環境意識が高いユーザーは、「環境に配慮」ではなく「機能」「原料・成分」で商品を見ている?【KDDI総研調べ】

服・ヘアケア商品・清涼飲料水・食料品を購入するとき、「環境への配慮」の優先度は非常に低い。

KDDI総合研究所は、調査レポート「環境に配慮しただけで、商品は売れるのか」を発表した。「環境意識が高い」という人の購買活動の特徴について調査・分析する内容で、2,472人が回答している。

環境に配慮していたのは、男性20代と女性60代

まず「リサイクル素材を使うなど、環境に配慮した商品を現在、購入しているか」(選択式)と聞くと、「高いと感じても、環境に配慮した商品を購入することがある」(=環境意識が高い人)とした人は5.3%で、「環境に配慮したか否かで商品を購入していない」(=環境意識が低い人)37.5%が多数派だった。

性年代別で見ると、「環境意識が高い」とされる層は、男性20代がもっとも多かった。これに「環境意識がやや高い」も合わせると女性60代が圧倒的に多くなる。男性60代もそれに続く数値を見せた。一方女性20代は特に他との差は見られない。男性20代と女性60代は環境意識が高いようだ。

本報告書での定義

服・ヘアケア商品・清涼飲料水・食料品を購入するとき、環境への配慮の優先度は低い

次に、「服」「ヘアケア商品」「清涼飲料水」「食料品」について、購入するときに重視している点を聞いた。各項目は「デザイン」「成分」「品質」「価格」「ブランドイメージ」「広告・宣伝」に加え、「環境への配慮」が含まれている。

その結果、服を購入するとき環境に配慮していることを重視する人は4.8%(16項目中12番目)、ヘアケア商品では7.9%(13項目中11番目)、清涼飲料水では5.6%(15項目中14番目)、食料品では9.7%(14項目中11番目)だった。いずれも一桁台で、順位も最下位に近い。

なお環境意識が高い人は他層に比べて、価格は重視していない一方で、機能性、素材・原料や成分を重視していることが多かった。最重要視はしていないが、ある程度環境問題を踏まえて商品をチョイスしていると考えられる。

環境配慮型の商品購入は増やしたい人が多い

そこで「今後、環境への取り組みを増やしたいか」を聞くと、環境意識が高い人の56.8%が「増やしたい」としたが、環境意識がやや高い人で22.2%、環境意識がやや低い人で10.1%、環境意識が低い人では3.7%にまで数値が下がる。

具体的なアクションを聞くと、「リサイクル素材など環境に配慮した商品の購入を増やしたい」が最多で、環境意識が高い人では40.2%が回答している。また、「環境問題に取り組んでいる企業/店舗を利用したい」という意見も多かった。環境意識が高い人では「環境問題に取り組んでいる店舗を利用したい」が3割を超えており、他層より日常的な取り組みをしようという意志を感じさせる。

結論としては、「環境意識が高い人でも環境に対応した商品というだけで、その商品を選ぶ人は少ない」とのこと。一方で環境配慮型の商品購入は増やしたい人が多い。機能性、素材・原料や成分、あるいは店舗レベルの対応を強化することで、訴求力がアップすると考えられる。

調査概要

  • 【調査対象】全国16歳~69歳の男女
  • 【調査方法】インターネット調査
  • 【調査時期】2021年6月17日~21日
  • 【有効回答数】2,472人(性・年代別:各206)
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