編集部ブログ―池田真也

ユーザーテストをもとにしたリニューアルで満足度を向上テクニカルイノベーション部門グランプリ「日本マイクロソフト ホームページ」(日本マイクロソフト株式会社)

ユーザーテストをもとにしたリニューアルで満足度を向上
テクニカルイノベーション部門グランプリ
日本マイクロソフト ホームページ」(日本マイクロソフト株式会社)

浜野 努氏
日本マイクロソフト株式会社
浜野 努氏

初参加でテクニカルイノベーション部門を受賞したのは、フォーラム開催時点でバージョン16になるという「日本マイクロソフト ホームページ」だ。マイクロソフトのホームページができたのは1999年のころ。当時はco.jpの独自ドメイン名サイトを持っていたが、その後グローバルでデザインが統一されたと、日本マイクロソフト セントラルマーケティング本部 デジタル&イベントマーケティンググループ シニアマネジャーの浜野努氏はこれまでの歩みから説明した。

なお、グランプリエントリー当時のページは、個人と法人をイメージする人の写真を選択することでコンテンツを切り替えていたが、わかりづらいという意見があったことから変更している。こうしたデザイン変更は、本社から各国へデザイン統一が進められていると浜野氏は話す。

続いて浜野氏は、マイクロソフトがリニューアルする際の取り組みを紹介した。マイクロソフトではユーザビリティに力を入れており、大きなリニューアルでは必ずユーザーテストを行うという。さらにベータテストを実施し、アクセスしたユーザーの約5%にベータページを見せてアンケートを取り、リニューアルしたページの満足度が高いとわかったら、正式にリリースするという手順だ。現在のページは以前と比べて8ポイントほど満足度が向上したという。

サイト制作は本社をメインに、すべて社内リソースで行う。日本マイクロソフト全体のホームページは、正社員6名と派遣スタッフによって運営されており、Microsoft.comに関しては、社員1名と専任の派遣スタッフ2名で運営し、レポート/バナー作成、リンク変更などすべて対応していると、浜野氏は説明した。

サイトに掲載するバナーは、顧客を誘導できる貴重なアセットであることから、経営戦略上の優先度をもとに決められ、リクエストがあって何かを掲載することはないという。また、ステークホルダーが多岐にわたることから、すべての顧客にきちんと情報が出せるように、ターゲティングにも力を入れて開発されている。同社にとっては、利用しているOSやブラウザは重要なマーケティング項目であることから、OSやブラウザによってメッセージを自動的に変える機能も設けている。

今後の課題としては顧客満足度の向上が挙げられた。ホームページ上では毎日満足度調査を行っているが、グローバルで比較したとき、日本の満足度は低いという。「厳しい日本のお客様にも満足いただけるページをつくることが課題。サイトに来たお客様に目的の情報にたどり着いていただくことを使命としていますので、いかに目的を達成いただくかということ、弊社でディスカバラビリティと呼ばれている部分をこれからも良くしていきたい」(浜野氏)

講演者インタビュー動画(動画、動画制作/配信技術協力:株式会社Jストリーム

既婚女性をターゲットにガス炊飯の魅力を訴求
コンテンツ企画&ライティング(B2C)部門グランプリ
火で炊くコンロでごはん生活」(大阪ガス株式会社)

八木 一平氏
大阪ガス株式会社
八木 一平氏

コンテンツ企画&ライティング(B2C)部門を受賞したのは、2011年6月に公開された、ガス炊飯の体験情報サイト「火で炊くコンロでごはん生活」だ。サイトの全体の目的は、「電気炊飯器が登場し、炊飯の9割が電気で行われるようになったのが炊飯文化の歴史。ガスでご飯を炊くと美味しいというのを知ってもらうため、20~40代既婚女性ターゲットに、まずガス炊飯を体験してもらおうというもの」だと、大阪ガス リビング開発部 PRチームの八木一平氏は説明した。

「火で炊くコンロでごはん生活」の特徴は、特別な調理器具を用意せず、家庭にある様々なお鍋でご飯を炊くための情報を提供している点だ。動画もメインコンテンツとして用意されている。また、極力自社名を出さないことも重要で、単に宣伝色をなくすだけでなく、協業への敷居を下げる効果もあるという。実際、「火で炊くコンロでごはん生活」を通じて機器メーカーとのコラボも実現された。

サイトオープンからさほど手を加えずに、月間2万のアクセス、トータルでは15万アクセスを突破し、ウェブだけでなくリアルイベントにも出展した。最後に八木氏は、今後の展開として、季節レシピの拡充、マイクロフォーマットの導入、フードインストラクターによる企画などを考えていることを話した。

ショールーム運営の実務に適した案内サイトを構築
商品・製品・サービス紹介部門グランプリ
厨BO!SHIODOME」(東京ガス株式会社)

戸田 史子氏
東京ガス株式会社
戸田 史子氏

続く講演では、東京ガスが受賞した2つのサイトについて紹介された。1つ目は、商品・製品・サービス紹介部門グランプリを受賞した、飲食店やプロの料理人をターゲットにした体験型業務用厨房ショールーム「厨BO!SHIODOME」のウェブサイトだ。2010年10月にオープンした「厨BO!SHIODOME」は、従来と比較して約3倍の来場者数を見込む、新しいショールームの運営をスムーズに行うための方法として制作が検討されたと、東京ガス 都市エネルギー事業部最適厨房推進チーム副課長の戸田史子氏は話す。

「厨BO!SHIODOME」の予約システムは、事前にどういった人が来るのか、様々な業種・職種の顧客からの申し込みに少ないスタッフで対応し、間違いなく対応できることを目標に構築されたという。予約受付担当は4名、1日6組の来場者を案内することが想定されている。現在の見学は月に約60件、2割の見学者はウェブで申し込むという。

制作のポイントとして、戸田氏は「ショールーム誘引への動線を強調したレイアウト」「コンテンツはわかりやすく」「2スクロール以内の表示に押さえる(標準閲覧環境で)」といった点を挙げた。Facebookページも開設している。海外の経営者はFacebookを利用していることが多く、コミュニケーションするのに効果的だという。

最後に戸田氏は、昨年の企業ウェブ・グランプリの審査員コメントを参考に「専門のみなさまから情報をいただいて改善を行いました」と、改善点を説明した。セミナー情報から詳細へのリンクがないという指摘には、日付から詳細リンクへと飛べるようにして解決し、ページ下の余白がもったいないという意見から、イベント・セミナー申し込みの導線がファーストビューで見えるようにした。視認性を高めるため、文字サイズも調整している。今後はさらに、予約をより簡単に行えるようにすること、古いセミナー情報がリンクとして残っている点などの課題を解決したいという。

講演者インタビュー動画(動画、動画制作/配信技術協力:株式会社Jストリーム

小学生にもわかりやすく、臨場感の伝わる表現で構築
地球環境とエコロジー部門グランプリ
どんぐりプロジェクト」(東京ガス株式会社)

小町 圭子氏
東京ガス株式会社
小町 圭子氏

続いて、東京ガス 広報部 社会文化センター主任の小町圭子氏から、地球環境とエコロジー部門グランプリの「どんぐりプロジェクト」が紹介された。

「どんぐりプロジェクト」は、環境保全と環境プログラムを通じて、環境を守ることの大切さを知ってもらうためのサイトだ。より多くの人にプロジェクト参加してもらうのが一番の目的で、参加者に振り返ってもらうために活用してもらいたいと、小町氏は話す。主な活動は、間伐のデモンストレーションや苗木の植樹体験を行う「森づくり」、動物や森の素材と触れ合う「自然体験プログラム」などで、専門家と一緒に行う森でしか体験できないプログラムが人気だという。

続いて、小町氏は2011年リニューアルした際のポイントとして、複雑だったサイト構成をシンプルにし、告知と活動報告をメインに情報を絞ったこと、来た人にすぐスクールがあるとわかるように告知したこと、対象が小学生のため、わかりやすく、かつ森の情景が思い浮かぶような臨場感のある表現に画面のつくりや文章表現を工夫したこと、などを明かした。こうしたリニューアル作業は、「どんぐりプロジェクト」を企画する東京ガスのグループ会社に依頼したため、非常にスムーズだったという。

審査員からは、小学生と家族が理解できるプロジェクトの趣旨説明があった方がよい、間伐、植樹などの専門用語をわかりやすくした方がよい、といった指摘があり改善予定だという。

講演者インタビュー動画(動画、動画制作/配信技術協力:株式会社Jストリーム

お客様の購買活動に役立つ業務支援サイトへ
コンテンツ企画&ライティング(B2B)部門グランプリ
制御機器入門」(パナソニック電工株式会社)

岩見 泰志氏
パナソニック電工株式会社(現、パナソニック)
岩見 泰志氏

コンテンツ企画&ライティング(B2B)部門グランプリを受賞したのは、パナソニック電工(2012年1月よりパナソニック)の「制御機器入門」だ。電子回路設計や研究開発者の知識スキルサポートを行うという同サイトについて、パナソニック電工 制御機器ビジネスユニット マーケティンググループ 制御機器サイトウェブマスターの岩見泰志氏が説明した。

「制御機器入門」は、制御機器サイト内のいちコンテンツとして、これから制御機器に関わっていく人に向け、知識・スキルサポートを行い、今後興味を持ってもらい、将来の有料顧客になってもらうことを目的にしていると岩見氏は説明した。コンテンツは新人営業向け資料やカタログなどから流用しており、基本的にコストはかけない方針だという。一方で、岩見氏は本音として「買って使っていただくことで好感が生まれると思っている」とも話す。「購買関与者の方すべてが制御機器について知っているわけではなく、決裁者も設計から来た方とは限らない。つまりは、そうした方たちに買ってもらうためのサイト」(岩見氏)

サイトは“入門”と名付けられているが、BtoBのビジネスサイトとして、販売促進、製品採用率向上に寄与するサイトとするのが目的だ。コンテンツは入門、初級、中級とする方法もあるが、お客様の仕事に役立つ、購買活動に使ってもらえる、オンデマンドの業務支援サイトを目指したいと岩見氏は話す。

続いて岩見氏は、サイトの前提として重要なのが、実際の購買行動がどうなっているのかを知ることだと話し、2011年にWeb広告研究会で行ったBtoBの購買プロセスの調査結果を示した。情報収集から始まり、要件定義、業者選定など、それぞれの購買プロセスでどのような行動を行っているか、行動特性を追いながら、購買につなげることを考えているという。また、会員へのアンケートを行い、購買者の行動から逆算して重要なプロセスを分析することもしているという。

最後に岩見氏は、あくまで個人的な考えだとしたうえで、「制御機器入門は、いわゆる商品軸のサイト構成になっているが、仕事軸をベースにした業務支援を目指して進めたいと考えている。ただし、実作業は若手にまかせているため、実際にそうなるかはわからない。彼らにはコンテンツ、機能、仕組みを、いちから考えてもらいたい。何か問題があれば、担当者が怒られながら直して育つようにしている。そうすることで、将来サイトの在り方が変わったとしても対応できる」と、グランプリ審査員からの指摘を若手社員がどのように改善していくのか見守っていきたいと話した。

講演者インタビュー動画(動画、動画制作/配信技術協力:株式会社Jストリーム
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