富裕層の定義とは? 金融資産1億円以上の世帯数が増加【野村総研調べ】

日本における富裕層とは純金資産保有額一億円以上の世帯と定義づけられている。今回のアンケートではその「富裕層・超富裕層」の世帯数、金融資産総額が2017年以降増加していることが明らかになり、マス層、アッパー層との割合にも開きが見られた。また、コロナ禍で「個人資産への考え方」や「生活と消費」における変化が明らかになった。

野村総合研究所は、「NRI富裕層アンケート調査」の結果を発表した。この調査では、純金融資産保有額が1億円以上5億円未満を「富裕層」、同5億円以上を「超富裕層」として、全国の企業のオーナー経営者(主要株主かつ代表者)を対象にアンケート調査を行ったほか、各種推計を行っている。アンケートの有効回答は1,520人で、うち本人・配偶者が富裕層・超富裕層に該当したのは305人。

なお「純金融資産保有額」は、預貯金、株式、債券、投資信託、一時払い生命保険や年金保険など、世帯として保有する金融資産の合計額から負債を差し引いたものを指す。

富裕層・超富裕層の世帯数・資産総額、アベノミクスが始まった2013年以降は増加傾向

それによると、「富裕層」124.0万世帯、「超富裕層」8.7万世帯で、合わせて132.7万世帯が該当した。富裕層・超富裕層の世帯数は、前回の2017年調査からいずれも増加し、最高値を更新した。

同様に、純金融資産保有額も、富裕層が9.3%(215兆円→236兆円)、超富裕層が15.6%(84兆円→97兆円)と大きく増加している。両者の合計額は333兆円に達している。これはマス層(3,000万円未満)の656兆円の約半分程度だが、世帯数はマス層4,215.7万世帯に対し、富裕層・超富裕層は133万世帯と30分の1であり、大きく開きがある。

富裕層・超富裕層の世帯数・資産総額は、アベノミクスが始まった2013年以降、特に増加傾向が続いている。金融資産運用(投資)の活発化が背景にあると考えられる。

ただし、2020年はコロナ禍により世界情勢が大きく変化し経済指標も悪化したため、今後の数値は大きく変化する可能性がある。

そこで「コロナ禍での個人資産の管理・運用の考え方の変化」について、富裕層・超富裕層に聞くと、「個人資産のことよりも、所有する事業や法人の先行きが、以前よりも心配になった」53%が最多ながら、「複雑でわかりにくい商品よりも、シンプルでわかりやすい商品を好むようになった」50%、「経済の先行きや、自分が管理・運用する資産に関して、積極的に情報収集や勉強をするようになった」47%、「元本割れする可能性のある金融商品のリスクを、以前よりも気にするようになった」46%など、半数近い経営者で、考えの変化が見られた。

一方「コロナ禍での消費や生活の変化」については、「健康や体力増進に関する意識が強まった」65%が最多。以下「家族との会話やコミュニケーションが増えた」51%、「ソーシャルディスタンスを意識した旅行をするようになった」47%、「本を読む時間が増えた」47%と、“消費”や“デジタル”といった領域から離れた部分で、特に変化があったようだ。

調査概要

  • 【調査対象】帝国データバンクのTDB企業概要データベースを元にした全国2万企業。
  • 【調査方法】オーナー経営者(主要株主かつ代表者)にアンケートを送付
  • 【調査期間】2020年10月~11月
  • 【有効回答数】有効回答1,520名。そのうち、本人と配偶者の保有する金融資産が1億円以上が305名(金融資産1億円以上5億円未満:278名、金融資産5億円以上:27名)
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