LINE広告を戦略的に活用するには? 運用のコツを聞いてみた

LINE広告の運用ノウハウって? KPIはどう設定すればいいの?――Web担編集長・四谷が、広告代理店のサイバーエージェントさんに聞いてきました!
[Sponsored]

とある日の四谷――

四谷

LINEさんやワンスターさんへの突撃インタビューで、かなりLINE広告についてわかってきたわ。次はどんなふうに活用すればいいのか、具体的な戦略の立て方について知りたいな~。

というわけで!! 今日は広告のプロ、いろいろな企業のデジタル広告を横断的に運用しているサイバーエージェントさんにやってきましたー!

今回はちゃんと事前にアポを取ってきたから! もう暴走してるなんて言わせない!
四谷

わ~、久しぶりの渋谷!
そして、ステキなオフィス~!
駅直結で便利だし、眺めもキレイ~!(ウキウキ)
あっ、もしかしてこれがアベマくん?
可愛い~! クマだか犬だかわかんなーい!

菊原

あのー……。
何してるんですか?

四谷

えっ?

受付のアベマくんと自撮りをしようとしていた四谷。
四谷

はっ、すみません。すっかりテンションあがっちゃいました(てへぺろ)。
どうも、Web担の四谷です!

菊原

(ちょっと引き気味)……ええと、LINEさんから連絡をいただいていました。LINE広告の運用についてのお話をご希望とか……?

四谷

そうです!
Web担の読者に成り代わって、たくさん聞いちゃいますよー!

今回対応してくださった方

株式会社サイバーエージェント LINEダイレクトマーケティング戦略局/LAP局 局長 菊原祐樹氏

LINE広告の戦略的な運用法は? 秘策を教えて!

四谷

サイバーエージェントさんでは、LINE広告をどのくらいの企業さまと運用されているんですか?

菊原

これまで、約1,000アカウントほどの運用を担当し、あらゆる業界・業種のお客さまのお手伝いをさせていただいています。

四谷

1,000? すごいですね!
いろいろな企業に通用するノウハウや戦略を聞けそう! 菊原さんはずっとLINE広告に関わっていらっしゃるんですか?

菊原

LINE広告が提供開始された2016年に運用部門を立ち上げ、当時から携わっています。また、LINE広告だけでなくLINE公式アカウントも含めた活用の提案をしています。

Question ① LINE広告、以前と比べて使いやすくなった?

四谷

いきなりですが、最近のLINE広告の使い勝手はどうですか?

菊原

プラットフォームが整備され、とても使いやすくなりました。圧倒的なユーザー数を背景に、いまやデジタルマーケティングの施策を行う上で欠かせない媒体です。

四谷 菊原さんはLINE広告がリリースされた時からご担当されているとのことですが、昔は「LINE広告は使いにくい」なんて言われていたと聞きました。今は実際のところどうですか?

菊原 以前に比べて、かなり使いやすくなったと思います。リリース当初は入稿や入札調整などもすべて管理画面上にて一つひとつ手動で行う必要がありましたが、2018年にプラットフォームがアップデートされ、入稿、設定環境の整備や配信の自動最適化などが進んできました。その後も配信の仕組みやアルゴリズムなどがどんどんアップデートされ、企業の方にとっても使いやすくなっています。

ただ、自動化が進んできたからと言って、自動化に任せっきりにするのではなく、プラットフォームのポテンシャルを最大限発揮できるよう、その変化に伴って運用方法や仕組みのアップデートをしていくことが非常に重要です。サイバーエージェントとしては、日々そこに向き合っています。

また、以前のLINE広告の配信面はタイムラインやLINE NEWSに限られていましたが、アプリ内のトークリストやウォレットをはじめ、LINEマンガ、LINE BLOG、LINEショッピングなどのファミリーサービスへの配信できるようになるなど、拡充してきたのも大きいかなと思います。

四谷 LINE広告の一番の強みはどんなところですか?

菊原 強みは国内の月間アクティブユーザー数が8,800万人(2021年3月末時点)というリーチ力でしょうか。プラットフォームが整備されてきている中、デジタルマーケティングを行うにあたって欠かせない媒体となっていると思います。

四谷 ちなみにLINE広告の弱点はあったりします?(こそっ)

菊原 うーん、そうですね。先ほど配信先が拡大してきたというお話をしましたが、アプローチ出来る面が広がったという反面、配信先の精査や重みづけがしにくいという課題はあるかもしれません。

配信先のコンテンツによってユーザーの接触態度が異なるので、訴求する商材によって合う、合わないが出るケースがあります。自動最適化配信機能や広告フォーマットである程度重みづけができるというのもありますが、実績の可視化とそれによるチューニングが、よりコントローラブルにできると良いのかなと感じています。

Question ② 向かない業種や商材はある?

四谷

LINE広告に向かない業種や商材はありますか? 高価格商材やBtoB向けの商材は苦手と聞いたんですが……。

菊原

得意、不得意はやり方次第なのかなと思います。8,800万人ものユーザーがいれば、その中にマッチするユーザーが見つかるかもしれません。適切なKPI設定やプラットフォームの特性を活かせる配信設計を行うことで、自社に合う運用方法を見つけていくことが重要になります。

菊原 もちろん、出稿の目的を「広告を見た人がすぐに商品を購入する」など限定してしまうと、おっしゃるとおり苦手な商材はあるかもしれません。比較的短い時間軸でユーザーのアクション率が高まりやすい業種や商材となると、美容系商材やEC、金融商品など、オンライン上で購買や申し込みが完結する商材が多い印象です。

ただ、LINEの月間アクティブユーザー数は8,800万人もいるので、適切なKPI設定と目的から逆算したロードマップに沿って運用していくことで、活路を見出せるのではと思います。

四谷 具体的にはどのようなことを行えば良いですか?

菊原 例えばあくまで一例ではありますが、高価格商材やBtoB商材は、いわゆるCPAが高くなるケースが多く見られます。その場合、配信の最適化が効きにくくなったり、時間が想像以上にかかってしまったりと正しいプラットフォームのポテンシャルを見定めることが難しくなると考えています。

そういった場合は、最終コンバージョンとの相関性を見極めた上で、手前の地点に「マイクロコンバージョン」を設定することで、適切なPDCAを回していくという手法を活用したりもしています。

四谷 なるほどっ! マイクロコンバージョンを設定するんですね。

Question ③ 成功するマイクロコンバージョンの考え方は?

四谷

コンバージョンの手前の「マイクロコンバージョン」をKPIにするときは、何に気をつければいいですか?

菊原

先ほども少し触れましたが、こちらはなんとなく設定するのではなく、最終コンバージョンと相関関係にあるかをしっかり検証しましょう。

菊原 アクションに至るまでの道筋は業種・業態によって異なるので、一概にご説明は難しいのですが、まずはアクションに至るまでのゴールデンルートを考えることから始めることが良いかと思います。

その中で忘れてはならないのが、「最終コンバージョンが増えていないと、施策の意味がない」ということです。マイクロコンバージョンと最終コンバージョンの相関関係を理解しないまま、なんとなくLPや申し込みフォームへのアクセスをマイクロコンバージョン地点にしてしまうことがありますが、その先のコンバージョンにつながらなければ、どんなにマイクロコンバージョンを達成しても、最終的に企業の利益にはつながりません。

マイクロコンバージョンを設定する際は、最終的なコンバージョンと相関関係にあるかをしっかり検証し、成果指標として遷移率を把握することが大切です。

四谷 最終コンバージョン以前に、広くリーチしてもマイクロコンバージョンが思うように伸びない時はどうすればいいですか?

菊原 まずは広告の入札条件やクリエイティブの差し替え頻度等が適切に行われているかの確認、見直しを行ってみましょう。また、マイクロコンバージョンのハードルが高く設定されている可能性もありますね。それらを総合的に見て調整していくことが大切です。

Question ④ LINE広告の“勝ちパターン”を見つける鍵は?

四谷

多様なKPIがあるなかで、どのようにLINE広告の“勝ちパターン”を見出せばいいでしょうか。コツを教えてください!

菊原

勝ちパターンを見つける鍵はクリエイティブにあります!

菊原 勝ちパターンを見つけるには、やはり広告のクリエイティブが大切ですね。効果が良いクリエイティブを見定めるため、KPIや配信ボリュームに合わせてクリエイティブを適切につくり、そこから精査していくのがよいでしょう。

四谷 効果につながるクリエイティブを見つけるコツはありますか?

菊原 配信量に応じた適切な本数の入稿と併せて、勝ちクリエイティブを見つける確率をいかに上げていけるかということだと思います。

もちろん、過去の勝ちクリエイティブをブラッシュアップし続けるというのも一つの方法だと思うのですが、それではいつかはユーザーに飽きられてしまうなどで効果が低下してしまう可能性もあります。なので、既存の勝ちパターンが疲弊してきてしまったタイミングで、新しい勝ちクリエイティブが出てきている状態にするためにも、常に新しい切り口でのチャレンジも並行して行う必要が出てきます。

四谷 発想力が試されますね……。

菊原 そうですね。そこで当社では、2020年に事前に広告配信効果を予測する「極予測AI」を開発し、効率的に勝ちパターンを見つける仕組みを構築しました。

一般的な効果予測AIは、大量に制作された新規クリエイティブ同士で広告効果の予測値を競うものが多く見られます。しかし、極予測AIは現在配信しているクリエイティブの中で最も効果が出ているクリエイティブに対して、さらなるブラッシュアップを予測しながら作ることができますし、また新しいクリエイティブがどれだけ効果を出せるか予測値を算出して作ることもできます。

先行テストでは、極予測AIを活用したクリエイティブのコンバージョン率が、通常の制作プロセスの2.6倍高いという結果が出ました。

また、極予測AIを活用することで効果を予測しながらクリエイティブの制作をすることができるため、これまでよりも新しい切り口を見つけるチャレンジがしやすいというのも一つの特徴であると考えています。

四谷 継続的に効果を出し続けるためには、最適なクリエイティブを探し求めて挑戦していくのが大事ってことですね。

Question ⑤ 業種・商材別の運用のコツは?

四谷

それでも運用のコツを知りたい人は多いはず! 各業界別にアドバイスをもらえませんか?

菊原

一概に言うのは難しいところではありますが、スタートラインをちょっとだけお話しますね。

菊原 例えば美容系商材や健康食品の商材において注意するポイントは「ユーザーに誤解を与える表現を避ける」ことです。実際の効果・効能よりもオーバーに伝えないよう、表現に気をつけましょう。

LINE広告は審査基準がやや厳しい傾向があります。広告だけでなく、ランディングページに掲載された表現が不適切だと、なかなか審査が通りません。審査が通らなければ配信ができない期間が長くなり、機会損失に繋がってしまう可能性が大きくなります。

もちろん審査だけの問題ではなく、ユーザーに誤解を与えてしまうことで企業や商材のブランドイメージにも関わってくる問題かと思いますので、媒体審査とコンプライアンスの両軸で表現を確認しながら進めていく必要があります。当社では広告表現のコンプライアンスチェックを行う体制と仕組みを活かしてリスク面も最小限に抑えられるよう取り組んでいます。

四谷 なるほどなるほど、コンプライアンス的にひっかかってから見直すのではなく、事前の入念な準備が大切なのですね。他に、例えばアプリやゲーム業界などはどうですか?

菊原 アプリやゲームの市場は、LINE広告に限りませんが、単純にアプリのインストールだけをコンバージョンとするのではなく、インストール後にゲームをどれだけ継続してもらえるか、ユーザーの課金額などLTV(Life Time Value/顧客生涯価値)を意識して運用することが大切です。

運用としては、LTVの高いユーザーのデータを活用して類似配信を行うことが、現段階では主流な方法だと思います。ただ、業界の環境変化も激しいので、アプリの広告運用に関しては、プラットフォームごとに今後大きく変化していくと考えています。

四谷 最新の情報を追いかけることが大切ですね。

菊原 現在、当社では、「この業種はこのパターンがいい」という決めつけから脱却してクリエイティブを制作する流れを、先ほどご紹介した極予測AIを活用して推進しています。クリエイティブの源泉はやっぱり人のひらめきです。ただ、それを根拠なく行うのではなく、データに基づいて実行していくことで確率を上げていくことに取り組んでいます。

四谷 業界や業種を問わず、自分が訴求したい商材にフォーカスして、LINE広告の特性をどう活用するか、考え抜くことが大切ですね。

Question ⑥ LINE広告ならではの活用法は?

四谷

では、LINE広告ならではの活用法はありますか?

菊原

LINE公式アカウントとの連携は今後重要なポイントになるかと思います。クロスターゲティングによって運用の幅が更に広がってくると思います。

菊原 当社のお客さまでもLINE広告とLINE公式アカウントを併用しているケースが増えてきております。

四谷 LINE広告とLINE公式アカウントの連携って、どのようなことを行うんですか?

菊原 例えば、メッセージを開封したユーザー、クリックしたユーザーなど、LINE公式アカウントの運用で得られたデータをLINE広告の配信に活用できる「クロスターゲティング」があります。クロスターゲティングを活用することで、LINE公式アカウントにおいて特定のアクションをしたユーザーやそのユーザーに似た属性のユーザーに対して広告配信が可能になります。

LINE公式アカウントを活用するメリットは、「友だち」となったユーザーにメッセージを配信することで、継続的にコミュニケーションがとれることです。LINE公式アカウントを通じて新規のユーザーを獲得したり、さらにはユーザーをロイヤルカスタマー化したりしていくイメージでしょうか。そのため、LINE公式アカウントの運用においては友だちを増やすことが重要になるのですが、LINE広告の「友だち追加」を活用して、LINE公式アカウントの新たな友だちを獲得することも可能です。

実際に、当社が広告運用をさせていただいている広告主さまには、LINE公式アカウントの配信実績を活用してLINE広告の「友だち追加」を配信したことで、LINE公式アカウントのデータを活用しない配信と比較して、効率的に友だちを獲得できた実績も出てきております。

四谷 なるほど。LINE広告のKPIを、LINE公式アカウントの友だち追加数にする方法も考えられるんですね。

菊原 LINE公式アカウントと連携しなくても、広告主さまの保有する1st Partyデータを用いて「似ているユーザー」を抽出し、LINE広告で類似配信を行うという方法も効果的ですね。

四谷 それもすごい!

菊原 LINEはユーザー数が多い分、配信の母数が多いので、配信すればするほど、新規ユーザーにアプローチできる可能性が広がります。しかし、ただ配信数を増やすだけでなく、しっかり事業目的にあったリーチを獲得していくため、LINE公式アカウントとの連携や1st Partyデータを活用した類似配信などは、試してみたほうがいいですね。

Question ⑥ LINE広告におけるサイバーエージェントの強みは?

四谷

LINE広告の運用における、サイバーエージェントさんの強みを教えてください!

菊原

①アルゴリズム理解
②クリエイティブ
③実行体制
の広告効果を出すための必要な要素を常に進化させ、運用に活用できていることです。

菊原 プラットフォームのルールやアルゴリズムは刻一刻と変わっていくものです。広告の目的を一言で表すと、「ユーザーに適切な広告を正しく届け、効果につなげていくこと」に集約されると思います。そこで、サイバーエージェントでは、下記の3つを重視し、社内体制を強化してきました。

  1. 効果を最大化するためのアルゴリズム理解と仕組みの構築
  2. プラットフォームのポテンシャルを活かせるクリエイティブ力
  3. 高い品質の運用を継続的に実行し続けられる組織力

例えば、①なら、アルゴリズム分析から導き出した知見を組織に集約し、効果を出すためのアクションが属人化しないよう仕組み作りと運用ノウハウのブラッシュアップを常に行っています。②では、先ほどもご説明したクリエイティブの効果を事前に予測しながら制作を進めることができる「極予測AI」によって根拠に基づいたチャレンジを可能にしています。

そして、運用型広告は一度入稿したら終わりではありません。③では、オぺレーション業務を実行するサイバーエージェントの100%子会社である株式会社シーエー・アドバンスが拠点を沖縄・仙台・ベトナムに置き、効果を出すためのオペレーションを実現できる実行体制を構築しています。

また、当社ではLINE広告、LINE公式アカウント共に多くの運用のお手伝いをさせていただいていることもあり、クロスターゲティングに関しての運用実績は非常に多いと思っております。先日のLINE Biz Partner Award 2021(※)では最もクロスターゲティングの実績ある企業としてBest Cross Awardという賞もLINE社からいただきました。今後も多くの事例や効果につながる活用方法の幅を広げていきたいと思っています。

(※)LINEが提供する各種法人向けサービスの販売・開発を行う広告代理店やサービスデベロッパーを認定・表彰するパートナープログラム

これらの取り組みにより広告の効果を高め、結果として業界・業種に関わらず多くのお客さまにご利用いただいています。今後もLINE広告でのサービスレベルを高めつつ、マーケットに価値を提供し続けていきたいです。

四谷 サイバーエージェントさんに相談すれば、より高度化した広告配信が実現できそうですね!

◇◇◇
四谷

とても参考になりました!
KPIひとつ取っても、なんとなく決めるのではなく、しっかり考えていかなきゃですね。

菊原

はい、圧倒的なリーチ力のあるLINEというプラットフォームを企業さまのマーケティング活動により活かしていけるよう、当社としても常に進化し続けていきたいと思っています。

四谷

ありがとうございます! ではまた、さようなら~!

菊原さん、ありがとうございました!

その後――

四谷

さすが大手代理店って感じのお話だったわ~。LINE広告を使う目的は何か、KPIをどう設定するか、自社の商材についてはもちろんだけど、プラットフォームを理解した上でのアクションを適切にとることが大切なのね。

LINE公式アカウントとの連携も効果が大きそう。この間お話を聞いた保険市場さんでも効果的な活用をしていたし、LINE広告って面白い! これからもいろんな人にお話を聞きたいな~。

用語集
CPA / KPI / LTV / クリエイティブ / コンバージョン / コンバージョン率 / 広告代理店 / 顧客生涯価値
[Sponsored]
この記事が役に立ったらシェア!
メルマガの登録はこちら Web担当者に役立つ情報をサクッとゲット!

人気記事トップ10(過去7日間)

今日の用語

CX
「CX」(Customer Experience)は、「顧客の体験の心地よさ」に ...→用語集へ

インフォメーション

RSSフィード


Web担を応援して支えてくださっている企業さま [各サービス/製品の紹介はこちらから]