CMS選定・完全マニュアル
“人と会えない” コロナ時代に企業Webサイトに求められるもの ~CMS選定・完全マニュアル

ワンパッケージ&ノーカスタマイズ、これが“組織”で使えるクラウドCMS。コーポレートサイトはこれひとつでOK

便利にするためのカスタマイズが、組織による運営を却って複雑にしてしまう。部門横断で運営するコーポレートサイトは、どのようにハンドリングすればよいか専門家が伝授する
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コーポレートサイトの運営担当者からよく聞く悩みが「社内チェックがとにかく面倒くさい」ことだ。社長や広報、営業やマーケ、製品担当、上司や部下など、組織がまとわりついた運営体制の中で、更新のためにいくつも準備や指示出し、確認を繰り返し、気づけば時間だけがすぎてゆく。Web担当者であれば、ため息をつく気持ちが痛いほどわかるだろう。

運営が億劫になれば、更新にも消極的になる。サイトの更新間隔が長引き、気付けばニュースだけが更新されるサイトになっていく。こうなってはコーポレートサイトが「企業の顔」の役目を果たせるわけがない。

なぜコーポレートサイトの運営はこれほど煩雑なのか。また、克服に向けて何をどう見直せばよいのか。持続的なコーポレートサイトの運営のコツを、多くのコーポレートサイトの構築・運営にかかわってきた野村IRの尾澤氏と中村氏に、Web担当者Forum編集長の四谷が聞いた。

更新ルールの増加が作業負担の増加を招く

尾澤 仁氏
野村インベスター・リレーションズ ソリューション部 ShareWithエバンジェリスト&プロデューサー 尾澤 仁氏

四谷 志穂(以下、四谷) 多くの企業が当たり前に持つコーポレートサイト。承認ルートが大変だったり、サイトが使いづらかったりして、「更新が大変」という話を聞きます。

尾澤 仁氏(以下、尾澤) 大きな組織を持つ大企業ほどそういった悩みを抱えていると思います。

コーポレートサイトの役割は、自社の強みや戦略を“企業の顔”としてわかりやすく発信し、ステークホルダーとの良質な関係を継続的に築くこと。会社の幅広い情報を、正確かつ迅速に紹介するには、情報を持っている各部門が自ら更新していくのが一番です。

ただし、各部門がサイトに求めるものはそれぞれ異なり、載せたい情報もさまざまです。事業部門であれば商品紹介のためにデザイン性が重視されたり、細かいスペック情報を載せたりすることもあります。人事部門であれば募集要項ばかりではなく、社内の魅力も社員紹介などを通して発信したい。IR部門であれば、法廷開示資料の適切かつ正確な公開が重要になります。

さらに、公開前の情報の扱い方もそれぞれ違います。法定開示資料は社内にも漏洩しないような厳密な管理が必要ですし、プレスリリースなどであれば、経営層から現場責任者までの間で、バケツリレーのような修正のやりとりが何度も発生します。

これらは、組織で運営するサイト運営では避けて通れないものです。こうしたなかで、サイトの秩序を守るため、部門個別に独自の手順やルールを策定/追加していくことになります。導入しているCMSにも、複雑な要求に応えるためのカスタマイズを繰り返すことになり、どんどん複雑になる。

サイト全体を管理・統括するWebマスターは、おのずと更新に振り回される立場になり、「守り」のサイト運営になっていきます。

そのWebサイトの運用ルール、本当に必要?

中村 貴彦氏
野村インベスター・リレーションズ ソリューション部 ShareWithプロダクトマネージャー兼 DXイニシアチブリーダー 中村 貴彦氏

四谷 そんな事態に、どう対応すればいいのでしょう。

中村 貴彦氏(以下、中村) 考えてほしいのは、そもそも“そのルール本当に必要?”ということです。

各部門の担当者は、ミスを避けるため、慎重なルールで運用します。それは十分に理解できるのですが、個別最適で細かなルールが増えすぎれば確認の手間も増し、迅速な更新が難しくなります。その影響で、担当者の当事者意識が薄れ、更新のモチベーションが大きく低下していく。ルールに通じた担当者の異動で更新が滞るケースもよく目にします。サイトのクオリティを持続的に維持するためのルールがこうした状況を生んでしまっては本末転倒です。

四谷 ルールに縛られすぎているということでしょうか。

中村 ルールを順守する/しないというよりも、ルールそのものを無くせないか?という発想です。各社のWebマスターに話を聞いても、現場視点ではルールは「もっとシンプルにしたい」との声がほとんどです。

だからといって、従来型の運営体制をベースとしたルールの変更は、あちこちから注文が付きますし、ルール同士が絡み合って大した改善はできない。そのことを踏まえ、我々が発案したアプローチは、「運営体制まるごとクラウドに移行する」ということです。サイトリニューアルを機に過去のしがらみを断ち切る。それによってWebマスターと現場担当者の負担を減らせれば、持続的なサイト更新の道筋がつきます。

ただ、その推進のためには、既存のいずれのCMS製品も機能性や柔軟性が高すぎることに我々は気づきました。汎用性は高いのですが、専門家によるカスタマイズが前提になる。柔軟性が高いということは、ルールが増えてしまうということでもあり、元の木阿弥になってしまいます。この課題を何とかするために開発し、提供しているのが、コーポレートサイト特化型クラウドサービスの「ShareWith®(シェアウィズ)」です。

CMSを「カスタマイズしないで使う」という発想

尾澤 ShareWith®は、コーポレートサイトの運用という用途に絞ったサービスです。

違いとしてまず挙げられるのが、システムのカスタマイズや改修を前提としていないこと。ここが、従来のCMSと似て非なる点といえます。

一般的に、CMSの導入検討時は、まず社内のWebマスターが各部門にヒアリングを行い、各部門の要望に優先順位を付けて「機能要件」にまとめて外部に発注しますが、その取りまとめだけでも大変です。「納品」されたあとも、要件を満たしているか、正常に動作するか、入念なチェックが必要で気が抜けません。

ShareWith®には、コーポレートサイトで必要とされる「ニュースのカテゴライズ・絞り込み」や、「グラフ作成機能」、「東証システム(TDnet)との自動連携機能」などが標準で備わっています。動作チェックが済んだ「完成品」で提供するということです。納車された車で、その日のうちにドライブに行くようなイメージですね。

尾澤 もう一つポイントとなるのが管理画面です。「直感操作」、「HTML知識不要」と謳うCMSは多いですが、ShareWith®は、運営メンバーが不安になるような無駄なボタンを徹底的に排除し、どなたでも安心して使えるようにしました。

四谷 しかし、これまでのやり方を見直すには、現場では抵抗がありそうです。

中村 それは少しプロ寄りの意見かもしれません。コーポレートサイトの更新を担う担当者は、たいていが兼任で、とにかく忙しい。シンプルであるほど歓迎されます。運用開始時には操作研修を実施しますが、操作法は1.5時間もあればマスターできます。無料サポートもパッケージしていますので、操作に迷った時はもちろん、「どうしたら良く見せられるのか」といった問い合わせもフォローします。

尾澤 共通のプラットフォームで、すべてのページが誰でも作成/編集でき、公開まで社内で完結できること。今までできなかった更新が自分でできると実感できれば、運営メンバーのモチベーションも自然に高まります。仮に異動があっても、引き継ぎの負担は最小限。そこも、年に1回の無料操作研修でフォローします。

運営の強い味方となるサポートも充実

「制約を残す」代わりに「ルールを減らす」

尾澤 誰でも運営に参加ができる、といいましたが、一方でそれは、Webマスターの心配の種にもなり得ます。サイト更新を組織で分業しながら、どうやってサイトの秩序を守るのか? “編集が自由すぎる”と、またもや一定の品質を守るためのルールとチェックが必要になってしまいます。つまり、誰もが行う操作においては、ある程度の制約が必要だということです。私たちはこれを「正しい制約」と呼んでいます。誰が更新に参加しても、自然と一定の品質でページが作れる仕組みがあれば、Webマスターも安心して運営が任せられます。

ページ作成は、様々なパーツを組み合わせて直感的に行える

尾澤 このように、ShareWith®は、多機能化とは真逆のアプローチで開発されたサービスです。コーポレートサイトで不要な機能はあえて外していますから、用途が違えば制約が多くなりフィットしないこともある。これは仕方のないことだと思っています。大事なことは、制約と引き換えにしてもルールを減らすこと。揺るがない共通プラットフォームであり続けるための、私たちのこだわりです。

完成品だからできる、「超速」の構築手法

中村 新しい運営の出発点となるコーポレートサイトのサイトリニューアルでは、お客様の構築時の負担軽減と、運営のしやすさを考え、独自の構築フローで進めます。ユニークな点が2点あり、1点目はCMS導入というと、CMSの仕様書をまとめないといけませんが、まずそのプロセスが一切不要であること。

2点目は最初の計画段階で、単純移行コンテンツと新規デザイン制作が伴うコンテンツを分けて、同時並行に構築を進められる点です。通常の制作工程だと、デザインの確定が遅れると、後のコーディング等の工程スケジュールが遅れる、ということがよくあります。ShareWith®は既に完成されたシステムですから、環境ができたらすぐに入力作業が始められます。デザインを後追いで適用するわけですね。これらにより、プロジェクト期間をおよそ2分の1まで短縮できます。200~300ページ程度の一般的な規模であれば、フルリニューアルでも3か月もあれば完了できます。

このShareWith®独自の構築フローは、我々構築する側にもメリットがあり、ミスや余計なタスクが減り、お客様の持続的な運営体制の支援により多くのリソースを割けるようになります。コンサルティングやデザインに強味はあるけれども、構築フェーズで、毎度苦労されているWeb制作会社さんとも親和性は高いと思います。

尾澤 リニューアルの構築中でもお客様が編集に参加できる点もShareWith®ならではですね。単純移行の中にも、ちょっとした文字修正が含まれるものがあったりしますが、そういった細かいニュアンスは、指示書にまとめていただくよりも、お客様に直接修正していただいたほうが早くて正確。このため、操作研修は構築中に実施させていただいています。

このように、細かい修正は後、というふうに割り切れるので、移行作業もコンテンツの中身に足をとられることなく、集中して進めることができます。

「コロナ後」こそ、クラウドCMS

四谷 これまでの導入実績を教えてください。

尾澤 2015年のサービス開始以来、保険持ち株会社の「MS&ADインシュアランスグループホールディングス」や「オートバックスセブン」、「日本製鋼所」、「マネックスグループ」など、時価総額が50億円から2兆円までの上場企業を中心に幅広く採用いただいています。

導入企業様からは、運用が格段に楽になったとのお声を、数多くいただいています。2019年にお客様に対して実施したWebサイト運営の生産性に関する調査でも、サイト運営責任者の87%が、ShareWith®の導入で「生産性が向上」したとのお答えをいただきました。従来のCMSでは、なかなか得られない手応えだと思います。

ShareWith®導入で、サイト運営責任者の87%が「生産性が向上」と回答

四谷 今後のShareWith®の機能拡張計画は?

尾澤 前述のとおり、機能追加はルールの増加を招くものです。組織で使う「ひとつのプラットフォーム」として本当に必要なものか慎重に議論しながら、既存機能を研ぎ澄ませていきます。

今回の新型コロナに関連した社会の動きを見ていると、あらゆる企業でリモートワークでの円滑なコミュニケーションや、迅速な意思決定のため仕組みづくりが進んでいます。その流れの中、Webサイトの運用ルールをシンプルにしていくことは必然でしょう。ぜひ、サイト運営見直しの際はクラウドサービスという選択肢がある、ということを知っておいていただきたいですね。

ShareWith®は、まさにこれらの流れに合致したサービスです。ぜひShareWith®をその目でご覧いただき、ご検討をいただけたらと思います。

四谷 本日はどうもありがとうございました。

◇◇◇

ShareWith®」は、コーポレートサイトに必要なCMS・サーバー&セキュリティ・サポートをワンパッケージで提供し、持続的なサイト運営を実現する、定額制のクラウドサービス「コーポレートサイト・クラウド」。広報・IR・採用・ESG・製品サービスなど、部門横断で運営されるコーポレートサイトにフィットするよう開発されているため、従来CMSでは常識だったカスタマイズが不要。学習コストをかけず、誰でもすぐに運営に参加できる「ひとつのプラットフォーム」を提供する。

サイトリニューアル、サーバーリプレース、CMS移行、セキュリティ強化、新規サイト立ち上げまで、ShareWith®ひとつで対応できる。

料金は上場企業向けのスタンダードプランで、初期費用が150万円(税抜、以下同様)から、月額利用料が10万円からとなっている。

  • コーポレートサイトのリニューアルを考えている
  • コーポレートサイトの運営方法を抜本的に改革して生産性を上げたい
  • コーポレートサイトを継続的に更新したいが人手が足りない
  • 余分な機能ばかり多いCMSではなく、コーポレートサイトに特化したシステムで運営したい

こんな方は、「ShareWith®」を検討してみてはいかがだろうか。

※ インタビューは、感染症の拡大防止を鑑み、リモートで行われた。写真は別日に撮影。
ShareWith®

ShareWith®は、コーポレートサイトに必要なCMS・サーバー&セキュリティ・サポートをワンパッケージで提供し、持続的なサイト運営を実現する、定額制のクラウドサービス「コーポレートサイト・クラウド」です。

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