VR×ジャーナリズムって知ってる?360度見渡せる新しい報道のあり方
最近VRって流行ってますよね。実際に体験した!という人も多くなってきたんじゃないでしょうか。
VRといえばゲーム、と想起する方も多いとは思いますが、流行ってるのはもちろんゲームの分野だけではありません。現在、VR体験を通した報道がアツいんです。『VRジャーナリズム』と呼ばれていて、今後ジャーナリズムのあり方が変わるかも……なんて言われてたりも。
VRジャーナリズムとは? 既存のものとの違いは??
ニュース番組などで、現場の映像が流れることはこれまでもありましたよね。
歴史的に報道は文章→画像→映像という具合に、より視聴者に伝わりやすい形に進化してきました。そして現在、最新の報道の形として、VRがここに登場したわけです。
VRジャーナリズムとは、360度カメラを用いることによって、より現実に近い状態を映像を収め、報道をよりリアルに視聴者に届けることができるというVRを駆使した報道の形です。
実際に私も体験してみましたが、細かいところまでよく見えるんです。動画を見ながら自分の興味の赴くままにその世界に入っていけるような感覚になりました。
例えば、こちらThe New York Timesから2016年の米大統領選当時のドナルド・トランプ氏の集会のVR動画。
当時のアメリカ人支持者たちの空気感、熱気がリアルに伝わってきますよね!
こんな風に海外の政治を、より自分ごととして感覚的にとらえることができるのは革新的だと思います。
他にもメディア × VRという切り口のコンテンツはいろいろあるので紹介していきます。
世界の裏側へ!VRを通した未曾有の文化体験
Al Jazeeraというメディアが、イスラム教徒のメッカ巡礼の一連の流れを360度VR動画におさめています。現地のジャーナリストの解説とともに、その現場を体感できます。
イスラム教の非常に有名な風習ですが、そうそうお目にかかれるものではないですし、2D映像とは違い、観光しているような感覚にもなります。
他国の紛争は他人事じゃない!紛争でさえもリアルに感じるVR
日本に住んでいるとどうしても中東の方の紛争について知る機会は少なく、遠い世界の話だという風に感じます。ただ、彼らの生活のリアルを知る、という意味では、VRは十分な役目を果たし、より身近な存在にするかもしれません。
こちらはThe New York Times から、イラクの都市ファルージャの戦闘の動画です。
VRジャーナリズムが革新的なのは、こういった到底経験し得ない、世界の果ての出来事まで360度見渡すという体験ができることです。
かつては軽薄な感情しか抱かなかった物事についても、なんとなく身近な話題に変えてくれるような気がします。
実は日本でも始まっていた! あのNHKが手がけるVRメディアとは?
(引用元:http://www.nhk.or.jp/d-navi/vr/)
ここまで海外での事例を紹介してきましたが、実は日本でもVR技術を使ったメディアが存在しているんです。
なんと手がけているのはあのNHK。「NHK VR NEWS」と銘打って、さまざまなニュースを届けています。
例えば、東日本大震災、熊本地震の被災地や、福島第一原発などの国内のトピックから、トランプ氏の就任式に至るまでVRで届けていて、非常に興味深い…
今後日本でもどんどん広がってきそうな予感がします。
「伝える」の手段としてのVR
これまで見てきたように、VRジャーナリズムは視聴者に正確かつリアルな情報を届けるという役目を果たし、今後ジャーナリズムに新しい風を吹かせそうです。また、現在のこのスマホの普及率が追い風となることは間違いないかと。
ただ、なんでもかんでもVRで届ければ良いというわけではなくて、VRジャーナリズムにはトピックの向き、不向きがあります。経済ニュースをVRで届けるなんて想像もつきませんしね。でもその場の空気感を届けるにはもってこいです。
今後VRジャーナリズムは届ける側と受け取る側の感覚のギャップを徐々になくしていく。
「伝える」ための手段としてこの技術がどんどん広がっていくと良いですね。
「BITA デジマラボ」掲載のオリジナル版はこちらVR×ジャーナリズムって知ってる?360度見渡せる新しい報道のあり方2017/08/02
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