60代以上のフリマアプリ利用、「お金」ではなく「社会とのつながり」を重視【メルカリ調べ】

メルカリでは「生前整理」「終活」のキーワードで出品される商品が、1年で約2.5倍に急増。

メルカリは、慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科前野隆司教授監修のもと、「60代以上のフリマアプリ利用実態」を実施した。全国の20~29歳/60歳以上のフリマアプリ利用者/非利用者、それぞれの組み合わせ各412名、合計1,648名から回答を得ている。

フリマアプリ「メルカリ」では、60代以上のいわゆるシルバー層の利用者が拡大。2017年と2018年との比較では、「生前整理」や「終活」のキーワードで出品される商品が、約2.5倍に急増したという。

フリマアプリを使うシルバー層、ITリテラシーも高く社会貢献にも意欲的

まず60代以上の実態を知るため、「60歳以上・フリマアプリ利用者(412名)」「60歳以上・フリマアプリ非利用者(412名)」に、平均資産・労働意欲・今後チャレンジしたいことなどを聞いた。平均資産額を集計したところ、フリマアプリ利用者の平均資産額は約2,500万円、非利用者は約2,100万円で、利用者のほうが資産額が多かった。

「歳を重ねても働き続けたいか」を聞くと、利用者の50.0%が「はい」と回答。一方で非利用者は38.8%にとどまった。「歳を重ねても働く目的」では、利用者と非利用者との間で、「人とのつながりを持つため」での差がもっとも大きかった。

「今後チャレンジしたいことがあるか」を聞くと、フリマアプリ利用者の65.5%が「ある」とする一方で、非利用者は47.6%と半数を切っており、ここでも意識差が見られた。「今後チャレンジしたい内容」については、フリマアプリ利用者は、非利用者と比較して「これまで経験がない社会貢献活動」「運動・スポーツ」「これまで培った技術経験を生かした社会貢献活動」に意欲的だった。

こうした回答から、60代以上のフリマアプリ利用者としては、“社会的な活動意欲を維持し、積極性も強い人物”を想定できる。ちなみに、60代以上のフリマアプリ利用者の61.7%が「インターネットやWebサービスを使いこなしている」と回答しており、これは20代のフリマアプリ利用者とほぼ並ぶ。主観的な判断だが、20代でもこの点は同じであり、一定のITリテラシーを保持していると考えられる。

60代以上にとって、フリマアプリ利用はライフスタイルの一環

次に、「20~29歳・フリマアプリ利用者(412名)」「60歳以上・フリマアプリ利用者(412名)」を比較することで、世代ごとの利用傾向の差異を計った。まず「フリマアプリの利用を始める目的」を聞くと、60代以上では、1位「不要品の処分」79.6%、2位「欲しいものをお得に購入」51.7%、3位「お金を得る」35.0%となったのに対し、20代では、1位「お金を得る」71.6%、2位「不要品の処分」67.7%、3位「欲しいものをお得に購入」38.8%となった。

60代以上トップの「不要品の処分」は、断捨離、さらには生前整理といった、ライフスタイル面からの影響が見てとれる。一方20代のトップである「お金を得る」は、60代以上はほぼ半減しており、60代以上は利益といった目的でフリマアプリを使っていないことも明白となっている。

そこで「フリマアプリ利用後の意識変化」について聞くと、「売るときのことを考慮し、モノを大切に扱うようになった」「趣味やファッションなどをより気軽に楽しめるようになった」は、60代以上も20代も総じて高かったが、「社会とのつながりを感じるようになった」は、60代以上は26.8%、20代は9.9%と、3倍近くの差となっている。「新しいことを始めたくなった」も、60代以上は23.4%、20代は11.7%と、60代の回答が大きく上回る。

一方で、「新品を購入するとき、フリマアプリで売れるかを考慮するようになった」は、60代以上は26.8%、20代は38.5%で、20代が上回っている。「生活の不安が軽減した」も、ポイント差が大きい。60代以上はフリマアプリについて、単なる“不要品処分の場”とは捉えておらず、売買の交流といったソーシャル面に「社会とのつながり」を見出している、といえるだろう。

調査概要

  • 【調査対象】全国の20~29歳の男女(20代)、60歳以上の男女(60代以上)
  • 【調査時期】2019年2月16日
  • 【回答者数】1,648名
  •  20~29歳・フリマアプリ利用者:412名

     20~29歳・フリマアプリ非利用者:412名

     60歳以上・フリマアプリ利用者:412名

     60歳以上・フリマアプリ非利用者:412名

  • 【調査方法】インターネット調査
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