効果を出すメール活用法を大公開! メールマーケティングで売上を伸ばす米国企業の施策
この記事は、姉妹サイトネットショップ担当者フォーラムで公開された記事をWeb担当者Forumに転載したものです。
メールはすでに時代遅れになりつつあるかも知れません。しかし、実際のところまだまだ販促として活用できる余地は大きいんです。
米国・ダラスで行われたイベント「The Shop.org Digital Summit」内のプレゼンテーションで、ある小売業の役員はこう語りました。
2017年、5社のうち4社がメールマーケティングに費やす時間、投じる資金を増やす計画を掲げています。
女性、子ども、ティーン向けのアパレルを販売するRainbow Shopsのデビッド・コスト氏(ECおよびデジタルマーケティング担当)によると、メールマーケティングに投資する判断は間違っていないそうです。
コスト氏は、マーケティング会社のCustora社が行った最新のデータを提示し、多くの小売業者では、約20%のトラフィックがメール経由で発生していることを説明。そのうえで、Rainbow Shopsが手がけるメールからのトラフィックは、その20%をさらに上回ると語っています。その理由は何なのか? 「Rainbow Shopsはわざと多くの指標を使って配信分けを実施しているからです」とコスト氏は話します。
コスト氏によると、Rainbow Shopsのメールからのトラフィックが多い理由の1つは、メール送信の高い頻度だそうです。約1100店舗の実店舗を運営していますが、ここ数年のメール送信頻度は従来の週3回から1日2回に増やしました。
ただ配信数を増やしただけではありません。Rainbow Shopsがメールを送っているのは、直近90日以内にメールを開封したアクティブな購読者のみ。
メールも開かない人たちにお金をかけてメールを送る必要はないでしょう。
コスト氏はこう語ります。加えて、朝に配信したメールを開かない購読者には、夜しかメールを送らないといった対策を加えています。
Rainbow Shopsはメール会員を増やすために、アドレス登録したユーザーには10%の割引を提供。割引は、以前はECのみ有効でしたが、現在は店舗でも使えるようにしています。
最近、店舗内でテキストメッセージを使ってメールアドレスを登録してもらう施策も開始し、アドレスの増加に寄与しているそうです。
その施策とは、実店舗内に“テキストでメールアドレスを送れば、本日の買い物から10%割引します”という案内を掲示。買い物客がメールアドレスをテキストメッセージで送ると、割引クーポンがメールで届きます。そのクーポンを、支払いの際にレジで使用できる仕組みです。
「入力ミスも防げますし、店頭スタッフの時間を割く必要もありません」。コスト氏はこう言います。現在、Rainbow Shops社の売り上げは25%がEC、75%が実店舗。コスト氏によるとECはより大きな成長が見込めるそうです。
Rainbow Shopsは、メールアドレスを集めるためにフェイスブックも利用しています。Rainbow Shopsのサイトに訪れた経験がある消費者をターゲットに、<メール登録で10%割引>といった広告を出稿。消費者はフェイスブック上でメールアドレスの登録ができるそうです。
メールキャンペーンを企画する際、時期を考慮することが大切だとコスト氏は小売業者たちにアドバイスしました。たとえば、月初や月末、15日、金曜日など、給与支払いのサイクルに合わせたメールは、他の日に送るメールよりもパフォーマンスが高いとのこと。「火曜日よりも金曜日配信のメールの方が常に結果が良い」とコスト氏は話しました。
カート離脱した消費者へのメールも、高い効果が上がっているようです。「カート離脱は、私たちにとって金のなる魔法の木みたいなものです」とコスト氏は言います。
カートへ商品を入れたままサイトを離れた消費者へのメールは、割引を提供しなくても効果が高く、それによって売上増加額は7桁以上(5%の増収効果)だったそうです。
ECユーザーの80%がモバイル端末経由のアクセス(70%がスマートフォン、10%がタブレット)となっているRainbow Shops。2016年7月にiOSとアンドロイド用のアプリをリリースしました。
Web経由とアプリ経由のどっちが、パフォーマンスが高いかどうかを検証していましたが、結果はアプリに大きく軍配があがったそうです。
コスト氏によると、iOSアプリ経由のコンバージョン率はWebよりも70-140%高く、アンドロイドアプリでも約50%高いそうです。
その結果を受けて、メールにディープリンク(スマートフォンアプリの特定のコンテンツヘ直接遷移するリンク)を施すようにしました。アプリをダウンロードしている消費者が、モバイル端末でメール内のリンクをクリックすると、アプリ内の該当ページに移動する仕組みになっています。
絶対に避けたいのは、アプリを持っている消費者をWebに誘導することです。ディープリンクを使えば、メール内でクリックしても、直接アプリに飛ばすことが可能になります。
コスト氏はこのようにメールを使った施策を明かしました。
オリジナル記事はこちら:効果を出すメール活用法を大公開! メールマーケティングで売上を伸ばす米国企業の施策(2016/10/06)
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