【レポート】デジタルマーケターズサミット2019 Summer

Amazon広告とGoogle広告の3つの違いは? Amazon広告を戦略的に活用する理由

ネット広告はFacebook、Googleの2強からAmazonを加えた3強になりつつある。Amazon広告を攻めるべき理由を、Google広告と比較しながら解説する。

デジタルの運用型広告といえば「Google広告」と連想する人が多いだろう。しかし、買いたいというニーズに対して、Amazon広告も有効だと指摘するのは、「デジタルマーケターズサミット 2019 Summer」に登壇した5(ファイブ)の鳴海氏とアユダンテ の寳(たから)氏だ。

両氏は『Amazon広告“打ち手”大全』の著者でもあり、セッションでは、今Amazon広告に取り組むべき理由とその戦略的な活用方法について解説した。

(左)5(ファイブ)取締役・CLO 鳴海拓也氏、(右)アユダンテ チーフSEMコンサルタント 寳 洋平氏

検索ニーズ調査ではGoogleだけでなくAmazonも見るべき時代

寳氏がとあるセミナーに登壇した際、参加者に「何かを買う時、オンラインの何で探しますか」とアンケートした結果、8割の人が「Amazon」と答えたという。セミナー参加者に聞いたサンプル数の少ないアンケートのため、これが全国的なものと考えるべきではないが、少なくとも「探す = Google一択」というユーザー行動からは変化してきている可能性が高い。

実際に、「GoogleとAmazon」で検索結果にどんな違いがあるか、「Keyword Tool」というサービスで調べてみた。これは、キーワードを入れるとサジェストワードと検索数を出してくれる、便利なツールだ。その結果が、以下の図である。

GoogleとAmazonの検索動向の違い

この図は「猫 おもちゃ」というキーワードを入れた結果である。

  • Google: 「買いたい」というニーズのサジェストワードと、猫のおもちゃについて「知りたい」というワードが混在
  • Amazon: 「買いたい」というニーズのキーワードだけ

AmazonはECサイトなので、当然といえば当然である。

検索結果も同様で、Googleの場合、トップには購入できるサイトへ遷移させる広告(このケースではAmazonだった)が来るが、まとめ記事のようなコンテンツも出てくる。

Googleでの検索結果

一方で、Amazonであればスポンサーブランド広告、スポンサープロダクト広告(オーガニックの商品と見分けがつかないような広告)、オーガニックの結果という順番で、購入できる猫のおもちゃの選択肢がいろいろと用意されている。

Amazonでの検索結果

このことは、「何かを欲しいという検索ニーズを捉えたければ、GoogleだけでなくAmazonをチェックしなければならない」ことを示していると寳氏は言う。

また鳴海氏は米国の結果ではあるが、2018年から2019年でデジタル広告費のシェア予測を用いていくつか紹介した。以下の図は、デジタルマーケティングで権威のある「eMarketer(イーマーケター)」というサイトのレポートだ。

米国のデジタル広告費のシェア予測

この図からは、以下のようなことがわかると鳴海氏は言う。

  • Google以外に選択肢がなかった時にはみんながGoogle広告に出稿していたが、Facebookが出てきて少しシフトし始めた
  • 最近は、検索ニーズとして「知りたい」も網羅するGoogleより「買いたい」に特化したAmazon広告の方が効果が高いと気付き始めた企業が、Googleに使っていた広告費をAmazonに使うようになってきた

これは米国のデータだが、「日本でも、米国で起きていることが数年後に入ってくるという流れがある。おそらく、2020~21年頃には同様の流れが起きるのではないか」と鳴海氏は言う。

Google広告とAmazon広告には、3つの大きな違い

違いその① GoogleとAmazonではプラットフォームの思想が異なる

Google広告とAmazon広告には、大きな違いがある。その理由は、それぞれが持つプラットフォームの思想の違いだ。

Googleの目的は「インターネット上の情報を整理し、ユーザーに最適な答えを返すこと」である。ユーザーの検索意図に合った、質の良いコンテンツを上位表示する。

一方でAmazonはECサイトであり、「物を購入してもらう」ことが目的だ。「売れている商品は良い商品に違いない」と理解し、検索結果に上位表示する。検索上位に表示されると、人が集まって、さらに商品が売れる。「広告をうまく使ってこのサイクルに乗せることが重要になってくる」と鳴海氏は言う。

Amazonでは、売れる商品がさらに売れる仕組み

違いその② Amazonでは広告費を使わずとも再訪を促せる

Amazonにはリテンション機能があるのも、違いとしては大きい。一度商品詳細ページにユーザーが訪れると、Amazon内で「最近チェックした商品」「チェックした商品の関連商品」といった形で、再訪を促す仕組みがある。一方Googleでは、リターゲティング広告を出稿することで再訪を促すことができる。

Amazonの場合は、2回目以降の再訪はリテンション機能を使えば広告費はゼロだが、Googleの場合、広告費がかかる。以下の図は、自社ECサイトにGoogleなどの広告で集客する場合と、Amazonで販売し、Amazon広告で最初の集客をした場合の、広告費を比較したイメージだ。

リテンション機能を使えば2回目以降のリーチが0円

違いその③ Amazonではセールを活用できる

違い①で示したように、そもそもプラットフォームの思想が異なる。つまり、Amazonに来るユーザーは、購入目的で訪れていることが多い。言い換えると、「購入意向の高いユーザー」が訪れている。また、Amazonは買い物がしやすいUXを徹底的に研究しているため、CVRが高い。

さらに、Googleとは異なり、Amazonには「プライムデー(サイバーマンデー)」といったセールが開催される。そのタイミングを待っているユーザーもいるほどで、セール以外の10倍以上をプライムデーで売り上げるという。「大きな売り上げを作りたい場合は、Amazon広告をうまく使って誘導すると効果がある」と寳氏は言う。

他社商品の併売データを活用した商品開発が可能

Amazonなどのモールでは、自社ECでは見えない他社製品のデータも見える。自社製品と何が併売されているか見ることで、商品開発に役立つ情報が得られる可能性もある。

「たとえば、自社の商品と一緒に他社の関連商品が買われているとする。データを見ることで、『自社にはそういった商品がないので開発した方がいいのでは?』などの気づきが得られる」と鳴海氏は言う。また、レビューが多いのもAmazonの特徴で、そこにも商品開発に生かすヒントが見つかる。

また、寳氏はAmazonのプライベートブランドのことを取り上げ、「Amazon自身プライベートブランドの商品を出す際、閲覧や購買データを分析していると考えられる。彼らがやっているなか、Amazonで商品を販売しているメーカー・ブランドがやらない理由はない。もしこのゲームに参加するなら、データを活かして商品を改善するところまで踏み込んでこそ、Amazonを活用してビジネスを成長させていける」と言う。

新興ブランドもAmazonに登録しているが、彼らはかなり速いスピードで商品を改善している。そのような新興ブランドに対抗するにはスピードが重要だ。成熟した大企業では、商品開発や広報/宣伝、販売促進などの役割を担う部署が分かれ、お互いの会話も少ないことも多いが、各部署を横断したチームを作り、SlackやChatwarkなども活用した距離の近いコミュニケーションを取りながらプロジェクトを進めることが大事だと寳氏は強調する。

商品の品ぞろえを豊富にするには

Amazon広告には、

  • 「欲しい」検索ニーズを捉えやすい
  • 独自の売れる仕組みがある
  • 他社商品も含めた併売データが見られるなど、

他の運用型広告にはない特徴やメリットがある。また、Google広告に比べると成熟度が低いのでトライアル&エラーが必要だが、大きく成功する可能性、先行者利益を得られる可能性もある。これをうまく活用することで自社を成長させられると、来場者にメッセージを述べ講演を終えた。

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