企業ホームページ運営の心得

グーグルのビッグデータで簡単サイト改善、アドセンスのアドバイス活用術

グーグルのサイト診断をもとに広告効果を改善
Web 2.0時代のド素人Web担当者におくる 企業ホームページ運営の心得

コンテンツは現場にあふれている。会議室で話し合うより職人を呼べ。営業マンと話をさせろ。Web 2.0だ、CGMだ、Ajaxだと騒いでいるのは「インターネット業界」だけ。中小企業の「商売用」ホームページにはそれ以前にもっともっと大切なものがある。企業ホームページの最初の一歩がわからずにボタンを掛け違えているWeb担当者に心得を授ける実践現場主義コラム。

宮脇 睦(有限会社アズモード)

心得其の343

ウェブ担当者の仕事とは

ネットに転がる様々な成功法則(アドバイス)を試してみても、記事にあるほどの効果は得られず、別のアプローチを試すも狙い通りになどならず。むしろ何もしないときにアクセス数が増え、ネット通販の注文が伸びモチベーションが下がる。私の知る限り、大半のウェブ担は同じような状況で、思い通りの結果が得られたことを勝ちとするなら「1勝9敗」で合格点、「2勝8敗」で嬉しい誤算といったスコアです。

そして「0勝10敗」になっても「徒労」ではありません。「無意味な方法」を知ったという「経験値」が高まるからです。だから大切なことは、まず「10戦する」こと。ウェブ担当者の仕事とは、試行錯誤と右往左往の繰り返しといっても過言ではありません。

今回はそんな日々からすんなりと「一勝」した事例をご紹介。2か月で23%の収益アップに成功しました。

アドセンスの小銭

「アドセンス」とはグーグルが提供するアフィリエイトプログラムです。コンテンツに連動して表示された広告を訪問者がクリックすると、小銭がチャリンと転がり込むもので、「コンテンツ連動型広告」ともいわれます。

一般論としてクリック率は0.5%弱で、クリック単価は40円前後。本業以外で運営するサイトや、ブログの訪問者のマネタイズ(換金)を狙い設置していますが、ストリートミュージシャンが目の前においた空き缶で集めるぐらいの稼ぎに過ぎず、真剣に取り組んではいませんでした。

しかし、昨年夏の終わりごろだったでしょうか。たまった小銭を見てニヤニヤしようとアドセンスにアクセスすると、警告を意味するだろう黄色や赤のアイコンが並び、改善を要求するメッセージが表示されていました。貯まった小銭は、私の心の福利厚生。アドセンスからの「指示」を無視したのは、心の福利厚生の邪魔をされたくなかったからです。

消費者心理の裏表

ざっくりと見ていたので、サービス改善の時系列に相違があるかもしれませんが、9月のある日、アドセンスのアドバイスに、

収益が20%アップします

と表示されるようになりました。数字で示されると弱いのは、曲がりなりにも経営者の端くれだからです。示された数字を電卓でたたいたのは、アドセンスの予言通りになったと仮定したときの「逸失利益」を知るためです。別の機会に紹介しますが、得られるものより失っていくものを示される方が動く消費者心理もあるのです。

ウェブサイトは24時間365日、こちらがなにもしなくても無人で働き続ける営業マン。わずかな改善で、収益が上がるのであれば、取り組まないのは「損」。ウェブ担当者なら当たり前の結論に、電卓を叩いてようやく気がつきます。そして、アドセンスのアドバイスに従ってみることにしました。

サイトの通知表

アドセンスのアドバイスは「モバイル向け」と「パソコン向け」に分かれ、それぞれに「キャッシュ」「レンダリング」「速度」「画像」「HTML」などと細かな改善策が表示される、いわば「サイトの通信簿」です。私の場合は、ほとんどの問題が「表示速度」にありました。

改善策の1つとして、「キャッシュ」の活用が示されます。正確には「ブラウザのキャッシュを活用する」とあり、説明には次のようにあります。

的リソースのHTTPヘッダー内で、有効期日や最大経過時間を設定すると、ブラウザがネットワークからではなくローカル ディスクから以前にダウンロードしたリソースを読み込むようになります(アドセンスより引用)

すると次に「キャッシュ可能なリソース」の一覧が表示されます。技術的な要素も含むため、ここでは詳細に触れませんが、サーバーの設定により一括で修正する方法もあり、意外と手間のかからないものもあります。

ウェブ担当者として、いくつかの問題が表示されるなか、まずはできることだけにチャレンジします。最大の理由は、その時点では半信半疑だったからです。

23%アップの内訳

アドセンスのアドバイスは、広告を掲載している人気のコンテンツに限られています。コンテンツごとのケアが必要なアドバイスも、それらだけへの対応とし、2つのサイトと1つのブログに手を加えても数時間で作業は完了しました。

作業が完了したのは10月の終わりごろ、そして翌11月の広告収入が前月対比16%アップします。結果に気をよくして、もう少しだけ手を加えたところ、12月は前月比で6%アップし、改善前の対10月比では23%の収益増です。

PV(ページビュー、閲覧ページ数)はといえば、16%増となった11月のPVが、10月のPVとの比較で94%と下がっています。アドセンスを掲載しているサイトの1つは、ときどきテレビで紹介されることもあり、そのときは収益が上振れしますが、この期間はこうした「異常値」がなく、アドセンス先生の指導による「増益」とみてよいのではないでしょうか。さらに副次的な効果か、これまでほとんど売れなかった別のアフィリエイトプログラムの売上が立つようになったことは嬉しい誤算です。

サイト効果を確認

アドセンス先生の教導のなかに「スクロールしないで表示される場所への広告表示」というものがありました。経験のあるウェブ担当者にとっては当たり前かもしれませんが、これは一般的なコンテンツ制作にも通じる教えです。訪問者のすべてがスクロールをしてくれる訳ではなく、まず「目の当たり」にさせることが肝心だという教えです。

ただし、アドセンスの金言は、あくまでアドセンス広告からの収益増を目指すものです。そのため広告の表示位置や大きさの指定のように、コンテンツの目的から実現できないものも多々あります。また、モバイル向けの指導は面倒……コホン、手間のかかるものもあり、今後の課題としてユーザビリティの指導もありますが、「ちっ、うるせーな」とそこはスルーします。まずはできること、いや、できることしかできないのですが、それを「やる」ことがウェブ担当者の右往左往……もとい、仕事です。

もっとも、勝利の理由を冷静に考えれば当たり前の話です。このアドバイスは、アドセンス(グーグル)が集めた膨大な利用履歴=ビッグデータをもとにしたもの。つまり、「アドセンス」とは小銭をいただきながら、ビッグデータから利用者の行動傾向を学ぶことができるサービスなのです。

今回のポイント

アドセンスは表示速度など、見落としがちな改善を指摘してくれる

グーグルの知恵(ビッグデータ)を拝借

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