国内有力企業のIT予算、注力ジャンルは「業務プロセスの効率化」が断トツの1位【日本情報システムユーザー協会調べ】
日本情報システム・ユーザー協会(JUAS)は、「企業IT動向調査2020」の結果を公表した。ITユーザー企業の投資動向やIT戦略動向などを定点観測したものを、2020年1月時点の速報値として集計している。最終集計・分析結果は2020年4月に発表の予定。
本調査における「IT予算」とは、「当該年度に支出予定の金額(キャッシュベース)」を基本とし、償却費などは除外している。
2020年度のIT予算は引き続き増加傾向、一方「売上高100億円未満の企業」はIT投資意欲が低め
まず「2020年度のIT予算の増減」について聞くと、全体の40.7%が「増加」、46.0%が「不変」、13.2%が「減少」と回答。4割以上の企業が増加の意向を示した。“増やす割合から、減らす割合を差し引いた”「DI」(ディフュージョン・インデックス)は27.5ポイントで、2019年度の37.4ポイントと比べると大きく下がったが、IT予算の増加傾向は維持される見込みだ。
次に、「企業の売上高別」でIT予算の増減を見ると、DIがもっとも高いのは「1,000億円以上1兆円未満の企業」37.4ポイント、もっとも低いのは「売上高100億円未満の企業」21.0ポイントとなった。やはり売上高の厳しい企業ほど、IT予算の引き締めが起きそうだ。
あわせて、「業種グループ別」でIT予算の増減を見ると、「建築・土木」40.6ポイントが1位。以下「素材製造」32.4ポイント、「社会インフラ」33.8ポイント、「サービス」31.0ポイントが上位だった。2019年度にDI値がもっとも高かった「金融」(19年度51.4ポイント)はプラスマイナスゼロまで大幅減少している。
IT投資の注力ジャンルは「業務プロセスの効率化」
「IT投資で解決したい中期的な経営課題」について選択式で聞くと、「業務プロセスの効率化(省力化、業務コスト削減)」が60%を超えて、前回に続き断トツの1位。2位には「迅速な業績把握、情報把握(リアルタイム経営)」が続いた。なお3位「ビジネスモデルの変革」(前回4位)、4位「顧客重視の経営」(前回9位)はランクを上げており、経営課題の変化を感じさせる。
調査概要
- 【調査対象】東証上場企業およびそれに準ずる企業4000社
- 【調査方法】IT部門長あてにWebアンケートまたは調査票郵送で回答を依頼
- 【調査期間】2019年9月13日~10月11日
- 【集計サンプル数】計970社(Webアンケート721社、調査票郵送249社)
- 【有効回答数】計960社
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