2021年の日本のインターネット広告媒体費、動画広告が5千億円を突破【電通グループ調べ】

インターネット広告媒体費は全体で2兆1,571億円。ソーシャル広告は7,640億円で3分の1を占める。

CARTA COMMUNICATIONS(CCI)、D2C、電通、電通デジタルの4社は、「2021年 日本の広告費 インターネット広告媒体費 詳細分析」を発表した。電通が2月に発表した「2021年 日本の広告費」をベースに、インターネット広告媒体費について、分析し直した内容となっている。

「2021年 日本の広告費」では、日本の総広告費が6兆7,998億円(前年比110.4%)とマイナス成長から回復したこと、マスコミ四媒体広告費の2兆4,538億円を、インターネット広告費の2兆7,052億円(前年比121.4%)が初めて上回ったことなどが報告されている。

「運用型のビデオ(動画)広告」が前年比133.8%と急成長

「インターネット広告費」から「インターネット広告制作費」および「物販系ECプラットフォーム広告費」を除いた「インターネット広告媒体費」は2兆1,571億円だった。広告種別でその構成比を見ると、検索連動型広告が7,991億円(37.0%)、ディスプレイ広告が6,856億円(31.8%)があわせて7割を占めている。一方、ビデオ(動画)広告は前年比132.8%の5,128億円(23.8%)と急成長が続き、5千億円を突破した。

インターネット広告媒体費の広告種別構成比

取引手法別の構成比では、運用型広告が引き続き伸長し1兆8,382億円(前年比126.3%)で、インターネット広告媒体費全体の85.2%を占めた。予約型広告も前年比111.1%と成長したがそれを遥かに上回る形だ。

インターネット広告媒体費の取引手法別構成比

取引手法別×広告種別では、「運用型の検索連動型広告」構成比37.0%、「運用型のディスプレイ広告」構成比28.1%が上位。ここでも「運用型のビデオ(動画)広告」が前年比133.8%で急成長している。

インターネット広告媒体費の取引手法別×広告種別構成比

ビデオ(動画)広告

ビデオ(動画)広告費は5,128億円(前年比132.8%)で、インターネット広告媒体費全体の23.8%となった。そのうち動画コンテンツの間に挿入される「インストリーム広告」は2,921億円(構成比57.0%)、Web上の広告枠や記事コンテンツ面で表示される「アウトストリーム広告」は2,207億円(同43.0%)で、インストリーム広告が拡大傾向にある。なお取引手法別では運用型広告が83.7%を占めた。

ビデオ(動画)広告種類別構成比
ビデオ(動画)広告取引手法別構成比

ソーシャル広告

ソーシャルメディアサービス上で展開される「ソーシャル広告」は、前年比134.3%の7,640億円と拡大。インターネット広告媒体費全体の35.4%に達した。ソーシャルメディアの種類別では、「動画共有系」が成長したが「SNS系」3,168億円が最大を占める傾向に変わりはなかった。

ソーシャル広告構成比推移

 

ソーシャル広告種類別構成比

2022年の予測

2022年のインターネット広告媒体費も引き続き順調に推移し、前年比115.0%・2兆4,811億円と予測されている。特にビデオ(動画)広告は前年比120.5%・6,178億円まで拡大する見込みだ。

インターネット広告媒体費総額の推移(予測)
ビデオ(動画)広告市場の推移(予測)

調査概要

  • 【調査方法】インターネット広告媒体社等を対象としたアンケート調査(郵送調査/Web調査)、追加ヒアリング調査、各種データ収集・分析
  • 【調査主体】D2C、CARTA COMMUNICATIONS(CCI)、電通、電通デジタル
  • 【調査期間】2021年12月~2022年2月
  • 【広告種別の定義】
    • ディスプレイ広告:サイトやアプリ上の広告枠に表示する画像、テキストなどの形式の広告およびタイアップ広告。
    • 検索連動型広告:検索サイトに入力した特定のワードに応じて、検索結果ページに掲載する広告。
    • ビデオ(動画)広告:動画ファイル形式(映像・音声)の広告。
    • 成果報酬型広告:インターネット広告を閲覧したユーザーが、あらかじめ設定されたアクションを行った場合に、メディアや閲覧ユーザーに報酬が支払われる広告。
    • その他のインターネット広告:上記以外のフォーマットのインターネット広告。メール広告、オーディオ(音声)広告など。
  • 【取引手法の定義】
    • 運用型広告:検索連動型広告、およびデジタル・プラットフォーム(ツール)やアドネットワークを通して入札方式で取引されるもの。
    • 予約型広告:純広告やタイアップ広告として、代理店・メディアレップ経由もしくは直接広告主に販売されるもの、およびデジタル・プラットフォーム(ツール)やアドネットワークを通して非入札方式(固定価格)で取引されるもの。
    • 成果報酬型広告:インターネット広告を閲覧したユーザーが、あらかじめ設定されたアクションを行った場合に、メディアや閲覧ユーザーに報酬が支払われる広告。
  • 【ビデオ(動画)広告の定義】
    • インストリーム広告:動画コンテンツの前、中、後に再生する動画ファイル形式の広告。
    • アウトストリーム広告:ディスプレイ広告枠等の動画コンテンツ外で表示される動画ファイル形式の広告。ウェブ上の広告枠や記事のコンテンツ面等で表示されるインフィード広告で動画ファイル形式のものも含む。
  • 【ソーシャル広告の定義】
    • ユーザーが投稿した情報をコンテンツとし、ユーザー間で共有・交流するサービスを提供するメディア(プラットフォーム)のサービス上で展開される広告。
    • ソーシャルメディア例:SNS/ブログサービス/ミニ(マイクロ)ブログ/動画共有サイト/ソーシャルブックマーク/電子掲示板など。
この記事が役に立ったらシェア!
メルマガの登録はこちら Web担当者に役立つ情報をサクッとゲット!

人気記事トップ10(過去7日間)

今日の用語

インデックス
検索エンジンがWebページをデータベースに保存しているデータベース。データベース ...→用語集へ

インフォメーション

RSSフィード


Web担を応援して支えてくださっている企業さま [各サービス/製品の紹介はこちらから]