消費者心理がゴールデンウィークを境に変化、景況感が上昇に転じる【マクロミル調べ】

消費に回復の兆し、経済活動の再開に向けポジティブな感情がじょじょに増加

マクロミルは、新型コロナウイルスが消費者心理に及ぼす影響について、調査結果を発表した。感染拡大や緊急事態宣言による外出自粛、企業活動の縮小・停止が、消費者心理に与える影響について、定点観測データから時系列で分析を行っている。

「著名人の死去」や「緊急事態宣言」でネガティブな気分に

まず「過去1週間で気になった話題やニュース」を、2020年4月第1週~5月第1週で週ごとに見ると、すべての週でトップは「新型コロナウイルス」だった。そこで2位のワードを見ると、4月第1週「志村けんさん死去」、第2週「緊急事態宣言」、第3~4週「給付金10万円(特別定額給付金)」、第5週「岡江久美子さん死去」、5月第1週「緊急事態宣言延長」となった。

注目していたワード

続いて週ごとに「気分(センチメント)の変化」を見ると、志村けんさんが死去された4月第1週に「悲しかった」が急上昇。「不安だった」「憂鬱だった」などのネガティブな感情も上昇した。4月第2週に「不安だった」がピークに、4月第3週に「憂鬱だった」がピークに達しているが、その後はじょじょに低下し、4月第5週~5月第1週のゴールデンウィーク期間になって、「楽しかった」のスコアが上昇した。

生活者の気分(センチメント)の変化

緊急事態宣言発令後の4月3週目が底、じょじょに消費マインドが高まっている

経済動向を見るため、「現在の身の回りの景気(現況)」と「2~3か月先の景気の見通し(先行)」を点数で表した“景況感DI”を見ると、今回の新型コロナウイルスの感染拡大によって、「現況」「先行」ともに急降下していた。ただし4月後半からじょじょに上昇に転じ、5月4日に緊急事態宣言の延長が発表されても、上昇傾向は続いている。もっとも「景気が悪い」と感じていたタイミングは、緊急事態宣言発令後の4月3週目となる。

景況感DIの変化(2013年~2020年5月第1週)
景況感DIの変化(2020年1月~5月第1週)​​

 

ただ、実際に個人の消費金額を見ると、ゴールデンウィークの消費金額は、4月第5週「12,400円」、5月第1週「13,900円」と、前年より6,000~7,500円減少していた。消費品目では、「家族との外食」「食事会・飲み会」「国内旅行」「映画・スポーツ観戦等」といった自宅外における消費が減少。自宅で消費する「お酒」「自宅の特別な食事」は前年よりも増加していた。

消費金額の変化(2020年1月~)
5月第1週の購入品目の前年比較

 

今後1か月の消費量の増減予想を示す「消費マインド」は、通常ならゴールデンウィーク前に大きく上昇するが、今年は軟調な状態。ただし4月3週以降は上昇を維持しており、消費者の“隠れ消費意欲”は高まっていると思われる。経済に大きなダメージを受けたが、緊急事態宣言解除後は、反動で大きな消費の波が発生しそうだ。

消費マインドの変化(2020年1月~)

調査概要

  • 【調査対象】全国20~60代の男女
  • 【調査方法】2011年から毎週継続して定点観測している意識調査「Macromill Weekly Index」を使用
  • 【調査期間】ゴールデンウィークを含む2020年5月第1週までの傾向についての速報
  • 【集計サンプル数】1,000名(国勢調査の人口動態の比率に基づき割付)
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