Web担当者の苦しみを“わかってあげて”

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普段は三島市在住なのですが、先週は東京にいる時間の方が長かったです。
上京する理由は、さまざまなWebの情報(法体系・経理上の扱いの変化など)を仕入れたり、仕事にしたり、一番費用がかからずに素晴らしいWebの活動をする知恵を磨いたり…というためです。
少なくともWeb業界からの「売り込み」だけを待つ姿勢では、Web担当者としてやっていける職種ではないことだけは確かで…
今まで複数の職種を担当しましたが、経験上、他の職種よりもずっと「自学自習」の積極性が求められる領域です。

僕はいわゆる「Web担」(ウェブ担/Webの企業内担当者)として仕事をしているわけですが、Webの仕事に携わらない人が表で見える

・Webサイトを(ただ単に)作る
・(リスティングなどの)Web広告を臨機応変に行う

などの物理的業務は簡単なほうで、業務で「Web担やってね」といきなり配属になってもやれちゃう領域です(これを「えーWebのことはわからないー」なんて言う社員は、甘えにもほどがある、って感じですが…)。しかし

・Webサイトを作る、そのためにはどのような仕組み(プログラム言語、サーバー…)ではないと自社(Z会)にあわないか?今自社にそういう仕組みがなければ、内部でやるのがよいか、外部でやるのがよいか、それともやらない方がよいか?

・広告をする、そのためにはどんな法規制があり、その法規制に伴ってIT業界ではどういうインフラを施行しようとしており、さらにフィルタリングなどの自己規制措置をどのようにとろうとしているか?

・以上のような概況から、Web・携帯会社やWeb・携帯のコンテンツを提供している会社はどんな対策をしているか?俯瞰して、Z会ではどこまでやるべきか?

など、あらゆる状況を俯瞰して、“そのときの最適な”「判断・決断」をするのが難しく、これらの情報を仕入れ、先手先手を打つために、ちょくちょく上京している、という感じです。

・「いいサイト作りました~」けれども「最近Webサイトではそういう作りがサーバーになじまなくなっている」
・「頑張って携帯でコミュニケーションサイト作ったぜ!」けれども「えっ、フィルタリングで18歳未満は見れなくなっちゃうの…」

なんて笑い話、そこらじゅうで聞きますしね。

Webを扱う職種は、全くこのテの職種に携わったことのない人間が、現時点ですでにある知識まで追いつくのもかなり大変な上、その知識でWebの運用をしようとしても、「未来におけるWebの状況」が異なり、最適化できないどころか単なるコストの無駄遣いになりがちです。
だから「新聞を読む」ような感覚でWebの知識にキャッチアップした上で、次の一手を常に読むことが必要です。
しかも新聞で言うなら、「経済」「社会」「スポーツ」…と様々な内容があるのと同様に、「Web広告」「Web制作」「Webの効果測定の手法」「Webコミュニティ管理・運用」「ケータイについてのリテラシー」と様々な内容があるにも関わらず、Webに携わらない人には「Web」と(知識としても、業務としても)一括りにされがちなのが辛いところなんです。

そのためもあって、世のWeb担当者(Web業界ではなくて、企業の中でWebを担当する人間)は、どんな人に聞いても「人より多くの仕事を課せられている」というのが現状のようです。

・社内で知識のある人があまりいない(だから仕事が覆いかぶさる)
・系統立てた仕事の仕方が確立されていない(だから社内で仕事の体系を構築する業務まで巻き込まれる)
・見えている仕事より見えない仕事が多い(規制・ITインフラが目まぐるしく変わり、それに対処しなければいけないので)

※とくにECサイトまで手を出している会社のWeb担当者はとーーーっても労働環境が厳しいようですね。

これまで経験したいくつかの職種の中で、「質×量」で算出できる仕事の数値は間違いなく今が一番高いと断言できます。

ただ、新しいものを作っていく楽しみも高いのは事実です。
だから世の中でWebに携わる人が後を絶たないのかもしれませんし、僕自身は希望してWebに携わっていますので、負荷をそんなに感じていません。

一方、そういう楽しみがわからない担当者もいますよね。
つまり「ただ単に配属でWebが担当になってしまった」というパターン。

そんな人を応援するために。
そんな人の実情を伝えるために。
この記事を書きました。

Web担当者は仕事量(×質)が多いことを苦しんでいるわけではありません。
仕事量(×質)が多いことをわかってもらえないことが苦しいんです。
注)僕は幸いなことに、かなり「わかってもらえている方」なんですけど、多くの企業内のWeb担当者は、わかってもらえていないようです。

わからないのはなぜか。
根本的には、それ以外の人がWebリテラシーがないから、が原因ですね。
リテラシーが高ければ、その人が「明らかに過多」と思うほど仕事を覆いかぶせませんもん。
(仕事量の定義ができない=「これくらいできるでしょ」という勝手な判断でWeb担当者1人に全部かぶせる、というパターン)

つまり、Webリテラシーがない人の勉強姿勢不足の部分を(業務上の)Web担当者に覆いかぶせているパターンが多いのです。

Webのことが(企業として)わからない、のであれば、Web担当者の見えない大変さ、わかってあげてほしいな、と思います。
「(Web担当者に限らず)誰だって頑張っている」のかもしれませんが、多くの企業人を見てきても、Web担当者は「頑張っている(頑張らされている)」度合いが高い、という感想があるんです、僕には。

既存の労働は、担当者の「頑張っている」「大変だ」という主張が「わかりやすい」ため、納得しやすい。
新規の労働は、担当者の「頑張っている」「大変だ」という主張が「わかりにくい」上、「わかりにくい」部分の説明責任も負わされ、負荷増大の上納得されない。
様々な企業の悲しい矛盾のような気がします。

わかってあげる、それだけで、Web担当者は救われます。
だから、Webリテラシーがない人ほど、わかってあげてください。

◆本投稿記事は、毎日更新中のブログ
http://www.zkaiblog.com/histaff/
の話題を元に、本サイトの読者層に合わせた形で修正しております。

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