この記事は、マルケトが2018年に発行予定の書籍『ENGAGE TO WIN』のダイジェスト版をWeb担で編集を加えて特別にオンラインで公開しているものです。

『ENGAGE TO WIN』エンゲージメント・エコノミー時代を勝ち抜くには by Marketo(全8回)

勝手に企業の宣伝までしてくれる「熱狂的なファン」ってどうすれば生み出せる?

どうすれば企業は顧客とエンゲージメントできるのか。3ステップでつながりの持ち方を解説します(第4回)。

エンゲージする唯一の方法
「耳を傾け、学び、つながる」を実践しなければ、単なる自己満足の企業に終わる

「エンゲージ」とは、本来「引き付ける」、「所有する」、「人の注意を引く」という意味の言葉です。顧客と適切なタイミングで適切なつながり(エンゲージメント)が持てなければ、エンゲージメント・エコノミー時代は生き残れません。

どうすれば「エンゲージ」できるか?

どうすれば顧客とエンゲージできるか、3つのステップで解説していきます。

ステップ1: 顧客や見込み客の声に「耳を傾ける」

まずステップ1は、顧客や見込み客の声を「聴く」ことです。

企業や企業からは、「自社の製品やサービスがいかに素晴らしいか」といったことを語ってはいけません。品質やレスポンスタイムのことも言いません。ただ口を閉じて聴くのです。耳を傾けてください。

そのとき、顧客や見込み客が製品やサービスに何を期待しているかを聴くのではなく、その人自身に興味を持ち、知ろうとしてください。たとえば、次のようなことです。

  • その人にとって大切なものことは何か?
  • どんなことを気にしているのか?
  • どんなことが重要なのか?

このようなことを知ったうえで、どのようなつながり方を求めているのか、次のようなことを顧客や見込み客に尋ねましょう。

  • つながり方は、文章がいい? それとも動画? 電子メール?
  • いつがいいのか?
  • どんな内容や文脈で訴えてほしいか?
  • どんな方法はやめてほしいか?

相手の話をきちんと聴くというのは、簡単なことに思われますが、マーケターにとっては特に難しいことかもしれません。

ステップ2: 聴くことでインサイトが生まれ、インサイトから「学ぶ」

その後、自分が聴いたことを「学び」へとつなげます。これがステップ2です。

顧客や見込み客の声に耳を傾け、コミュニケーションを取ることで「何を望んでいるのか、何を嫌っているのか、どんな会社が好きで、どういう会社が嫌いだ」ということが理解できたのではないでしょうか。

聴くことからインサイトが生まれ、インサイトから学びが得られて、エンゲージメントを生み出すのです。

ステップ3: エンゲージメントが収益を生みすべてが「つながる」

最後のステップ3は「つながる」です。

ステップ1、2に従って行動すると、聴くことからインサイトが生まれ、インサイトから学びが得られ、エンゲージメントを生み出し、エンゲージメントによって収益がもたらされるのです。

これに関してはデータの裏付けがあります。マルケトが依頼して、世界全体の消費者とB2B顧客の両方について調べてもらいました。その結果、次のようなことが、明らかになったのです。

  • B2B顧客の3人に2人は、自分のことを大切に思っていることを示してくれる企業を支持したいと思っている。
  • 半数の消費者が、ベンダーや企業は、消費者がどれほどつながりを求めているかを意識したエンゲージメント活動を、もっとうまくできるはずだと考えている。
  • B2B顧客の4人に3人は、うまくつながりを築くために、ベンダーや企業にはもっと自分たちのニーズを理解する必要があると考えている。

3ステップをうまく進めれば、エンゲージメントの鍵が見えてくる

紹介したステップを進んでいくと、エンゲージメントの鍵が見えてきます。たとえば、次のようなことです。

  • A. 顧客個人の価値とビジネスの価値を一致させる。

  • B. その顧客を本当に求め、必要としているという感情を相手に示し、伝える。「顧客はかけがえのないものだ」と思っていることを示さなければなりません。

  • C. 顧客が求めている体験を作り出す。顧客が、購買プロセスのあらゆる部分で、好きな時に好きな方法で、あなたの会社と交流できるようにします。

    まず顧客の希望を汲んで、カスタマージャーニーのマップを作成します。そのとき決して企業主導のカスタマージャーニーマップを作ってはいけません。顧客が欲しい・必要だと感じたときに、企業としてどのように顧客とつながりを持てるかを考えるのです。

    顧客に対して企業の都合を押しつけてはいけません。これが購買プロセスのあらゆる部分におけるすべてなのです。

    このプロセスは、マーケティング担当者だけに限ったことではありません。法律・財務・製品管理など顧客と直接関わることのない部署・担当者でも、顧客にいやな思いをさせることがあったら、顧客を失う可能性があります。

    つまり、マーケティング担当者が主導すべきエンゲージメントはマーケティングに限られた話ではなく、企業全体として取り組むべきことなのです。

この3つすべてをうまく行えば、顧客はあなたの製品に対して特別な感情や情熱を抱くようになります。そして製品を買ってくれるだけではなく、他の人にも勧めてくれます。こうして、顧客はブランドアドボケーター(企業の熱心なファン)になるのです。

ブランドアドボケーターとは、マーケティングの「至福の境地」です。ブランドアドボケーターにわざわざ企業から、「宣伝してください」とお願いする必要はありません。企業と深く結びつき、企業への愛があふれる彼らは、自主的に宣伝をしてくれるからです。

最も強力な組織とは、ブランドアドボケーターを世界中に持ち、彼らの力を結集して、企業の浮き沈みを切り抜けられる関係を築けたところです。

これが真のエンゲージメントです。

次回は、熱狂的なファンが売り上げを生み出す7つの理由を解説します。

マルケトが2018年に発行予定の書籍『ENGAGE TO WIN』のダイジェスト版

マルケトについて

2006年に米国カリフォルニアで創業したマルケトは、あらゆる規模、業種の企業に向けて、デジタルからアナログまで、適切なタイミングで適切なメッセージをそれぞれに合ったチャネルを通して届けるマーケティングプラットフォームを提供します。業界唯一のマーケティング専業ベンダーとしてイノベーターであり続け、その柔軟性、信頼性、開放性によって世界中のCMOから信頼をいただいています。マルケトは世界中に拠点を構え、グローバルに展開する大企業から中小企業まで、業種・業態、BtoB・BtoCにかかわらず、さまざまな企業の成長をサポートしています。

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