【本当に正確なデータとは?】Google アナリティクスの参照元(リファラー)、過去にさかのぼる仕様と直接セッション
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Google アナリティクスのレポートには、データを確認するにあたって注意すべき仕様がいくつかあります。これまで「サンプリング」と「 (other) 」について取り上げましたが、今回は「参照元(リファラー)」についてご紹介しましょう。目的に応じて最適なデータを確認できるように、仕様や対処方法についてご案内します。
Google アナリティクスの参照元(リファラー)、過去にさかのぼる特殊な仕様
~ 参照元なし(ノーリファラー)の場合、直前の参照元を引き継ぐ
「参照元(リファラー)」とは、たとえば検索エンジン(Googleなど)やWebサイト(e-agency.co.jp)など、トラフィックの流入元を意味します。ただし、URLの直接入力や、ブックマーク、アプリなどから直接流入した場合には、参照元(リファラー)は計測されず、「参照元なし(ノーリファラー)」となります。これに当たるのが「Default Channel Grouping」の「Direct」や、「参照元/メディア」の「(direct)/(none)」です。
しかしながら、実際は参照元なし(ノーリファラー)でも、過去にさかのぼってセッションがある場合は、直前のセッションの参照元(リファラー)を引き継いで、当該セッションの参照元(リファラー)に適用します。
たとえば、下図のように、あるユーザーの流入元が、1回目は「外部サイト」、2回目は「Google検索」、3回目は「ブックマーク」だった場合を考えてみましょう。この場合、参照元(リファラー)は、1回目・2回目はそれぞれそのまま「外部サイト」・「Google検索」になります。一方、3回目は「ブックマーク」から直接流入しているため、本来は参照元なし(ノーリファラー)ということになります。
ところが、過去に1回目・2回目のセッションがあるため、3回目のセッションの参照元(リファラー)は、直前のセッションである2回目のセッションの参照元(リファラー)を引き継いで「Google検索」となります。
同様に、もし4回目のセッションで再び「ブックマーク」から直接流入した場合、その参照元(リファラー)は、直前のセッションである3回目のセッションの参照元(リファラー)を引き継いで「Google検索」となります。つまり、実質的に引き継ぐ参照元(リファラー)は必ずしも1つ前のものとは限らず、2つ以上前のものになることもあり得ます。
一方、同じく実際に参照元なし(ノーリファラー)の場合で、かつ、過去にさかのぼってもセッションがない、または、セッションがあっても参照元なし(ノーリファラー)の場合は、引き継ぐ参照元(リファラー)が得られないため、当該セッションも参照元なし(ノーリファラー)ということになります。
なお、参照元をさかのぼれる期間は、Google アナリティクスの管理画面で設定するキャンペーンの保存期間に基づいており、デフォルトでは6ヶ月です。
“本当の参照元(リファラー)”を確認する方法 ~「直接セッション」
レポートに表示されている参照元(リファラー)のうち、どれが“本当の参照元(リファラー)”で、どれが直前のセッションの参照元(リファラー)を引き継いでいるものなのでしょうか? それを確認できるのが「直接セッション」というディメンションです。
「直接セッション」は、「Default Channel Grouping」や「参照元/メディア」などの流入関連のディメンションと掛け合わせて使用します。そうすると、下図のように「Yes」または「No」の値が表示されます。
▼「直接セッション」が「Yes」の場合
次のどちらかの可能性があります。
【1】実際は参照元なし(ノーリファラー)だが、直前のセッションの参照元(リファラー)が引き継がれている。
【2】直前のセッションの参照元(リファラー)と同じ参照元(リファラー)から流入している。つまり、レポートに表示されている参照元(リファラー)から流入している。
▼「直接セッション」が「No」の場合
レポートに表示されている参照元(リファラー)から流入している。
このように、「直接セッション」が「Yes」の場合、表示されている参照元は、直前のセッションの参照元(リファラー)が引き継がれている可能性があります。一方、「直接セッション」が「No」の場合は、本当にレポートに表示されているとおりの参照元(リファラー)から流入していることがわかります。
最初の図の流入パターンに当てはめて考えてみると、下図のように、1回目・2回目のセッションは「直接セッション」が「No」となり、参照元(リファラー)はレポートに表示されているとおり、それぞれ「外部サイト」・「Google検索」となります。
一方、3回目のセッションは「直接セッション」が「Yes」となり、レポートに表示されている参照元(リファラー)は2回目のセッションから引き継がれている可能性があることがわかります。
「直接セッション」が「Yes」だからといって、その参照元(リファラー)がセッションに貢献していないわけではありません。直前にその参照元(リファラー)からのセッションがあったからこそ、その次に直接流入によるセッションが発生した可能性があると考えられるからです。
たとえば上図のように、2回目のセッションでブックマークに登録して、それが3回目のセッションにつながった場合は、2回目の参照元(リファラー)が3回目のセッションにも貢献していると見なす方が自然で、分析にも有益ではないでしょうか?
参照元の仕様が、参照元なし(ノーリファラー)のセッションが発生したとき、直前のセッションの参照元を引き継ぐようになっているのも、このような考え方に基づいていると考えることができるでしょう。
参照元なし(ノーリファラー)となる理由は、今回は触れませんが、様々です。しかしながら、それぞれ対策をすれば、結局のところURLの直接入力やブックマークが多くを占めることになるでしょう。参照元(リファラー)と「直接セッション」は、本当のカスタマージャーニーを把握することにも役立ちそうです。
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