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画面を直接タッチして操作するタッチデバイスが、ここ数年、スマートフォンやタブレット端末の普及によって、世の中に増えつつあります。
これは、すでに多くの人がプライベートにおいて、指先でタッチ操作していることを意味します。
これまでは、携帯電話から派生したようなデバイスでこのようなタッチ操作がおこなわれていたのですが、その範囲が携帯電話などのモバイル端末の枠を超えようとしています。
Windowsがタッチデバイスに最適化
この秋、Windowsがこれらタッチデバイスに最適化したWindows 8の販売を開始しました。
Windows 8の特徴は、タブレット端末や、タッチパネル機能付きのディスプレイを持ったパソコンのユーザビリティを、これまでよりも大幅に向上させたことです。
今後タッチパネル機能付きのノートPC、デスクトップPC用のモニターやタッチパッドが普及してくると、指でタッチして操作するものが、モバイル端末だけではなくなります。
新たなビジネスユーザーが生まれる
一般的なユーザーはもちろんですが、これまでパソコンの操作が苦手だったユーザー層も、このタッチデバイスを触れることになるでしょう。これは、WEBサイトのユーザー層や使われ方が大きく変わることを意味しています。特に、WEBにはあまり強くない中小企業のユーザーが、これに当てはまります。
Windowsは、企業でも圧倒的に多く使われているOSです。このWindowsがタッチデバイスをメインに打ち出すことによって、個人のプライベートシーンだけでなく、ビジネスシーンにおいても画面をタッチして操作することが一般的になると考えられます。
■ 企業のOSシェア(2011年)はこちら
http://readwrite.com/2011/06/17/Windows-xp-apple-enterprise
■ 日本のデスクトップPC、OSシェア遷移はこちら
http://gs.statcounter.com/#os-JP-monthly-201111-201211
ビジネスシーンで多く使われているレッツノートにも、最近、タブレット機能付きのモデルが追加されました。タブレット端末よりも少し画面が大きく、これまでのパソコンの操作性にタッチ操作が付与されたものと位置づけられます。
このような、今までのPCをより使いやすくしたものが、WEBにあまり強くない中小企業のビジネスシーンで使われるようになってくると考えられるのです。
WEBサイトに何が起こるのか
さて、前置きが長くなりましたが本題に入ります。これまでにお話したような、WEBに強くないユーザーがタッチ操作をすることで、WEBサイトにはいったいどのような変化が起こるのでしょうか。
ここではWEBサイトに起こるであろうふたつの変化について触れていきます。
1.コンテンツを見るユーザーが変化する
ひとつめは、これまでは少なかったユーザー層の増加です。先に述べたようなユーザーは、元々WEBサイトの利用には不慣れです。
企業のWEB担当者は、これまでにもサイトのユーザーが使いやすいように、あるいは見て欲しい情報を得られやすいように、サイトのユーザビリティをはじめとした設計をおこなってきたことでしょう。しかし、これまでの固定概念が通用しないような、新たな視点での設計が必要になる可能性があります。
ユーザーが目的を持ってWEBサイトを開いたとき、目的を達せないことを感じるとWEBサイトから離脱します。目的が達せないと感じる原因には、求めるコンテンツがない、わかりづらくて見つからない、あるいは難しくてわからない、といったことが考えられます。このなかでも特に、「難しくてわからない」部分がポイントになると思われます。そのため、コンテンツをよりわかりやすくすることが求められてきます。
2.WEBサイトの使われ方が変わる
ふたつめは、WEBサイトの使われ方です。変化する使われ方は、主にこれまでのマウス操作に当たる部分です。WEBサイトを閲覧している時、ユーザーは何をするためにマウスを操作するでしょうか。
ユーザーがWEBサイト上においてマウス操作するのは、主にスクロールと、リンクやボタンのクリックです。今回、もっともお伝えしたいのはこの部分です。
今回は、オンラインユーザビリティ調査ツールであるGhostRec [ゴーストレック] を使って Windows7 と Windows 8 のスクロールスピードとクリックの違いについて調べてみました。
■ Windows 7での調査録画はこちら
https://www.youtube.com/watch?v=7gjclOj13HY
■ Windows 8での調査録画はこちら
https://www.youtube.com/watch?v=uMA5kt7IgJQ
まず、スクロールについて考えてみましょう。パソコンが苦手なユーザーの場合、パソコンに付属しているマウスを変えるようなことは考えにくいので、マウススクロールのスピードはそこまで速くないはずです。しかし、タッチ操作の場合は、指で弾いてスクロールするので、スクロールするスピードが速くなる可能性があります。
では調査結果を見てみましょう。Windows7 の場合、マウスのスクロールはあまり速くなりません。しかし、Windows 8の場合は、タッチ操作によってスクロールが非常に速くなっています。
スクロールが速くなると、コンテンツを読み飛ばされる可能性が高くなります。つまり読み飛ばされることを前提に、コンテンツの配置や書き方を意識しなければならないのです。
続いてクリックについて見てみましょう。クリックでもっとも大きな影響として考えられるのは、リンクやボタンの押しやすさです。
調査結果をみると気づかれるかと思いますが、 タッチ操作でリンクをクリックするのはなかなか至難の技です。
これに対処するには、必要であればテキストを大きくする、あるいはボタンを押しやすくするといったことが必要になります。
このように、すぐ近くまで来ている変化が、少し調べただけでも多くの影響を与えることがわかってきます。これからの変化に対応するためにも、ユーザビリティテストをおこなってみてはいかがでしょうか。
タッチデバイスについてのユーザビリティは、今後さらに多様化する可能性がございますので、引き続き調査してまいります。
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