Webサイト改善で押さえておきたいポイント――小川卓氏が解説

Faber CompanyでCAO(最高分析責任者)を務める小川 卓氏は、「ブランドと顧客のつながり」をテーマに自社サイトで留意すべき改善ポイントを解説した。

Webサイトは顧客との重要なタッチポイントであり、日々改善が求められる。顧客が求めていることを理解し、データを見ながら適切に改善をしてくにはどうすべきか。

CMS(コンテンツ管理システム)の開発などを手掛けるハートコアが3年ぶりにリアル開催した「HeartCoreDAY2022」。同イベントに登壇したFaber Company CAOの小川卓氏の講演内容をお届けする。

株式会社Faber Company CAO(最高分析責任者)
小川 卓氏

顧客がほしいのは「体験」と「価値」である

登壇した小川氏は、「ブランドと顧客のつながり」をテーマに、自社サイトで留意すべき改善ポイントを解説した。

小川氏は「ブランドイメージは最初の体験で固定化され、その『イメージ』は周囲の声で増幅する。だからこそ最初に明確な『イメージ』を打ち出し、短時間で好印象を持ってもらえるよう、顧客が求めていることを理解する必要がある」と説く。

顧客が初めてサイトに訪れた際、もっとも意識するのは「このサイトは自分のニーズを満たし、課題を解決してくれるのか」である。企業側はこうした顧客の意図をくみ取り、良いイメージを持ってもらえるようにしなければならない。小川氏はサイト改善で留意すべきポイントとして、以下の4つを挙げる。

  1. 安心を提供する
  2. 価値を提供する
  3. サイトで迷わせない
  4. 納得感・お得感を提供する

1. 安心を提供する

「安心を提供する」とは、顧客が一般的なサイトに対して持つ不安を解消することだ。サイトの運営会社に対する信頼はもちろん、注文した商品が予定通り配送されるか、他のサイトと比較して価格は適正か、サイトが取り扱う商品は自分の嗜好性に合っているかなど、不安要素は多岐に渡る。これらを解決しないと、いくら商品やサービスがよくてもコンバージョンには至らない。

小川氏は「安心を提供するために企業は、コンバージョンに至るまでの不安を棚卸しし、それに対する明確な“解”を提示することだ」と指摘する。たとえば、「ベストレート保証」と明記すれば、価格の不安を解消できる。実際、顧客が事例やクチコミを重視する理由は、「このサイトは信用に足るか」という第三者の意見が欲しいからだ。

2. 価値を提供する

「価値を提供する」とは、サイトで得られる体験や価値が何かを考え、それをメッセージとして伝えることである。多くの企業は「価値=商品やサービス」であると捉える傾向にある。しかし、この考えは誤りだと小川氏は指摘する。顧客が欲しいのは、その製品やサービスを利用することで得られる体験だ。企業は「自社の製品やサービスを通じ、顧客の生活や会社の在りようがどのように変化するか」を考える必要があるという。製品やサービスの購入は、「現状から理想の姿」になるための手段を手に入れる行為にすぎない。

たとえばアクセス解析ツールの導入で、アクセス状況の可視化や施策の効果測定は可能になる。しかし、これらは目的達成の手段でしかない。ツール導入で実現したいことは売上アップにつながるヒントを得たり、全社的なコスト削減を実現したり、判断を迅速化したりすることだ。それが顧客にとっての価値になる(小川氏)

3. サイト内で迷わせない

さらに小川氏は、サイトは新規顧客を想定して構築すべきであり、一見さんでも「サイト内で迷わせない」ことが重要だと説明する。

顧客がサイトで迷う理由は「選択肢から選べない」「次にどこを見ればよいかわからない」「わかりにくい・使いづらい」などが挙げられる。

前述したとおり、顧客が持つブランドイメージは、最初の数分間で決まってしまう。良いイメージを持ってもらうためには、コンテンツの内容はもちろん、顧客の気持ちと思考を考慮した「導線」が必要だ。このコンテンツを閲覧した次に何が見たいのかを先回りして考え、顧客が知りたい情報にストレスなくアクセスできるように誘導すること。小川氏によると「理想は水族館の順路」だという。

サイトを構築する側は、流入した顧客がこのコンテンツで何を見てほしいのか、次にどのコンテンツを見てほしいのかを明確にすること。その際には、1つのコンテンツに伝えたい情報をすべて入れるのではなく、誘導するようなデザインを心がけること。そのためには、自分たちが伝えたい内容を詰め込むのではなく、顧客の視点でサイトの導線を考えることが重要だ(小川氏)

4. 納得感・お得感を提供する

こうした工夫を重ね、最後のコンバージョンに至るには「ここで買うべき理由」を裏付ける動機付け(納得感)が必要だ。そのために必要なのは「ここでしか買えない」「今なら特典がある」「限定者しか買えない」といった決断を促す演出も必要になる。

もう1つ、企業が陥りがちな「改善ポイントミス」として指摘するのが、「UI(User Interface)の改善に終始してしまうこと」だ。購入ボタンのサイズや色味に気を取られ、肝心のUX(User eXperience)が改善できていない企業は少なくない。小川氏は「顧客が製品購入によって得られる価値を感じていれば、購入ボタンが小さくても自発的に探す」と説明する。

ただし、同時に「UX改善の効果や顧客とのつながりは、数値による客観的な評価が必要だ。UXの改善は感覚だけで判断してはいけない」と釘を刺す。たとえば、社名やブランド名での流入件数を見れば、純粋想起率がわかる。前回CVや利用からの日数分布からは、顧客とのつながりの量と頻度が確認できる。

顧客とのつながりは数値で評価できる

こうしたデータを確認しながらサイトの改善を重ねていけば、顧客との関係性は良好になる。最後に小川氏は、「顧客とのつながりは数値で評価可能だ。ただし、その際の数値目標は自社の業態にあった評価指数(ビジネスゴール)ではなく、別の評価軸で決めることが重要だ」と説き、講演を締めくくった。

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