日本企業のCXへの取り組み、いまだ全体の8割近くが足踏みをしている状態【ガートナー調べ】

全体的に2018年からは進んだが、2019年は停滞の年となり総じて進捗が芳しくない状況。

ガートナー ジャパンは、日本企業のカスタマー・エクスペリエンス(CX)に関する調査結果を発表した。国内企業400社以上にCXへの取り組み状況などをアンケートしている。

「進行中」「検討中」を合わせても2割超、残る8割近くは停滞

まず国内のユーザー企業に「CXの取り組み状況」について聞くと、「進行中」は前年の6.6%から増加し10.2%に、「検討中」も前年10.8%から11.3%に増加していた。また「必要だが未検討/進捗が遅い」は前年36.4%から減少し31.3%となった。一方で、「知らない/分からない」は前年27.9%から増加し29.2%だった。

全体的に2018年から取り組みは進んだが、2019年は停滞の年となり、日本のCXはいまだ全体の8割弱が足踏みをしている状態だ。「コロナ禍でCXへの取り組みが進む」という言説もあるが、あくまで一面であり、企業の姿勢そのものが重要と考えられる。

出典:Gartner(2021年6月)

さらに「CXに取り組んでいる」と回答した企業186社に、「CXの取り組みを主体的に進めている役員(CXの推進責任者)」について聞くと、もっとも多いのは「営業担当役員」31.7%で、「役員やリーダーはいない」20.4%がそれに続いた。3位は「役員でない特定のリーダー」14.0%だった。この順位は前回調査と同一だが、その比率は減少しており、「社長/経営者自身」などが増えているという。これについてガートナーは、CXを推進するには強力なリーダーシップが必要であるとしている。

出典:Gartner(2021年6月)

調査概要

  • 【調査対象】国内のユーザー企業
  • 【調査期間】2020年11月(前回2019年11月、前々回2018年11月)
  • 【有効回答数】432社(前回426社、前々回669社)
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