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ウェブ解析士マスターの小坂が、VALUES社のeMark+(競合分析やユーザー分析ができるサービス)を使って、マーケティングへの活用法を考えるコーナーです。
ウェブ解析士マスターの小坂です。
前回(VALUES eMark+ でプロ野球球団を比較してみた )に続いて、VALUES eMark+を紹介します。
今回はウェブサイトを新規に作る場合の事前調査・判断にVALUES eMark+を使う方法です。
まず、今回は無償版を利用します。
eMark+無償版 https://www.valuesccg.com/service/emarkplus/
無償版と有償版の違いは下記2つです。
・無償版で使える機能は
General Overviewの「サイトランキング」
Site Analyzerの「ユーザ数推移」「基本指標」「ユーザー属性」
の4つです。
ですので、キーワードランキングや併用状況などは確認できません。
・対象はPC版ユーザーのみ
使用できる4つの機能も無償版ではPCユーザーのみの分析ですので、スマートフォンユーザーの分析はできません。
【ベンチマークサイトの選び方】
このeMark+を事前調査にどのように活用するか。
新たにウェブサイトを作ったり、ショッピングモールに出店する際に考えることとして「どこのウェブサイトをベンチマークにしよう」ということや「どこに出店するべきか」ということを検討分析することがあります。
そこで今回はショッピングサイトを作るとして他サイトの数字を探ります。
【General Overviewのサイトランキング機能を使う】
General Overviewのサイトランキング機能を使います。
上記画像のようにこの機能ではカテゴリや業種別にサイトの調査ができます。
ここでは「ショッピング」に絞って調べます。
1位amazon、2位楽天市場、3位Yahoo!ショッピングと並びます。
この数字はPCだけですし、サンプリング調査の手法ですので、厳密に正確ではないですが、同じ方法で各数字取っていますので、この傾向は参考になります。
ここで次に考えることは自社が出店するジャンルに関してはどのようなサイトがあるんだろうということです。
そこで食品・飲料に絞ってみます。
食品・飲料のショッピングサイトのランキングです。
どうでしょうか?
食品・飲料のショッピングサイトを作るにしても情報サイトなど様々な食品・飲料のサイトもあり、ネット上では競合になることもあります。
次はカテゴリを問わず食品・飲料のサイトを見てみます。
そのようにカテゴリ横断で検索する機能もあります。
このように分析することで、ネット上の競合・ベンチマークとなりうるサイトを見つけることができます。そしてその規模の推測や属性、施策の確認ができます。
ベンチマークサイトが決まれば、そこを参考に自社のビジョンやコンセプトと合わせて戦術を立てられるわけです。
またそこから計画をたてることもできます。
(図:ベンチマークサイトの推定ユーザ数)
目指すサイトとの類似や競合となるサイトの数字を把握することで、目標設定の参考になります。
この表に書いているCVR(有料版のeMark+Proを使うとわかります)や推定単価は商品特性などから推測する必要がありますが、自社サイトを新規に作る以上仮説が必要で、まずはベンチマークとして決めておきましょう。
実際はPCだけの数字よりは大きくなるはずなので、そこを仮説を立てて検証することもおすすめです。
分析方法
【Site Analyzerのサイトランキング機能を使う】
ここからは具体的にベンチマークにしたサイトの分析へと行きますが、誰もがよくわかっているウェブサイトの分析がわかりやすいだろうということで、楽天市場、Yahoo!ショッピング、amazonの3サイトを取り上げます。
実際この3サイトをベンチマークにすることはないでしょうが。(笑)
今回検証するポイントは下記3つです。
・規模
・属性による違い
・併用状況
規模をまず見ていきます。
楽天市場:https://www.rakuten.co.jp/
Yahoo!ショッピング:https://shopping.yahoo.co.jp/
Amazon:https://www.amazon.co.jp/
Site Analyzerのユーザ数推移で調べます。
Site Analyzerの基本指標を活用するとこれらに加えて、セッション数、直帰率、平均滞在時間、新規ユーザ率もわかります。
このように規模だけでなく、新規率や、サイト回遊の傾向(じっくり見る、何度も来る、即決等)を把握することで、ベンチマークサイトの特性を理解し、自サイトの計画づくりに役立てることができます。
次にベンチマークサイトのユーザ属性を見ていきます。
ユーザ属性でわかること
・性別、年代、地域、職業、未既婚、子供有無、世帯年収、個人年収
・上記についてユーザ数、構成比の2種類の表示が可能
・月次ごとの推移
サイトに訪れるユーザ数に差がある場合は構成比でみる方が傾向をつかみやすい可能性があります。
また月ごとに大きく変わる可能性がある場合は月次推移をみることで、施策の推測やユーザの目的を推測することができます。
3サイトの性別をユーザ数と構成比で比較すると上記のようになります。
自社が重要視するセグメント軸を決めて、そこを深堀していくのがよいでしょう。
<有料機能でできること>
規模と属性がわかると自社サイトの戦略にかなり役立ちますが、ここからは有料の機能を活用した場合にどう変わるかを説明します。
・測定範囲にスマートフォンが加わる
・流入元や併用状況がわかる
この2つが大きな違いです。
そのほか、検索ボリュームなどを探るKeyword Finder、ターゲットが閲覧しているメディアを調べるTarget Focusもあります。
PCとスマートフォンでの傾向の変化が同じようなサイトであれば、PCの分析をそのまま拡大して全体の分析とすることが可能ですが、PCアクセスが少ない場合やスマートフォン特化の施策を多くやっているサイトの分析をする場合は、スマートフォンサイトにも拡大して分析することをお勧めします。
広告やSNSの活用に大きな差がある場合、どの程度の広告費を投じているのか推測したい場合、SNSの重要なプラットフォームがどこか考えたい場合には流入元の分析も大切です。
そこから割合や数を推測し、自社の行動の参考とすることができます。
今回は併用状況についてとりあげます。
ネット上の競合を考える上で、ユーザが単一のサイトで動いているのか、多くかぶっているのかを知ることは大切です。
それでは有料版に切り替えて同様に見ていきます。
併用状況はPCとスマートフォンでは別々に分析するため、今回はPC版で行います。
楽天市場、Yahoo!ショッピング、Amazonの3サイトが対象です。
1サイトだけ使用するユーザが約3割いるのに対して、3サイト全て使うユーザはそれ以上いることがわかります。
そして楽天市場を利用するユーザが多く併用するのはamazonです。
Yahoo!ショッピング単独で利用するユーザは少なく、楽天市場とAmazonいずれも併用するユーザが多いです。
Amazonはもっとも単独で使うユーザが多いという特徴がありますが、楽天市場との併用もかなりあります。
このように併用状況を見ることでわかることは二つあります。
・もしモールへの出店を考えている場合、どこに出店するか、複数でるかを考える指標となる。
・モールでないサイトを分析した場合、ベンチマークとなるサイトと同じようなユーザがいるサイトはどこなのかわかる。
前の方でも述べましたが、ショッピングサイトの競合はショッピングサイトとは限りません。
ベンチマークとなるショッピングサイトとユーザがかぶっている他サイトがあればそこのサイトも分析対象とする必要があります。
【ベンチマークサイトの選定・分析のまとめ】
・ベンチマークサイトについて、規模やユーザ属性を知ることで自社サイトのヒントを得る
・それらの指標を基に仮説を立てて売上や広告費などの予測をし、自社サイトの施策のヒントとする(精度の高い売り上げを見るためにはeMark+ProでCV数の把握をお勧めします)
・併用状況を知ることで取捨選択の判断にすると同時に、ベンチマークサイトとの適切な選定に役立てる。
「数」を知るだけでは適切な分析はできません。
ユーザ属性や併用状況を知ることで、行動に移せる計画をたててください。
まずは申し込んで使ってみましょう。
eMark+無償版 https://www.valuesccg.com/service/emarkplus/
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