パナマ運河が世界の物流を一変させたことにちなんで、開発コード「パナマ(Panama)」と名付けられていたオーバーチュアの「新スポンサードサーチ」。先行して導入された米国に引き続き、日本でも2007年4月17日から、新スポンサードサーチへの移行が開始された。新スポンサードサーチで何が変わるのか、どう対応すればいいのか、徹底的に解説する。
TEXT:鶴田 修朗 協力:オーバーチュア株式会社、株式会社デジカル
広告を出すなら効果測定は必須
新スポンサードサーチを利用するにあたって最も重要なのは、広告掲載順位を上げることでも、クリック率を高めることでもない。大切なのは、あなたがキーワード広告出す理由、つまり購買や登録・申し込みなど、何らかの「コンバージョン」を獲得するという目的を達成できているかを把握することだ。
新スポンサードサーチには、ユーザーが最初に検索してからコンバージョンに至るまでの行動をトラッキングする効果測定ツールが用意されている。旧スポンサードサーチにもあった機能だが、もし使ったことがないのならば、これを機会に、広告効果をきちんと把握するためにも、ぜひ活用してほしい。
繰り返すが、新スポンサードサーチでは入札価格だけでは掲載順位が確定されないため、以前のように入札価格を調整して掲載順位をコントロールすることはできない。だから、効果測定を正しく行うことで、効果の高い広告を残して効果の低い広告を調整するアクションが重要になるのだ。
「面倒だな、以前のほうが楽なのに」と思う気持ちは理解できる。しかし、キーワード広告のトレンドはすでにこの方向に動いており、過去の流れに戻ることは考えられない。
また、広告を出すならば何らかの目的があるはずだ。テレビCMなどの旧来の広告では、その効果を正確に測定することは非常に難しかった。それに対してインターネット広告ではコンバージョン率などの効果測定が非常に簡単に行える。もちろんコードをページに貼り付けるなどの多少技術的なことは必要だが、たいして難しくはないので、ぜひ試してみてほしい。
ちなみに現在は、旧スポンサードサーチのHTMLコードを用いている場合でもコンバージョン測定が可能だが、いずれ利用不可になる。もし、まだ旧スポンサードサーチのコードを利用しているならば、品質インデックスのスタートを機に、忘れずに貼り替えておこう。
オーバーチュアの効果測定ステップバイステップ
効果測定を行うには、まず管理画面から、コンバージョン測定用のタグ(HTMLコード)を入手し、自サイトの購買や登録・申し込みの確定を知らせるページ(いわゆる「サンクスページ」)などに貼り付ける必要がある。
管理画面で「アカウント」タブをクリックする。
続いて「効果測定」のリンクをクリックする。
「効果測定が無効になっています。」と表示されている場合、「効果測定を有効にする」ボタンをクリックする。
次に、1回のコンバージョンがどれだけの売り上げになるとみなすかを設定する。ショッピングカートなどと連動して自動的に売り上げ額を含めたコードを作ることも可能だが、まずは平均客単価を固定値として設定しておくのが楽だろう。「売上額」で「固定平均値」を選び、「¥」に客単価を入力して「保存」ボタンをクリックする。
表示されるHTMLコード(JavaScriptコード)を選んでクリップボードにコピーし、コンバージョン発生ページに貼り付ける。コンバージョン発生ページとは、購買や登録・申し込みが確定したタイミングで表示されるページだ。いわゆる「サンクスページ」に貼り付けるのがいいだろう。
タグを貼り付けた後、「コンバージョン測定」の「有効にする」ボタンをクリックする。
これで、キャンペーンや広告グループ、キーワードごとのコンバージョンの数と、それぞれのコンバージョンで発生した売り上げがオーバーチュアのシステムによって計測される。計測結果は、キャンペーン内の各画面やレポートの画面に表示される。
ちなみに、ユーザーの行動を把握するには、ユーザーのブラウザーのJavaScriptコードを実行してクッキーを受け入れる状態になっている必要がある。
売り上げ額の設定方法や機能の詳細を知りたい場合は、オーバーチュア設定ガイド(リンク先はPDF)を参照してほしい。
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