってしまう。そんな時代に入ったからこそ、オン・オフ関係なく窓口を開くとこが重要視されている。購買活動もコミュニケーションもオムニチャネルが求められるようになった

中林:いまのECサイトのコミュニケーションは、システム側で制限がかけられ過ぎていると感じる。たとえば、各SNSでのコミュニケーションとメール、問い合わせボックスなどのやり取りを一元管理できなかったり……。ECビジネスはネットを活用した商売なので、コミュニケーションの境目をボーダレスにしたい。「Zendesk」を使えば、メールや各SNSのチャットも1つの画面で管理できるようになる。それだけで運営側の負荷は大きく減る。お客さまのタイミング、求めている手段でコミュニケーションをしっかりとできるようにしたかった。それが「Zendesk」だと実現できた。

小林:僕からは「Zendesk」を導入してどう変わったのか?という話をしたい。2018年11月の導入から半年ほどだが、起きた変化を一部だが紹介したい。

顧客対応状況が見える化できたのは大きい。メールフォルダのようなイメージで、SNS、チャット、電話、メールといった顧客対応手段を1本で管理できている。ECサイトの運営をしていると、さまざまな管理画面を見ないといけないので数多くのウィンドウを開かないといけない。これが1つの管理画面でチェックできるようになったので、作業は劇的に改善。管理者としてチェック作業のストレスがなくなった

問い合わせが数値化できたのも業務に大きな好影響となっている。問い合わせ状況はこれまで、「1日何件くらい来ている?」と口頭で聞いて、現場から「●件くらい」と答えが返ってきていた。これが大きく変わった。問い合わせに対する返答時間などが可視化されるようになった。現状、問い合わせがきたら「1~8時間後」「8~24時間後」の対応が最多。顧客対応時間1つにしても、数字を見せることで現場が納得して改善に向けて動いてくれるようになっている

いま取り組んでいるのが「Zendesk」とLINEの連携。エクレクト社開発のアプリを使用することで、「Zendesk」でLINEのやり取りを管理することが可能。当社が運営している実店舗の接客もサポートできるようになっている。LINEの友だちが増えればやり取りは増えるが、マーケティング活動に直結する。「Zendesk」であれば作業負担は減るので、実店舗運営にも役立つのは知っておきたいところ。

「Zendesk」には追加アプリ機能があり、さまざまなアプリが提供されている。細かいところもカヴァーできるアプリが増え、全体的にレベルがあがっている。

小林氏が期待する機能

中林:僕からは、ECの未来を見据え、「Zendesk」を使ったビジネス構想をお話したい。人工知能(AI)の発達などで、顧客とのコミュニケーションにAIが入ってきている。EC事業者は「AIで自動化され、業務が効率化される」といった観点だけで終わってはいけない

顧客情報や受注管理のデータベース(DB)と同様に、お客さまの声もデータベース化していくことが今後、重要になる。日本のサービスではお客さまの声を蓄積し、データベース化していくものがあまりない。チャットボットを自社用に作るのにも、データベースが必要になる。お客さまの声を1つひとつエクセルに落とす? それはナンセンス。「Zendesk」は、SNS、チャット、メールなどさまざまなチャネルから寄せられたお客さまの声を蓄積することが可能いずれAIがコミュニケーションで活用されるようになった時、お客さまの声を蓄積しているだけでも大きな武器になる

数字で見るコミュニケーションが与える影響

これまでのECビジネスは、電話、メールでサポートすればお客さまの要望に対応できた。それがIT技術の進化によって、メッセージングアプリ、チャットなどで問い合わせしたいという需要が増えてきた

消費者はリテラシーの向上によって、購入履歴、サポート履歴などを企業側は一元的に管理しているものだと思っている時代になった。そのため、消費者が企業に問い合わせをして、すぐに対応できないと、「私のこと理解していない」と悪い印象を持たれてしまうこともある。企業は顧客が求める期待値のレベルで対応しなければならない。

エクレクトの辻本社長は消費者が企業に求める顧客対応についてこう説明。トランスコスモスが実施した調査「消費者と企業のコミュニケーション実態調査2018」を例に次のように話す。

消費者は悪いコミュニケーションを体験すると、不満を他のユーザーに伝えてしまう傾向がある。つまり、将来の見込み顧客を逃してしまうことにつながってしまう。

一方、消費者が求める期待値のレベルを超えたコミュニケーションを提供すると、「買ってよかった」という気持ちを抱き、他の人にそのサイトや商品を推奨していく。商品購入の機会が増える良いサイクルが生まれる。

辻本社長は現代のこうしたコミュニケーションを実現する方法として、「オムニチャネルコミュニケーション」を提言した。辻本社長は「期待値を超えるカスタマーエクスペリエンスを提供すること」と定義し、販売手法としてのオムニチャネルと同様、さまざまなチャネルで顧客とのコミュニケーションポイントを作っていくことが重要だと説明する。

「Zendesk」パートナー・エクレクトが実現できること

電話、メール、SNSなどからの問い合わせを一元管理し、オムニチャネルなカスタマーサービスを実現する「Zendesk」。辻本社長によると、「ここ数年、日本でも導入企業が増えている」と言う。

「Zendesk」はオープンな開発プラットフォームを通じて必要な機能を柔軟に組み込むことが可能。「あらゆるチャネルのコミュニケーションを統合し、1つのデータベースに蓄積できるので、業務の効率化、顧客との信頼感醸成、将来的なコミュニケーションのDB活用もできる」(辻本社長)。

エクレクトは「Zendesk」の販売だけにとどまらず、「Zendesk」の各種サービスを企業が導入する際の「導入」「実装」「サポート」「独自のカスタムアプリケーション開発」までをワンストップで支援することが可能だ。

【関連リンク】

ネットショップ担当者フォーラム編集部
ネットショップ担当者フォーラム編集部

アリババの「618商戦」、天猫国際では日本がブランド売上ランキング1位

6 years 8ヶ月 ago

アリババグループは6月19日、中国におけるECの大型商戦「618商戦(618 Mid-year Shopping Festival)」の実績を公表した。「天猫(Tmall)」や「淘宝網(Taobao)」では20万以上のブランドと店舗がキャンペーンに参加し、過去最大規模のセールを展開。110以上のブランドは取引高1億元を突破したという。越境ECモール「天猫国際(Tmall Global)」では、国・地域別の売上ランキンで日本が1位だった。

花王、小林製薬、任天堂、ドクターシーラボ、ヤーマンらが人気

アリババグループの越境ECプラットフォーム「天猫国際」の売上金額の増加率は、前年比197%増だった。2018年の「618商戦」における開始後14時間の売上金額を、2019年は開始から1時間で達成したという。また、地方の小規模都市の消費者が「天猫国際」で購入した金額は、前年と比べて153%増加したとしている。

国・地域別の売上高ランキングでは、日本が1位を獲得。上位5か国は日本、米国、韓国、オーストラリア、ドイツだった。

日本企業で売上高の増加率が上位だったのは、花王の「キュレル」が前年比245%増、小林製薬が同192%増、任天堂が182%増となっている。任天堂のゲーム機「Nintendo Switch」や、ドクターシーラボの美容液、ヤーマンの美顔器なども人気だったという。

地方都市からの購入が増加

アリババグループによると、今年の「618商戦」全体で、地方の小規模都市や農村部の購入者数と購入金額がどちらも前年比100%増だった。都市別の取引高ランキングでは、上海、北京、広州、深セン、杭州、成都、重慶、蘇州、武漢、南京といった主要都市が上位だが、取引高の増加率ランキングでは、新興地域が上位10都市を占めたという。

可処分所得の増加に伴い、新興地域の消費者の購買力が伸びており、日用品から輸入スマートフォンなど、幅広い商品が売れたとしている。

「淘宝網」および「天猫」社長の蔣凡(Jiang Fan氏は、次のようにコメントしている。

「618 商戦」の成果は素晴しいものとなり、「独身の日セール」の規模と熱気に匹敵する一大イベントとなりました。100以上のブランドは、天猫での売上が昨年の独身の日セールの売上を超えました。さらに、共同購入サービス「ジュファサン」というマーケティングツールの活用に対して、新興地域の消費者からの反応が良く、多くのブランドの新興 地域への浸透を加速させることができました。地方小規模都市での消費者数および購入金額は、昨年同時期比で100%以上に増加しました。このような実績は、新興地域へのブランドの浸透および消費者の新規獲得を狙った戦略が成功していることの証です。今後も、ブランドの中国市場の開拓において、地方小規模都市の消費者は重要なターゲットとなってくるでしょう。

渡部 和章
渡部 和章

「ブースター」のような、化粧品として標ぼう可能な範囲にない新しい商品の訴求方法の考え方 | 健康・美容業界の今を知る!

6 years 8ヶ月 ago

「ブースター」と言われてもピンとこない方は多いかもしれません。消費者の間では「導入液」とか「導入美容液」などとも呼ばれている商品で、洗顔の後に使用するスキンケア化粧品として数年前に登場したアイテムです。その後につける化粧水や乳液、クリームなどの浸透を高め、化粧品の効果をさらに引き出せるとされています。 そもそもこの目的(効果)である「導入」というワードは、化粧品として掲げられる効果効能に含まれていません。広告表現ではどんな配慮が必要なのでしょうか?

標ぼうできる項目はほぼ58年前のまま

化粧品で標ぼう可能な効能効果は、昭和36年(1961年)に公布された『薬事法の施行について』(薬発第44号薬務局長通知)の、第1の3の(3)がベースになっています。その後、平成13年(2001年)の『化粧品の効能の範囲の改正について』と、平成23年(2011年)の『化粧品の効能の範囲の改正について』で、「乾燥による小ジワを目立たなくする」という効能効果が追加されたものの、“乾燥小ジワ”以外で大きな変化はありません

スキンケア用品で標ぼうできる項目一覧(2019年6月現在)

(汚れをおとすことにより)皮膚を清浄にする/ (洗浄により)ニキビ、アセモを防ぐ(洗顔料)/ 肌を整える/ 肌のキメを整える/ 皮膚をすこやかに保つ/ 肌荒れを防ぐ/ 肌をひきしめる/ 皮膚にうるおいを与える/ 皮膚の水分、油分を補い保つ/ 皮膚の柔軟性を保つ/ 皮膚を保護する/ 皮膚の乾燥を防ぐ/ 肌を柔らげる/ 肌にはりを与える/ 肌にツヤを与える/ 肌を滑らかにする/ 日やけを防ぐ/ ひげを剃りやすくする/ ひげそり後の肌を整える/ あせもを防ぐ(打粉)/ 日やけによるシミ、ソバカスを防ぐ/ 乾燥による小ジワを目立たなくする

「乾燥による小ジワを目立たなくする」以外に、何も動きがなかったわけではありません。日本化粧品工業連合会では2007年に「紫外線による肌の光老化を防ぐ(但し、SPF15、PA+以上に限る)」という効能について、化粧品効能拡大の要望書を厚生労働省に提出し、2015年から紫外線専門部会でも実現に向けて活動しています。

現在は光老化についての試験法を検討しています。しかし、具体的な期限を設けているものではないため、今のところ効果効能として追加される目途は立っていないようです。

「導入」は標ぼう可能な範囲を逸脱するのか

公布からすでに半世紀以上が経ち、化粧品の技術が大きく進歩していると同時に、当時は想定し得なかった目的の商品が登場するのは当然ですが、原則として化粧品としての効能はこれまで通り、事実に基づき、現在の56個に限るというのがルールです。これに含まれないものは標ぼうできないか、医薬部外品以上のものとして承認を得るかのどちらかになります。

「ブースター」は消費者の間では「導入美容液」や「導入液」などと呼ばれていますが、「浸透を促進する」という使用目的をともなう「導入」という言葉は、そのままでは標ぼう可能な効果効能の範囲を逸脱すると判断される可能性があります。企業側でも表立って「導入」とズバリ言うことは以前に比べて減った印象で、「ブースター」あるいは「誘導」という表現用いるなど、工夫が見られます。

「導入」を「ブースター」や「誘導」と言い換えればまったく問題ないということでもないはずなのですが、行政(東京都薬務課)にヒアリングしても「商品を見ないことには……」という回答しかないのが現状です。 しかしポジティブに捉えれば、頭ごなしに「ダメ」という事ではなく、「その商品を見てから」というワンクッションがあるということですので、表現の仕方次第でOKとも言えます。

「ブースター」はどう訴求する?

NGとされる理由として考えられるのは、

  • 化粧品の効能効果の逸脱
  • 複数の化粧料の併用による相乗効果
  • 浸透が明らかに角層を超える

これらの3つです。 広告ではこのあたりに配慮して表現を検討していくと良いでしょう。 代替の方法としては次のような方法があります。

  • 「ブースター」「誘導」「導入」という言葉を使用しながらも、明瞭に「※浸透は角層まで」と打ち消し表現を付ける
  • 「○○シリーズ独自のステップ」「新提案」といった"お手入れ方法"として提案する
  • 直接的な相乗効果としてではなく、下記のような言葉を使用する
    「次に使う化粧品がなじみやすく
    「次に使う化粧品の浸透をサポート※」(※浸透は角層まで)
    「次に使う化粧品の道筋をサポート
    (ふきとりタイプなどで物理的に余分なものを取り除くことで) 「次に使う化粧品がなじみやすい環境にととのえる
稲留 万希子
稲留 万希子

ZOZOがスマホで足の3Dサイズを計測する「ZOZOMAT」をスタート

6 years 8ヶ月 ago

ファッションECサイト「ZOZOTOWN」を運営するZOZOは6月24日、スマートフォンを使って足のサイズを立体的に計測するマット「ZOZOMAT(ゾゾマット)」を無料で配布すると発表した。

予約の受付を同日開始、発送は今秋以降を予定している。自宅で足のサイズを計測できる「ZOZOMAT」を提供することで、ECサイトで靴を選びやすくする。

「ZOZOMAT」 に片足ずつ乗せ、それぞれの足をスマホのカメラで360度撮影すると、足の長さや幅、甲の高さ、かかとの幅などを計測できるという。

マット全体に施されたドットマーカーをスマホのカメラで読み取り、足のサイズを計測する仕組み。計測する際は、専用アプリの音声案内に従って撮影を行う。

ZOZOによると、「足長」「足幅」「足囲」などのサイズを、ミリ単位で計測でき、アプリ内で3Dデータを360度確認できるという。

ファッションECサイト「ZOZOTOWN」を運営するZOZOは、スマートフォンを使って足のサイズを立体的に計測するマット「ZOZOMAT(ゾゾマット)」を無料で配布すると発表
スマートフォンを使って足のサイズを立体的に計測するマット「ZOZOMAT(ゾゾマット)」

EC業界において、自宅で足のサイズを計測する取り組みをめぐっては、靴とファッションのECサイト「LOCONDO.jp」を運営するロコンドが2018年8月から、足型を計測するためのメジャー「ロコメジャー」を無料で配布。顧客が自宅で計測した足のサイズデータを使い、足にフィットする靴を探せるサービスなどを提供している。

「ZOZOMAT」はチラシのように配布も可能

「ZOZOMAT」はドットマーカーなどのレイアウトが用紙に印刷されている。そのため、チラシを配布するように低コストで、短期間に大量の配布が可能という。

たとえば、新聞などの紙媒体に「ZOZOMAT」のレイアウトを広告として出稿したり、自宅のプリンターで印刷できるPDFファイルを配信したりするなど、さまざまな方法を検討している。

2019年秋に開始する予定の「MSP(マルチサイズプラットフォーム)事業」において、ブランドとの商品開発などへの展開も見据えている。「MSP事業」とは、身体サイズを計測するスーツ「ZOZOSUIT」で得た体型データを活用し、出店ブランドが企画する商品をマルチサイズ展開して「ZOZOTOWN」で販売するサービス。

また、将来的には、「ZOZOMAT」のデータを活用し、ユーザーが自分の足のサイズに合った靴を試着なしで注文できるサービスの開発も予定しているという。

「ZOZOTOWN」の靴の取扱高は361億円、さらなる拡大めざす

ZOZOによると「ZOZOTOWN」の2018年度における靴の商品取扱高(出荷ベース)は約361億円。

「ZOZOMAT」の提供を通じてECサイトで靴を選びやすくし、靴の商品取扱高の拡大をめざす。また、「ZOZOMAT」のデータを活用し、靴の新しい買い方や作り方を創出する。

渡部 和章
渡部 和章

再配達は「とてもつらい」。宅配配送スタッフの本音が調査で明らかに【ネッ担まとめ】 | ネットショップ担当者が 知っておくべきニュースのまとめ

6 years 8ヶ月 ago
ネッ担まとめ

宅配の配送スタッフの皆さんは再配達にかなりのストレスを感じているんですね……。受け取りの選択肢はどんどん増えていますので、ショップも皆さんも工夫しましょう。

再配達が多い人は、ぜひ宅配ボックスの検討を

宅配ボックス実証実験 追加結果発表 | 株式会社ナスタ
https://www.nasta.co.jp/news/2019/2019061301.html

まとめると、

  • 再配達は「1回でも辛い」が18%、「2回以上で辛い」が49.5%
  • 宅配ボックスがあることで「警戒される」「呼び出しに応じない」などのストレスが軽減された
  • 配達スタッフの62.0%が宅配便を「とても利用してほしい」、26.8%が「できれば利用してほしい」と回答
平均回答2.04回(何回続いてもつらくないとの回答者と無回答者は除いて算出
Q.再配達が何回以上つづくと辛いですか?
https://www.nasta.co.jp/news/2019/2019061301.htmlより編集部でキャプチャ

配達スタッフにとって再配達はかなりのストレスになっているようです。受け取る側は再配達を何度も依頼することもあると思いますが、できるだけ一発で受取るようにしたいですね。ちなみに「何回続いても辛くない」という猛者も3.2%いることが驚き。

関連記事もあるように配送&受取の仕組みはどんどん進化していますので、ショップ側からもお客さんに告知していきましょう。

関連記事
  • ヤマト運輸、「Amazon Alexa」通じて音声で配送日時の確認&変更を実現 | ネットショップ担当者フォーラム
    https://netshop.impress.co.jp/node/6566
  • ヤマダ電機、EC注文商品を店頭の宅配ボックスで24時間受け取りできる仕組みの実証実験 | ネットショップ担当者フォーラム
    https://netshop.impress.co.jp/node/6575
  • 夏休みのバーベキューの食材もECで 楽天と西友、猿島の観光客に商品を届けるドローン配送サービスを実施 | ECzine
    https://eczine.jp/news/detail/6781

米メルカリ急成長の理由は「KonMari」!?

メルカリ、米国では「1日に15万件の出品」--"認知拡大"が勝敗の鍵 | CNET Japan
https://japan.cnet.com/article/35138469/

まとめると、

  • 米国版メルカリアプリのダウンロード数は約4,500万。App Storeのレーティングも参入当初の3.4から4.8に向上。1日に15万点もの商品が出品されている
  • 2018年7月~2019年3月の流通総額は1億300万ドル(約110億円)で、前年比で70%成長
  • 「KonMari」が社会現象になり、不用品の片付けが注目されている。この流れが米国でのフリマサービスの成長を後押ししている

日本と比べて米国には中古品を売る人が少ないことから、米国版では買うことよりも"売る"ことにフォーカスして改善してきたと説明。具体的には、ホームタブに「Sell」(売る)という項目を追加したり、10分以内に売れた商品を並べるなど、日本版とは異なるUI/UXによって、出品者の増加に努めてきたとのこと。

日本でも社会現象になった「KonMari」こと近藤麻理恵さんが米国に拠点を移し、Netflixの番組で大ブレイクしているそうです。その影響で、米国のメルカリユーザーが増えているというのは面白いです。

日本との違いは買うことよりも売ることにフォーカスしているということ。こちらの記事でも紹介しているように「Mercari Selling App」といっていますからね。認知拡大が課題とのことなのでどこまでお金をかけることができるのかがポイントになりそうです。

関連記事

検索アイコンを検索窓にするだけで売上アップ!

モバイルEC時代で勝つための「今すぐできる改善策」「コスト削減&施策のスピード化」を実現する方法 | ネットショップ担当者フォーラム
https://netshop.impress.co.jp/node/6556

まとめると、

  • モバイル用の検索は、アイコンではなく検索窓を画面トップに置くと良い
  • サイト内検索の絞り込み条件は4つ以上が良い
  • 商品説明とレビューの間にレコメンド枠を入れると良い

検索アイコンを用いている場合、検索アイコン利用率は7%で、検索から生じる売り上げの割合は19%にとどまる。一方、画面トップに検索窓を用いた場合、検索利用率は15%に、検索から生じる売り上げの割合は29%まで拡大した。

山浦氏はこう言う。「(検索アイコンは)タップする手間が生じるので、検索窓を上部に置いた方が、ユーザビリティが高い」

特に男性は検索をしがちなので、男性向けの商品を扱っているショップは気にしたいですね。サイトに来てすぐに検索というユーザーも多いはずですから。Google アナリティクスなどで検索ユーザーの動向も追っておくといいでしょう。3つともすぐにできるような施策なのでやっておきたいところです。

EC全般

しまむら「ZOZOTOWN」を退店。出店から約1年、今後は自社ECチャネルに注力 | ネットショップ担当者フォーラム
https://netshop.impress.co.jp/node/6580

「外部モール経由の販売はコストがかかり過ぎる」とのことですが、自社でやっても固定費や配送、広告費がかかるんですよね……。

EC事業の次なる戦略はオフライン活用 ポップアップストアに秘める事業成長の可能性 | ECのミカタ
https://ecnomikata.com/original_news/22771/

リアル接点って意外と安く作れたりします。ネットに閉塞感を感じたらリアルで。

「Amazonマーケットプレイス」での中小企業による流通総額は9000億円超[2018年] | ネットショップ担当者フォーラム
https://netshop.impress.co.jp/node/6578

「日本の中小企業の拠点がある県で、Amazonでの成長率が最も高いのは島根県」。これは意外。

パーソナライゼーションでECサイトはどう変わる? 米国小売企業が回答した「効果」「課題」「注力していること」 | ネットショップ担当者フォーラム
https://netshop.impress.co.jp/node/6568

データ量がないと何ともならない領域です。自社の規模によっては書かれていることは諦めましょう。

CMの効果はどうやって判断している? TVCMをやるべきか考えるときに知っておきたいこと | ECzine
https://eczine.jp/article/detail/6722

テレビCMに関わったことがある人は少ないかもしれませんが、いざという時のために読んでおきましょう。

今週の名言

「この人のコンテンツはバズる」というのはあります。バズる人はネットサーフィンしてコンテンツをめちゃめちゃ見ているので、感覚を掴んでいるのかもしれません。文章力と合わせて、コンテンツ好きだと、感覚が上がり、ソーシャルメディアに習熟するかも、と思います。

─才流 代表 栗原康太氏

仕事の「気づき」こそコンテンツ! 才流・栗原氏とベイジ・枌谷氏が語るBtoB企業の経営者、マーケターのソーシャルメディア活用術 | Social Media Lab
https://gaiax-socialmedialab.jp/post-64776/

センスでも何でもなく努力。これが自然にできる人がバズらせられる人のようです。

森野 誠之
森野 誠之

コアラのマットレスが創業1年で13億円も売れた理由 & 睡眠について聞いたいい話 | 忙しすぎて疲れているあなた。ちょっとしたECの小ネタでブレイクタイム

6 years 8ヶ月 ago

みなさん、睡眠足りてますか~? 睡眠って日中のパフォーマンスに直結するから結構大問題ですよね。オーストラリア発の人気マットレスを販売するコアラ・マットレスさんが開催した「コアラ・ラスリープ・ラボ」に伺ってきたので、創業1年で13億円も売り上げたヒットの理由と、予防医学研究者で医学博士の石川善樹氏による、睡眠に関するいい話についてご報告したいと思います。

ところでコアラ・マットレスとは?

Koala Sleep Japan(以下、コアラ)はオーストラリアのダニエル・ミルハムとミッチェル・タイラーという2人の元ラガーマンが、寝具のECベンチャーとして2015年に共同創業した会社。創業1年目で13億円、2年目には33億円を売り上げ、2017年に日本に上陸しました。この動画を見たことがある人も多いのではないでしょうか?

ワイングラスを置いてマットレスに飛び乗っているのが創業者の1人。マットレスの開発中に振動吸収性が非常に高いことがわかり、「これをどう伝えたら良いのか?」と考えた結果、この動画が生まれたそうです。オーストラリアはワインの生産も盛んなことから、ワインが使われたみたいですが、赤い色が目を引きますね。ドキドキしますね……。

このワイングラステスト、表参道の「スリープ・ラボ」でもやってくれました。ジャンプしているのは同社のマーケティングマネージャーのアダム翔太氏です。

トリックじゃなかったんですね……。普通のベッドでやったら多分大惨事ですが、ホントにグラスが倒れません。倒れない理由はコアラが独自開発したウレタンフォーム「クラウドセル」。反発力の高いサポート層と柔らかい上の層の2層構造に秘密があるそうです。

コアラはこの振動吸収性により、「隣で寝ている人の眠りを邪魔しない」ということで話題になりました。コアラの調査でも「コアラ・マットレスを使用した場合、同居中のパートナーと同じマットレスで寝る率が30%アップ。さらに、一緒に寝た場合の睡眠満足度も20%高い」という結果が出たそうです。

睡眠の質が40%高かった
疲労が完全に回復したと感じた人の割合は、使用しなかった場合と比べて約5倍
同居中のパートナーと同じマットレスで寝る率が30%アップ。一緒に寝た場合の睡眠満足度も20%高い結果に
「コアラ睡眠調査」より、睡眠の質、疲労回復度、パートナーとの快眠率について
(2018年9月~11月、全国の男女約1,200人を対象にオンラインで調査)

実店舗なし・ネット専業ならではの戦略

コアラはリアルな販売チャネルを持たず、ネット専業を続けることで、他社の同等のマットレスと比較して低価格を維持していますが、マットレスという寝心地が最優先になるアイテムをECだけで販売するために、超えなければならないハードルがいくつもありました。そのために設けているのが120日間のトライアル期間と10年保証

大型家具なので送料や搬入も気になります。コアラでは送料無料、「圧縮ロール梱包」で荷姿が抱えられるサイズの箱のため、搬入に困らないのも魅力です。また、不定期に顧客接点の場を設けています。6月8日、9日の2日間、表参道でおこなった「スリープ・ラボ」もその1つ。

コアラ「スリープ・ラボ」@表参道
「コアラ・スリープ・ラボ」@表参道の様子。上階には試しに寝られるコーナーや、あのワイングラステストを体験できるコーナーもありました
コアラ「スリープ・ラボ」@表参道
コアラ・マットレスのマスコットキャラクター「コアラのココちゃん」もいましたよ。ちなみに、コアラ・マットレスの名前の由来は、コアラが1日18時間以上寝ることと、会社発祥の地・オーストラリアで愛される動物という2つがあるそうです

夏には美術館のイベントにコアラ・マットレスが登場します! 東京都現代美術館で7月20日から開催される展覧会「あそびのじかん」では、6名の作家たちが「遊び」をテーマに制作した、大人も子どもも楽しめる作品が展示されます。

コアラ・マットレスは、ゲームや遊戯で用いられる道具やルール、言葉、イメージ、物語を多用し、再構成する手法で作品制作をしている「うしお」氏の展示エリアの中に設置され、来場者が寝そべり、思い思いに時間を過ごすことで作品として完成します。「きちんと寝心地にこだわったマットレスで作品作りをしたい」といううしお氏のリクエストで実現したそうです。

「あそびのじかん」展覧会情報
  • 日時:7月20日(土)〜10月20日(土) 10:00〜18:00
  • 会場:東京現代美術館(企画展示室1F/3F B室)

※ 観覧料や詳しい開場時間・休館日については公式Webサイトをご確認ください

睡眠講座を受講して「ほお~!」と思ったこと

続きまして、予防医学研究者で医学博士の石川善樹氏による「睡眠講座」で学んだことをお伝えします。

① 朝型か夜型かは遺伝子で決まっている

睡眠は遺伝で左右されるそうです。睡眠に関わるとされている遺伝子で、朝型(「AA」タイプ)、夜型(「GG」タイプ)、中間タイプ(「AG」タイプ)の3つに分けられるそうです。夜型の人は朝ボンヤリしていたりイライラしていたりしますが、夕方から夜にかけては元気。

朝型と夜型では、生活リズムがだいたい2~3時間違い、「いつ寝たら良いのか」も朝型か夜型かによる。自分はどのタイプかは、両親を見たらだいたいわかるとのこと。努力で朝型になれると思っていました。もうスッパリあきらめて夜型として生きていきます!

② 必要な睡眠時間は人によって異なる

統計的に見ると平均睡眠時間は、10代前半で8時間以上、25歳で約7時間、45歳で約6時間半、65歳になると約6時間だそうです。年を取ると睡眠時間は減りますが、自分にとって適切な睡眠時間は、日中眠くならない程度お昼ご飯の後に眠くなるなら、睡眠が足りてないということだそうです。

最近「お昼寝が良い」という説も目にしますが、先生によると「本当は仮眠を取らなくても良い状態を目指すのが一番良い」とのこと。どうしてもお昼寝する場合は20分以内にしましょう。

③ でも6時間睡眠じゃ寝不足です

いくら「必要睡眠時間は人による」といっても、6時間以下は短か過ぎだそうです。6時間睡眠だと7時間睡眠の人と比べて脳の老化が2倍のスピードで進むそうです! 睡眠が足りないと脳の老化速度が速いんですね。

④ なぜなら、睡眠には3つのステージがあるから!

7時間6時間5時間4時間3時間2時間1時間200分100分100分レム睡眠(心の疲れを取る)浅い睡眠(体の疲れを取る)深い睡眠(脳の疲れを取る)
講演資料を元に編集部で作成

睡眠には「序盤」「中盤」「終盤」の3つのステージがあり、大まかにいうと序盤で深い睡眠が訪れ、脳の疲れを取ります。中盤は浅い眠りですが、体の疲れを取ります。終盤はレム睡眠が訪れ、心の疲れやストレスを取るそうです。

睡眠時間が6時間を切っているということは、心の疲れが全然取れていないということ。大事な順番に疲れを取っていっているんでしょうね、まず脳、次に体、最後に心ということで。また、「6時間以降で記憶が定着する」とも言われています。だから、睡眠時間が少ないと忘れっぽくなると言われているんです。(石川氏)

⑤ 寝だめもダメ!

「平日は忙しくて寝不足になりがちだから、せめて休日はたっぷり寝よう」と思いがちですよね。実際、休日は平日より2時間から4時間遅く起きる人が多いというデータがあるそうです。しかし、残念ながら寝だめはダメ。なぜなら、時差ぼけ状態になるから。休日明けの月曜日の朝から時差ぼけ状態になり、その影響は水曜日まで残るそうです。木曜日と金曜日で復活しても、土日でまた崩れる……これでは悪循環ですね。

寝るのは何時でも良いけど、起きる時間は一定にするべきです。生活リズムは起きる時間で決まります。ただし、分単位で神経質になる必要はありません。1時間前後の誤差は大丈夫です。(石川氏)

⑥ 時差ボケを治すには

時差ぼけの治し方も教えてもらいました。まず、(これからいる現地時間の)目覚めたい時間を決め、その12時間前から何も食べない(空腹状態を作る)。12時間経ったら何か食べる。これで脳にスイッチが入ります。さらに、光に当たったりちょっと運動したりするとさらに効果的だそうです。

飛行機ではこちらの時差ぼけを考慮してくれないので、出されたものを食べていると時差ぼけします。(石川氏)

これって、乱れに乱れてしまった睡眠サイクルをリセットするのにも使えそうですね!

⑦ 何時に寝てもお肌のゴールデンタイムはやって来る!

かつて「お肌のゴールデンタイムは22時から2時。この時間帯に寝ていないとダメ」と言われていました。しかし、そんなことはなく、深い睡眠が取れれば成長ホルモンは出るそうです。夜中に寝ようとも深い睡眠が取れさえすれば、ちゃんと成長ホルモンの恩恵を受けられるんですね!

「深い睡眠」の大敵がお酒。お酒は飲んだときは入眠作用がありますが、時間が経つと覚醒作用が出てくるため、深い睡眠を妨げます。寝酒はやめましょうね……。

⑧ 効果測定をしてみよう

まとめると、「忙しくて8時間も寝られない」という人も、最低限やった方が良いのは、起床時間を一定にすることと、深い眠りに入れるような工夫をすること。例えばマットレスや枕、室温など、短時間で深い眠りに入れる環境を整えるべく、いろいろと試してみるしかなさそうです。先生は「主観的なものだけでなく、ぜひ測って効果を確認してみてほしい」と言います。

体重も測るから調整がききますよね。最近はアプリで睡眠の状態を測れるものがありますから、測ってみてください。ただ、主観的な評価と客観的な評価がズレるということはあります。「ああ、よく眠れた」と思っても、データ上は眠れていないことがあります。逆にデータ上はしっかり眠れているのに「ぜんぜん眠れなかった」という感覚を持つことがあります。これが睡眠のややこしいところ。睡眠についてはまだよくわかっていないことが多いんです。(石川氏)

充実した睡眠のために、睡眠環境を工夫して、効果測定してみましょう!

予防医学研究者 石川善樹氏
予防医学研究者の石川善樹氏。東京大学医学部健康科学科卒業、ハーバード大学公衆衛生大学院修了後、自治医科大学で博士(医学)取得。 「人がよりよく生きるとは何か(Well-being)」をテーマとして、企業や大学と学際的研究をおこなう。専門分野は、予防医学、行動科学、計算創造学など。著書に『疲れない脳をつくる生活習慣―働く人のためのマインドフルネス講座』(石川善樹 著/プレジデント社 刊)など
内山 美枝子
内山 美枝子

増税直前の関心事は「ポイント還元事業」。キャッシュレスでのお得な買い物、20代~40代男性の関心高い

6 years 8ヶ月 ago

Q&Aサイトを運営するオウケイウェイヴのシンクタンク部門、オウケイウェイヴ総研は6月14日、2019年10月に予定されている消費税増税に関する消費者の行動・意識の変化を発表した。

調査では、Q&Aサイト「OKWAVE」に投稿された過去の質問内容や属性データを分析。2014年4月の増税(5%→8%)の際に行った調査とも比較した。

調査期間(質問の投稿時間)
  1. 2018年12月1日~2019年5月31日(今回の調査)
  2. 2013年10月1日~2014年3月31日(前回の調査)

キャッシュレス決済のポイント還元に高い関心

今回の調査では、「消費税」に関連して2014年の増税時にはなかった「電子マネー」「ポイント還元」がキーワードとして多く現れていた。関連性の高いキーワードをマッピングしたキーワードマップ(図1)には現れていないが、「キャッシュレス」「クレジットカード」などのキーワードも投稿されていた。

このことから、10月の増税時に導入が予定されているポイント還元制度「キャッシュレス・消費者還元事業(ポイント還元事業)」の関心が高く、得する方法を知ろうする様子がうかがえる。

図1:「質問」投稿のキーワードマッピング(調査期間2018年12月1日~2019年5月31日)。「消費税」に関連して「電子マネー」「還元」などのキーワードが頻出。

消費税が8%となった2014年の分析を見ると、消費税に関連して「買う」「購入」といったキーワードの関連性が高かった。特に「家電」「パソコン」「家」「土地」「車」などのキーワードとつながっていることから、高額商品の駆け込み需要への関心が高いことがうかがえる。

図2:「質問」投稿のキーワードマッピング(調査期間2013年10月1日~2014年3月31日)。「消費税」に関連して「購入」「値上げ」などのキーワードが頻出。

質問投稿者の属性を見ると、調査期間(1)(2)のどちらも20代~40代の男性が多かった。調査を実施したオウケイウェイヴ総研の早川貴仁調査員は、「投稿(悩み相談)をする世代が20代~40代という点についても興味深いです。これは生活に直面している世代が“少しでも得ができないか”という点に関心が高く、それに基ついて行動している傾向があるとみられます」と述べている。

調査期間ごとの質問投稿者の属性
池田真也
池田真也

2020年にEC市場は10兆円突破を予測、通販全体では12兆円に迫る[富士経済調べ]

6 years 8ヶ月 ago

総合マーケティングビジネスの富士経済は6月20日、ECをはじめとした通販の市場を調査し、その結果を「通販・e-コマースビジネスの実態と今後 2019」にまとめた。

通販市場(物販)は、仮想ショッピングモールにおいて取扱商品の拡充、利便性の向上、サービスの充実化などが進んだことでECが拡大をけん引。通販市場は2017年に10兆円を突破した。

2020年にはEC市場が10兆円を突破し、12兆円に迫ると予測している。

富士経済の「通販・e-コマースビジネスの実態と今後 2019」 通販(物販)市場(小売りベース)
通販(物販)市場(小売りベース)

2020年のスマホ経由は4兆1471億円を予測

通販形態別では、PCやスマートフォンなどで発注するECの構成比率が高まっており、2017年には80%を超えた。テレビ通販は微増、カタログ通販は縮小しているが、一定の需要を獲得しており、それぞれの通販形態に応じた展開と、それを併用したメディアミックス戦略の高度化が進んでいる。

EC市場においては、幅広いカテゴリーの商品をワンストップで購入できる仮想ショッピングモールがユーザーの支持を集め、市場をけん引している。販路拡大を目的として出店する企業も増加している。一方、サービス統合など市場再編が進んでおり、上位企業への集約が進んでいる。

ECの受注携帯別では、フィーチャーフォンを除いて拡大しており、中でもスマートフォンが市場をけん引。EC機能を搭載したスマートフォンアプリの登場、店頭での商品を確認した後、ECで注文するショールーミングや、外出中や移動中の発注の定着などにより、今後もスマートフォンへの集約が進むと予想される。

スマートフォンを経由したEC市場は2020年に4兆1471億円と予測し、EC市場全体では10兆円を突破するとしている。

EC市場規模が最も大きいのはアパレル

ECの市場規模が最も大きいのはアパレル。試着ニーズが高いものの、近年は試着・返送サービスの展開による需要の取り込みが進んでおり、構成比も高まっている。

食品・産直品は、ネットスーパーの普及によりEC化が急速に進んでいる。買い物、調理の時短需要が高い共働き世帯、最寄りの店舗での買い物が困難な高齢者世帯など、ネットスーパーを必要とする世帯は今後も増加していくとみられ、EC化が進んでいくとみられる。

一方、ECの構成比率が低いのは、健康食品・医薬品。健康食品は中高年からシニア層による新聞広告や折り込みチラシ経由、カタログ通販での定期購入が多いため、構成比は43.6%と低い。

富士経済の「通販・e-コマースビジネスの実態と今後 2019」 通販(物販)市場におけるECの構成比(2018年見込)
通販(物販)市場におけるECの構成比(2018年見込)
石居 岳
石居 岳

ECビジネスでも「データの自由化を」――競合の販売状況などを可視化する「Nint」がめざす世界とは

6 years 8ヶ月 ago

無人物流、決済など、日本の先を行くと言われている中国EC業界のテクノロジー。高度なビッグデータ収集・解析・統計技術を駆使してモール店の競合調査、ジャンル調査などが行える「Nint」は中国で3000社超、日本市場ではすでに700社以上が利用している。このほど、「Nint」のグローバル展開などを視野に組織を再編。 日本市場向けに事業を手がける「株式会社Nint」などをホールディングス傘下に置く持株会社制に移行した。来日したNintホールディングス の代表取締役・蘇迭(So Tetsu)氏、Nintの代表取締役である吉野順子氏に話を聞いた。 写真◎吉田 浩章

ECモールの販売状況を丸裸にする「Nint」がめざすのはデータの自由化

「Nint」は競合店・競合メーカーの動向や売れ筋ジャンル、人気価格帯、効果の高い広告クリエイティブなど、さまざまな指標からECモールの販売データを統計・集計・分析するマーケティングツール。

Web上に公開されているランキング、レビュー、商品情報を収集し、独自に統計・集計。「競合分析、ジャンル動向の調査などに使われている」(吉野氏)。対象は「楽天市場」「Yahoo!ショッピング」「Amazon.co.jp」。

利用する企業の用途は、ECモール内の競合動向やジャンル調査だけではない。独自ドメイン企業、メーカー、小売企業なども、モールのデータを集計することで、最新のトレンドなどを把握。ECサイト運営や商品戦略などに生かしている

「天猫国際」「天猫」「淘宝(タオバオ)」「JD.com」「京東Global」「Kaola.com」「Vip.com(唯品会)」「Suning.com(蘇寧易購)」といった中国の主要ECサイトにも対応。中国でどのような商品が売れているのか把握できるので、中国向け越境ECなどにも活用できる

インターネット上の公開情報を収集(ビッグデータ)
収集したデータをNintの独自システムで分析。売上、販売数などを推計
分析・統計・推計
分析データをEC事業者やメーカーに提供
ECショップ/メーカー/コンサルティング企業
Nintは戦略に必要な今のデータを抽出可能
「Nint」のサービスイメージ

「Nint」は2009年にリリースされた、中国ECデータ分析サービス「情報通」(中国版Nint)を日本向けにローカライズしたツール。中国では、「天猫」「タオバオ」などの出店やメーカーなどに提供。中国主要モールで「どの店舗がどのくらい売れているか。どのジャンルがどのくらい売れているのかなどを集計・分析できるようにしている」(蘇迭氏)。

公開されているデータを収集し、そこから出店店舗の売り上げ状況、ジャンルごとの売れ行き、商品ごとの販売状況などを推測できるようにした「Nint」について、開発などに携わってきた蘇迭氏は「破壊的イノベーション」と評する。そして、こうした機能の開発、普及を進めていく理由をこう話す。

めざすのはデータの自由化。データが公開されればされるほどEC業界は進歩していく。データはビジネス上、とても重要。プラットフォームはあまり多くの情報を公開していない。テクノロジーを使い、収集できる情報を得る。集まったビッグデータを推測することによって、それを店舗に活用してもらう。それがデータの自由化だ。データの価値はますます高まっていく。水道や、電気のようにデータを自由にビジネスに使えるようにするのがわたしたちのミッションだ。(蘇迭氏)

intホールディングス 代表取締役・蘇迭氏
Nintホールディングスの代表取締役・蘇迭(So Tetsu)氏

データを可視化すれば「価格競争も回避できる」

「データの自由化」を進めるという「Nint」。日本では700社以上が使っているが、実際に導入企業はどんな価値を得ることができるのか。

蘇迭氏(以下、蘇):競合企業の売上状況の把握もできるが、ECサイトの経営上、どんなカテゴリに力を入れていけばいいのか可視化できるようになるのが大きな価値だろう。カテゴリごとの売上状況や規模、成長率などが確認できる。たとえば、新しいカテゴリへの進出、今後伸びそうなカテゴリへの注力など、戦略を立てやすくなる。

競合店舗で言えば、急に売り上げが伸びたその理由も調べることが可能。どんなプロモーション(価格設定やポイント施策など)を打っているのかが把握できる。競合のデータを見れば、販売計画も立てやすくなる

吉野順子氏(以下、吉野)効率的に勝てる市場の見極め、市場の規模感を把握した仕入れ、商品開発など、導入企業は「Nint」を戦略、販売計画の立案に役立てている。モール内や各サイトのランキングだけでは見られない、裏側の情報が可視化される。「Nint」を使うことで気付きも多いという声があがっている。たとえば値付け。一般的には価格競争が激しいと言われているが、“安いから売れている”というショップだけではないということ。逆を言えば、競合よりも価格が高くても売れている店舗もある。そして、「Nint」ではその企業のプロモーションも可視化できる。無駄な価格競争を避けるために導入している企業も少なくない。

Nint 代表取締役 吉野順子氏
Nint代表取締役の吉野順子氏

:価格競争という観点で、中国でのお話をしよう。日本では、メーカーが価格競争やブランド毀損を懸念してECサイト運営企業との取引に慎重なメーカーもあると聞く。中国は違う。中国では、“ECでは売らない”という企業はほぼ皆無。そのため、メーカーがECの販売チャネルを日々管理し、価格などのモニタリングをしている。膨大な販売店(卸売りによる直販、小売店によるリアル、ネットでの販売)の動向をタイムリーに把握し、販売戦略を立てるためのツールの1つとして「Nint」が使われている。販売店の調査を「Nint」を使って実施、値付け、在庫切れ、プロモーションなどを逐次、チェックしている。中国ではメーカーがECの販売店に対しても奨励金を出しているケースが多いので、細かく管理しなければならないという事情もある。つまり、商流の保護という観点で「Nint」が使われているのだ。

商流保護、ブランド毀損などを防ぐメーカー向け「Nint for Insight」をスタート

Nintは6月、商流保護やブランド価値の毀損(きそん)を防ぎながら、ECモールのデータを統合的に分析する「Nint for Insight」をβリリースした。

吉野:中国メーカーが利用している機能を日本企業向けにローカライズしたものになる。提供対象はメーカー。販売店がどんなプロモーション・価格で販売しているのか、どんなレビューがあるのか、といったことを競合と比較しながら可視化できる。各販売店の統計的な数字も見えるので、各販売店の課題解決にも役立てることができる。

まずは中国ECで商品を販売している日本のメーカーに対して提供していきたい中国内での自社商品の流通状況を把握することができるので、自社の販売戦略にも役立てることができるし、販売店管理もしやすくなる。これまで「Nint」では販売状況、販売価格、売れ筋などマクロ的な競合分析機能をメインに提供してきた。今後はさらに付加価値を付けて、メーカーのグローバル展開も支援できるようにしていきたい。

人には無限の可能性がある

持株会社制への移行に伴い、Nintはオフィスを東京都新宿区西新宿8-17-1 住友不動産新宿グランドタワー34階へ移転した。それには大きな理由があったという。

:私たちのミッション、ビジョン、これに理念にあったオフィスで頑張っていきたいという意思表示。オフィスのコンセプトは「宇宙と可能性の探索」。内装にもそのコンセプトを反映した。Nintグループは、「データの価値、人の可能性が輝く世界」を作りたい。人には無限の可能性がある。それは、今後普及が見込まれる人工知能と大きく違うところ。人工知能によって世界が大きく変わると言われているが、人工知能は何に使うか、何をすべきかなどの根本的な基準がなければ何もできない。それを決めるのが人間であり、結局は新しい世界を作るのも人間。無限の可能性がある人間がピカピカと輝けるようになる――そんなことをメッセージにしている。

Nintのオフィス風景1
オフィスの壁は宇宙などをイメージしている
Nintのオフィス風景2
奥のガラスには中国の「獅子」がイメージされている
Nintのオフィスのオープンスペース
オープンスペースは社員が打ち合わせや、商談などに使う
瀧川 正実
瀧川 正実

PayPalの開発部門トップが語る「PayPalを支える多様性」「インドと日本のキャッシュレス社会」

6 years 8ヶ月 ago

デジタル決済プラットフォームを提供するPayPal(ペイパル)は200以上の国と地域で決済サービスを展開し、2018年は99億件の取引を決済した世界最大級の決済専業企業。2019年3月時点のユーザー数は2億7700万人まで拡大している。

大規模なトランザクションが発生するPayPalの決済基盤を支えるエンジニアリングのトップで、PayPal Indiaのゼネラルマネージャーも兼務するGuru Bhat氏(VP Engineering&General Manager, PayPal India)が5月末に初来日。Guru Bhat氏が力を入れていること、インドでも進んでるというキャッシュレス化などについてインタビューした。写真◎吉田 浩章

良い製品を生む秘訣は男女バランスの最適化

Guru Bhat氏の設計思想や考え方は、世界、そして日本国内のPayPalにも影響を与えるだろう」。Guru Bhat氏をこう評するのがペイパルジャパンの担当者。

Guru Bhat氏はPayPalの次世代決済ソリューションおよびサービス構築において、グローバル決済プラットフォームを強化・拡大するためのグローバルチームの一員であるインドでのテクノロジー戦略の推進を担当。そして、グローバルで約4500人のエンジニアを抱えるエンジニア部門のトップとして、グローバル決済プラットフォームの構築などに携わる。

VP Engineering&General Manager, PayPal India Guru Bhat氏
Guru Bhat氏(VP Engineering&General Manager, PayPal India)
2015年にPayPal入社。マーチャントデータプラットフォームと紛争解決経験を提供するPayPalの製品、APIのグローバルリーダー。PayPalの技術センターのゼネラルマネージャー(GM)も兼務。ニューヨーク州立大学バッファロー校でコンピュータサイエンスの修士号を取得。Sun Microsystems、Oracleで勤務。2007年にインドへ帰国。スポーツ、本、映画、音楽など、人生を楽しく&面白くするほとんどすべてに強い関心を持っているという

PayPalは200以上の国と地域で事業を展開しており、「言語、文化が異なるさまざまなお客さまに対応しなければならない」(Guru Bhat氏)。さまざまな国と地域のユーザー、そして社員を抱えるPayPalの責任者として、Guru Bhat氏がインドで力を入れているのがダイバーシティ(人材の多様性)という。

カースト制度の影響によって、男女差別が根強く残るインド。Guru Bhat氏がもっとも力を注いでいるのが「男女の差別をなくしていくこと」(Guru Bhat)だ。

グローバルでビジネスに携わるGuru Bhat氏は、インドも他国と同様、「技術系の勉強をしている女性は多くはなく、もちろん企業にエンジニアリングとして入社する女性も少ない」と言う。

こうした課題を社会貢献の一環として解決しようとスタートしたのが、8歳~14歳の女子にプログラミング学習の機会を提供する「Girls in Tech」というプログラム。PayPalインドのテックセンターで学習の場を用意。「小さい頃にプログラミングの楽しさを学んでくれれば、その道に進んでくれる子が増えるはず」とGuru Bhat氏は期待を寄せる。

子育てをする女性にとって働きやすい環境作りも進めている。2015年に始めた「Recharge Program」はその1つ。妊娠・出産後の女性に働きやすい職場環境を提供するといったプログラムで、何かしらの理由で一度は家庭に入った女性の仕事復帰をサポートするというものだ。

プログラミングといったハードスキル、プレゼンテーションなど、ビジネススキルに関する3週間のトレーニングを行った後、最終面談を実施。これまで300人を超える女性がトレーニングを受け、30人程度が本採用に至ったという。

PayPalに入社する人がハッピーだと感じる職場を作るのがゴールだ。PayPalでは妊娠6~9か月の期間でも安心して働けるように、会社と自宅への送迎を行っている。スキルを向上するための女性向けコミュニティの運営、フレックスタイム制の導入、在宅勤務、託児所の手配など、生活と仕事のバランスを取れる環境を用意している。(Guru Bhat氏)

VP Engineering&General Manager, PayPal India Guru Bhat氏
Guru Bhat氏は「ダイバーシティの推進は最終的には会社の利益、顧客満足度の向上につながる」と話す

なぜ、Guru Bhat氏はこうした取り組みを推進するのか。ビジネス観点でこう強調する。

お客さまの多くが女性。製品を開発する時、それに携わる職場やスタッフの男女バランスは最適な方が良い製品が生まれる。雇用機会のバランスが良く、ハッピーな職場。それが会社にとっても最終的な利益、お客さまの満足度向上につながると信じている。(Guru Bhat氏)

女性向けのほか、経済的に恵まれていない人たちへの支援も行う。実は、PayPalインドで働くプロダクトマネージャー、マネージャーの中には貧困層出身者がいる。さかのぼること3年。「経済的に恵まれていない人に、エンジニアになるための環境を用意するべきではないか」(Guru Bhat氏)。こんな声が社内からあがった。

Guru Bhat氏はインド内の2つの大学と協力関係を作り、経済的に恵まれない子どもたちの大学進学をサポートする活動をスタート。

貧困層出身者の大学入学の門戸を開き、エンジニアリングを学んでもらう取り組みを行っている。これまで1600人くらいの人たちと面接したが、全員を採用するわけではない。基準を下げて全員を採用するのはよくないからだ。初年度は3人(女性2人)、その翌年は5人を採用した。彼らの人生は大きく変わった。(Guru Bhat氏)

キャッシュレス化が進むインド、日本との違いは?

「インド国内の取引は85%以上が現金で行われている」(Guru Bhat氏)。インド政府はキャッシュレス化を推進しているものの、現状は若年層にとどまっているそうだ。ただ、13億人を超える人口の7割は30歳以下。現金を「使いたくない」「持ちたくない」という若年層は急増しているという。

ただ、インドもキャッシュレス化が始まったばかりのため日本と似ている点も多い。そこで、ペイパルジャパンのカントリーマネージャー・瓶子昌泰氏がインタビューに加わり、インドと日本のキャッシュレスの現状、今後について対談した。

インドのキャッシュレス化社会のいま

瓶子昌泰氏(以下、瓶子):日本では「LINE Pay」「PayPay」などのスマホ決済サービスがキャッシュバックなどのキャンペーンを積極的に行い、キャッシュレス化を推進している。インドではそうした施策は行われているか?

Guru Bhat:インドも同じような状況。ユーザーを獲得するためのインセンティブ提供は当たり前に行われている。宣伝の一貫でやっているところが多い。

瓶子昌泰氏(ペイパルジャパンのカントリーマネージャー)
ペイパルジャパンのカントリーマネージャー 瓶子昌泰氏

瓶子:日本ではキャッシュレス決済を普及するために、決済端末を導入する事業者の負担を手数料無料などで軽減する施策が行われている。

Guru Bhatインドでは加盟店向けの手数料無料施策は行われていないが、加盟店に向けたキャッシュバック、インセンティブの提供は行っている。たとえば、映画のチケットはATMで購入すると安くするとか……。ただ、キャンペーンなどは一時的な効果にとどまると思っている。消費者が最終的にキャッシュレスに移行するのはその利便性を感じた時だろう。

インドでは政府が推進する決済システム「UPI(Unified Payment Interface)」がある。これは独自の認証コードの発行や電話による本人認証で個人同士の送金、事業者との取引ができるシステムだ。この仕組みをインド政府が作ったことで、キャッシュレス化社会に向けた下地ができた。そして、インド政府は年金や還付金といった給付もデジタル化している。こうしたことを国民にいろいろと案内しているところだ。

Guru Bhat氏と瓶子昌泰氏
「私の両親はまだ現金派。息子がPayPalに勤めているのに」と、Guru Bhat氏はジョークを交えてインドのキャッシュレス事情を話した

日本のキャッシュレス化が遅れている理由は?

Guru Bhat:日本は技術的な先進国。決済のデジタル化が遅れているのはなぜか?

瓶子日本は現金を扱う技術を進化させてきた。たとえば、POSの技術、販売機、切符の券売機など。現金を簡単に扱える技術を推進してきたという経緯がある。そういった背景もあり、スーパーのキャッシャーで現金を引き出せるという取り組みも始まっている。

Guru Bhat:インド市場において、30歳代以下はキャッシュレスの文化が浸透してきている。日本はどうか?

瓶子:日本もインドと同じような状況と捉えてもらいたい。若い世代はスマホで決済をするといった文化が浸透してきている。ネット通販もスマホを利用する傾向が高い。支払い方法に関しては、代金引換や後払いといったキャッシュレス手段を使った買い物が多い。

Guru Bhat:日本国内での不正行為はグローバルと比べてどうか?

瓶子:グローバルと比べると不正取引は少ない。攻撃内容を見ても、海外アカウントが関わっていることが多い。逆にグローバルでの傾向はどうか?

Guru Bhat:セキュリティに携わる立場から言うと、不正行為自体は増えている。もちろん、ECサイトでの不正行為も増加傾向だ。悪意の第三者は機械学習や人工知能(AI)などを使い、攻撃手法や内容を研究してきている。

エンジニアリングのトップが見るPayPalの特徴

消費者はよくわからないECサイトにカード情報を入力することに抵抗感がある。盗まれて不正に使われても困る。インドでもECはそうした点が怖いという人は多い。(Guru Bhat氏)

世界的に増えている不正アクセス攻撃などを踏まえ、ネット通販を利用する消費者心理をこう話すGuru Bhat氏は、カード情報などを保有する際のトークン化の重要性を説明。PayPalは1999年からトークン化を採用しているという。

現在、採用しているのは2つのトークン化技術。その1つでは、パートナー企業との連携で、外部企業の決済サービスでもPayPalを使って買い物ができる状態を作っている。

米国でGoogleが始めた「Google ウォレット」。「Google Pay」からPayPalを使って買い物ができるようになっているという。

たとえば、「Google Pay」の加盟店でNFC対応端末があれば、その端末にスマホをかざすだけで、PayPalを通じて決済することが可能になる。これは、「Google Pay」の支払い方法としてPayPalを登録しておけば、NFC端末が自動的にPayPalを通じて決済する仕組み。「Google Pay」とPayPalの間では、16ケタのカード情報をトークン化することで、スキャン技術に対応しているという。

なお、この仕組みはFacebookやInstagramのショッピング技術にも搭載され、いわゆるSNS内でのショッピングの実現をサポートしている。

Instagramの「Checkout(チェックアウト)」機能のイメージ
Instagramの「Checkout(チェックアウト)」機能のイメージ。決済はVisa、Master、Discover、PayPalの利用が可能
ネットショップ担当者フォーラム編集部
ネットショップ担当者フォーラム編集部

顧客満足度が高いオフィス用品通販で「Amazon Business」がトップ

6 years 8ヶ月 ago

顧客満足度(CS)に関する調査・コンサルティングの国際的な専門機関であるJ.D.パワージャパンは6月19日、2019年オフィス用品通販サービス顧客満足度調査の結果を発表した。

それによると総合満足度ランキングの第1位は「Amazon Business」で、満足度を構成する5ファクターのうち、3ファクターで最高評価を獲得した。

「Amazon Business」が最高評価を獲得したのは、「ウェブサイト/カタログ」「提供商品/サービス」「料金/請求」の3ファクター。2位は「イー・クイックス」、3位は「たのめーる」、4位は「カウネット」と続いている。

J.D.パワージャパンが実施した「2019年オフィス用品通販サービス顧客満足度調査」の結果
J.D.パワージャパンが実施した「2019年オフィス用品通販サービス顧客満足度調査」の結果

業界全体では「サポート対応」の満足度が低下

2019年調査では業界全体で、「サポート対応」の満足度が昨年よりやや低下した。サポートチャネル別にみると、「コールセンター」および「オンライン」におけるサポート対応のスコアが、伴に昨年よりマイナス7ポイントとなった。「コールセンター」では、調査対象となった9社の通販サービスのうち5社のサービスで、「オンライン」では7社のサービスで評価の低下がみられた。

詳細項目ごとの評価内容をみると、「コールセンター」「オンライン」共通して“対応の早さ”や“説明の分かりやすさ”といった項目で満足度が低下している。また、請求や支払いといった料金面に関する問い合わせの利用が、どちらも昨年から増加傾向にある。

法人向けオフィス用品通販サービスを利用している事業者のうち、約4割が「コールセンター」や「オンライン」によるサポートを利用しており、このような非対面による有人サポートを利用する事業者は多い。

さらに、オフィス用品通販サービスを利用している事業者の6割強は、その担当販売店・代理店には決まった担当者はいないと回答しており、「コールセンター」や「オンライン」によるサポート機能は、顧客との重要なサービス接点ともいえる。

商品選定から注文、支払いといった一連の通販サービス利用フローにおける顧客コミュニケーションを担う最前線機能として、コンタクトセンターの一層の体制強化・底上げが求められると指摘している。

「オフィス用品通販サービス顧客満足度調査」は、国内事業者におけるオフィス用品調達の実態や、法人向けオフィス用品通販サービスの満足度を調べたもので、今年で7回目。

実施期間は2019年4月、調査方法はインターネット調査で行った。調査対象および回答数は、全国の従業者数5人以上規模の事業所3800件。顧客満足度の測定にあたっては5つのファクターを設定し、それぞれに関連する詳細項目に対する評価を基に総合満足度スコアを算出している(1000ポイント満点)。

石居 岳
石居 岳

「楽天ペイ」ビックカメラグループ全店舗に導入、楽天ポイントカードと併用可能

6 years 8ヶ月 ago

楽天ペイメントは6月19日、スマートフォン向け決済アプリ「楽天ペイ」をビックカメラグループ全店舗に導入することを発表した。6月20日から全国のビックカメラ、コジマ、ソフマップで利用可能になる。

利用者は対象店舗で買い物をする際、「楽天ペイ」アプリに表示されるQRコードを店員に読み取ってもらうことで支払う。アプリの支払いもとクレジットカードとして「楽天カード」を設定していれば、「楽天ペイ」アプリ決済200円につき1ポイント、「楽天カード」100円につき1ポイントが付与される。

また、ビックカメラとソフマップは「楽天ポイントカード」を導入しているため、ポイントカードを掲示することで、100円の買い物ごとに基本5ポイントの「楽天スーパーポイント」を貯めることもできる。

「楽天ペイ」での支払いイメージ

ビックカメラグループは、1993年6月以来、「楽天カード」「楽天Edy」の加盟店になるなど、楽天グループとの連携を進めてきた。2018年4月には家電領域のEC「楽天ビック」を開始し、オンラインとオフラインの連携を強化している。

今回、ビックカメラグループ全店舗に「楽天ペイ」を導入し、顧客の相互送客を強化するとともに、利用者の利便性向上を図る。また、キャッシュレス化による店舗運営の効率化も推進していくという。

池田真也
池田真也

「楽天市場」が3年ぶりに1位、Amazonは2位。ネットユーザーが選ぶWebサイトのブランド力ランキング

6 years 8ヶ月 ago

日経BPコンサルティングが6月20日に公表した、国内500種類のWebサイトを対象としたブランド力調査「Webブランド調査2019-春夏」で、総合ランキング1位は「楽天市場」だった。楽天市場が1位を獲得したのは2016年-秋冬の調査以来3年ぶり。

2位は「Amazon.co.jp」、3位は「Yahoo!JAPAN」、4位は「Google」で上位をネット企業が独占。ネット専業以外では5位の「サントリー」がトップだった。

2017-春夏から4回連続でトップだった「Yahoo!JAPAN」は今回は3位。「Amazon.co.pj」は前回(2018年-秋冬)から順位を1つ上げた。

日経BPコンサルティングが6月20日に公表した、国内500種類のWebサイトを対象としたブランド力調査「Webブランド調査2019-春夏」
Webブランド指数 総合ランキング(画像は日経BPコンサルティングのページから編集部がキャプチャ)

6位から10位は「YouTube」「楽天カード」「楽天トラベル」「クックパッド」「Tサイト」。

「Webブランド調査」は、インターネットユーザーによる評価を「アクセス頻度」「サイト・ユーザビリティ」「サイト・ロイヤルティ」「態度変容:製品・サービス」「態度変容:企業活動」「行動歓喜」の6項目でそれぞれ指数化し、総合点でランキングを作成している。

1位の「楽天市場」のWebブランド指数は114.0ポイント。6つの評価指数のうち「態度変容:企業活動」を除く5つのスコアが前回よりも上昇した。特に、キャンペーンの利用や会員ページへのログイン、製品購入といった実際の行動を測る「行動喚起」の上昇がWebブランド指数を押し上げたという。

調査概要

  • 調査手法:インターネット調査
  • 調査対象:全国、20歳以上のインターネット・ユーザー(日経BPコンサルティングの提携調査会社の調査モニター)
  • 有効回答数:3万5448件
  • 調査対象ブランド:企業や団体が運営する日本の主要500サイト
  • 調査実施期間:2019年4月11日~4月19日
  • 調査企画・実施:日経BPコンサルティング
渡部 和章
渡部 和章

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    内山 美枝子
    確認済み
    47 分 20 秒 ago
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