読書離れが深刻? 1か月に読む本の冊数「読まない」が約6割【文化庁調べ】
文化庁は、令和5年度「国語に関する世論調査」を実施した。国語に関する意識や読書の現状について、全国の16歳以上の男女6,000人を対象に調査しており、有効回収数は3,559人となっている。
1か月に読む本の冊数は? 「読まない」が約6割
まず、1か月に読む本の冊数を聞いたところ、「読まない」が62.6%で最も多く、「1、2冊」が27.6%と続いた。過去の調査結果と比較すると、「読まない」の割合が約15ポイント増加している。
読書量の変化としては、「減っている」が69.1%、「それほど変わっていない」が24.5%となり、過去調査から大きな変化はなかった。また、「減っている」と答えた人に対して理由を聞くと、「情報機器(携帯電話、スマートフォン、タブレット、パソコン、ゲーム機等)で時間が取られる」「仕事や勉強が忙しくて読む時間がない」などが上位となった。
電子書籍と紙の本どちらを多く利用するかという質問では、「電子書籍しか読まない」が7.9%、「電子書籍の方が多い」が40.5%で、約半数が“電子書籍派”であることがわかった。過去調査と比較すると、平成30年度に比べ「電子書籍の方が多い」が13.3ポイント増加していた。
本来の意味知ってる? 「悪運が強い」「失笑する」の使い方が変化
続いて、国語への関心の有無を聞くと、非常に関心がある・ある程度関心があるの合計は80.9%にのぼった。過去調査と比較すると、「関心がある」の割合はやや増加傾向となっている。年齢別では、「関心がない」の割合が20代以下でやや高い傾向だった。
具体的にどのような点に関心があるかを聞くと、「日常の言葉遣いや話し方」が80.7%で圧倒的に多く、以下「敬語の使い方」が48.9%、「文字や表記の仕方あるいは文章の書き方」が42.4%、「言葉の意味・由来や国語の歴史」が38.3%と続いた。
また、語句に対する理解の変化として、5つの言葉の意味を聞くと、特に「悪運が強い」「うがった見方をする」「失笑する」において、本来の意味とされてきたものとは異なる意味が多く選ばれていることがわかった。一方で、「煮え湯を飲まされる」は辞書等での本来の意味を選ぶ人が多かった。
調査概要
- 【調査対象】全国16歳以上の個人
- 【調査時期】令和6年3月
- 【調査方法】郵送法
- 【回収結果】調査対象:総数6,000人 有効回収数(率):3,559人(59.3%)
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