写真撮影の失敗を減らす「ピント」と「構図」のコツ(第3回)
ウェブサイト用かどうかに関わらず、写真撮影の基本は「ピント」と「構図」を理解することです。第3回では、撮影の失敗を少しでも減らすために不可欠な「ピント」と「構図」を、実例を交えながら解説します。
すべてを台無しにしてしまうピントのズレ
撮影した写真をパソコンのモニターで表示してみると、「一番見せたい被写体」にピントが合っていない、ボケているという悲しい体験をしたことはありませんか。
- いろいろと試行錯誤して決めた構図
- 背景にも気を配った被写体セッティング
- 屋外で、日の差し方などが好条件になるまで待って撮影
などの努力がすべて無になりかねないのが、撮影時のピントのズレです。
ピントを外さないポイントは次の通りです。
- カメラに表示している「フォーカスポイント」(マーク)が、もっとも強調したい被写体にあたっているかを落ち着いて確認しましょう。
- 撮影後すぐにパソコンのモニターで確認できないときは、カメラの液晶モニターで「拡大表示」し、意図したところにピントが来ている(クリアに写っている)か確認しましょう。
- オートフォーカス(AF)でピントがどうしても外れてしまったり、一番あわせたいところにフォーカスポイントをあわせられない時は、マニュアルフォーカス(MF)に切り替えて撮影しましょう。マニュアルフォーカス(MF)とは、レンズのフォーカスリングを自分で回しながらピントをあわせる方法です。
ピントは「前ピン」(カメラに近い被写体にあわせる)が基本ルールです。
「ライト」と「椅子やテーブル」の関係のように「重要かつ目に付く大きな被写体」にピントを合わせることが大切です。いくら店を印象付ける「大切なライト」とはいえ、写真のほとんどがボケてしまうと説明写真として伝えたい情報が伝わりません(第2回「撮影する写真は2種類」※「はじめてWEB」は
サービスを終了しましたを参照)。
一回で決まらなければ何パターンか撮影し、比較の上で取捨選択できるようにしておくことをおすすめします。
構図は「分割」と「遠近」+「アングル」できまる
構図の考え方は「2分割構図」「3分割構図」「遠近感構図」などが有名です。
これらを意識すると、見た目に「安定感のある写真」に仕上がりやすいです。
通常の写真撮影では、被写体を真ん中にした「日の丸構図」はあまりよくないとされています。ウェブサイト用の写真としては、撮影者が写真の意図を伝えやすく、ユーザーにとってもわかりやすいので、「説明写真」として使用するのは良いでしょう。
近景(近い被写体)である船も右2/3に納まっています。
3分割構図は何も置かないスペースを作る目的もあり、そこにテキストを配置しやすくなるメリットもあります。
上から見下ろすと「説明写真」を意味し、水平に近づくほど「イメージ写真」を意味します。
縦に長い缶や瓶、プラスチックボトルなどは真横(水平)にカメラを設置することで、ゆがみの無い見た目通りの写真が撮れます。
人物を例にします。
水平位置で撮影すると、見た目通りの撮影ができます。見下ろして撮影すると、被写体は小さく写ります。見上げて(あおって)撮影すると、被写体は大きく見えます。
観光地などでは、カメラマンが立ったままの目線で、スナップ写真を撮影する光景をたびたび見かけます。
結果、顔や上半身が大きく、かつ足が短く写ってしまいます。
全身を写す場合は、カメラマンが中腰か膝を着きカメラを少しあおると「足が長く見え、スタイル良く」写ります。特に女性を撮影する時には、お勧めします。
アングルに正解はありません。
被写体が美しく、バランスよく見えるには、また、魅力がユーザーに伝わるにはどの角度が良いのかを考え、いろんなパターンで撮影してみましょう。
「引き」と「寄り」を使い分け、良さをアピールする
ワイドに撮影をすると「説明カット」となります(第2回「撮影する写真は2種類」※「はじめてWEB」は
サービスを終了しましたを参照)。
ワイドに撮影するとレンズの特性上、ピントが手前から奥まで合いやすくなります。
これを被写界深度が深くなるといいます。
撮影時に被写体に近づき、被写体の特徴を拡大して撮影すると、ピントが合っている距離が短くなり重要なところ以外がボケやすくなります。
これを被写界深度が浅くなるといいます。
まとめ
- オートフォーカス(AF)でピントを合わせる際は、一番大切なところにフォーカスポイントがあたっているかを落ち着いて確認しましょう。
- 何度撮影してもピントがずれてしまう場合は、マニュアルフォーカス(MF)も試してみましょう。
- アングルに正解はありません。被写体が「バランス良く」「美しく」見える角度と距離を常に考えて撮影しましょう。
- 被写体をアップで撮影することで、魅力的な写真に変化します。その際は一番見せたいところに確実にピントをあわせるようにしましょう。
第4回では、手ごわい逆光を見方につける「露出補正」について解説します。
このコーナーのコンテンツは、KDDI提供の情報サイト「はじめてWEB」掲載の「エキスパート(専門家)コラム」の情報を、許諾を得てWeb担の読者向けにお届けしているものです。
※「はじめてWEB」のオリジナル版は掲載を終了しました
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