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リピート客が増えるコンテンツマーケとは? ブランド価値を伝える5つのポイント

ブランドにはそれぞれ特徴があり、さまざまな形態や頻度、プラットフォームでメッセージを伝える必要がある

この記事は、姉妹サイトネットショップ担当者フォーラムで公開された記事をWeb担当者Forumに転載したものです。

ECサイトを利用する顧客にブランド価値を伝えるためにはどうすればいいのでしょうか? 顧客を理解し、どんなターゲット層にリーチしたいか考えることが重要です。そして、オンライン上に存在する消費者へ効果的にアプローチするコンテンツを作ることが求められます。

デザインと言えば、多くの人が“ビジュアル”を思い浮かべることでしょう。“ブランド”はビジュアル面だけではありません。人間と同じように、性格やストーリーを持っているのです。

そして、ブランドは外部との関係性の中で存在することを押さえておきましょう。人間関係と同様、その関係性の質は「どれだけ頼られているのか」「好感度の高さ」「信頼性の有無」にかかっています。物理的に手に入れることができるモノではなく、どれくらいの喜びを与えることができるのかによって消費者とブランドとの関係性は決まります

デジタルの世界では、ブランド独自のアイデンティティを伝える編集コンテンツによって、ブランドのメッセージを伝えることができます。そして、関わる全ての人にとって有益で、健全な長期にわたる消費者との関係性を築くことが可能になるのです。

顧客を理解すること

ブランドを保有する企業で働いていれば、お客さまは自社商品やサービスを買ってくれるだけの人ではないと気付いていることでしょう。お客さまは、ブランドの価値を伝える提唱者の役割も担っているのです。ソーシャルメディアでは提唱者のことを「フォロワー」と呼ぶことがありますが、お客さまは「フォロワー」以上の存在なのです。ブランドが存在できるのはお客さまのおかげなのです。

ラグジュアリー商品であれば、商品と同時に購入した消費者の感情の高ぶりも販売しているのです。ぜいたくな気持ちにさせてくれないような商品は、ラグジュアリーとは呼べません。

「ブランドは優れたストーリーを語らなければなりません」とよく言われるこの言葉には、長期にわたって「ブランドはどれだけ頼られているのか」「好感度は高いのか」「信頼性はあるのか」を示し続け、消費者が望むブランドになるという意味があるのです。

ブランドコミュニケーションの中で、編集アプローチと位置付けられるコンテンツマーケティングは、ブランド戦略の中でも最も重要な要素の1つです。

モバイルなどの電子機器を通じてオンラインと常につながっている現代において、人々はかつてないほど文字を読み、消費し、コンテンツをシェアします。このプロセスを理解し、誰が顧客なのかを見極め、どんな消費者にリーチしたいのかを考え、効果的にアプローチする編集コンテンツを作成するための計画が必要です。

ブランドイメージは消費者の中にある

自社が発信するメッセージはコントロールできますが、消費者がブランドに対してどういうイメージを抱くのか管理することは困難です。なぜなら、ブランドイメージは消費者の心の中にしか存在しないからです。

ブランド形成には多くの要素が関わっています。最終的に、消費者がブランドにどのようなイメージを抱くのかは、実際に商品やサービスを利用する時にかかっています。

わかりやすい例では、Wホテル(編注:米国を中心に展開するスターウッド・ホテル&リゾーツ・ワールドワイド系列のブティックホテル)への宿泊、NOWNESS(編注:LVMHが展開するデジタルマガジン)のビデオ閲覧、Lou&Grey(米国のアパレルブランド「LOFT」が展開するブランド)のセーターを着る時などにブランドイメージが形成されます。しかし、ブランドが伝えるコンテンツ、商品やサービスのプレゼンテーション、ブランドが語るストーリーによって、消費者が抱くイメージに影響を与えることは可能です。

ファッションブランドを見れば、セーターの販売だけではないということがよくわかるでしょう。ファッションブランドは、セーターに関するライフスタイルを販売しているのです。ラグジュアリー商品であれば、商品と同時に、消費者の感情の高ぶりも販売しているのです。気分が抑揚しない商品は、ラグジュラリーとは呼べません。ブランドのコンテンツは、その点に留意しなくてはいけないのです。

ストーリーを持つ

成功している編集コンテンツは、読者を惹きつけ、心を掴みます。そして、読者は商品購入だけにとどまらず、ブランドの良さを周囲に伝えたくなるのです。

クリックすれば各商品の詳細が閲覧でき、どこで購入できるかがわかるようなECの要素をコンテンツに入れてはいけない、ということではありません。常にユーザーを中心に考えなければならないということなのです。

その理由は、哲学的であるのと同時に、現実的なことなのです。品物を売り歩くだけのブランドは、やがて興味を持たれなくなり、最終的に失敗します。逆に、ファンを楽しませ、有益な情報を提供するブランドは、最終的には売り上げも伸びていくのです。

Lou & GreyのECサイト
このブランド(Lou & Grey)の特徴は、そのストーリー性です。ハンドメイドの高いクオリティと作り手にフォーカスし、スタイリングやレシピ、美しい写真を取り入れ、Lou&Greyのライフスタイルを表現するコンテンツを提供しています

読者がいる場所を見つける

デジタルの世界でどのようにメッセージを伝えるのかというコンテンツ戦略は、理想的にはデザインよりも先に決定されるべきです。出版業界と同様、ブランドもどのような内容で、どんなコンテンツを作り、誰にリーチするのかを考え、読者のニーズを把握し、それらをすべて反映した編集カレンダーを作る必要があります

また、読者がどこでコンテンツに接触しているのかを把握する必要があります。モバイルの台頭で、読者の行動はガラリと変わりました。多くのWebサイトがレスポンシブウェブデザインを採用し、掲載する企業情報、キャッチコピー、使用する画像は“モバイルファースト”で検討しています。同時に、大量のデータやコンテンツを消費するデスクトップユーザーに対する影響、TwitterやFacebookでシェアされた時にどのような影響があるのかも考慮しなければいけません。

親近感を持ってもらう

決まったスケジュールで、リアルなメッセージを発信することは、ブランドの信頼とロイヤリティを高める上で大変重要なことです。ソーシャルメディアはいつでもアクティブな状態のため、賢いブランド担当者は消費者が常に集まっている状況を把握し、メッセージを流すことができます。そして、そのブランドメッセージは、単純に投稿しているだけではありません。

編集コンテンツの提供頻度、リソースの余力、オリジナルで役に立つコンテンツの継続的な制作能力が必要だということは押さえておきましょう。頻度は1日1回でも1週間に1回でも構いません。しかし、重要なのは投稿する情報などの一貫性です。たとえば、Vogueの読者はいつ次号が発刊されるか知っていますし、どんなコンテンツが期待できるのかも理解しています。定期的に消費者とコミュニケーションを取れば、ファンを増やすことができる可能性が高いのです。

LVMHが展開するデジタルマガジン「Nowness」
LVMHが展開するデジタルマガジン「Nowness」では、多くのユーザーがビデオコンテンツに興味を持っていた。制作会社のSweden社は「Nowness」のサイトをリブランディングし、頻繁に動画を投稿するスタイルに変更。親近感を生み出しながらエンゲージメントの向上を推進しています

全てのブランドに当てはまる正解は存在しません。ただ、長い記事を掲載するブログを立ち上げる必要はありません。TumblrかPinterestを使ったアプローチが良いのか、それともブランド哲学をより的確に伝える動画の方が良いのか――人間と同じように、ブランドにもそれぞれ特徴があり、さまざまな形態や頻度、プラットフォームでメッセージを伝える必要があることを押さえておきましょう。

よく練られた編集デザインを通じて、ブランドの特徴を伝えることができれば、たった1度の購入で終わることのない、長期にわたる関係が顧客との間に築くことができるはずです。

オリジナル記事はこちら:リピート客が増えるコンテンツマーケとは? ブランド価値を伝える5つのポイント(2018/01/05)

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