急成長CTV広告に潜む罠:広告費の「見えない損失」に要注意【DoubleVerify調べ】
DoubleVerify(以下DV)は、「DV Global Insights: Trends in the Modern Streaming Landscape(日本語翻訳版)」を発表した。22,000人の視聴者と約2,000人のマーケターを対象に調査し、2025年のストリーミングTV広告の現状を詳細に分析している。
CTV広告のインプレッション数が前年比66ポイント増

調査によると、コネクテッドTV(CTV)広告のインプレッション数は世界全体で前年比66ポイント増加した。特にメキシコ、オランダ、フィリピン、ベルギーなどの市場で目覚ましい伸びを見せており、今後も世界的に急成長を続けると予測される。

視聴デバイスの種類別で比較すると、CTVのインプレッション増加率は「デスクトップ」のおよそ2倍に達し、「モバイルアプリ」をも上回る成長を示した。
ストリーミング広告における「3つの課題」とは

2025年のストリーミング市場における課題としては、「透明性」「ビューアビリティ」「フラウド」の3点が挙げられた。
1. アプリの「透明性」の欠如

広告における透明性とは、広告の配信場所、視聴者、成果を把握することを指す。2024年におけるCTVインプレッションでは、十分にアプリの透明性が確保されていたのは約50%にとどまることが判明した。
2. 視認性を確保する「ビューアビリティ」
テレビ画面がオフになっているにもかかわらず広告が再生され続ける「TVオフ」問題も深刻化。広告主に対し、10億インプレッションあたり70万ドルの無駄なコストが発生している。
3. セキュリティを確保する「アドフラウド」
2024年、CTVにおけるフラウドの中で最も多かったのは「ボット詐欺」で、 全体の65%を占めた。毎日400万のCTVデバイスがボットに感染し、偽のトラフィックを生成しており、1種類のボットにつき毎月750万ドルを超える損失が発生している。
調査概要
- 【調査方法】DVの独自測定データと22,000人の視聴者を対象としたグローバル消費者調査を基に、TV(CTV)エコシステムにおいて、消費者行動や広告パフォーマンスの変化を分析。後半では約2,000人のマーケターを対象に調査を実施。比較データポイントは、2024年1月1日から2024年12月31日の期間と前年同期の前年比として解釈。
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