VASILY(ヴァシリー)が手がけるファッションコーディネートアプリ「iQON(アイコン)」は順調にユーザー数を伸ばしており、商品閲覧や提携先通販サイトへの送客数、送客先での購入額が拡大しているようだ。
「iQON」は、提携する100以上の通販サイトが扱う商品をユーザーが自由に組み合わせてコーデを作成できたり、「ViVi」や「with」など人気雑誌の記事を通じてトレンドが分かるアプリで、気になるアイテムは提携先ECで購入することもできる。
2010年春にサービスを開始して以降、順調にユーザーや提携先サイトを広げており、現状では月間約200万のユーザーが「iQON」にアクセスしている。
他人が投稿するコーデを参考とするために利用しているユーザーが多い他社アプリに対し、「iQON」の強みは商品そのものとの出会いだ。商品が組み合わさることにより、検索にはない発見があるのが特徴で、「何となく頭にあるアイテムが見つかるサービスとして進化させる」(金山裕樹社長)という。
金山裕樹社長が成長の理由を説明
そのため、ユーザーが投稿するコーデだけでなく、パーソナライズされたレコメンドシステムや人工知能を使ったマッチング、類似画像の検索といったテクノロジーによってサービスの成長を目指す。
アプリで扱うのはアパレルブランドの商品で、基本的にプチプラアイテムは掲載しておらず、EC送客先の購入単価は1万円程度と比較的高めだ。最近ではファストファッションブランドとの連携も始めているが、客単価で1万円を超えるサイトとの相性がもっとも良く、「iQON」経由の販売額が年間1億円規模に達するサイトが増加。提携先ECでの購入額は9月単月で前年同月比約50%増となるなど右肩上がりという。
同社によると、「iQON」経由の購入者はたまたま商品を発見した消費者で、多くの場合が提携先サイトにとって新規客であることから、ファッションEC市場拡大の観点からも提携先への送客機能を重視する。
最近では、アプリ利用者が閲覧した商品や、アプリ経由で購入した服などのデータから好みを学習してユーザー単位でレコメンドする機能や、今見ている商品と形や色が似たアイテムをレコメンドする機能もスタートし、アイテム閲覧数は従来の約4倍に拡大。また、商品がユーザーの目に触れる機会が増えたことで、購入率も約2倍に向上しているようだ。
一方、資金面の安定に加え、優秀なエンジニアとデザイナーが増えており、新しい事業に挑戦できる状況にあることから、「iQON」とは別にEC送客につながる複数のサービスを水面下で進めているようだ。
同社では、1サービス1アプリとして展開する考えで、「iQON」と同様に、「ファッションに関する“ぼんやりとしたニーズ”を叶えるサービスを今後も提供していきたい」(金山社長)としている。
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オリジナル記事:客単価1万円の新規顧客をECサイトに誘導するファッションアプリ「iQON」とは? | 通販新聞ダイジェスト
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