この記事は、マルケトが2018年に発行予定の書籍『ENGAGE TO WIN』のダイジェスト版をWeb担で編集を加えて特別にオンラインで公開しているものです。

『ENGAGE TO WIN』エンゲージメント・エコノミー時代を勝ち抜くには by Marketo(全8回)

顧客とエンゲージメントが築けているか調べる4つの質問――御社はいくつ「はい」と答えられますか?

顧客とエンゲージメントを築けているかを確認する4つの質問を投げかけます。あなたの会社のマーケティングプランは何個はいと答えられますか(第3回)。

エンゲージしないリスク
テクノロジーの進化と同じ早さで、マーケティング戦略を実施する

テクノロジーの進化によって、企業と顧客の関係が一変した今の時代では、テクノロジーと同じスピードでマーケティングを考えていく必要があります。

あなたが行っているマーケティング戦略が次の4つに当てはまっていないか、よく考えてみてください。

  • その1: マーケティングで顧客に不快な思いをさせていませんか
  • その2: 顧客になるもっと前からエンゲージメントできていますか
  • その3: 顧客と感情的なつながりを築けていますか
  • その4: 顧客の変化にすばやく対応できていますか

さっそく1つずつ詳しくみていきしょう。

その1: マーケティングで顧客に不快な思いをさせていませんか

今までのマーケティング戦術を、このまま続けてよい理由などありません。たとえば、次のようなことをしていませんか。

  • 「お知らせはいらない」という顧客に対して1通でもお知らせを送る
  • 相手にしつこく(うるさく)連絡を取ろうとする

これらは、かえってマイナスの結果につながりかねません。相手に印象づけようと思っていたのに、悪い印象しか残らない、ということです。

このような体験をした人は、何も買ってくれないばかりか、いやな体験をしたことを友人や知り合いに話すことでしょう。そうなれば、あなたのビジネスは台無しです。

さらに、贈り物をするために通販で買い物をしただけで、週末もおかまいなく、毎日のように広告メールを送信してくる小売チェーンがあります。あなたもきっと、そんな店で何か買い物した経験があると思います。

この戦術にいらいらさせられた人は、この企業は「何もわかっていない!」と友人に話したり、ツイートしたりするでしょう。そしてその不幸な体験は数百、数千の人に伝わり、その企業が行ったマーケティングは、まったく逆の効果を生むことになります。

その2: 顧客になるもっと前からエンゲージメントできていますか

おそらく顧客は、あなたの企業に対する考え方をすでに固めています。あなたがどんなに営業に力を入れても効果が出ないのは、このためなのです。

企業が発信する情報をコントロールできた「古き良き時代」では、あなたの企業の製品・サービスに興味を持つ顧客や消費者は、企業から発信される言葉に耳を傾けてくれました。それ以外に頼れる情報がなかったからです。

しかし今では、ソーシャルメディアを利用して、誰もが自分の意見を、あらゆる場所のあらゆる人に、伝えられるようになりました。そのため見込み客でもそうした情報をもとに、企業がアプローチするよりも前に、企業に対する考えが固まってしまっている可能性があります。

これは、考え方を変えれば、営業チームが顧客にアプローチを開始する前に見込み客の時点でエンゲージメントを高める努力をしておけば、企業が伝えたいメッセージが受け取られやすくなるチャンスがあるということです。

その3: 顧客と感情面のつながりを築けていますか

感情を分かち合うことは、思考を分かち合うのと同じくらい重要です。そして、この両方がなければ、継続的な顧客を獲得することはできません。このことは、最新の心理学的研究と行動経済学からも証明されていて、誰もが直感的に理解できることでもあります。

人間は完全に理性のみで動いているわけではありません。長く続く関係を築くためには、左脳以外にも訴えかける必要があります。

製品やサービスを売り込むのに、特徴や機能のことばかり強調するような、「真心のこもっていない」情報を一日に何度も送っていませんか。

私の体験を基に具体的に紹介します。たとえば、Androidのスマートフォンは、機能レベルで言えば、iPhoneよりも優れていると言っていいでしょう。ハード面で勝っています。バッテリーの交換も可能で、優れたカメラも搭載しています。Androidのスマートフォンは、iPhoneより優秀だと私は思っています。

しかし、私はiPhoneを使っています。Appleは私の心を奪ったのです。Appleは、私の理性というハードルを乗り越えて、感情面で深いつながりを築きました。この感情面でのつながりというのが重要なのです。

企業は、顧客のちょっとした瞬間をより印象的なものする役割を果たすことがあります。有意義な体験とエンゲージメントを顧客に提供できれば、顧客にとってその企業の影響力はずっと続くでしょう。

自分が好きな企業とのつながりが、エンゲージメントなのです。感情面でのつながりは、顧客の心を奪う戦いで勝つための究極の武器になります。

その4: 顧客の変化にすばやく対応できていますか

勝ち残るため(生き残るためではなく)には、すばやく適応できなければなりません。実はマーケティングとは、関係を奪い合う戦いなのです。

「関係」と「無関係」の中間を意味する「用語」が存在しないのには理由があります。マーケティングの世界は、迅速で機敏であり、顧客とのエンゲージメントを可能にするシステムが構築できなければ、顧客の好みや行動の変化を理解することができません。

エンゲージメント・エコノミーで生き延びていけるのは、大手の企業ではなく、最も顧客に適応し顧客とのつながりを築いた企業なのです。

2000年の『フォーチュン 500』にランキングされた企業の半数近くが、今では消えてなくなっていることが何よりの証拠になるでしょう。かつては巨大だった企業でも、適切なやり方で顧客を理解し、顧客とのつながりを築くことができませんでした。

本当の意味で顧客とつながることで、顧客の希望やニーズが変化してもリアルタイムに把握し、適応し、生き残って、最後には勝ち残ることができるのです。

つながりができなければ幸運はつかめない

ここに挙げた4つのことが起こってほしいと思う人はいないでしょう。しかし、マーケティング競争のなかで「無関係」では、生き残れません。

しかも今の時代を生き残るだけではなく、永続的に生き残りたい、勝ち残りたいと誰もが願っているはずです。そして勝ち残るための唯一の方法とは、顧客とのつながりを持つことなのです。

次回は、その前進する唯一の方法についてお話しましょう。

マルケトが2018年に発行予定の書籍『ENGAGE TO WIN』のダイジェスト版

マルケトについて

2006年に米国カリフォルニアで創業したマルケトは、あらゆる規模、業種の企業に向けて、デジタルからアナログまで、適切なタイミングで適切なメッセージをそれぞれに合ったチャネルを通して届けるマーケティングプラットフォームを提供します。業界唯一のマーケティング専業ベンダーとしてイノベーターであり続け、その柔軟性、信頼性、開放性によって世界中のCMOから信頼をいただいています。マルケトは世界中に拠点を構え、グローバルに展開する大企業から中小企業まで、業種・業態、BtoB・BtoCにかかわらず、さまざまな企業の成長をサポートしています。

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