総務省は6月28日、「ふるさと納税」に関する基準の見直しを告示し、2025年10月から寄付者にポイント付与などを行うポータルサイトを通じた寄付を禁止する。また、2024年10月からは返礼品を強調した宣伝広告の禁止、返礼品の内容と自治体との関連性についての規定などを厳しくする。
総務省は「ふるさと納税」の基準見直しを告示(画像は総務省のサイトを編集部がキャプチャ)
総務省では「ふるさと納税」の本来的な趣旨に鑑み、2025年10月から寄付者にポイント付与などを行うポータルサイトを通じた寄付を禁止とする。ポイントサイトなどを経由したポイント付与も禁止の対象となる。発行ポイントの原資の出所によっての制限の区別などは設けられていない。
なお、クレジットカード決済時に付与されるポイントなどは「通常の商取引にかかる決済に伴って提供されるに相当するもの」とし、禁止対象には該当しないとしている。ただし、「ふるさと納税」の決済を対象として追加的にポイントを付与するなどといった取り組みは禁止対象に該当する。
2024年10月から規定を厳格化
ポイント付与が伴う寄付の禁止を前に、2024年10月から返礼品を強調した宣伝広告の禁止、返礼品の内容と自治体との関連性についての規定を厳格化する。
返礼品を強調した宣伝広告の禁止は、新聞・テレビ・Webなど各広告媒体が対象。メールマガジンも対象になるとしている。
告示は自治体向けに発出されたものであるが、ポータルサイトでの宣伝も禁止の範囲内。「返礼品等が当該事業者等による宣伝広告において強調されていないか確認するとともに、当該事業者等との契約等においてそのような宣伝広告を行わない旨の規定を盛り込むなど、必要な措置を講ずること」としている。
「適切な寄付先の選択を阻害するような表現」も規制する。総務省では、「お得」「コスパ(コストパフォーマンス)最強」「ドカ盛り」「圧倒的なボリューム」「おまけ付き」「セール」「買う」「購入」「還元」などが考えられるとしている。
また、通常と比較して「必要寄附金額の引下げ」や「個数の増量」といったキャンペーン表示も規制表現に該当する。商品ページなどにもこうした表現の規制が及ぶこととなる。
そのほか、「ふるさと納税」の返礼品の食品が、産地名の表示偽装が相次いで発生したことなども踏まえ、返礼品の内容と自治体との関連性についての規定を厳格化する。総務省は「ふるさと納税に係る指定制度の運用についてのQ&Aについて」で次のような例をあげている。
認められると考えられる例
- 区域内で生産された牛乳や果物を100%使用して、区域外で製造されたジェラート
- 区域内で生産された酒米を 100%使用して、区域外において醸造した地酒
- 区域内の事業者が 100%自社で栽培したリンゴを使用して、区域外の工場で加工したリンゴジュース
- 原材料の柑橘のうち9割以上に区域内で生産された柑橘を使用したジュース
認められないと考えられる例
- 製造に用いる牛乳のうち区域内で生産された牛乳を約1割使用した、区域外製造のアイスクリーム
- 区域内で生産された醤油・ポン酢を使用した、区域外で加工されたもつ鍋・水炊き
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オリジナル記事:ふるさと納税、2025年10月からポイント付与伴う寄付禁止。今秋からは返礼品強調の広告宣伝も規制
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