ブランディングにYouTubeはどう使う? noteとの組み合わせ方法も紹介
企業のデジタルシフトが進むなか、動画を活用して自らの事業やブランディングに活かす企業が増えています。YouTube のような動画と、noteのような記事形式のサービスの組み合わせもブランディングには有効です。
そこで、YouTube コンテンツパートナーマネージャーの定元邦浩さんをお招きし、noteプロデューサーの徳力基彦さん、note株式会社 メディアチームの廣瀬藍里さんとともに、企業の YouTube 活用法や YouTube とnoteの組み合わせ方についてお話しいただきました。これから動画の活用に力を入れていこうと考えている方へのヒントになれば幸いです。
noteの許諾を得て、Web担で掲載しています。オリジナル記事はこちら
→https://note.com/notemag_business/n/n8f8498fb9f66
動画をつくる前にまずやるべきこと
徳力 企業が YouTube を活用する際、動画をつくる前にまず考えなければいけないことは何ですか?
定元 YouTube を利用する目的や理由を明確にすることだと思います。ブランドを認知してもらう、新商品を宣伝する、ファンと交流する、あるいは YouTube で収益を得るということも目的になり得ますよね。自分たちのチャンネルはどこを目標にするのかということをきちんと設定する必要があると思います。やはり視聴者は、テーマやコンセプトがしっかりしているチャンネルに安心感を覚えて集まってきますから。
徳力 どのような視聴者を想定しているのか、動画を見た視聴者に何を伝えたいのかもしっかり考える必要がありますよね。
定元 そうですね。また、いつ何を伝えるのかというタイミングも重要です。最初に目的やターゲットを明確にすることで、長期的に無理なく効果的なメッセージを届けることができるようになると思います。
タイムリーで正確、かつクリエイティブな動画をつくる
徳力 実際に動画をつくるときに気をつける点は?
定元 「タイムリーであること」「正確であること」「クリエイティブであること」の3つです。
情報やフォーマットの鮮度が高いうちに公開したほうがいいですが、それに振り回されてしまうこともあるので、次に何が起こるのか先を読むことが重要です。タイムリーであるための準備をするということを心がけてください。
また、当たり前のことと思われるかもしれませんが、コンテンツの内容が正確であることは大事です。視聴者からの信頼を損なわないよう、もし公開後に誤りを見つけた場合はきちんと説明して補足するという態度をとることが重要だと思います。
そして、YouTube ではクリエイティブであることもとても大切です。動画に独自の視点が入っていると視聴者は新鮮に感じますし、類似のコンテンツが出てきたとしても違いを打ち出すことができます。ほかのコンテンツとの差別化を図るためにも、しっかりと個性をつくっていくといいと思います。
YouTube で動画を見てもらうために
徳力 これから YouTube を活用しようと考えているひとにとっては、まず「動画を見てもらう」工夫が必要になります。YouTuberとして購読者を増やしてしまえば見てもらえるけれど、そこまでいかない間に挫折するケースのほうが多いと思うんです。動画を YouTube で見てもらうための最初のステップとして、どんな工夫をするといいのでしょうか?
定元 動画を見てもらうために工夫すべき点は、サムネイル、更新頻度、そしてターゲットユーザーの整理です。
多くのひとは最初にサムネイルを見て、それで動画を見るかどうか決めているので、サムネイルは非常に大事です。サムネイルがよくないと、たとえ中身がよくても実力を発揮できないということになってしまいます。
また、更新頻度も重要です。回数をこなすことが動画編集の上達の近道でもあるし、何が正解かすぐにはわからないので、更新回数は多いほうがいいです。PDCAを回すという意味でも、「まず1本やってみよう」ではなく、「まず1年間やってみよう」と考えたほうがいいと思います。
そして、だれに向けてどんな情報を出すのかということを整理しましょう。冒頭でもお伝えしましたが、YouTube を利用する目標、目的をしっかり定めることが必要です。
noteでの YouTube 活用事例
徳力 noteを使っていただいている企業のなかにも、YouTube を活用している企業が増えています。noteでは、URLを入力するだけで YouTube の動画を埋め込めます。
noteというとテキストのイメージが強いかもしれませんが、このように手軽に YouTube 動画を埋め込むことで、より多くの読者に記事が届くことがあります。YouTube を効果的に活用している企業の事例を3つ、廣瀬さんからご紹介いただきます。
廣瀬 1つめの事例はU-NEXTさんです。YouTube のリンクをnoteに掲載するというオーソドックスな使い方ですが、動画の見せ方が効果的です。たとえば「サウンドロゴを変えた」という内容の記事『視聴前の“最高の6秒”を創る。「U-NEXTオリジナル」ロゴアニメーションができるまで』では、動画を埋め込むことで、「サウンドロゴ」という言葉だけでは伝わりにくい情報を伝えることに成功しています。テキストよりも音のほうが伝わる場合もあるという好事例だと思います。
廣瀬 2つめはアンダーアーマーさんの事例です。『本当に買ってよかった アンダーアーマー商品』という記事の冒頭に YouTube 動画を埋め込み、その動画の内容のサマリーを文章にしています。こうすることで、動画を見る時間はないけど要点だけ知りたいという読者の方に届きやすくなります。上手な組み合わせ方だと思います。
徳力 記事を読んでから「おもしろそうだな」と思って動画を見るという方もいらっしゃいますよね。イベントやセミナーなど長尺の動画を上げる場合は、このパターンが活かされそうです。
廣瀬 はい。長い動画であればあるほど、こういった形でサマライズして記事にするのは有効だと思います。
3つめの事例はminneさんです。minneさんは、ユーザーの方からの質問に対して中のひとが答えるというスタイルの「質問大会」という YouTube ライブを定期的に開催しています。事前に寄せられた質問以外にも、配信中に YouTube コメント欄で寄せられた質問にも答えています。こうしたラジオのような雰囲気の動画を、noteとうまく組み合わせています。
たとえば『第9回 質問大会』という記事では、1時間半の YouTube ライブの動画を埋め込みつつ、そのタイムラインを文章にしています。何時何分にこの質問に答えたということをタイムラインで表示し、さらに時間の部分に貼られたリンクをクリックすると動画のその時間に飛ぶというところまでしっかりとつくっています。
定元 時間の部分にリンクをつけているのは秀逸ですね。これがいわば動画編集の代わりになっていると思います。こうすることで長い動画でも編集する手間が省けるし、読者にとってもわかりやすいですね。
記事に埋め込まれている動画を見ると、コメント欄にびっしりいろいろな意見が寄せられていて、すごくいいコミュニティができていると思います。こうして生配信でファンとチャットで意見交換しながら記事の解説ができるのは理想的です。
徳力 そうですね。noteでもイベントを生配信しながら YouTube で寄せられた質問をピックアップして回答するという試みをしています。今日のお話をうかがって、まだまだ勉強すべきことがあるなと感じました。今日ご視聴いただいた企業のみなさんにも、ぜひ上手に YouTube を使っていただければと思います。定元さん、本日はありがとうございました。
text by 渡邊敏恵
本記事は、noteの転載記事です。オリジナル記事はこちら
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