パーソナルデータ、「匿名化されていれば企業が販促などで利用してもよい」は半数に満たず【ドコモ・モバ研調べ】
NTTドコモ モバイル社会研究所は、「パーソナルデータの利活用に関する意識」に関する調査結果を発表した。
パーソナルデータについて、日本では総務省により「個人情報に加え、個人情報との境界が曖昧なものを含む、個人と関係性が見出される広範囲の情報を指すものとする(2017年版 情報通信白書)」と定義されるとともに、その収集・利活用が推進されている。一方で、個人情報と結び付くことで、プライバシーが侵害されるのではないかという懸念が指摘されている。
匿名化されていても、パーソナルデータの販促利用などは過半数が否定的
この調査では、個人を特定されない「匿名化されたパーソナルデータ」(匿名データ)に焦点を当てて調査を実施している。
まず「企業が商圏分析や販売促進などに、個人が特定できないように処理された性別・年代・位置情報・購買履歴を利用してもよいと思う」について聞くと、「そう思う」「まあそう思う」の合計は48.0%で、わずかに半数に満たなかった。
一方、「国・地方公共団体がまちづくりや防災計画の策定などに、個人が特定できないように処理された性別・年代・位置情報を利用してもよいと思う」について聞くと、「そう思う」「まあそう思う」の合計は75.7%に達した。
次に、「行方不明者の捜索」「生活習慣改善サービス」「保険料の割り引き」という3つのケースについて、位置情報や健康情報といったパーソナルデータの利用について質問すると、「行方不明者の捜索」については約8割が肯定的だったが、「生活習慣改善サービス」「保険料の割り引き」では6割以下に留まった。
基本的に、国や地方公共団体での利用には抵抗感が低いが、企業による機微情報の扱いには慎重と考えられる。
なお、政府は2020年7月17日に「世界最先端デジタル国家創造宣言・官民データ活用推進基本計画」の変更を閣議決定しており、コロナ禍による“社会全体の行動変容”を見据えている。COCOAなども視野に、匿名データの扱いは、withコロナ時代に大きな変化を迎える可能性が高いだろう。
調査概要
- 【調査対象】関東1都6県(東京、神奈川、千葉、埼玉、茨城、群馬、栃木)在住の15~79歳男女
- 【調査方法】訪問留め置き。「消費者行動調査2020」として実施
- 【調査期間】2020年1月~2月
- 【有効回答数】700人
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