顧客満足度が高くても「業績は今後伸び悩む」と予想するCS担当者が7割以上【日本能率協会総研調べ】

市場の変化、顧客ニーズの多様化、取り組みの遅れなどが、危機感の背景に。

日本能率協会総合研究所(JMAR)は、「従業員のCS意識等に関する調査」の結果を発表した。CS(Customer Satisfaction:顧客満足度)に対する自社従業員の意識、CS向上への取り組み状況などについて、企業担当者にアンケートした内容だ。

自社の商品・サービス・対応を「お客様は高く評価」、しかし強い危機感も

まず「お客様からの評価」と「今後の業績」について聞くと、「自社の商品・サービス・対応等は、お客様に高く評価されていると思う」は「その通り」19.3%、「どちらかと言えばその通り」51.8%で、合計71.1%が肯定的に捉えていた。

一方で、「お客様からの評価にかかわらず、自社のシェアや利益の伸び悩みが今後予想される」も、「その通り」21.3%、「どちらかと言えばその通り」46.0%と、合計67.3%存在しており、強い危機感を抱いていることが判明した。

 

7割以上の担当者が「従来とは、CSの考え方を変えていく必要性」を感じている

この危機感の理由を探るべく「CS担当者から見たお客様ニーズ」について、さまざまな角度から印象を聞いた。まず、「自社は、お客様のニーズに敏感だと思う」に肯定的(その通り、どちらかと言えばその通りの合計)だったのは57.0%。一方、「自社のなかで、市場環境やお客様ニーズの変化に対し、認識に差があるように感じる」は64.8%でそれを上回る。

さらに、「従来とは、CSの考え方を変えていく必要性」は74.6%にまで達しており、市場の変化、顧客ニーズの多様化、取り組みの遅れなどが、危機感の背景にあるようだ。

 

では、その解消・対策として各企業が実際に行っている取り組みについて聞くと、「CSに関する意識・考えや日頃の取り組み状況について、アンケート調査を行った」がもっとも高く、明確にCSをテーマに社内調査を行っている様子がうかがえる。「行ったことがない」「わからない」を除くと、CS単体の調査ではなくても、8割の企業が、ヒアリングや別調査のついでなどに、CS意識に関して何らかの確認は行っているようだ。

 

調査概要

  • 【調査時期】2019年10月7日~10日
  • 【調査対象】従業員数300名以上の企業に勤務するCS担当者(全国に居住する25~60歳の男女)
  • 【回収サンプル数】400名
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