ネット広告への強い嫌悪感、テレビや新聞の倍以上に。「しつこい」「邪魔」が3割超【JIAA調べ】

ターゲティング広告へのユーザー啓発が今後の課題か。「同じ広告の繰り返し表示」への不信感が強い。

日本インタラクティブ広告協会(JIAA)は、「2019年インターネット広告に関するユーザー意識調査」の結果を発表した。「インターネットメディア・広告への意識」「情報取得活用への意識」「業界が取り組んでいる各施策への意識」「広告への期待」などについて、インターネットユーザー全国5,000人から回答を得た。

今回の調査結果では、ユーザー意識について、以下のような点が指摘された。

  • インターネットは、多くの人に「生活の中心のメディア」と位置付けられている。
  • 一方でネット広告は、他メディアに比べてネガティブイメージが強い。
  • ユーザーのほとんどが、「個人に関わる情報を広告に活用すること」に不安感。

インターネットは「生活の中心のメディア」に、1日の利用時間は3時間半超

同調査によると、「メディア(デバイス)の1日あたり平均利用時間」は、「インターネット(PCやスマホの総計)」が圧倒的に多く、225分に達する。 「メディア(デバイス) への意識」においては、「必要性」が他メディアより突出。「楽しさ」「役立ち度」でも上回っている。逆に、「雑誌(誌面)」は10分にも達しておらず、一部にはショッキングな結果かもしれない。

ネット広告「しつこい/不快」「邪魔な/煩わしい/うっとうしい」ともに3割

このように、生活者に圧倒的に利用されるようになったインターネットだが、「広告」について聞くと、すこぶる評判が悪い。広告というもののイメージについて聞くと、「しつこい/不快」「邪魔な/煩わしい/うっとうしい」という評価が、他メディアは約5~16%なのに対し、インターネット広告は約29~38%と、高い数字を示す。「いかがわしい/怪しい」は、他メディアが2~5%台なのに対し、14%前後と非常に高く、とにかく“ネガティブな印象”を持たれているようだ。

具体的な手法面では、「何度も表示される」「記事の合間に表示される」といったエクスペリエンス周りの嫌悪感、「自分が見た企業や商品の広告ばかり出る」「違う端末でも同じ広告が表示される」といったターゲティングへの嫌悪感が高めだった。

8割以上が「個人に関わる情報を広告に活用すること」に不安

ターゲティング広告配信には、位置情報や来店履歴などの情報が活用されるが、こうした情報が取得されていることを認知していたのは61.3%で、4割は「知らなかった」と回答している。また、こうした情報の活用を不安に思い、「履歴やクッキーを削除したことがある」「プライバシーポリシーを確認したことがある」など、“なんらかの行動を起こした人”が44.4%にものぼった。“行動は起こしていないが不安は感じた人”も含むと、84.6%に達する。

これらの現状に対し、JIAAでは「インフォメーションアイコン」「オプトアウト」といった施策を推進しているが、内容まで理解しているユーザーは1割前後に留まっている。ただし、これら施策の理解者のネット広告評価は比較的高いため、今後の浸透によって、ネット広告の印象が変化することが考えられると、JIAAは考察している。

調査概要

  • 【調査対象】全国の15~69才男女個人で、毎日インターネットを利用する人
    ※全国を8地区に分け、ネット利用者構成に合わせて地区・性年代別に割付
  • 【調査時期】2019年9月
  • 【サンプル数】5,000サンプル(有効回収数)
     
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