O2Oの効果抜群!今どきの気持ちの伝え方「ソーシャルギフト」

「ソーシャルギフト」の仕組みやメリット、代表的なサービス事例、市場を整理するとともに、企業の販促戦略にもたらす新しい可能性を考察していきます。
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ネットサービスの充実やスマートデバイスの普及により、もはや「なんでもWeb上でできてしまう」という便利な世の中になっているのを実感している方は多いではないでしょうか。また、SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)の発展により、人と人、また企業と顧客のコミュニケーションもWeb上で多く展開されるようになりました。そしてこのような時代背景の中、新たなコミュニケーション手段として生まれたサービスに、「ソーシャルギフト」があります。本コラムでは、この「ソーシャルギフト」の仕組みやメリット、代表的なサービス事例、市場前景を整理するとともに、企業の販促戦略にもたらす新しい可能性を考察していきます。

<画像・図表が閲覧できる元記事はこちら>

ソーシャルギフトとは?

ソーシャルギフト(social gift)とは、FacebookやTwitterなどのSNSを通じて、相手にギフト(プレゼント)を贈ることができるサービスのことです。ソーシャルメディアで繋がっている相手の誕生日や結婚、出産といった“人生イベント”から“日常的な出来事“まで、あらゆる情報が入手しやすくなり、ギフトを贈るきっかけに気付く機会も以前より増えています。

従来ですと、相手に何かギフトを贈る際に、会って渡すか住所を聞いて送るかのどちらかでしたが、時間と空間の制限で簡単に会えない場合や、住所を聞きづらい場合などは、ソーシャルギフトが大活躍してくれるでしょう。

ソーシャルギフトの種類

サービスによって詳細は異なるかもしれませんが、受け取り方によって、ソーシャルギフトは以下の2種類に大別することができます。

  • 店頭受け取り型

    指定されたお店でバーコードや引き換え番号などで品物と交換するタイプです。来店促進効果があると評価され、O2O(Online to Offline)施策の一つとして活用されています。

  • 郵送型
    ギフトをもらう側がWeb上で住所情報を入力して郵送してもらうタイプです。一連のプロセスはWeb上で完結できるという利便性がポイントです。

ソーシャルギフトのサービス事例

【giftee(ギフティ) -- 株式会社ギフティ】

日本国内でNo.1のソーシャルギフトサービスと言われているのは、「ギフティ」です。2011年3月にサービス開始以来、会員数は20万人を越え、取扱い店舗は25,000店以上であり、確実に事業を拡大しています。「小さな感謝と一緒に、オンラインから気軽にギフトを贈れるサービス」というコンセプトで、カフェやコンビニ、レストランと提携し、平均販売価格は600円程度にしていますので、相手に負担を感じさせない、気軽に贈りあえる手頃なギフトを揃えています。(※1)

 

【okurune(オクルネ) -- 株式会社大丸松坂屋百貨店】

大丸松坂屋百貨店は2013年2月に、ソーシャルギフトが贈れるサービス「okurune」をリリースしました。扱われているギフトの種類は書籍やインテリア雑貨など豊富で、価格も数百円から数万円までと幅広いです。送る相手の住所を知らなくても、Facebookで繋がっている相手であればギフトを送ることが可能です。もちろん、もともと住所を知っていれば直接入力して送ることもできます。また、自分が欲しいと思う商品を「okutte!」ボタンでおねだりできるという機能も実装されています。ベンチャー企業の参入の多いソーシャルギフトサービス市場における大手の参入であり、百貨店業界では初めての取り組みでもあるため、注目度が高いです。(※2)

 

【BEER to friends -- キリンビール株式会社】

キリンビールは2012年10月より、ビールギフト・ショッピングサービス「BEER to friends」を展開しています。FacebookやTwitterに登録している友達に「グランドキリン引換券」を購入して送ることができ、受け取りは全国のセブン-イレブン酒類取扱店舗となります。このサービス立ち上げのきっかけとなったのは、2012年にこの「GRAND KIRIN(グランドキリン)」の発売と同時に実施した「BEER to friends」というキャンペーンの成功でした。抽選で当たった無料引換券をSNS上の友達に贈れるというもので、2万本の当選本数を5万本に拡大したが、最終的に応募数が70万件を上回り、大きな反響を呼びました。新商品の認知拡大と販売目標の達成に大きく貢献したことからサービス化に至り、新しい販売モデルを作り上げました。(※3)

企業の立場から見るソーシャルギフトのメリット

ソーシャルギフトは、一般利用者の目線から見ると、住所の知らない相手にも贈れる便利さや、ちょっとしたプレゼントを贈りたい場合の手軽さなど、多くのメリットがあります。一方、企業が販促施策に導入するにあたっても、ソーシャルギフトならではの期待できる効果がたくさんあります。

  • 来店促進の「O2O」効果に「ついで買い」効果

    たとえわざわざお店まで足を運ぶ必要があるとしても、自分へのプレゼントをもらうためなら、あまり抵抗感がなくお店まで誘導できることが予想されます。店頭受け取り型であれば、まず期待できるのは、お店に来てもらえる「O2O」効果です。また、せっかくお店にきたから、いろいろ回ってみよう、他のものを買っちゃおうといった「ついで買い」も売上に貢献することになるでしょう。ソーシャルギフトは、ギフトを受け取った「後」の行動を誘導する仕組みにもなっています。

  • SNSによる拡散で露出の増加

    プレゼントを贈ったりもらったりのやり取りは、SNS上に投稿され、贈る側の気持ちと受け取る側の喜びとともに拡散していきます。それに、その「ギフト」となっている商品に対してポジティブな印象を持たせやすいです。よいイメージを作り上げることに繋がりますし、受け取る側やこのやり取りをみた人たちに商品・ブランドを知ってもらうきっかけにもなりうるのです。

ソーシャルギフトの市場

このように、個人利用者も企業(法人利用者)も「嬉しい」というソーシャルギフトの市場は、ますます拡大の勢いを見せています。矢野経済研究所が2014年5月に公開した調査結果では、2020年度のソーシャルギフト市場は770億円まで成長すると予測しています。若年層を中心に、日常のちょっとしたコミュニケーションの補完としてソーシャルギフトサービスの利用が増えていることと、Web上で完結できる便利性の高さから、企業もソーシャルギフトサービスを積極的に販促施策に活用していくでしょう。

まとめ

個人にも企業にも利用するメリットはたくさんありますが、特に企業が取り組む際に、商品を受け取れる店舗数の多寡や自社の収益モデル、商材のターゲット層のSNS利用習慣などを考慮する必要があります。

ソーシャルギフトの誕生は、SNS時代の必然かもしれません。ネットを通じてテキストの「ありがとう」「お疲れ様」「おめでとう」といった気持ちを伝えるだけでなく、手にとって喜んでもらえるギフトも一緒に、いかがですか。

 

※1 数値はコラム執筆時の2015年3月時点のもの(同社ホームページの掲載情報より)。
※2 コラム執筆時ではサイトがメンテナンス中。
※3 コラム執筆時ではサービスが一時停止中。画像は2014年末のもの。

 

■本コラムの元記事はこちら(※別ウインドウで開きます)
O2Oの効果抜群!今どきの気持ちの伝え方「ソーシャルギフト」

 

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