生協への卸販売、通販、ECなどを手がけるIKホールディングス(アイケイHD)は中期経営計画(中計)「IK Way to2027」を策定、「韓国コスメの強化」「セールスマーケティング事業の基盤強化」「EC強化と海外事業の再チャレンジ」の3つを重点施策に掲げた。中計最終年度となる2027年5月期に連結売上高200億円、営業利益は10億円、調整後EBITDAは12億2000万円をめざす。
経営目標(画像はアイケイHDのIR資料を編集部がキャプチャ)
アイケイHDは、アイケイが2022年12月に持株会社制へ移行する際に現社名へ変更。自社を、独自のプロモーション戦略で商品の企画・製造・販売・物流を自社で一貫して行うマーケティングメーカーと位置付ける。
販売データ・広告効率・品質データ・製造効率などの過去データとトレンドをトータルで分析して商品を開発。主要顧客は50~70代のシニア世代。TVショッピング、EC、生協、通信販売、ドラッグストア、バラエティストアなど、多様な販売チャネルを持つ。
主となる事業セグメントは「セールスマーケティング事業」「ダイレクトマーケティング事業」。「セールスマーケティング事業」は生協向け商品開発・販売を行うアイケイ、海外向け商品の開発・販売を手がけるIK Tradingで構成。「ダイレクトマーケティング事業」は、TV通販を中心とした通販での商品開発を手がけるプライムダイレクト、韓国コスメ・化粧品販売のフードコスメで構成している。
アイケイHDの事業構成(画像はアイケイHDのIR資料を編集部がキャプチャ)
2024年5月期の売上高は前期比0.9%減の140億4900万円、営業利益は3億4100万円(前期は2億2400万円の赤字)、経常利益は3億4000万円(前期には2億500万円の赤字)、当期純利益は2億2900万円(前期は4億6300万円の赤字)、調整後EBITDAは4億8000万円。事業セグメント別ではダイレクトマーケティング事業の売上高が同10.4%減の35億9200万円。セールスマーケティング事業が同3.2%減の61億5500万円だった。
アイケイHDでは2023年7月に公表した中計「IK Way to 2026」からローリングプラン(毎年見直し)による方法に変更。このほど 2025年5月期から2027年5月期までを対象とした中期経営計画「IK Way to 2027」を更新・策定。重点施策として次の3点を掲げた。
- 韓国コスメのブーストアップ
- セールスマーケティング事業の基盤強化
- EC事業のスケールと、海外事業への再チャレンジ
韓国コスメのブーストアップ
「取扱高でNo.1を目指す」とし、2027年5月期に50億円規模をめざす。取り扱いブランドの拡大や、店舗販路の拡大、EC販路の拡大に取り組んでいく。
韓国コスメは50億円規模へ拡大させる(画像はアイケイHDのIR資料を編集部がキャプチャ)
2024年5月期の状況としては、当初の売上目標26億2100万円に対し、実績値は33億900万円と好調に推移。取り扱いブランドについても、23年5月期の9ブランドから11ブランドへ拡充した。
現在は11の韓国コスメブランドを展開(画像はアイケイHDのIR資料を編集部がキャプチャ)
セールスマーケティング事業の基盤強化
「生協マーケットの基盤強化による収益安定化」と「店舗ルートビジネスのスケール」を進めていく。
生協マーケットは、営業支援システム(SFA)を活用して効率的な営業プロセスを確立し生産性を高める。また、商品開発力を高めシニアマーケットにおける収益基盤を強化する。店舗ルートのスケールに向けては韓国コスメと自社商品ブランド化粧品の取り扱い店舗数の拡大を図る。
生協マーケット向けの基盤を強化(画像はアイケイHDのIR資料を編集部がキャプチャ)
EC事業のスケールと、海外事業への再チャレンジ
「自社で採用を強化し、育成していくことが重要」としており、Amazon、楽天市場、自社ECで事業を拡大できる人材を外部から積極的に採用。社内にEC事業支援チームを設置し、社内マーケティングチームの拡大強化を図る。
海外事業へ再チャレンジする。既に海外市場へ展開している企業・グループとのアライアンスを強化し、既存の商流を活用していく方針。既存の商流を活用し、メイド・インジャパン商品(雑貨、食品、化粧品)について海外展開を推進していく予定だ。
EC事業の成長に向け採用戦略を重要視(画像はアイケイHDのIR資料を編集部がキャプチャ)
数値目標としては、中計最終年度となる2027年5月期に連結売上高200億円、営業利益は10億円、EBITDAは12億2000万円とした。事業セグメント別の売上高目標としては、2027年5月期のダイレクトマーケティング事業を現在の約1.5倍の54億円、セールスマーケティング事業は現在の2倍超となる146億円をめざす。
セグメント別の経営目標(画像はアイケイHDのIR資料を編集部がキャプチャ)
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オリジナル記事:売上高200億円・営業利益10億円めざすアイケイHDの事業戦略とは? 韓国コスメやEC・海外展開を強化する中期経営計画を解説
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