この記事は、マルケトが2018年に発行予定の書籍『ENGAGE TO WIN』のダイジェスト版をWeb担で編集を加えて特別にオンラインで公開しているものです。

『ENGAGE TO WIN』エンゲージメント・エコノミー時代を勝ち抜くには by Marketo(全8回)

失敗から見る成功者のマーケティング戦略。Netflix成功の裏で倒産に追い込まれた企業とは?

好調の「ネットフリックス」の戦略を衰退してしまった「ブロックバスター」と比較して成功者の戦術から学ぶ(第6回)。

エンゲージメント以外に、成功するための戦略はないのか?
――はい、ないでしょう。

Netflix(ネットフリックス)はご存じですか? オンラインDVDレンタル及び映像ストリーミング配信事業会社です。最近日本でも利用者が増えています。この企業の成功の裏で倒産に追い込まれた企業があります。

両者の勝敗の分かれ目は、エンゲージメントでした。Netflixがどんなエンゲージメントを築き、ユーザーに受け入れられたのか探ってみます。

成功者のエンゲージメントとは

エンゲージメント以外に、成功するための戦略はないのか?

その理由を示すために、第2回で取り上げたワンダーマンの調査の話に戻りましょう。

ベスト・カンパニーと他社を隔てるもの。それはエンゲージメントです。

消費者として買い物をする場合でも、ビジネスのために買い物をする場合でも、エンゲージメントは決定を下すうえで重要な要因となるというのが現実です。人は、一緒にビジネスを行う会社との間に関係性を求めます。それは、自分だけの、意義深い、正真正銘の関係なのです。

ワンダーマンの調査では、同じ規模の競合他社と比較されるのではなく、世の中にある最も優れた企業と比較されるという話をしました。ワンダーマンが特に取り上げた会社の一つ、オンラインDVDレンタル及び映像ストリーミング配信事業会社の「Netflix(ネットフリックス)」に注目して、その理由を検討しましょう。

ビデオ・DVDなどのレンタルチェーンである「Blockbuster(ブロックバスター)」は、1985年に創業し、2004年には6万人以上、9,000店舗以上を展開する企業でしたが、2000年代後半から経営が悪化し、2010年に倒産しました(Wikipediaより)。この衰退の理由に挙げられるのは、顧客とつながりを持つ能力をまったく持っていなかったということです。

店舗へ行く

まず、商品を手にするまでの方法を考えてみてください。ビデオ・DVDなどを借りるために店舗へ行きます。映画を借りるには、店舗へ行く以外の方法がないからです。

探して借りる

そして、あなたが店に着くと、自分で商品を探し始めます。希望の商品が見つけられなければ、店員が商品を探す手伝いはしますが、それ以上のことはしません。つまりあなたの好みに合いそうな作品をおすすめする能力を、Blockbusterは持っていなかったのです。ものすごく知識が豊富な店員がいる店もありましたが、たいていはそうではありませんでした。

レンタルの手続きは面倒でした。列に並んで順番を待たないといけません。レジまでの通路に並べてある、ポップコーンやチョコレートを買わせるためです。

返却する

映画のレンタル期限が来ると、店まで返しにいかなければなりません。返却が遅れたときの罰則は厳しく、レンタル料の何%かを請求されます。その上、借りた映画のビデオは元通り巻き戻すよう求められたのです。Blockbusterの顧客とのエンゲージメントはネガティブなものばかりです。この会社とのつながりは「最悪」の一言です。

一方で、Netflixはどうでしょう?

Blockbusterの方法とは正反対です。まず、Netflixは店まで行く必要はありません。インターネットがつながったデバイスがあれば指先一つで、見たい映画が見られます。選択肢はほぼ無限です。おすすめをしてくれることもあります(「この映画がお好きなら、こちらもおすすめします」という風に)。

そしていつでも好きな時に映画を返却できます。延滞料が発生しないだけではなく、往復の郵送料も負担してくれます(創業当時のサービス)。

Blockbusterがやってきたことは、「ビデオを選ぶ、レンタル手続き、返却」のすべてのプロセスにおいて、エンゲージメントポイントをネガティブなものにしてしまいました。そして、顧客が企業と関わるたびに、そのネガティブなエンゲージメントを増加させたのでした。

今でもこのようなことをしているデジタルマーケターは数多くいます。ネガティブなエンゲージメントを行い、それを悪化させ続けているのです。

Netflixはあらゆるエンゲージメントポイントを押さえ、ポジティブなエンゲージメントに変更

Netflixが行ったことを理解することは重要です。

そうすれば、あなたも同じことができるでしょう。Netflixはまずエンゲージメントを促進させる技術を活用しました。次に、Blockbusterのネガティブなエンゲージメントポイントを注目し、それを一つ一つポジティブなものに変えていきました

今やNetflixはこうしたアプローチを土台として、オリジナルのテレビ番組や映画の制作に事業を拡大しています。ポジティブなエンゲージメントは進化し、さらに強化され続けています。

この文章を書いている時点で、Netflixの時価総額は600億ドル以上、米国最大の放送局「CBS」の2倍以上です。

私がこの話に感心しているのは、結論がとても明白だからです。しかしBlockbusterは聴かず、学ばず、そしてつながろうとしませんでした。言い換えれば、現状のビジネスモデルから一歩も先に踏み出せなかったのです。

そして、失敗しました。

次回は、顧客とエンゲージメントを築くための9つのルールを解説します。

マルケトが2018年に発行予定の書籍『ENGAGE TO WIN』のダイジェスト版

マルケトについて

2006年に米国カリフォルニアで創業したマルケトは、あらゆる規模、業種の企業に向けて、デジタルからアナログまで、適切なタイミングで適切なメッセージをそれぞれに合ったチャネルを通して届けるマーケティングプラットフォームを提供します。業界唯一のマーケティング専業ベンダーとしてイノベーターであり続け、その柔軟性、信頼性、開放性によって世界中のCMOから信頼をいただいています。マルケトは世界中に拠点を構え、グローバルに展開する大企業から中小企業まで、業種・業態、BtoB・BtoCにかかわらず、さまざまな企業の成長をサポートしています。

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